相模女子大学高等部は、ただ高校生活の3年間を過ごすだけでなく、自分らしい未来を描くための大切な土台を築くことができる学校です。幼稚部から大学院までが同じ敷地内に集まる広大で緑豊かなキャンパスは、まるで一つの街のよう。様々な年代の人々が行き交う環境の中で、広い視野と豊かな心を育むことができます。

この学校が大切にしているのは、「研鑽力」「発想力」「協働力」という3つの力です。これらは、自ら学び続ける力、新しいアイデアを生み出す力、そして仲間と協力して物事を成し遂げる力のこと。これからの社会でしなやかに、そして力強く生きていくためのコンパスとなるでしょう。相模女子大学高等部での学びは、きっとあなたを大きく成長させてくれるはずです。

一見すると、落ち着いた雰囲気の伝統的な女子校ですが、その内側には全国レベルで活躍する部活動の熱気や、学校全体が一体となる大規模なイベントの活気があふれています。この静と動のバランスこそが、相模女子大学高等部ならではの魅力です。この記事では、そんな奥深い魅力について、一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。

相模女子大学高等部の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 相模女子大学高等部
私立/公立 私立
共学/女子校 女子校
所在地 〒252-0383 神奈川県相模原市南区文京2-1-1
代表電話番号 042-742-1442
公式サイト https://www.sagami-wu.ac.jp/chukou/

相模女子大学高等部の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になる偏差値や難易度について、具体的な目安を見ていきましょう。

相模女子大学高等部の偏差値は、コースによって異なりますが、おおよそ54〜61が目安とされています。これは神奈川県内の私立女子校の中では、中堅から上位に位置するレベルです。

  • 特別進学コース: 偏差値 50〜61程度

  • 進学コース: 偏差値 45〜54程度

偏差値は模試の種類によって変動するため、あくまで一つの目安として考えてください。相模女子大学高等部の入試で特に重視されるのは、試験当日の点数だけでなく、中学校での日々の頑張りです。推薦入試や書類選考では、「中学3年次の欠席日数が10日未満」であることや、「9科目の評定に『2』以下がないこと(実技4科目は1つまで許容)」といった基準が設けられています。これは、コツコツと真面目に努力を続けられる生徒を評価するという、学校の姿勢の表れと言えるでしょう。

難易度が近い公立高校としては、元石川高校、市ケ尾高校、茅ケ崎高校、茅ケ崎北陵高校などが挙げられます。

また、多くの受験生が併願校として選んでいる私立高校には、以下のような学校があります。

  • 横浜翠陵高等学校

  • 麻布大学附属高等学校

  • 桐蔭学園高等学校

  • 橘学苑高等学校

  • 横浜隼人高等学校

相模女子大学高等部に設置されている学科・コース

相模女子大学高等部には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせて、柔軟に学べるコース制度が用意されています。1年生で基礎を固め、2年生から自分の目標に合った専門的なコースに進むという、ユニークな2段階のシステムが特長です。

1年次

入学時は、まず2つのコースに分かれて学校生活をスタートします。

  • 特別進学コース

    難関国公立大学や私立大学への進学を目指すコースです。質の高い授業と手厚いサポートで、目標達成に向けて学力を徹底的に伸ばします。

  • 進学コース

    幅広い進路に対応できる確かな学力を身につけるコースです。基礎から応用までじっくりと学び、自分の可能性を広げていきます。

2年次以降

1年間じっくり自分の興味や適性を見つめた後、2年生からは以下の4つの専門コースに分かれます。一度コースを選んだ後でも変更の相談が可能で、将来の夢の変化にも柔軟に対応できるのが嬉しいポイントです。

  • アカデミックコース

    文系・社会科学系の難関大学を目指す人におすすめ。探究的な学びを通して、思考力や表現力を深く掘り下げていきます。

  • グローバルコース

    語学や国際関係に興味があり、海外の大学への進学や留学を考えている人に最適。実践的な英語力と異文化理解を深めます。

  • ライフサイエンスコース

    理系、特に医療、薬学、看護、栄養学などの分野に進みたい人向けのコース。実験や実習を多く取り入れ、科学的な探究心を育てます。

  • リベラルアーツコース

    文系・理系の枠にとらわれず、幅広い分野を学びたい人におすすめ。相模女子大学への内部進学や、教育、芸術など多様な進路に対応します。

相模女子大学高等部の特色・校風

相模女子大学高等部の雰囲気は、一言で表すと「のんびり穏やか、でも芯はしっかり」といったところでしょうか。キーワードとしては、「緑豊か」「落ち着いた雰囲気」「規律正しい」「文武両道」などが挙げられます。

多くの在校生や卒業生が口にするのは、女子校ならではの居心地の良さです。「ギスギスした感じが全くない」「男子の目を気にせず、自分らしくのびのび過ごせる」といった声が多く聞かれます。広大なキャンパスでのびのびと過ごせる環境が、生徒たちの穏やかな雰囲気を育んでいるようです。

一方で、校則は厳しいという評判も多くあります。特にスマートフォンの校内での使用は禁止されており、体育祭などのイベントでも使えないことに不満を感じる生徒もいるようです。その他、メイク、髪染め、ピアス、アルバイトも禁止されています。こうした規律は、一見すると窮屈に感じるかもしれません。しかし、これは生徒が学業や友人との対面でのコミュニケーションに集中できるよう、学校側が意図して作り出している環境でもあります。「キラキラした高校生活」をイメージしている人にとっては少し物足りないかもしれませんが、落ち着いた環境でじっくり自分と向き合いたい人には最適な場所と言えるでしょう。

学習面では、宿題や小テストが頻繁に出されるため、日々の予習・復習が欠かせません。コツコツと努力する習慣が自然と身につく環境です。土曜日にも授業があります。

制服は、伝統的なブレザースタイルで、品があると評判です。正装用の紺色のスカートに加え、チェック柄のスカートが夏用と通年用の2種類あり、合計3種類から選べます。最近では生徒の声に応えてスラックスも導入されるなど、時代に合わせて変化しています。

相模女子大学高等部の部活動・イベント

勉強だけでなく、部活動やイベントも高校生活を彩る大切な要素です。相模女子大学高等部には、熱中できるものがきっと見つかります。

部活動

女子校でありながら、部活動が非常に盛んなのが大きな特長です。特に全国レベルで活躍する強豪部がいくつもあります。

  • バスケットボール部

    インターハイやウィンターカップの常連校で、関東大会では優勝経験もあるなど、輝かしい実績を誇ります。高いレベルでバスケットボールに打ち込みたい生徒たちが集まり、日々練習に励んでいます。

  • バトントワーリング部

    全国大会で何度も金賞を受賞している、まさにトップレベルの部活です。文化祭での吹奏楽部との共演パレードは圧巻の一言。初心者から始める生徒がほとんどですが、専門のコーチの指導のもと、美しい演技を追求しています。

  • 水泳部

    関東大会の常連であり、インターハイにも多数の選手を送り出している強豪です。充実した施設で、個々の目標達成に向けて切磋琢磨しています。

  • 弓道部、茶道部などの伝統文化部

    キャンパス内にある本格的な弓道場や茶室「返照庵」で活動できる、珍しくも魅力的な部活です。外部から専門の先生を招き、技術だけでなく、礼儀作法や日本の伝統文化の心も学ぶことができます。

運動部は12、文化部は10以上あり、どの部も活発に活動しています。この高いレベルでの活動を支えているのは、生徒たちの集中力を高める規律ある学校生活と、広大なキャンパスに整えられた充実した施設です。

イベント

学校生活を盛り上げるイベントも、相模女子大学高等部の大きな魅力です。

  • 相生祭(あいおいさい・文化祭)

    11月に行われる、幼稚部から大学まで学園全体が一体となる一大イベントです。高等部の生徒たちはクラスでの出し物や部活動の発表で大活躍。特に、吹奏楽部とバトントワーリング部によるキャンパス内のパレードは、多くの来場者を魅了します。

  • 体育祭

    9月に行われる、中学部・高等部合同のイベントです。女子校ならではの熱気と団結力が見どころで、各色が趣向を凝らす応援合戦や、迫力満点の騎馬戦など、ユニークな種目で盛り上がります。

  • 修学旅行

    7月に実施されます。仲間との絆を深める、高校生活最高の一生の思い出となるでしょう。

相模女子大学高等部の進学実績

相模女子大学高等部の進路指導は、生徒一人ひとりの夢を全力で応援する体制が整っています。その特長は、内部進学という安心感を持ちながら、難関大学への挑戦も積極的にサポートする「ハイブリッド型」である点です。

卒業生の約15%〜20%が、内部推薦制度を利用して相模女子大学・短期大学部へ進学します。2024年度は84名がこの制度を利用しました。内部進学の場合、大学の入学金が全額免除されるという大きなメリットもあります。この「もしもの時の進学先が確保されている」という安心感が、生徒たちがプレッシャーを感じすぎることなく、より高い目標である外部の難関大学受験に挑戦する土台となっています。

その結果、外部大学への進学実績は非常に高く、年々向上しています。

2024年度の主な大学合格実績(既卒生含む)

  • 国公立大学(6名)

    宮崎大学(医学部)、神奈川県立保健福祉大学、山形大学 など

  • 難関私立大学

    • 早慶上理:慶應義塾大学 (1名)、上智大学 (4名)

    • GMARCH:青山学院大学 (6名)、法政大学 (5名)、中央大学 (4名)、立教大学 (3名)、明治大学 (2名)

  • その他

    北里大学(医学部含む14名)、日本女子大学 (9名)、成蹊大学 (5名)、成城大学 (7名) など、多数の合格者を輩出しています。

特に近年は、総合型選抜や英語教育に力を入れており、国際基督教大学(ICU)や早稲田大学などへの合格者も出ています。このように、相模女子大学高等部は、内部進学という選択肢を持ちつつ、生徒の「もっと上を目指したい」という意欲を強力に後押しする進学校としての側面を強めています。

相模女子大学高等部の特長・アピールポイント

他の高校にはない、相模女子大学高等部ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  • 幼稚部から大学までが集う「ワンキャンパス」の恵まれた環境

    広大で緑豊かな敷地内にすべての学校が集まっており、安全で落ち着いた雰囲気です。大学の図書館など、高校生年代から上のレベルの施設を利用できる機会もあります。

  • 夢を見つけて伸ばす、柔軟で戦略的なコース制度

    1年次に基礎を固め、2年次から4つの専門コースに分かれる独自のカリキュラムが特長です。自分の興味や目標の変化に合わせて学びを深め、効果的に大学受験に備えることができます。

  • 全国レベルで活躍できる本格的な部活動

    バスケットボール部やバトントワーリング部をはじめ、全国大会で実績を残す部活動が多数あります。本気で何かに打ち込み、高いレベルを目指したい人にとって最高の環境です。

  • 「安心」と「挑戦」を両立する独自の進路指導

    相模女子大学への内部進学という安心の選択肢を確保しながら、難関国公立大学や私立大学への挑戦を全力でサポートする体制が整っています。

  • 伝統文化に触れ、心を磨く機会

    本格的な茶室「返照庵」での茶道や、専用の弓道場での弓道など、日本の伝統文化に深く触れることができる貴重な機会が用意されています。

相模女子大学高等部の口コミ・評判のまとめ

実際に通っている生徒や卒業生の声は、学校を知る上でとても参考になります。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

良い点

  • 「キャンパスが広くて緑が多く、とても綺麗。落ち着いて勉強できる環境です」という声が多数あります。

  • 「女子だけなので気楽。一生付き合える友達ができました」「いじめなどの話は聞かず、みんな穏やかで優しいです」といった、人間関係の良さを挙げる声が多いようです。

  • 「先生方は親身になって相談に乗ってくれます。放課後に学習をサポートしてくれる『まなLAB』など、勉強のサポートも手厚いです」という評価もあります。

  • 「部活動に本気で打ち込めるのが良い。全国を目指せる環境で、とても充実しています」と、部活動への満足度は非常に高いようです。

  • 「校舎やトイレが新しくて綺麗。特にトイレは数が多くて快適です」など、施設の充実度を評価する声も目立ちます。

気になる点

  • 「校則が厳しすぎる。特にスマホが校内で一切使えないのは不便です」という意見は、最も多く聞かれる注意点です。

  • 「中学からの内部生と高校からの外部生との間に、少し壁を感じることがある」という声も一部にはあるようです。

  • 「相模大野駅から学校の校舎まで、思ったより歩く。特に夏や雨の日は大変です」と感じる生徒もいます。

  • 「先生によって授業の分かりやすさや熱心さに差がある」という、先生の質に関する指摘も見られます。

  • 「進学コースだと、難関大学を目指す雰囲気はあまりない。高いレベルを目指すなら特進コースに入った方が良い」という進路に関する意見もありました。

アクセス・通学

相模女子大学高等部への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 電車でのアクセス

    • 小田急線「相模大野駅」北口から徒歩約10分〜15分。

      駅からキャンパスの正門までは平坦な道ですが、広い敷地内をさらに歩くため、校舎まではもう少し時間がかかると考えておくと良いでしょう。

  • バスでのアクセス

    • 「谷口台小学校前」バス停から徒歩約3分〜5分。

小田急線が利用しやすいため、相模原市内や横浜市、町田市、座間市など、神奈川県内から東京都の一部まで、幅広いエリアから生徒が通学しています。

相模女子大学高等部受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、相模女子大学高等部を目指すあなたにメッセージを送ります。

この学校は、特に「落ち着いた環境で、勉強や部活動に集中したい」「女子だけの環境で、気兼ねなくのびのびと過ごしたい」「将来の夢はまだ決まっていないけれど、高校生活を通してじっくり見つけたい」と考えている人に、心からおすすめできる学校です。規律ある生活の中で、自分を律し、目標に向かって努力する力が自然と身につくでしょう。

相模女子大学高等部の受験では、学力試験の点数だけでなく、中学校での日々の学習態度がとても大切にされます。ですから、今からできることは、毎日の授業を大切にし、提出物をきちんと出し、学校を休まないこと。そうした真面目な姿勢こそが、合格への一番の近道です。相模女子大学高等部は、あなたの頑張りをしっかりと見てくれる学校です。ぜひ一度、オープンキャンパスや相生祭に足を運んで、その素敵な雰囲気を肌で感じてみてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。