洛南高等学校は、京都、そして全国にその名が知られる屈指の進学校です。東京大学や京都大学をはじめとする最難関大学へ毎年多くの合格者を輩出するその輝かしい実績は、多くの受験生にとって憧れの的でしょう。しかし、この学校の魅力は、ただ学力が高いというだけではありません。勉強はもちろんのこと、部活動や学校行事にも「すべてに全力で取り組む」という熱い情熱が、洛南高等学校のもう一つの顔です。
高い目標を掲げるあなたにとって、洛南高等学校での3年間は、その夢を実現するための最高の舞台となるかもしれません。ここでは、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出すための環境が整えられています。最難関大学への挑戦、全国大会での活躍、仲間と共に創り上げる一生の思い出。あなたが思い描く高校生活が、ここにはあります。
このページでは、単なる偏差値や進学実績の数字だけでは伝わらない、洛南高等学校の「本当の姿」を、進学アドバイザーの視点から詳しくお伝えします。校風や日々の生活、在校生のリアルな声を通して、あなたがこの学校で輝く姿を具体的にイメージできるよう、親身にサポートします。さあ、一緒に洛南の扉を開けてみましょう。
洛南高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、正確な情報を把握しておくことはとても大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 洛南高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 共学 |
所在地 | 〒601-8478 京都市南区壬生通八条下る東寺町559番地 |
代表電話番号 | 075-681-6511 |
公式サイトURL | https://www.rakunan-h.ed.jp/ |
洛南高等学校の偏差値・難易度・併願校
洛南高等学校がどれくらいの難易度なのか、具体的な数字と合わせて見ていきましょう。目標設定や併願校選びの参考にしてください。
学科・コースごとの偏差値
洛南高等学校には、目標に応じて二つのコースが設置されており、それぞれ偏差値が異なります。
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普通科 空(Sora)パラダイム: 偏差値 74〜75
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普通科 海(Umi)パラダイム: 偏差値 70〜71
偏差値75という数字は、京都府内ではトップクラスであり、全国的に見ても最上位に位置することを意味します。これは、入学するためには非常に高い学力が求められることの証です。
難易度のイメージと内申点
偏差値70を超えるレベルは、京都府の公立トップ校である堀川高校(探究学科群)や西京高校(エンタープライジング科)などと並ぶ、最難関レベルです。
私立高校のため、合否は主に入学試験の点数で決まります。もちろん、高いに越したことはありませんが(合格者の中には中学時代の成績が45段階評価で42だった生徒もいます)、もし学校の成績(内申点)に少し不安があったとしても、当日の試験で高い得点を取ることができれば、十分に合格の可能性があります。「内申点が足りないかも」と諦める必要は全くありません。入試本番での逆転を目指して、学力向上に集中しましょう。
主な併願校
洛南高等学校を受験する生徒が、併願先として選ぶことが多い学校は以下の通りです。
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私立高校:立命館高校、同志社高校、大谷高校(バタビア・マスター)などが主な併願先として挙げられます。関西圏の最難関を目指す生徒層が受験するため、奈良県の西大和学園高校や兵庫県の灘高校などを第一志望とする生徒が併願することもあります。
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公立高校:京都府内の公立高校を第一志望とする場合、堀川高校(探究学科群)、嵯峨野高校(京都こすもす科)、西京高校(エンタープライジング科)などを受験する生徒が、洛南高等学校を併願するケースが多く見られます。
洛南高等学校に設置されている学科・コース
洛南高等学校には、普通科の中に「空パラダイム」と「海パラダイム」という二つのユニークな名前のコースがあります。これは単なる学力別のクラス分けではなく、生徒一人ひとりの目指す未来に合わせた学びの道を示す、学校の教育哲学が込められています。
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普通科 空(Sora)パラダイム
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どんなことを学ぶ?:東京大学や京都大学、国公立大学医学部といった最難関大学への現役合格を目指すコースです。高校の学習内容を早期に終え、残りの期間を受験対策のハイレベルな演習に充てる、加速型のカリキュラムが特徴です。まさに「知の高み」を追求する場と言えるでしょう。
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どんな生徒におすすめ?:学問をとことん突き詰め、日本のトップレベルの大学で学びたいという強い意志を持つ生徒に最適です。
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普通科 海(Umi)パラダイム
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どんなことを学ぶ?:高いレベルの学業と、全国レベルの部活動などを両立させることを目指すコースです。スポーツ推薦で入学する生徒もこのコースに所属します。学習面でも高い水準を維持しつつ、「多様な自己実現」を尊重する、懐の深い学びの場です。
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どんな生徒におすすめ?:勉強だけでなく、スポーツや文化活動でも日本一を目指したい、あるいは高いレベルで両立させたいと考える生徒にぴったりです。
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この「空」と「海」という命名には、天高く一つの頂を目指す生き方(空)と、広く豊かな可能性の海へ漕ぎ出す生き方(海)の両方を尊重するという、学校の深い教育観が表れています。自分の強みや高校生活で成し遂げたいことに合わせて、最適な道を選ぶことができるのです。
洛南高等学校の特色・校風
「超進学校」というイメージが強い洛南ですが、実際の学校生活はどのような雰囲気なのでしょうか。キーワードと共に、生徒たちのリアルな日常に迫ります。
キーワード:文武両道、質実剛健、規律重視、活気ある雰囲気
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宿題の量:進学校ということもあり、宿題や課題の量は多い傾向にあります。特に、週に一度行われる数学のテストなど、日々の学習習慣が非常に重視されており、楽な道のりではありません。しかし、この積み重ねが圧倒的な学力に繋がっています。
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校則(スマホ、服装など):校則は、他の高校と比較して厳しいという声が多く聞かれます。特にスマートフォンの使用は厳しく制限されており、校内で持っているのが見つかっただけで指導の対象になることもあるようです。また、男子の頭髪指導は厳しく、短髪が基本とされています。女子の校則は男子に比べると少し緩やかだという意見もあります。制服は一般的なブレザータイプで、着こなしに関するルールは厳しいですが、「慣れれば気にならない」という声もあります。
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生徒たちの雰囲気:校則は厳しいものの、生徒たちは非常に活気があり、エネルギッシュです。勉強だけでなく行事の準備などにも全力で取り組み、クラスの団結力は非常に強いようです。真面目な生徒が多いですが、決して堅苦しいわけではなく、男女の仲も良く、恋愛を楽しむ生徒も多いという口コミもあります。
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アルバイト:学業と部活動に非常に力を入れている学校の方針や、校則の厳しさから、アルバイトは原則として認められていないと考えるのが自然です。
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制服の評判:制服自体は一般的なブレザーで、特に個性的というわけではありません。評判は可もなく不可もなくといったところですが、学校指定のリュックが導入され、重い教科書を入れての通学が楽になったという声もあります。
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土曜授業:最難関大学を目指す進学校として、授業時間を確保するために土曜日にも授業や講習が行われることがあります。
この学校の厳しさには、実は明確な意図があります。弘法大師(空海)が開いた日本最古の私学「綜藝種智院」を源流とする洛南は、仏教の教えに基づいた人間教育を大切にしています。「乱雑な環境からは落ち着きのある人間は生まれない」という考えのもと、規律や清潔さを重んじることで、生徒が学問に集中できる「清浄な空間」を意図的に作り出しているのです。スマホなどの distractions を減らし、高い目標に集中するための環境デザイン。それが洛南の校風の根幹にあると言えるでしょう。
洛南高等学校の部活動・イベント
「勉強ばかり」というイメージを覆すのが、洛南の活発な部活動と熱気に満ちた学校行事です。
部活動
洛南では、約9割の生徒が部活動に加入しており、学業との両立が奨励されています。体育系クラブには、全国の頂点を目指す「Ⅰ部」と、体力づくりや仲間との交流を目的とする「Ⅱ部」があり、自分のレベルや目的に合わせて活動できるのが大きな特徴です。この仕組みがあるからこそ、誰もが部活動を楽しみ、学校全体に活気が生まれるのです。
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陸上部:インターハイで何度も総合優勝を飾る、全国屈指の名門クラブです。体育祭での彼らの圧巻の走りは、多くの生徒にとって憧れの的となっています。
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バスケットボール部:陸上部と並び、全国大会の常連です。日本代表選手を輩出するなど、常に高いレベルで活躍しています。
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吹奏楽部:全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞した実績を持つ、京都府を代表するバンドです。コンクール前の「洛南ファイト!」という独特の掛け声や、東寺での法要で演奏するなど、学校の伝統と深く結びついた活動も行っています。
イベント
洛南の学校行事は、生徒と教員が一丸となって創り上げる、熱気に満ちた一大イベントです。
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体育祭:広大な向島グラウンドを舞台に、クラス対抗で熱戦が繰り広げられます。特に、応援団や各競技でのパフォーマンスは見ごたえがあり、学校全体が最高潮に盛り上がります。
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文化祭:毎年秋に2日間にわたって校内で開催されます。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行い、多くの来場者で賑わいます。「一人一人が煌めく星に」といったスローガンのもと、生徒の自主性が輝くイベントです。
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修学旅行・学習合宿:仲間との絆を深める修学旅行や、学力向上のための学習合宿も、洛南での大切な思い出の一つです。
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御影供(みえいく):毎月21日の弘法大師の命日に行われる、洛南ならではの宗教行事です。講堂で仏教に関する講話を聞き、自らの生き方について考える作文を書くというもので、自分自身と向き合う貴重な時間となっています。
洛南高等学校の進学実績
洛南高等学校の教育の成果は、その圧倒的な大学進学実績に明確に表れています。関西トップクラス、全国でも有数の進学校としての地位を不動のものにしています。
特に、京都大学への合格者数は毎年全国トップを争い、国公立大学医学部医学科への進学者数も日本一に輝くなど、最難関への挑戦において驚異的な実績を誇ります。
主要大学合格実績 (2024-2025年度参考)
最新の合格者数は変動しますが、近年の実績として以下のような大学に多数の合格者を出しています。
大学分類 | 主な大学名 | 合格者数(参考) |
最難関国公立大学 | 東京大学 | 12〜23名 |
京都大学 | 69〜83名 | |
国公立大学医学部医学科 | – | 77名(国公立大合計) |
難関国公立大学 | 大阪大学、神戸大学など | 多数 |
難関私立大学(関東) | 早稲田大学、慶應義塾大学 | 合計30名以上 |
難関私立大学(関西) | 同志社大学、立命館大学など | 合計180名以上 |
実績を支える学習サポート
これらの輝かしい実績は、質の高い授業はもちろん、手厚い学習サポート体制によって支えられています。
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補習・講習:長期休暇中の講習や、日常的な補習、大学入試に特化した特別講座などが豊富に用意されています。
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学習合宿:集中して学習に取り組むための勉強合宿が実施され、学力だけでなく精神的な強さも鍛えます。
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洛南タイム:放課後の時間を利用し、希望者が京都大学の現役学生から個別に勉強を教えてもらえるという、非常にユニークで効果的なサポート制度があります。少し年上の先輩から、実践的なアドバイスをもらえる貴重な機会です。
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進路指導:長年の経験と豊富なデータに基づいた、的確で丁寧な進路指導が行われます。
特に医学部への進学実績は、学校の大きな強みです。これは、単に学力が高い生徒が集まっているだけでなく、医学部受験に特化したノウハウや指導体制が確立されていることの表れでしょう。医師を目指す生徒にとって、これ以上ない環境が整えられています。
洛南高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、洛南高等学校ならではの強みや魅力をまとめました。
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二つの頂点を目指す「空・海パラダイム」
学問の頂点を極める「空」と、文武両道で多様な才能を輝かせる「海」。二つのコース設定は、生徒一人ひとりの異なる「エクセレンス(卓越性)」を追求する学校の哲学そのものです。
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全国レベルの文武両道を実現する「クラブ2部制」
トップアスリートが所属する「Ⅰ部」と、誰もがスポーツを楽しめる「Ⅱ部」を分けることで、全校生徒が高いレベルでの文武両道を実践できる環境を整えています。これが学校全体の活気の源です。
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圧倒的な医学部進学実績
国公立大学医学部合格者数で全国トップクラスを誇ります。これは、医学部受験に特化した高度な指導力とサポート体制が確立されている証です。
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仏教の教えに根差した「人間教育」
弘法大師の教えを礎とし、毎月の「御影供」などを通じて、礼儀や自律心、他者への貢献といった精神を育む人間教育を重視しています。知性だけでなく、豊かな人間性を育む場です。
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学校全体で盛り上がる熱い学校行事
体育祭や文化祭は、生徒と教員が一体となって創り上げる一大イベント。勉強の合間に仲間との絆を深め、最高の青春を謳歌できる瞬間が数多くあります。
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京大生による個別指導「洛南タイム」
現役の京都大学の学生から直接、個別指導を受けられるユニークな制度。目標となる先輩から、勉強法や大学生活についてリアルな話を聞ける、非常に価値のある機会です。
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世界遺産・東寺に隣接する歴史と伝統の学習環境
校舎は世界遺産である東寺のすぐそばにあります。1200年以上の歴史を持つ学びの聖地で過ごす3年間は、他では得られない特別な経験となるでしょう。
洛南高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生、保護者から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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最高の学習環境:「先生方の指導が非常に熱心。周りの生徒のレベルも高いので、自然と勉強への意欲が湧いてきます」。「学校の授業だけで十分なくらい、先生の専門性が高い」という声が多数あります。
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勉強も行事も全力投球:「勉強だけの学校だと思っていたけれど、体育祭や文化祭に本気で取り組む姿を見て安心しました」。「厳しい中にも確実に青春があり、男女仲も良く毎日が充実している」といった、学校生活の楽しさを伝える声が目立ちます。
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手厚いサポートと面倒見の良さ:「学習面での面倒見が非常によく、学校のカリキュラムをこなせば難関大学に合格できる力がつく」。「進路指導も丁寧で頼りになる」という評価です。
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施設・環境の素晴らしさ:「校舎が綺麗で広々としている」「図書館が立派」など、学習環境の良さを評価する声も多いです。
気になる点
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校則の厳しさ:「スマホや頭髪に関する校則が、今の時代には少し厳しすぎるように感じる」。「自由な校風を求める人には向かないかもしれない」という意見は、最も多く聞かれる注意点です。
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先生の質に関する意見:「素晴らしい先生が多い一方で、一部には授業の質にばらつきがあると感じることも」。「塾を良く思わない先生もいる」といった声も少数ながら見られます。
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学業のプレッシャー:「毎週の小テストなど、常に高いレベルを求められるので、精神的に大変な時もある」。高い目標を持つがゆえのプレッシャーは覚悟しておく必要があるかもしれません。
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宗教的な要素:「仏教系の学校なので、毎月の御影供など宗教的な行事がある。これを独特だと感じる人もいるかもしれない」。ただし、信仰を強制されることはありません。
アクセス・通学
洛南高等学校は京都の交通の要所である京都駅からも近く、非常にアクセスしやすい場所にあります。
交通機関 | 最寄り駅/バス停 | 所要時間 |
JR/地下鉄烏丸線 | 京都駅 | 徒歩 約13分 |
近鉄京都線 | 東寺駅 | 徒歩 約10分 |
京都市バス | 東寺東門前 | 徒歩 約2〜3分 |
主な通学エリア
京都府内全域から通学が可能で、京都市内や乙訓地域はもちろん、山城地域や大阪府、滋賀県など、広い範囲から優秀な生徒たちが集まっています。多様なバックグラウンドを持つ仲間と出会えるのも、洛南の魅力の一つです。
洛南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、洛南高等学校を目指すあなたにメッセージを送ります。
洛南高等学校は、「高い目標に向かって、自らを律し、とことん努力できる人」に心からおすすめできる学校です。勉強でも部活動でも、常に最高のレベルを目指したい、刺激的な仲間たちと切磋琢磨しながら自分を成長させたい、そんな強い意志を持つあなたにとって、ここは最高の環境となるでしょう。厳しい規律や課題も、その高い目標を達成するための「追い風」だと捉えられる人なら、間違いなく充実した3年間を送れます。
洛南高等学校の入試は、まさに総合力が問われる戦いです。どの教科にも穴を作らず、バランス良く得点できる力が求められます。特に最難関の空パラダイムを目指すのであれば、応用問題まで完璧に解ききる思考力と学力の深さが必要です。日々の授業を大切にし、基礎を盤石にした上で、発展的な問題に粘り強く取り組む習慣を今から身につけてください。その努力の先に、素晴らしい未来が待っています。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。