神奈川県立海老名高等学校、通称「海老高(えびこう)」は、県央地区で活気と高い志を持つ生徒たちが集まる場所として知られています。勉強はもちろんのこと、学校全体が一体となって燃え上がる学校行事や、高いレベルで競い合う部活動など、まさに「文武両道」を地で行くエネルギッシュな学校です。高校三年間というかけがえのない時間を、ただ勉強するだけでなく、仲間と共に最高の思い出を作りながら成長したいと考える君にとって、海老名高校は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

高校選びは、これからの自分の未来を考える上でとても大切な一歩です。偏差値や進学実績といった数字だけでは見えてこない、学校の本当の雰囲気や日々の生活はどうなんだろう?そんな疑問や不安を抱えている中学生や保護者の方々のために、このページは存在します。ここでは、進学アドバイザーとして、皆さんが本当に知りたい情報を、一つひとつ丁寧に、そして分かりやすく解説していきます。

さあ、一緒に海老名高等学校の扉を開けてみましょう。この学校が持つ独特の熱気、生徒たちの輝く笑顔、そして君自身の夢を叶えるための環境がそこにあるのかを、じっくりと探る旅の始まりです。この記事を読み終える頃には、海老高での三年間が君にとってどんな意味を持つのか、きっと鮮明にイメージできるようになっているはずです。

海老名高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 神奈川県立海老名高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒243-0422 神奈川県海老名市中新田一丁目26番1号
代表電話番号 046-232-2231
公式サイトURL https://www.pen-kanagawa.ed.jp/ebina-h/

海老名高等学校の偏差値・難易度・併願校

海老名高校を目指す上で、まず気になるのが学力的なレベルですよね。ここでは具体的な数字を交えながら、その難易度を詳しく見ていきましょう。

最新のデータによると、海老名高等学校の偏差値は普通科で60から62程度です。これは神奈川県内の高校生全体の上位約16%以内に入るレベルを意味し、人気の高い進学校であることが分かります。同じくらいの偏差値の高校としては、平塚江南高校、相模原弥栄高校(普通科)、座間高校などが挙げられ、これらの学校と並んで多くの受験生が目標とする学校の一つです。

合格を勝ち取るために重要となるのが「内申点」と「学力検査(入試本番のテスト)」のバランスです。海老名高校の合格者の平均内申点は135点満点中117点前後が目安とされています。これは、中学3年生の成績で言うと、9教科のうちほとんどが「4」で、いくつかの教科で「5」が取れているイメージです。

しかし、ここで海老名高校の受験を考える上で最も重要なポイントがあります。それは、選考の比率が「内申点:3」に対して「学力検査:7」であることです。これは、中学校の成績ももちろん大切ですが、それ以上に当日の試験の点数が合否に大きく影響することを意味します。例えば、内申点が目安より少し足りなくても、当日の学力検査で他の受験生より高い点数を取れば、十分に逆転合格が可能です。この「入試本番重視」の評価方法は、試験に強いタイプの受験生にとっては大きなチャンスと言えるでしょう。

このような入試制度のため、併願校選びも重要になります。神奈川県の公立高校入試では、別の公立高校を併願することはできません。そのため、海老名高校を受験する生徒の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願校としては、東海大学付属相模高校、向上高校、横浜隼人高校、麻布大学附属高校、桐蔭学園高校などが多く選ばれているようです。

海老名高等学校に設置されている学科・コース

海老名高等学校に設置されている学科は「普通科」のみです。1年生の時点では、特別なコース分けはありません。これは、まず高校での学習の基礎を全員でしっかりと固めることを目的としています。

海老名高校のカリキュラムは、生徒一人ひとりが自分の将来を見据えて、じっくりと進路を選択できるように工夫されています。

  • 1年生:全員が共通の科目を履修し、幅広い知識の土台を築きます。特に特徴的なのは、理科において「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」の3科目すべてを学ぶ点です。これにより、文系・理系どちらの道に進むとしても、科学的な素養をバランス良く身につけることができます。将来の選択肢を狭めることなく、自分の興味や適性を見極めるための大切な一年間となります。

  • 2年生:ここから、生徒の希望進路に合わせて「文系」と「理系」に緩やかに分かれていきます。文系では国語や地歴公民、理系では数学や理科の授業時間が増え、より専門的な内容の学習が始まります。自分の得意分野を伸ばし、大学受験に向けた準備を本格化させていく段階です。

  • 3年生:大学入試本番を見据え、より実践的・応用的な学習が中心となります。生徒一人ひとりの志望校や学部に合わせた選択科目が豊富に用意されており、自分の目標達成に向けて無駄のない学習を進めることができます。最後まで学力を伸ばし、第一志望の進路を実現するための総仕上げの学年です。

海老名高等学校の特色・校風

海老名高校の魅力を語る上で欠かせないのが、その独特の校風と学校全体の雰囲気です。キーワードで表すなら、「文武両道」「自主自律」「エネルギッシュ」「行事にかける情熱」といった言葉がぴったりでしょう。

  • 宿題の量:口コミを見ると、「宿題の量はそれほど多くない」という声が多いようです。先生方は授業内での理解を重視しており、日々の学習習慣は生徒の自主性に任されている部分が大きいと言えます。ただし、テスト前や大学受験が近づくにつれて、各自で取り組むべき学習量は増えていきます。

  • 校則:全体的に見て、特に厳しすぎるということはないようです。「常識の範囲内」で自由が認められているという印象です。

    • スマホ:校内への持ち込みは許可されています。授業中は電源を切ってカバンにしまうのがルールですが、休み時間や放課後は自由に使用できます。先生によっては授業で活用することもあるようです。

    • 服装・頭髪:頭髪の染色やピアス、化粧などは禁止されています。制服の着こなしについても、スカート丈など基本的な指導は行われるようです。

  • 生徒たちの雰囲気:非常に活発で明るい生徒が多いのが特徴です。特に学校行事の際には、クラスや学年を超えて団結し、全力で楽しむ文化が根付いています。いわゆる「陽キャ」と呼ばれるような、社交的でエネルギッシュな生徒が学校生活の中心にいることが多いようです。一方で、その熱気がすごい分、少し落ち着いた環境を好む生徒にとっては、最初は圧倒されることもあるかもしれません。

  • アルバイト:校則では、家庭の事情などでやむを得ない場合を除き、原則として禁止されています。アルバイトをする場合は、学校への届け出と許可が必要です。学業や部活動との両立を最優先に考える学校の方針がうかがえます。

  • 制服の評判:制服は紺色のブレザースタイルです。男子はネクタイ、女子はネクタイとリボンから選べます。特に印象的なのが、稲穂をイメージしたと言われる金色のネクタイで、「海老高生」のシンボルとなっています。デザインについては「かわいい」「かっこいい」という声もあれば、「シンプル」という意見もあり、評判は人それぞれのようです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。週末は部活動や自分のための学習、友人との時間など、自由に使うことができます。

海老名高等学校の部活動・イベント

海老名高校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動と、学校全体が熱狂する大規模なイベントです。

部活動

運動部・文化部ともに多くの部が設置されており、加入率も高いようです。多くの生徒が部活動に打ち込み、仲間と共に汗や涙を流す充実した日々を送っています。中でも、特に高い実績を誇る部や、少し珍しい部活動をいくつか紹介します。

  • ダンス部・バトン部:海老名高校の顔とも言える存在で、全国大会の常連です。そのパフォーマンスレベルは非常に高く、文化祭などでの発表は多くの観客を魅了します。この部活動に憧れて入学を決める生徒も少なくありません。

  • 吹奏楽部:コンクールでの実績が豊富で、県央地区の大会では金賞を連続して受賞し、より上位の東関東大会へも出場しています。地域のイベントでの依頼演奏など、活躍の場も広いです。

  • 少林寺拳法部:関東大会や全国大会に出場する選手を輩出している強豪部です。心身ともに鍛えたい生徒に人気があります。

  • ライフル射撃部・ワンダーフォーゲル部:他の高校ではあまり見られない珍しい部活動も存在します。ライフル射撃部は全国大会に出場する実績があり、ワンダーフォーゲル部(登山部)では本格的な登山活動を通じて自然に親しんでいます。

イベント

海老名高校の学校生活で最も輝く瞬間、それは学校行事です。生徒が主体となって作り上げるイベントは、どれもクオリティが高く、一生の思い出になること間違いありません。

  • 皐月祭(さつきさい):海老名高校で最も大きなイベントで、「体育部門」と「文化部門」の二部構成になっています。

    • 体育部門(体育祭):全校生徒が誕生月(春夏秋冬)によって赤・白・黒・青の4つの団に分かれて競い合います。単なる競技だけでなく、巨大な背景画である「デコ」の制作や、各団が何ヶ月もかけて練習する「ダンス」の完成度は圧巻の一言。学年を超えた団結力が生まれ、学校中が最高の熱気に包まれます。

    • 文化部門(文化祭):近隣からも多くの来場者が訪れる大規模な文化祭です。各クラスや文化部による展示・発表、有志団体によるステージパフォーマンスなど、内容は盛りだくさん。特に、厳しい予選を勝ち抜いたクラスが出店する模擬店は、毎年高い人気を誇ります。フィナーレには、生徒たちがアルミ缶のリサイクルで資金を集めて打ち上げる花火があり、感動的な締めくくりとなります。

海老名高等学校の進学実績

海老名高校は、活発な学校行事や部活動だけでなく、学習面でも高い実績を誇っています。生徒一人ひとりの進路希望を叶えるための手厚いサポート体制が整っており、卒業生の多くが難関大学への進学を実現しています。

最新の大学進学実績を見ると、その実力がよく分かります。

  • 国公立大学:毎年20名前後の合格者を出しており、一橋大学、筑波大学、横浜国立大学、東京都立大学といった難関大学にも合格しています。

  • 難関私立大学:特にGMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)への進学実績は目覚ましく、毎年非常に多くの合格者を輩出しています。例えば、2025年の入試では、明治大学に24名、青山学院大学に25名、法政大学に27名などが合格しています。また、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学といった最難関私立大学にも多数の合格者を出しています。

  • その他の進路:ほとんどの生徒が4年制大学への進学を希望しますが、専門学校への進学や、ごく少数ですが就職を選ぶ生徒もいます。また、特筆すべきは、浪人して次の年の大学受験に再挑戦する生徒の割合が非常に低いことです。これは、多くの生徒が現役で志望校への合格を勝ち取っていることを示しており、学校の進路指導力の高さを物語っています。

この高い進学実績を支えているのが、学校の学習サポート体制です。夏休みなどの長期休業中には、受験対策のための補習や講習が数多く開かれています。また、ICT機器を活用した家庭学習のサポートもあり、生徒たちが効率的に学力を伸ばせる環境が整っています。さらに、青山学院大学、中央大学、法政大学、明治大学、立教大学など、多くの有名私立大学から指定校推薦の枠を得ており、学校での成績を真面目に積み重ねてきた生徒にとっては、有利な進路選択の道も開かれています。

海老名高等学校の特長・アピールポイント

数ある高校の中で、海老名高校が持つ独自の強みや魅力的な取り組みを、5つのポイントに絞ってご紹介します。

  • 「文武一道」という独自の理念

    多くの学校が掲げる「文武両道」を一歩進め、海老名高校では「文武一道」という考え方が伝統として息づいています。これは、学習(文)と部活動や行事(武)は二つの別々の道ではなく、一つのものであるという考え方です。どちらも全力で取り組むことで相乗効果が生まれ、人間として大きく成長できるという、海老高ならではの教育哲学です。

  • 学校生活の核となる壮大な「皐月祭」

    体育祭と文化祭からなる「皐月祭」は、単なるイベントではありません。企画・運営の多くを生徒が担い、何ヶ月もかけて準備を進めるこの一大プロジェクトは、協調性、リーダーシップ、問題解決能力を育む最高の学びの場となっています。特に、生徒自身のリサイクル活動で資金を集めて打ち上げるフィナーレの花火は、自主自律の精神を象

    徴する取り組みです。

  • 10年後を見据えたキャリア教育

    海老名高校の進路指導は、単に「どの大学に合格するか」だけを目指すものではありません。「卒業後10年、どのような人生を送りたいか」という長期的な視点で自分の生き方を考えるキャリア教育に力を入れています。これにより、生徒は目的意識を持って大学選びや学部選びをすることができ、将来の夢の実現へと繋げていきます。

  • 将来の選択肢を広げる1年次の共通カリキュラム

    1年生で文系・理系を問わず、物理・化学・生物の基礎を全員が学ぶカリキュラムは、大きな特長です。入学時にまだ将来の夢が固まっていない生徒でも、幅広い分野の基礎に触れることで、自分の興味や適性をじっくりと見極める時間を持つことができます。

  • 高い現役進学率と豊富な指定校推薦枠

    卒業生の多くが浪人することなく、現役で大学に進学するという事実は、保護者にとっても生徒にとっても大きな安心材料です。GMARCHを中心とした難関私立大学への高い合格実績に加え、多くの大学からの指定校推薦枠があることも、日々の学習を頑張る生徒にとって大きな魅力となっています。

海老名高等学校の口コミ・評判のまとめ

実際に海老名高校に通う生徒や卒業生たちは、学校生活をどのように感じているのでしょうか。ここでは、様々な口コミサイトなどから集めた「良い点」と「気になる点」を公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「行事がとにかく楽しくて、クラスの団結力がものすごく強まる。一生の思い出ができた」という声が圧倒的に多いです。

    • 「勉強も部活も行事も、やるときはやる、楽しむときは楽しむ、というメリハリがつけられる環境が良い」

    • 「明るくて面白い友達がたくさんできる。毎日学校に行くのが楽しい」

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれるので、安心して受験勉強に取り組めた」

    • 「ダンス部やバトン部など、レベルの高い部活動で自分を磨くことができる」

  • 気になる点

    • 「駅から学校まで少し距離があり、特に夏の暑い日は日陰がなくて通学が大変」という物理的な指摘は複数見られます。

    • 「学校全体が活発な雰囲気なので、おとなしい性格の生徒は少し馴染むのに時間がかかるかもしれない」

    • 「『生徒主体』を掲げているが、実際には先生方の意向が強く、自由度が思ったより高くないと感じる場面もあった」

    • 「部活動によっては活動がハードで、勉強との両立に苦労することもある」

    • 「周りの生徒の学習意欲が高い分、競争が激しく、プレッシャーに感じることもある」

これらの口コミから、海老名高校がエネルギッシュで充実した高校生活を送りたい生徒にとって最高の環境である一方、その熱量や競争環境が一部の生徒にとっては負担に感じられる可能性もある、という二つの側面が見えてきます。

アクセス・通学

海老名高校への通学方法について、具体的なアクセス情報をご案内します。

  • 最寄り駅:

    • 小田急線・JR相模線「厚木」駅:徒歩約12分

    • 小田急線・相鉄線・JR相模線「海老名」駅:徒歩約20分

2つの駅が利用可能ですが、「厚木」駅の方が学校に近いです。毎日の通学を考えると、この8分ほどの差は意外と大きいかもしれません。自分の家からの路線や乗り換えの便利さを考えて、どちらの駅を利用するか決めると良いでしょう。

通学している生徒は、海老名市、厚木市、座間市、大和市、相模原市など、神奈川県の県央地区を中心に幅広いエリアから集まっています。

海老名高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、本当にありがとう。海老名高校の魅力、少しは伝わったでしょうか。最後に、進学アドバイザーとして、君に心からの応援メッセージを贈ります。

海老名高校は、「勉強も、部活も、行事も、全部100%の力でやりきりたい!」、そんなエネルギッシュな君にこそ、ぴったりの学校です。仲間と協力して何かを成し遂げるのが好きで、キラキラした高校生活に憧れているなら、海老高での三年間は間違いなく君を大きく成長させてくれるでしょう。

そして、その夢の舞台への扉を開ける最大の鍵は、入試当日の学力検査です。海老名高校の「内申3:学力検査7」という比率は、君自身の努力が直接結果に結びつくことを意味します。たとえ内申点が少し足りなくても、諦める必要は全くありません。入試本番で一点でも多く点数を取ることで、未来は君の力で変えられます。これから入試までの間、5教科の基礎を徹底的に固め、過去問を繰り返し解いて実戦力を高めてください。君の頑張りを、私たちは心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。