岩手県立盛岡北高等学校、通称「北高(きたこう)」は、秀峰・岩手山に見守られる滝沢市にあり、まもなく創立50周年を迎える歴史と活気に満ちた学校です。これから高校という新しいステージに踏み出す皆さんにとって、学校選びは未来を左右する大切な一歩。この場所がどんなところで、どんな3年間が待っているのか、期待と少しの不安で胸がいっぱいかもしれませんね。

盛岡北高等学校には、創立以来大切に受け継がれてきた「師弟和熟(していわじゅく)」という言葉があります。これは、先生と生徒が互いに信頼し合い、和やかな雰囲気の中で共に学び、成長していくという教育理念です。単なるスローガンではなく、熱心な先生方のサポートや、生徒一人ひとりに向き合う温かい校風として、日々の学校生活に深く根付いています。

勉強はもちろん、学校行事や部活動にも全力で打ち込む「文武両道」の精神が息づく盛岡北高等学校。ここでは、真剣に学ぶ時間も、仲間と笑い合う時間も、どちらもかけがえのない宝物になります。この先を読み進めれば、北高での充実した高校生活が、きっと具体的にイメージできるはずです。

盛岡北高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 岩手県立盛岡北高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒020-0632 岩手県滝沢市牧野林298-1
代表電話番号 019-687-2311
公式サイトURL https://www2.iwate-ed.jp/mon-h/

盛岡北高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり学力レベル。盛岡北高等学校の偏差値や難易度について、具体的に見ていきましょう。

複数の学習塾や情報サイトによると、盛岡北高等学校の偏差値は55~58あたりが目安とされています。これは岩手県内の公立高校の中では上位に位置し、しっかりとした学力が求められるレベルです。盛岡第一高校や盛岡第三高校といったトップクラスの進学校に次ぐ、競争の激しい人気校の一つと言えるでしょう。

合格の目安として、内申点(通知表の評定)も重要になります。具体的な点数は中学校のレベルによっても異なりますが、偏差値55以上を目指すなら、主要5教科はもちろん、その他の教科でもバランス良く高い評価を得ておくことが望ましいです。口コミなどでは「偏差値52以上が合格圏、58以上が安全圏」という声もあり、一つの参考にすると良いでしょう。

岩手県の公立高校入試は一度しかチャンスがないため、多くの受験生が私立高校を併願します。盛岡北高等学校を受験する生徒がよく選ぶ併願校には、以下のような学校やコースがあります。これらの私立高校は、北高の受験生にとって学力的に近く、万が一の場合の選択肢として、また実力を試す場として選ばれることが多いようです。

  • 盛岡中央高等学校 (普通科特進Zコース、普通科進学選抜Aコース)

  • 盛岡白百合学園高等学校 (普通科MEコース)

  • 盛岡大学附属高等学校 (普通科特別進学コース)

盛岡北高等学校に設置されている学科・コース

盛岡北高等学校の学びのスタイルは、シンプルで分かりやすいのが特徴です。

  • 普通科

    • 1年次では、文系・理系を問わず、幅広い科目を基礎からしっかりと学びます。この期間は、自分の興味や得意分野を見つけるための大切な時間です。2年次に進級する際に、将来の進路希望に応じて「文系」と「理系」のどちらかを選択します。

    • 文系コース: 国語、地理歴史、公民、英語といった人文科学・社会科学系の科目を重点的に学びます。将来、法学部、経済学部、文学部、教育学部などへの進学を目指す生徒におすすめです。

    • 理系コース: 数学、理科(物理・化学・生物)といった自然科学系の科目を深く掘り下げて学びます。将来、理工学部、農学部、医学部、薬学部などへの進学を考えている生徒に適しています。

このように、専門コースを細かく分けるのではなく、大きな枠組みの中で生徒一人ひとりが自分の道を選んでいけるのが、盛岡北高等学校の教育課程の強みです。

盛岡北高等学校の特色・校風

学校の雰囲気、つまり「校風」は、3年間の高校生活の満足度を大きく左右します。盛岡北高等学校は、キーワードで表すなら「文武両道」「師弟和熟」「活気と落ち着きの共存」といった言葉がぴったりです。

在校生や卒業生の口コミからは、よりリアルな学校の姿が見えてきます。

  • 宿題の量について

    「課題が多い」という声と、「大学進学を考えれば妥当、むしろ少ない」という声の両方があります。これは、生徒の目標意識によって感じ方が違うことを示しています。国公立大学を目指す生徒にとっては、日々の学習習慣を確立するための必要な量と捉えられているようです。部活動との両立は大変ですが、計画的にこなせば乗り越えられる量だという意見が多く見られます。

  • 校則について(スマホ、服装など)

    校則は、他の進学校と比較して、比較的緩やかで自由な雰囲気があるようです。

    • スマホ: 授業中はもちろん使用禁止ですが、それ以外の休み時間や放課後などは使用が認められています。これは多くの中学生にとって嬉しいポイントかもしれません。

    • 服装・頭髪: 定期的な厳しい頭髪検査はないようで、常識の範囲内であれば個性が尊重される雰囲気です。服装は制服着用が基本ですが、制服の中に着るものは自由度が高いようです。

    • アルバイト: 校則で明確に禁止されているわけではありませんが、課題や部活動が忙しく、実際にアルバイトをしている生徒は少ない傾向にあります。学業との両立が最優先されています。

  • 生徒たちの雰囲気

    「明るくて楽しいことが好きな人が多い」「ガリ勉という感じではない」といった声が多く、活気のある雰囲気です。真面目に勉強に取り組む生徒が多い一方で、行事や部活動では一体となって盛り上がる、メリハリのある生徒が多いのが特徴です。様々なタイプの生徒がいるため、誰にでも居場所が見つかりやすい環境と言えるでしょう。

  • 制服の評判

    特に女子の夏服は「県内トップクラスの人気」と評判です。白地に紺色のラインが入ったセーラー服は、爽やかで可愛らしいと人気を集めています。男子は伝統的な黒の詰襟学生服(学ラン)です。

  • 土曜授業

    土曜授業は実施されていません。週末は部活動や自分の勉強、リフレッシュの時間に充てることができます。

盛岡北高等学校の部活動・イベント

「勉強も遊びも本気」が北高生のスタイル。ここでは、学校生活を彩る部活動とイベントについて紹介します。

部活動

盛岡北高等学校は「二兎を追う!」をスローガンに掲げ、勉強と部活動の両立を強く推奨しています。運動部・文化部ともに非常に多くの選択肢があり、多くの生徒が熱心に活動しています。

  • 文化部の充実ぶり

    特に文化部の活躍は目覚ましく、全国レベルで高い評価を得ている部活もあります。

    • 写真部: 全国規模のコンテストで最優秀賞や準優勝に輝くなど、輝かしい実績を誇ります。写真好きにはたまらない環境です。

    • 書道部: こちらも高校生国際美術展で入賞するなど、全国で通用する実力を持っています。文化祭での書道パフォーマンスも名物の一つです。

    • 吹奏楽部: 毎年、盛岡市民文化ホール(マリオス)で大規模な定期演奏会を開催し、多くの観客を魅了しています。コンクールでも常に上位の成績を収めています。

  • 活気あふれる運動部

    運動部も多種多様なクラブが活動しており、県大会で上位を目指して日々練習に励んでいます。

    • ラグビー部: 県大会ベスト8に入るなど、伝統的に力のある部です。

    • サッカー部: こちらも県大会ベスト8の実績があり、強豪校の一つとして知られています。

    • 剣道部: 女子団体で県大会ベスト8に入るなど、男女ともに活発に活動しています。

      この他にも、陸上、野球、バスケ、テニス、柔道など、多くの運動部がそれぞれの目標に向かって汗を流しています。

イベント

北高のイベントは、その規模と盛り上がりが格別で、生徒たちの最高の思い出となっています。

  • 体育大会

    最大の名物と言っても過言ではないのが、3日間にわたって開催される体育大会です。クラス対抗で様々な競技に臨み、応援にも熱が入ります。その熱気は凄まじく、クラスの団結力が一気に高まる一大イベントです。先生方も本気で競技に参加するなど、学校全体が一体となる様子は圧巻です。

  • 盛北祭(文化祭)

    毎年夏休みの終わりに開催される文化祭「盛北祭」も、大いに盛り上がります。文化部の展示やステージ発表、各クラスの趣向を凝らした企画、PTAや同窓会の参加など、内容は盛りだくさん。書道部のパフォーマンスや吹奏楽部のポップスステージは特に人気があります。

  • 修学旅行

    仲間との絆を深める修学旅行も、高校生活の大きな楽しみの一つです。行き先は年度によって異なりますが、普段の学校生活とは違う環境で、一生の思い出を作ることができます。

盛岡北高等学校の進学実績

多くの受験生や保護者の方が最も関心を持つのが、大学進学実績でしょう。盛岡北高等学校は、「自称進学校」と謙遜する声もありますが、実際には地域に根差した確かな進学実績を誇っています。

特に、岩手県内や東北地方の国公立大学への進学に強いのが大きな特徴です。2024年の大学合格実績を見ると、その傾向がはっきりと分かります。

  • 国公立大学 (2024年実績)

    • 岩手県立大学: 77名

    • 岩手大学: 34名

    • 弘前大学: 5名

    • 北海道教育大学: 4名

    • 青森公立大学: 4名

    • 東北大学: 2名

    • 秋田大学: 1名

    • 山形大学: 1名

    • 新潟大学: 1名

    • 信州大学: 1名

      このように、地元の岩手県立大学や岩手大学に圧倒的な強さを見せています。これは、学校の進路指導が地域の大学の入試傾向を熟知し、的確な対策を行っている証拠と言えます。

  • 難関私立大学 (2024年実績)

    • 東北学院大学: 27名

    • 岩手医科大学: 11名

    • 日本大学: 4名

    • 東洋大学: 3名

    • 専修大学: 3名

    • 立教大学: 1名

    • 駒澤大学: 1名

      東北地方の有力私立大学や、全国的に知名度の高い大学にも多くの合格者を出しています。

  • 進路サポート体制

    こうした高い進学実績は、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。口コミによれば、「センター試験(現・大学入学共通テスト)や二次対策、英検の二次対策など先生がサポートしてくださる」といった声が多く、生徒一人ひとりの目標達成に向けて親身な指導が行われていることがうかがえます。

盛岡北高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、盛岡北高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  • 1. 独自の探究学習「カシオペアタイム」がある

    「カシオペアタイム」は、生徒が自ら課題を見つけ、調査し、解決策を探究して発表する、盛岡北高独自の総合的な探究の時間です。1年生はグループで、2年生は個人でテーマを深めます。答えのない問いに挑戦するこの活動を通じて、大学での学びや社会で必要となる思考力、判断力、表現力が養われます。

  • 2. 「師弟和熟」が育む、温かく手厚いサポート体制

    創立以来の理念である「師弟和熟」の精神が、先生と生徒の信頼関係を築いています。進路相談や学習の質問など、先生方が親身になって応えてくれるため、生徒は安心して学校生活を送ることができます。この温かい環境が、生徒の学習意欲を引き出しています。

  • 3. 学校全体が熱狂する、大規模で一体感のあるイベント

    3日間にわたる体育大会や、活気あふれる文化祭「盛北祭」など、北高のイベントはとにかく全力で楽しみます。これらの行事を通じて育まれるクラスの団結力や友情は、何物にも代えがたい財産になります。

  • 4. 「自主独立」の精神を尊重する、自由な校風

    比較的緩やかな校則に象徴されるように、学校は生徒の自主性を信じ、尊重しています。スマホの校内利用が認められているのもその一例です。この自由な雰囲気の中で、生徒は自らを律し、責任感を持って行動することを学びます。

  • 5. 地域に根ざした、信頼の進学実績

    特に岩手大学や岩手県立大学をはじめとする、東北地方の国公立大学への進学に圧倒的な強さを誇ります。地域社会で活躍したい、地元の大学に進みたいと考えている生徒にとって、これ以上ない最適な環境です。

盛岡北高等学校の口コミ・評判のまとめ

最後に、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びのリアルな参考にしてください。

  • 良い点

    • 「先生方がとても熱心で、進路指導が手厚い。大学受験のサポートがしっかりしている」という声が非常に多いです。

    • 「体育祭や文化祭が本当に楽しくて、クラスの絆が深まる。最高の思い出が作れる」と、行事を絶賛する意見が目立ちます。

    • 「明るく面白い人が多く、良い友達に巡り会えた。学校生活が全体的に楽しい」というポジティブな人間関係に関する口コミも多数あります。

    • 「女子の夏服が可愛いと評判で、制服目当てで入学する人もいるくらい」という声もあります。

    • 「勉強と部活、どちらも本気で頑張りたい人には最高の環境」と、文武両道を評価する意見が見られます。

  • 気になる点(注意点)

    • 「課題が多くて、部活との両立がかなり大変。遊ぶ時間はほとんどない」という、勉強量の多さに苦労する声があります。

    • 「校舎や施設が少し古いのが残念」という意見が一部で見られます。

    • 「最寄り駅から徒歩だと少し遠い。バス通学が基本になるので、交通の便が良くないと感じる人もいる」という立地に関する指摘があります。

    • 「『自称進学校』という感じで、中途半端に感じる人もいるかもしれない」という、学校の立ち位置に関する少し厳しい意見もあります。

    • 「文武両道を掲げているが、実際に両立できている人は一握り。かなり強い意志が必要」という現実的な声も聞かれます。

アクセス・通学

盛岡北高等学校への主な通学方法です。多くの生徒が盛岡駅からのバスを利用しています。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR盛岡駅から: 岩手県交通バス「滝沢営業所行き」に乗車(約20分)、「盛岡北高前」バス停で下車し、徒歩約3分。

    • IGR青山駅から: 徒歩で約30分、またはタクシーで約10分。

    • IGR厨川駅から: 徒歩で約40分、またはタクシーで約15分。

  • 通学エリア

    所在地は滝沢市ですが、盛岡市内から通学する生徒が非常に多いです。その他、近隣の市町村からもバスやIGRいわて銀河鉄道を利用して、幅広いエリアから生徒が集まっています。

盛岡北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。盛岡北高等学校の魅力や雰囲気が、少しでも伝わったでしょうか。

最後に、進学アドバイザーとして皆さんへメッセージを送ります。盛岡北高等学校は、ただ言われたことをこなすだけでなく、「自分で考えて行動したい」「勉強も学校行事も全力で楽しみたい」という意欲のある生徒に特におすすめの学校です。先生方は、そんな皆さんの背中を力強く押してくれます。

受験勉強では、苦手科目を作らないよう、5教科をバランス良く学習することが合格への近道です。そして、もう一つ。今から「なぜだろう?」「もっと知りたい」という好奇心を大切にしてください。その探究心こそが、盛岡北高等学校の特色である「カシオペアタイム」を何倍も有意義にし、入学後の皆さんを大きく成長させてくれるはずです。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。