埼玉県立熊谷工業高等学校、通称「熊工(くまこう)」は、ものづくりのスペシャリストを目指す生徒たちが集まる、活気あふれる専門高校です。専門的な知識や技術を基礎からじっくり学び、社会で即戦力として活躍できる人材を育てることを目指しています。充実した設備と経験豊富な先生方の指導のもと、資格取得にも力を入れているのが大きな特長です。

「工業高校って、どんなことを学ぶんだろう?」「専門的な勉強は難しくないかな?」そんな風に思っている中学生も多いかもしれません。しかし、熊谷工業高等学校では、座学だけでなく、実際に機械を動かしたり、プログラミングを組んだり、建物の設計をしたりと、実践的な授業がたくさんあります。自分の手で何かを創り出す面白さや達成感を味わいながら、将来の夢へと繋がる確かなスキルを身につけることができるでしょう。

この記事では、そんな熊谷工業高等学校の偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進路状況などを、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。「ものづくりが好き」「専門的な資格を取りたい」「早く社会に出て活躍したい」そんな思いを持つあなたにとって、きっと魅力的な選択肢の一つになるはずです。

熊谷工業高等学校の基本情報

熊谷工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 埼玉県立熊谷工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒360-0832 埼玉県熊谷市小島820番地
代表電話番号 048-523-3354
公式サイトURL https://kumagaya-th.spec.ed.jp/

熊谷工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

熊谷工業高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は気になるところでしょう。ここでは、具体的な数値や目安、そして併願校について解説します。

学科・コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。

  • 電気科: 43

  • 建築科: 43

  • 情報技術科: 43

  • 土木科: 42

  • 機械科: 42

偏差値42〜43は、埼玉県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えます。同じくらいの偏差値の高校としては、大宮工業高等学校(電子機械科・機械科など)、春日部工業高等学校(機械科・建築科など)、三郷工業技術高等学校(情報電子科・機械科など)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安としては、中学1年生から3年生までの9教科の成績が5段階評価で平均「3」程度あると安心できるラインと言えるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点も重要になります。

埼玉県内の公立高校を第一志望とする場合、他の公立高校を併願することはできません。そのため、熊谷工業高等学校を受験する生徒の多くは、私立高校を併願校として選択します。主な併願校としては、ものづくりや工業系の学科を持つ正智深谷高等学校や東京成徳大学深谷高等学校、また幅広い学科を持つ本庄第一高等学校などが候補になることが多いようです。

熊谷工業高等学校に設置されている学科・コース

熊谷工業高等学校には、社会の様々な場面で活躍できる専門技術者を育てるための5つの学科が設置されています。それぞれの学科で学べる内容と、どんな人におすすめかを見ていきましょう。

  • 機械科

    • どんなことを学ぶ?:機械の設計や製作、制御など、ものづくりの基本となる知識と技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:自動車やロボットなど、動く機械に興味がある人や、自分の手で何かを作り上げたい人におすすめです。

  • 電気科

    • どんなことを学ぶ?:電気エネルギーの作り方から、家庭で使われる電気製品、コンピュータの仕組みまで、電気に関する幅広い分野を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:電気工事士などの資格取得に興味がある人や、生活に欠かせない電気のプロフェッショナルを目指したい人に向いています。

  • 建築科

    • どんなことを学ぶ?:住宅やビルのデザイン、設計、工事の方法など、建物づくりに関する専門知識と技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:インテリアや建物のデザインに興味がある人、将来、建築士や施工管理技士として活躍したい人にぴったりです。

  • 土木科

    • どんなことを学ぶ?:道路や橋、ダムなど、人々の生活を支える社会基盤(インフラ)の計画、設計、建設について学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:地図に残るような大きな仕事がしたい人や、街づくり、防災などに貢献したいという気持ちがある人におすすめです。

  • 情報技術科

    • どんなことを学ぶ?:プログラミングやネットワーク、AIなど、これからの社会でますます重要になるIT技術の基礎を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:コンピュータやゲームが好きな人、新しい技術で社会を便利にしたいと考えている人に向いています。

熊谷工業高等学校の特色・校風

熊谷工業高等学校は、「文武両道」をモットーに、専門知識の習得と部活動の両方に力を入れている学校です。校風を表すキーワードとしては、「質実剛健」「実践重視」「資格取得に強い」などが挙げられます。

中学生が気になる学校生活のリアルな部分について、口コミなどを基に見ていきましょう。

  • 宿題の量:専門科目では実習や製図などの課題が出されることがありますが、毎日大量の宿題に追われるというよりは、予習・復習を自分のペースで進めることが求められるようです。

  • 校則:頭髪や服装に関する指導は、他の高校と比較するとやや厳しいという声が見られます。スマートフォンの使用については、校内でのルールが定められており、授業中の使用は禁止されています。アルバイトは原則として長期休業中のみ許可制となっているようです。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりという共通の目標を持つ生徒が多いため、真面目で落ち着いた雰囲気があるようです。男子生徒の比率が高いですが、女子生徒も各学科で専門知識を学んでいます。

  • 制服:男子は伝統的な黒の詰襟学生服です。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

熊谷工業高等学校の部活動・イベント

部活動

熊谷工業高等学校は部活動が非常に盛んで、特に運動部の活躍は全国レベルで知られています。

  • ラグビー部:全国大会の常連校として非常に有名で、「熊工」の名を全国に轟かせています。数多くの日本代表選手も輩出しており、ラグビーを目指す中学生にとっては憧れの存在です。

  • ソフトボール部:ラグビー部と同様に強豪として知られ、関東大会やインターハイに何度も出場しています。

  • 野球部:県大会でも上位に進出することが多く、活気のある部活動です。

  • ものづくり系部活動:建築研究部や機械研究部など、各学科の専門性を活かした部活動も充実しています。ものづくりコンテストなどで優秀な成績を収めており、実践的な技術をさらに高めることができます。

運動部だけでなく、文化部も多様なクラブがあり、生徒たちは自分の興味に合わせて活動しています。部活動への加入率は高く、多くの生徒が勉強と部活を両立させて充実した高校生活を送っているようです。

イベント

熊谷工業高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事も大きな魅力です。

  • 熊工祭(文化祭):各学科が日頃の学習成果を発表する展示は圧巻です。専門的な知識がなくても楽しめる工夫がされており、ものづくりの面白さに触れることができます。クラスごとの出店やステージ発表も大変盛り上がります。

  • 体育祭:学科対抗で行われるため、クラスや学科の団結力が非常に高まります。工業高校ならではのユニークな競技が行われることもあるようです。

  • 修学旅行:例年、沖縄などへ行き、平和学習やマリンスポーツ体験などを通して、仲間との絆を深めます。

熊谷工業高等学校の進学実績

熊谷工業高等学校の卒業生の進路は、就職と進学がおよそ半々といった状況です。特に、学校で学んだ専門知識と技術を活かせる企業への就職に強いのが大きな特長です。

令和5年度および令和6年度の卒業生の進路状況を見ると、就職希望者の内定率は100%を達成しており、多くの生徒が優良企業への就職を決めています。公務員になる生徒も毎年複数名います。

  • 主な就職先:トヨタ自動車、キヤノン電子、赤城乳業、JR東日本など、日本を代表する大手企業から、地域に根差した優良企業まで多岐にわたります。

  • 公務員:国土交通省、埼玉県庁、警視庁、消防など、学んだ専門性を活かせる職種で活躍しています。

進学については、工業系の大学を中心に多くの生徒が夢を叶えています。指定校推薦枠も豊富にあるようです。

  • 主な進学先(大学):日本工業大学、埼玉工業大学、東洋大学、東京電機大学、ものつくり大学など、工業高校からの進学に有利な大学への実績が豊富です。

  • その他:大学だけでなく、より専門的な技術を身につけるために専門学校へ進学する生徒も多くいます。

熊谷工業高等学校では、3年次に四大進学コースを設置するなど、進学希望者へのサポートも手厚く行っています。

熊谷工業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、熊谷工業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 圧倒的な就職実績:長年にわたる企業との信頼関係により、求人数が非常に多く、就職希望者の内定率は100%を誇ります。

  • 高度な資格取得サポート:在学中に第三種電気主任技術者などの難関国家資格に合格する生徒もおり、手厚い指導体制が整っています。

  • 充実した実習設備:埼玉県北部の工業高校では唯一の重装備な設備を誇り、企業で使われているような本格的な機械や装置を使って学ぶことができます。

  • 全国レベルの部活動:ラグビー部やソフトボール部をはじめ、多くの部活動が関東大会や全国大会で活躍しており、文武両道を実践できる環境です。

  • ものづくりコンテストでの活躍:各学科の生徒が日頃の学びの成果を活かし、高校生ものづくりコンテストの様々な部門で関東大会出場などの輝かしい実績を残しています。

  • 地域や企業との連携:地域のイベントに参加したり、企業と連携した授業を行ったりと、社会と繋がりながら実践的に学ぶ機会が豊富にあります。

熊谷工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

熊谷工業高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

  • 良い点:

    • 「就職にとても強い。先生方のサポートが手厚く、良い企業に入れる」という声が最も多く聞かれます。

    • 「資格がたくさん取れるので、自分のスキルに自信が持てる」

    • 「専門的な勉強は面白い。中学の時より勉強が楽しいと感じる」

    • 「部活動が盛んで、目標を持って高校生活を送れる」

    • 「熊工祭(文化祭)は学科の特色が出ていて、とても盛り上がる」

  • 気になる点:

    • 「駅から少し距離があるので、自転車通学かバスを利用する必要がある」という意見があります。

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある」

    • 「施設や校舎が全体的に古いという印象がある」

    • 「男子生徒が多いので、女子は少し馴染みにくいと感じるかもしれない」

アクセス・通学

熊谷工業高等学校へのアクセス方法です。

  • 秩父鉄道「石原駅」より徒歩約20分

  • 秩父鉄道「ひろせ野鳥の森駅」より徒歩約20分

  • JR高崎線「熊谷駅」より自転車で約20分

  • JR高崎線「籠原駅」より自転車で約20分

  • バスを利用する場合、「熊谷工業高校入口」バス停で下車し徒歩約6分です。

熊谷市内をはじめ、深谷市、行田市、東松山市など、県北部の広いエリアから生徒が通学しています。多くの生徒が最寄り駅から自転車を利用しているようです。

熊谷工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。熊谷工業高等学校の魅力は伝わったでしょうか。最後に、進学アドバイザーとして、熊谷工業高等学校を目指す君にメッセージを送ります。

この学校は、「将来、自分の手で何かを創り出す仕事がしたい」という強い思いを持っている君に特におすすめです。自動車、建築、IT、電気など、君が興味のある分野の専門知識を基礎から深く学べる環境が熊谷工業高等学校にはあります。また、「高校生活では部活動にも全力で打ち込みたい!」と考えている君にとっても、文武両道を掲げるこの学校は最高の舞台になるでしょう。

受験勉強では、まず中学の基礎、特に数学と理科を重点的に復習してください。専門科目の授業では、数学や理科の知識が土台になります。入試の過去問題を解いて出題傾向に慣れておくことも大切です。そして何より、「熊谷工業高等学校でこんなことを学びたい!」という具体的な目標を持つことが、合格への一番の近道になります。ぜひ一度、学校説明会や文化祭に足を運んで、学校の雰囲気を肌で感じてみてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。