私立錦城高等学校は、ただ大学進学のためだけの3年間ではなく、勉強と部活動、学校行事を通して人間的に大きく成長できる場所を探している君に、ぜひ知ってほしい学校です。140年以上の長い歴史を持ち、かつては文豪・芥川龍之介も教鞭をとったことがある伝統校で、その教育の根底には確かな理念が息づいています。
錦城高等学校が大切にしているのは、「文武両道」という言葉だけでは表しきれない、「文」と「武」の相乗効果です。高いレベルの学習環境で知性を磨きながら、活発な部活動や学校行事で心と体を鍛える。この二つの柱が、生徒一人ひとりの可能性を大きく広げ、社会でたくましく生きる力を育んでいます。
この記事では、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、校則や日々の小テスト、先輩たちのリアルな声まで、錦城高等学校の魅力を余すところなくお伝えします。この記事を読めば、君がこの学校でどんな高校生活を送れるのか、きっと具体的にイメージできるはずです。自分にぴったりの学校かどうか、一緒に見ていきましょう。
錦城高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、所在地や連絡先は正確に把握しておくことが大切です。
項目 | 情報 |
正式名称 | 私立錦城高等学校 |
公立/私立 | 私立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒187-0001 東京都小平市大沼町5-3-7 |
電話番号 | 042-341-0741 |
公式サイト | https://www.kinjo-highschool.ed.jp/ |
錦城高等学校の偏差値・難易度・併願校
錦城高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度を正しく理解することはとても重要です。自分の学力と照らし合わせながら、目標設定の参考にしてください。
各種の模擬試験や塾のデータによると、錦城高等学校の偏差値は以下のようになっています。
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普通科 特進コース: 64 〜 70
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普通科 進学コース: 60 〜 66
この数値は、東京都内の私立高校の中でも上位に位置し、高い学力が求められることを示しています。特進コースと進学コースでは偏差値に差があり、校内でも目標とする大学や学習のペースが異なるため、まるで一つの学校の中に二つの異なる環境があるような多様性を持っています。口コミでも「特進と進学のレベルはかなり違う」という声が見られ、自分の目標に合ったコースを選ぶことが大切です。
合格に必要な内申点の目安
錦城高等学校の入試では、当日の学力試験だけでなく、中学校での成績、つまり内申点も非常に重視されます。特に、多くの受験生が利用する「併願優遇制度」では、基準を満たしていることが出願の条件となります。
入試区分 | コース | 3科 | 5科 | 9科 | 備考 |
推薦入試 | 進学 | – | 21以上 | – | 作文・面接。9教科に1, 2がないこと。 |
併願優遇 | 特進 | 14以上 | 23以上 | 38以上 | 3年次の欠席・遅刻・早退が各5日以内など条件あり。 |
併願優遇 | 進学 | – | 22以上 | 37以上 | 3年次の欠席・遅刻・早退が各5日以内など条件あり。 |
主な併願校
錦城高等学校は、都立上位校を目指す受験生の併願校として非常に人気が高い学校です。多くの受験生が、第一志望の公立高校の合格発表まで安心して待つことができる「滑り止め」として、この学校を選んでいます。
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公立高校の併願校例:
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立川高校、国立高校、新宿高校、小金井北高校、武蔵野北高校など
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私立高校の併願校例:
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拓殖大学第一高校、八王子学園八王子高校、聖徳学園高校、朋優学院高校、西武学園文理高校など
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錦城高等学校に設置されている学科・コース
錦城高等学校には、生徒一人ひとりの進路目標に合わせて選べる2つのコースが設置されています。それぞれのコースで、どんなことを学び、どんな未来を目指せるのかを見ていきましょう。
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普通科 特進コース
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どんなことを学ぶ?:難関国公立大学や早慶上理といった最難関私立大学への現役合格を目指し、ハイレベルな応用力を養います。授業の進度は速く、演習量が豊富なのが特徴です。
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どんな生徒におすすめ?:高い学習意欲を持ち、学問的な探求を楽しめる生徒、明確な目標に向かって努力を続けられる生徒に最適です。
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普通科 進学コース
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どんなことを学ぶ?:GMARCHをはじめとする有名私立大学への現役合格を目指し、基礎学力の定着を重視した丁寧な授業が行われます。予習・授業・復習の学習サイクルを確立し、着実に学力を伸ばします。
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どんな生徒におすすめ?:勉強と部活動を高いレベルで両立させたい生徒や、高校生活全体を楽しみながら希望の大学進学を叶えたい生徒におすすめです。
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錦城高等学校の特色・校風
錦城高等学校の雰囲気は、いくつかのキーワードで表すことができます。「文武両道」「面倒見が良い」「規律正しい」「活気がある」といった言葉が、この学校の日常をよく表しています。
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宿題の量と小テスト
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宿題の量は多く、特に毎日のように行われる「小テスト」は錦城高校の名物とも言えるかもしれません。口コミでは「毎時間重めの小テストの日もある」という声もあり、学習習慣が自然と身につく環境です。「嫌でも勉強せざるを得ない環境がありがたい」と感じる生徒も多いようです。
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校則(スマホ、服装など)
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校則は、私立高校の中では比較的厳しいという評判です。特に大きな特徴は「校内でのスマートフォン使用禁止」というルールです。これにより、生徒は休み時間に友達と直接会話をしたり、勉強に集中したりする時間が増え、深い人間関係を築きやすいというメリットを挙げる声があります。
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制服は「可愛い」「かっこいい」と評判が良く、指定のバッグやローファーもあり、統一感のある着こなしが求められます。女子のスカート丈や化粧については厳しく指導される傾向があるようです。
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生徒たちの雰囲気
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1学年が500人以上いるマンモス校のため、様々なタイプの生徒がいますが、全体的には「穏やかで真面目な生徒が多い」という印象です。勉強熱心な生徒が多く、互いに教え合ったり、高め合ったりする雰囲気が自然に生まれています。活発な生徒も多く、行事の際にはクラス一丸となって盛り上がります。
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アルバイト
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学校の公式方針として、アルバイトは禁止されています。これは「勉強、部活動、学校行事に専念してほしい」という学校の考えに基づいています。
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土曜授業
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土曜日も毎週4時間の平常授業があります。これにより、豊富な授業時間数を確保し、大学受験に向けたカリキュラムを余裕を持って進めることができます。
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錦城高等学校の部活動・イベント
部活動
錦城高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。運動部23、文化部18と、多種多様なクラブがあり、多くの生徒が勉強と両立させながら熱心に活動しています。スポーツ推薦入学制度がないため、全員が同じスタートラインから活動を始められるのも大きな特徴です。
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特に実績豊富な部活動
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映画研究部:NHK杯全国高校放送コンテストで優勝し、文部科学大臣賞を受賞するなど、全国トップレベルの実績を誇ります。プロ顔負けのドラマやドキュメンタリー制作に挑戦できます。
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陸上競技部:インターハイ(全国高校総体)の常連で、特に女子競歩では全国大会で入賞する選手を輩出しています。高いレベルで競技に打ち込みたい生徒に最適な環境です。
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放送部:映画研究部と同様にNHK杯で全国準優勝を果たすなど、アナウンスや番組制作の分野で高い評価を得ています。
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バドミントン部:男女ともに東京都で常に上位の成績を収める強豪です。個人でもインターハイ出場経験があります。
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珍しい部活動
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ワンダーフォーゲル部や鉄道研究部、室内楽部など、他の高校ではあまり見られないユニークな部活動も充実しており、自分の興味をとことん追求することができます。
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イベント
錦城高等学校の学校生活は、勉強や部活動だけでなく、多彩なイベントによって彩られています。クラスの団結力を高め、一生の思い出を作る機会がたくさん用意されています。
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球技大会:春と秋の年2回、数日間にわたって開催される錦城高校の看板イベントです。全校生徒がクラス対抗で優勝を目指し、大変な盛り上がりを見せます。先輩たちの口コミでも「クラス一丸となって楽しんだ」という声が多く、学校生活一番の思い出に挙げる生徒も少なくありません。
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錦城祭(文化祭):9月に2日間にわたって開催される文化祭です。各クラスが演劇や映像作品などの企画に知恵を絞り、文化部は日頃の活動の成果を発表する晴れの舞台となります。来場者も多く、地域でも知られたイベントの一つです。
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修学旅行:2年生の冬には、山形県の蔵王へスキー修学旅行に行きます。銀世界の中で友人たちと過ごす時間は、かけがえのない思い出となるでしょう。初心者でもインストラクターの指導で、最終日には滑れるようになる生徒がほとんどです。
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その他の行事:1、2年生がクラスごとに合唱を競う「合唱祭」や、オーストラリアやシンガポールへの語学研修プログラムなど、一年を通して様々な体験ができます。
錦城高等学校の進学実績
錦城高等学校の教育の成果は、その高い大学進学実績にもはっきりと表れています。多くの生徒が、3年間の努力を実らせて希望の進路を実現しています。
2025年度の主な大学合格実績
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国公立大学:合計109名(現役90名)
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京都大学(1)、一橋大学(1)、東京科学大学(旧東京工業大学)(4)、北海道大学(5)、東北大学(1)、筑波大学(3)、東京都立大学(17)など、全国の難関大学に多数の合格者を輩出しています。
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難関私立大学:
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早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科):合計92名
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早稲田大学(27)、慶應義塾大学(9)、上智大学(21)、東京理科大学(35)。
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GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):合計386名
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明治大学(79)、青山学院大学(37)、立教大学(70)、中央大学(72)、法政大学(97)。
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進学実績を支える取り組み
こうした輝かしい実績は、日々の手厚いサポート体制によって支えられています。
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高大連携プログラム:大学の先生を学校に招いて出張講義を行ったり、学部説明会を開催したりと、高校生のうちから大学での学びに触れる機会が豊富にあります。日本獣医生命科学大学とは連携協定を結ぶなど、専門分野への興味を深める取り組みも積極的です。
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手厚い学習サポート:授業でわからないことがあれば、先生方が親身に教えてくれます。職員室の前には質問用のスペースが設けられており、気軽に相談できる環境が整っています。塾に通わずに難関大学に合格した卒業生もおり、学校のサポートだけで受験に対応できる体制が整っていることがうかがえます。
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豊富な指定校推薦枠:東京都立大学、早稲田大学、上智大学、GMARCH各大学など、多くの大学から指定校推薦枠を得ており、多様な進路選択が可能です。
錦城高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、錦城高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
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「文×武」の教育理念
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「文武両道」をさらに一歩進め、学業(文)と課外活動(武)が掛け合わさることで生徒の未来を大きく広げるという、独自の教育理念を掲げています。
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GMARCHへの圧倒的な合格実績
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GMARCHの合格者数が年間で380名を超えるなど、このレベルの大学を目指す生徒にとって非常に信頼性の高い進学指導を行っています。
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学習に集中できる規律正しい環境
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頻繁な小テスト、土曜授業、そして校内スマホ禁止といったルールは、生徒が学習に集中し、友人との対話を大切にするための意図的な環境設定です。
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多彩なグローバル教育プログラム
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オーストラリアやシンガポールでの語学研修、ターム留学制度など、国際的な視野を広げるためのプログラムが充実しています。
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充実した高大連携プログラム
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大学教授による出張講義や大学との連携協定などを通じて、早い段階から専門的な学びに触れ、将来の目標を具体化する手助けをしています。
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全国レベルで活躍する文化部
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映画研究部や放送部が全国コンテストで優勝・準優勝するなど、文化系の部活動でも全国トップレベルの実績を誇り、クリエイティブな才能を伸ばせる環境があります。
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一体感を育む名物行事「球技大会」
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春と秋の年2回開催される大規模な球技大会は、学校生活を象徴するイベントであり、クラスの絆を深める最高の舞台です。
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錦城高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生、保護者から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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先生のサポートが手厚い:「先生と生徒の距離が近く、質問や相談がしやすい」という声が非常に多いです。進路相談にも親身に乗ってくれ、一人ひとりをしっかり見てくれるという評価が目立ちます。
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勉強に集中できる雰囲気がある:「周りの友達も真面目に勉強に取り組んでいるので、自然と自分も頑張れる」という意見が多く見られます。学習意欲の高い生徒にとっては最高の環境と言えるでしょう。
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行事が楽しく、クラスの団結力が強い:「球技大会や錦城祭は本当に盛り上がる」「最高の思い出ができた」といった声が多数寄せられています。行事を通して、強い一体感が生まれるようです。
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施設が綺麗で充実している:特に図書館は新しく、自習スペースも豊富で勉強しやすいと評判です。校舎全体が清潔に保たれている点も評価されています。
気になる点
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校則が厳しいと感じることも:特に「校内スマホ禁止」のルールについては、不便に感じるという声が一定数あります。自由な校風を求める人には、少し窮屈に感じられるかもしれません。
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勉強の負担が大きい:毎日の小テストや課題の多さに、入学当初は戸惑う生徒もいるようです。「勉強漬けの毎日」と感じることもあるため、ある程度の覚悟は必要かもしれません。
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学校の規模が大きい:全校生徒数が多く、「マンモス校」と表現されることもあります。そのため、食堂が混雑するといった意見も見られます。
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駅から少し歩く:最寄りの小平駅から徒歩で15分〜20分かかるため、アクセスが少し不便だと感じる生徒もいるようです。
アクセス・通学
錦城高等学校への通学方法と、どのエリアから通っている生徒が多いかについて解説します。
主なアクセス方法
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西武新宿線「小平駅」から徒歩約15〜20分。
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JR中央線「武蔵小金井駅」北口から西武バス「東久留米駅行き」に乗車し、「錦城高校前」バス停で下車(バス停は学校の目の前)。
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西武池袋線「東久留米駅」西口から西武バス「武蔵小金井駅行き」に乗車し、「錦城高校前」バス停で下車。
通学エリア
西武新宿線、JR中央線、西武池袋線の3路線からアクセスしやすいため、通学している生徒のエリアは広範囲にわたります。小平市、西東京市、国分寺市、小金井市といった多摩地域はもちろん、23区西部や埼玉県南部から通学している生徒も多い傾向があります。特に、武蔵小金井駅や東久留米駅からバス1本で通える利便性は、多くの生徒にとって魅力となっているようです。
錦城高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして君にメッセージを送ります。私立錦城高等学校は、努力した分だけ、必ず成長が返ってくる学校です。しっかりとしたルールの中で、勉強にも部活動にも全力で打ち込みたい、そして最高の仲間と忘れられない思い出を作りたい。そんな君にこそ、ぴったりの場所だと思います。
錦城高等学校が特に合っているのは、「決められた環境の中でコツコツと努力するのが得意な生徒」や、「先生からの丁寧な指導を受けながら学力を伸ばしたい生徒」です。受験勉強では、何よりもまず中学校の成績、特に「内申点」を大切にしてください。併願優遇制度を利用するためには、通知表の数字が絶対的な基準となります。日々の授業を大切にし、定期テストで着実に結果を出すことが、錦城高等学校への合格への一番の近道です。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。