滋賀県立石山高等学校は、多くの受験生が憧れる、県内でも屈指の人気と実力を兼ね備えた高校です。高い学力レベルを誇る進学校でありながら、生徒の自主性を尊重する自由な校風が共存しているのが最大の魅力と言えるでしょう。このユニークな環境が、勉強も、部活動も、学校行事も、すべてに全力で取り組みたいと考える中学生を惹きつけてやみません。
「高きを仰げ」という校訓のもと、生徒一人ひとりが自らの可能性を最大限に伸ばすことができる場所、それが石山高等学校です。その精神は、生徒が主体となって創り上げる伝説的な学園祭「石舞祭(こくぶさい)」や、県内唯一の公立高校音楽科が奏でる豊かな音色にも表れています。アカデミックな探求心と、芸術的な感性が互いに刺激し合う、他にはない校風がここにはあります。
この記事では、そんな石山高等学校のリアルな姿を、偏差値や進学実績といったデータから、在校生や卒業生の口コミに基づく学校生活の実態まで、詳しくお伝えしていきます。この記事を読めば、あなたが石山高校でどんな3年間を送ることができるのか、きっと鮮明にイメージできるはずです。あなたの高校選びの確かな一歩となるよう、一緒に見ていきましょう。
石山高等学校の基本情報
まずは、石山高等学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩として、正確な情報を押さえておくことはとても大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 滋賀県立石山高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒520-0844 滋賀県大津市国分一丁目15-1 |
代表電話番号 | 077-537-3371 |
公式サイトURL | http://www.ishiyama-h.shiga-ec.ed.jp/ |
石山高等学校の偏差値・難易度・併願校
石山高等学校への合格を目指す上で、最も気になるのが偏差値や難易度ではないでしょうか。ここでは、具体的な数値と共に、合格に必要な力の目安を分かりやすく解説します。
学科・コースごとの偏差値
石山高等学校の偏差値は、各種の模擬試験や塾によって多少の差が見られますが、おおむね以下の通りです。
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普通科:
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音楽科:
普通科の偏差値は滋賀県内の公立高校で常にトップクラスに位置しており、膳所高校や守山高校と並ぶ最難関校の一つです。複数の情報源で偏差値に幅があるのは、算出する機関のテストを受ける生徒層が異なるためです。大切なのは、特定の数字に一喜一憂するのではなく、県内トップレベルの学力が求められるという事実を認識し、目標設定をすることです。
難易度のイメージと内申点の目安
滋賀県の公立高校入試では、学力検査の点数と内申点(調査書)を合計して合否が決まります。石山高等学校(普通科)の場合、その比率は「学力検査:内申点=7:3」とされており、当日の試験結果がより重視される配点です。
しかし、内申点も決して軽視できません。合格者の傾向を見ると、内申点の目安は以下のようになっています。
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普通科: 点 / 点満点
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音楽科: 点 / 点満点
これは、中学校3年間の9教科の成績(5段階評価)を合計した点数です。例えば、普通科を目指す場合、3年間を通じて主要5教科はオール5に近く、その他の教科でも4以上を安定して取っておきたいレベル感と言えるでしょう。実際に合格した先輩の中には、中学3年間の内申点が40点台/45点満点をキープしていた生徒が多く見られます。もちろん、内申点が少し足りなくても、当日の学力検査で高い得点を取れれば逆転の可能性は十分にあります。学力検査では500点満点中350点以上が一つの目標ラインとされています。
音楽科については、偏差値や内申点に加えて「実技検査」が課されるため、専門的なスキルが合否の大きな鍵を握ります。
主な併願校
滋賀県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、石山高等学校を受験する生徒の多くは、万が一の場合に備えて私立高校を併願します。
主な併願先として選ばれるのは、学力レベルが近く、教育内容に定評のある以下の高校です。
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光泉カトリック高等学校(特にL、A、Sコース)
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比叡山高等学校(特にCrestコース)
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大谷高等学校(バタビア、インテグラルコース)
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近江兄弟社高等学校(アーツサイエンスクラス)
これらの私立高校は、それぞれに特色あるコースを設けており、石山高校を目指す学力層の生徒にとって、魅力的な選択肢となっています。併願校選びも重要な受験戦略の一部ですので、ぜひこれらの高校の学校説明会にも参加し、自分に合うかどうかを確かめておくことをお勧めします。
石山高等学校に設置されている学科・コース
石山高等学校には、それぞれに明確な目的と特色を持つ2つの学科が設置されています。普通科と音楽科が同じキャンパスで学び、互いに影響を与え合うことで、学校全体のユニークな文化が生まれています。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:各学年8クラスで構成される、石山高校の教育の中核を担う学科です。国公立大学や難関私立大学への進学を視野に入れた、質の高い授業が展開されます。2年次からは文系と理系に分かれ、より専門的な学びを深めていきます。
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どんな生徒におすすめか:高い学習意欲を持ち、将来の目標に向かって主体的に勉強に取り組める人におすすめです。自由な校風の中で、自らを律しながら学力と人間性の両方を高めたいと考える人に最適な環境です。
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音楽科
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どんなことを学ぶ場所か:滋賀県の公立高校で唯一設置されている、専門的な音楽教育を行う学科です。各学年1クラスの少人数教育で、音楽大学や教育大学の音楽科への進学を目指します。本格的なコンサートホール「湖声ホール」などの充実した設備も魅力です。
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どんな生徒におすすめか:音楽への強い情熱を持ち、将来、音楽を専門的に探究したいと考えている人におすすめです。学力だけでなく、専門的な実技試験も突破する必要があるため、早くから目標を定めて努力を続けてきた人に挑戦してほしい学科です。
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石山高等学校の特色・校風
石山高校の最大の魅力は、その独特の校風にあります。ここでは、キーワードと共に、学校生活のリアルな雰囲気を口コミなどから探っていきます。
校風を表現するキーワード:自由闊達、文武両道、自主自律
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宿題の量は多い?少ない?
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「宿題は少ない」という声が多いようです。ただし、これは決して授業が楽だという意味ではありません。授業は進学校で使われるレベルの高い教科書を用いてハイスピードで進むため、日々の予習・復習が不可欠です。宿題が少ない分、生徒一人ひとりが自分の課題を見つけ、自主的に学習計画を立てる力が求められます。
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校則は厳しい?緩やかか?
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「校則はかなり緩やか」というのが、在校生や卒業生の一致した意見です。
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スマホの持ち込みは許可されており、マナーを守って使用することが前提とされています。
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服装についても、制服の規定はあるものの、厳しいチェックはほとんどないようです。ただし、頭髪の染髪やピアスなどは禁止されており、ここは比較的厳しく指導される点です。基本的には生徒の良識と自主性に任せるという、学校からの信頼の表れと言えるでしょう。
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生徒たちの雰囲気は?
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「明るく、賢く、面白い人が多い」と評されています。勉強する時は集中し、楽しむ時は全力で楽しむという「オン・オフの切り替え」が上手な生徒が多いのが特徴です。「普段は遊んでいるように見えて、実はしっかり勉強している」という声もあり、互いに良い刺激を与え合える環境です。
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アルバイトは可能か?
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アルバイトに関する明確な情報はありませんでした。原則として学業や部活動を優先する進学校が多いため、許可制や長期休暇のみ可能など、一定のルールがある可能性が高いです。希望する場合は、学校説明会などで直接確認することをおすすめします。
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制服の評判はどうか?
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以前の制服は「ダサい」という評判が根強かったようですが、2022年度から制服が全面的にリニューアルされました。
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新しい制服は、清潔感のある紺色を基調としたブレザースタイルで、女子はスラックスも選択可能です。この変更は在校生や受験生から非常に好評を得ています。
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土曜授業はあるか?
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年間行事予定を見る限り、毎週の土曜授業は実施されていないようです。ただし、模試やPTA行事などで土曜日に登校する日はあります。
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石山高等学校の部活動・イベント
「勉強だけじゃない」石山高校の魅力を象徴するのが、活気あふれる部活動と、学校全体が熱狂するイベントです。
部活動
石山高校には運動部・文化部合わせて約30の部活動があり、多くの生徒が主体的に活動を楽しんでいます。県内トップレベルの実績を誇る部も少なくありません。
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吹奏楽部
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50名を超える部員が所属する、学校を代表する文化部の一つです。滋賀県吹奏楽コンクールでは常に金賞を受賞し、関西大会へも出場する実力派。毎年、びわ湖ホールで定期演奏会を開催しており、その質の高い演奏は多くの聴衆を魅了しています。
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山岳・スポーツクライミング部
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校内にクライミングボードを持ち、本格的な登山から近年注目のスポーツクライミングまで幅広く活動するユニークな部です。夏休みには北アルプスなどの3000m級の山々に挑戦するなど、活動は非常に本格的。全国大会への出場者も輩出しています。
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フェンシング部
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高校から競技を始める部員がほとんどでありながら、全国大会に出場する選手を育て上げるなど、目覚ましい活躍を見せています。初心者でも高いレベルを目指せる指導環境が整っています。
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水泳部
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近畿大会での上位入賞や、インターハイ(全国高校総体)出場を果たす選手を擁する強豪運動部です。
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これらの部活動以外にも、剣道部(女子団体で近畿大会出場)やラグビー部(他校との合同チームで活躍)など、多くの部が活発に活動しており、どんな興味を持つ生徒でも打ち込める場所が見つかるはずです。
イベント
石山高校の学校生活を彩るイベントの中でも、特に有名なのが「石舞祭(こくぶさい)」です。
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石舞祭(文化祭・体育祭)
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毎年6月に行われる、石山高校で最も盛り上がる学校行事です。文化祭と体育祭が一体となっており、企画・運営のほとんどを生徒自身が行います。
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最大の特徴は、学年ごとに役割が異なること。1年生はクラスごとの「展示」、2年生は本格的な「演劇」、そして3年生は「模擬店」を担当します。これにより、毎年違った形で祭りに参加でき、学年全体の団結力が非常に高まります。縦割りのカラーチーム対抗で競い合うため、学年を超えた交流が生まれるのも魅力です。この石舞祭の楽しさに惹かれて石山高校を選ぶ生徒も多いと言われています。
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修学旅行
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2年生の秋(11月頃)に実施されます。仲間との絆を深める、高校生活の大きな思い出の一つです。
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音楽科関連イベント
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音楽科の生徒が中心となり、地域の小中学生に音楽の魅力を伝える「音楽魅力発信事業」というユニークな演奏会を企画・開催しています。また、3月には一年間の集大成である「卒業演奏会」が行われます。
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石山高等学校の進学実績
自由な校風の中で、生徒たちは輝かしい進学実績を上げています。石山高等学校の高い教育水準は、国公立大学から難関私立大学まで、幅広い合格実績に裏付けられています。
最新の大学進学実績(抜粋)
以下は、近年の主な大学の合格者数(延べ人数)です。
分類 | 主な大学名と合格者数 |
国公立大学 | 合計89名。主な進学先は、滋賀大学、滋賀県立大学、大阪公立大学(それぞれ毎年10名以上)。その他、京都大学、大阪大学、神戸大学といった最難関大学へも合格者を輩出。 |
難関私立大学(関関同立) | 合計382名。内訳は、立命館大学234名、関西大学67名、同志社大学64名、関西学院大学17名。 |
難関私立大学(産近甲龍) | 合計419名。内訳は、龍谷大学294名、近畿大学56名、京都産業大学41名。 |
音楽科の主な進路 | 大阪音楽大学、同志社女子大学(音楽科)など。さらに、東京藝術大学や京都市立芸術大学といった国内トップクラスの芸術大学への進学実績もあり。 |
進学実績を支える取り組み
特筆すべきは、関西の有名私立大学への圧倒的な合格者数です。特に立命館大学と龍谷大学には、毎年それぞれ200〜300名規模の合格者を出しており、これらの大学を目指す生徒にとっては非常に心強い実績と言えます。
このような高い進学実績は、日々の質の高い授業はもちろんのこと、学校独自の取り組みによって支えられています。その代表が「石高アカデミック」と呼ばれる高大連携事業です。これは、大学の先生を招いての講義や研究室訪問などを通じて、生徒が最先端の学問に触れる機会を提供するものです。高校の学びが大学での研究にどう繋がるのかを肌で感じることで、生徒の知的好奇心や学習意欲を大きく引き出しています。
石山高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、石山高等学校ならではの強みや魅力を7つのポイントにまとめました。
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県内唯一の公立「音楽科」の存在
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専門的な音楽教育を行う音楽科が併設されていることで、学校全体が芸術的で感性豊かな雰囲気に包まれています。普通科の生徒にとっても、日常的に質の高い音楽に触れられる貴重な環境です。
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生徒が主役の伝説的イベント「石舞祭」
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企画から運営まで生徒が主体となって創り上げる学園祭は、高校生活最高の思い出になると言われています。クラスや学年、チームの団結力が高まり、自主性や協調性が育まれる一大イベントです。
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「自由と自主自律」を重んじる校風
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校則が比較的緩やかで、生徒の自主性が尊重される校風は、石山高校の大きな特長です。自由な環境の中で自らを律する経験は、生徒を精神的に大きく成長させます。
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知的好奇心を刺激する「石高アカデミック」
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大学と連携し、最先端の学問に触れる機会を提供する独自の探究学習プログラムです。高校の授業の枠を超えた学びが、生徒の進路意識を高め、学習へのモチベーションを向上させます。
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全国レベルで活躍する多彩な部活動
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吹奏楽部や山岳・スポーツクライミング部、フェンシング部など、全国レベルで活躍する部活動が多数あります。文武両道を実践し、勉強と両立しながら高い目標に挑戦できる環境が整っています。
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県内トップクラスの大学進学実績
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国公立大学から難関私立大学まで、毎年安定して高い進学実績を誇ります。特に、立命館大学や龍谷大学への進学者が非常に多く、確かな進路指導力がうかがえます。
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2022年度に一新された清潔感のある制服
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生徒や受験生からの評判も高い、紺色を基調とした新しいブレザータイプの制服に変わりました。女子はスラックスを選択できるなど、現代のニーズに合わせたデザインになっています。
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石山高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、「良い点」と「気になる点」に分けて公平にご紹介します。
良い点
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「とにかく学校生活が楽しい」という声が圧倒的に多いです。自由な雰囲気の中で、気の合う仲間たちと過ごす3年間は、かけがえのないものになるようです。
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「友達に恵まれる」という意見も目立ちます。生徒は皆、賢くて個性的ながらも、思いやりのある人が多く、いじめなどのトラブルはほとんど聞かれないとのことです。
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「石舞祭をはじめとする行事が最高に盛り上がる」点は、多くの生徒が石山高校の魅力として挙げています。行事を通じてクラスやチームの絆が深まり、一生の思い出ができます。
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「オンとオフの切り替えが上手い生徒が多い」ことも特長です。遊ぶ時は全力で遊び、勉強する時はしっかり集中するというメリハリのついた学校生活を送ることができます。
気になる点
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「先生の質は人によって評価が分かれる」という意見が散見されます。熱心で親身な先生もいる一方で、授業が分かりにくい、生徒との相性が合わないと感じるケースもあるようです。そのため、塾や予備校に通いながら自学自習で学力を補う生徒も少なくありません。
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「駅から遠く、坂道が大変」というのは、多くの生徒が挙げる物理的な難点です。特にJR石山駅からの道のりは長く、学校へ続く急な坂道は毎日の通学で体力がいるようです。
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「自由な校風は、自主性がないと厳しい」という声もあります。細かく管理されない分、自分で学習計画を立てて実行できないと、勉強についていけなくなる可能性があります。自由を謳歌するには、自己管理能力が不可欠です。
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「校舎の施設に差がある」という指摘もあります。普通科の生徒が使う校舎は比較的きれいですが、音楽科の校舎は少し古いと感じる生徒もいるようです。
アクセス・通学
石山高等学校への通学方法と、周辺の交通機関についてご案内します。
最寄り駅からのアクセス
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京阪石山坂本線 「石山寺駅」より 徒歩約8分
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京阪石山坂本線 「唐橋前駅」より 徒歩約10分
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JR琵琶湖線・京阪石山坂本線 「石山駅」より 徒歩約16分
バスでのアクセス
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京阪バス・近江鉄道バス 「石山高校前」バス停より 徒歩約2分
通学エリアの傾向
学校は大津市の南部に位置しており、JRや京阪電車を利用して大津市内全域はもちろん、草津市、守山市、栗東市など、主に滋賀県の南部エリアから多くの生徒が通学しています。JR石山駅が主要な乗り換えハブとなるため、比較的広範囲からのアクセスが可能です。口コミでも触れられているように、最寄り駅からは少し距離があり、特に最後の坂道は毎日のことなので、一度自分の足で歩いてみて、通学のイメージを掴んでおくことをお勧めします。
石山高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、石山高等学校を目指す君たちにエールを送ります。
石山高等学校は、「自分の高校生活の主人公になりたい」と強く願う君にぴったりの学校です。高い目標に向かって努力することを楽しみ、自由な環境の中で自らを成長させたいという意欲のある生徒を求めています。もし君が、勉強も遊びも行事も、すべてに本気で打ち込みたいと考えているなら、石山高等学校ほど刺激的で充実した3年間を送れる場所は他にないでしょう。
受験勉強においては、学力検査の比重が高いことを意識しつつも(7:3の比率)、日々の授業を大切にし、安定した内申点を確保することが合格への近道です。特に、数学や英語では思考力を問う難易度の高い問題が出題される傾向があるため、基礎を固めた上で、応用問題に数多く挑戦してください。そして、石山高等学校の自由な校風を最大限に活かすためには、中学時代から「自分で計画を立てて勉強する」習慣を身につけておくことが何よりも大切です。
石山高校でのエネルギッシュな毎日を想像しながら、残りの受験勉強を乗り越えてください。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。