東京都立立川国際中等教育学校は、その名の通り「国際」を冠した、都立では唯一の中等教育学校です。 2008年に開校し、2022年度からは附属小学校も設置され、全国でも珍しい公立の小中高一貫教育校として新たなスタートを切りました。

立川国際中等教育学校の最大の魅力は、6年間の一貫教育の中で、国際社会で活躍できるリーダーを育成する独自のプログラムにあります。 日常的に多様な文化に触れられる環境や、充実した語学教育、そして生徒の主体性を育む探究的な学びは、他校では得られない貴重な経験となるでしょう。

この記事では、そんな立川国際中等教育学校の特色や学校生活、進学実績などを、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。6年間を通して大きく成長できるこの学校の魅力を、ぜひ感じ取ってください。

立川国際中等教育学校の基本情報

立川国際中等教育学校は、高校からの生徒募集を行っていない中高一貫校です。そのため、高校受験での入学はできません。

項目 内容
正式名称 東京都立立川国際中等教育学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒190-0012 東京都立川市曙町3-29-37
代表電話番号 042-524-3903
公式サイト https://www.metro.ed.jp/tachikawachuto-s/

立川国際中等教育学校の特色・校風

立川国際中等教育学校の校風は、「グローバル」「自主自律」「探究心」といった言葉で表現できます。多様な価値観を尊重し、生徒一人ひとりが主体的に学ぶ姿勢を大切にしている学校です。

  • 宿題の量:口コミによると、宿題は多めと感じる生徒が多いようです。特に長期休暇中は多くの課題が出される傾向にありますが、計画的に取り組むことで十分こなせる量だという声もあります。

  • 校則:校則は、他の公立中学校・高校と比較して、標準的かやや緩やかという意見が見られます。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、校内での使用にはルールが定められています。服装に関しても、制服の着こなしについてある程度の指導はあるものの、厳しすぎないとの評判です。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で知的好奇心が旺盛な生徒が多いようです。約2割が海外帰国生徒や在京外国人生徒であり、様々なバックグラウンドを持つ生徒たちが共に学ぶことで、自然と多様性を尊重する雰囲気が育まれています。

  • アルバイト:原則として禁止されています。

  • 制服:上品な紺を基調としたブレザーで、特に女子生徒のチェックスカートは可愛いと評判です。男子生徒のスラックスも落ち着いたデザインで、全体的に清楚な印象を与えます。

  • 土曜授業:土曜授業が実施されています。

立川国際中等教育学校の部活動・イベント

部活動

立川国際中等教育学校では、多くの生徒が部活動に加入し、勉強と両立しながら熱心に活動しています。運動部・文化部ともに種類が豊富で、自分の興味に合わせて選ぶことができます。

特に、吹奏楽部や合唱部は定期演奏会を開催するなど活発に活動しており、高いレベルを誇っています。 また、英語ディベート部や模擬国連部など、国際色豊かな学校ならではの部活動も人気です。

イベント

立川国際中等教育学校の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営するものが多く、非常に盛り上がります。

  • 紫翠祭(文化祭):毎年9月に行われる文化祭は、最大のイベントの一つです。 クラスごとの展示や発表、部活動の公演、有志によるステージなど、多彩な企画で溢れます。特に3年生(中3)が行う英語劇は、伝統となっており見応えがあります。

  • 体育祭:6月に行われる体育祭は、学年やクラスを越えた団結力が試される場です。 応援合戦や各種競技に全力で取り組み、学校全体が一体感に包まれます。

  • 海外研修・国際交流:5年生(高2)では、全員がオーストラリアでの海外研修旅行に参加します。 その他にも、希望者向けにカンボジアやシンガポール、アメリカでの研修プログラムが用意されており、国際感覚を養う絶好の機会となっています。

立川国際中等教育学校の進学実績

立川国際中等教育学校は、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しており、非常に高い進学実績を誇っています。6年間の一貫したカリキュラムと手厚い進路指導が、生徒一人ひとりの希望の進路実現を力強くサポートしています。

2024年度の主な大学合格実績は以下の通りです。

  • 国公立大学:東京大学5名、一橋大学4名、東京科学大学(旧・東京工業大学)2名など、旧帝大+一工に11名が合格しています。 国公立大学全体では30名以上の合格者が出ています。

  • 難関私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、ICUを合わせた「早慶上理ICU」にのべ95名が合格。 また、「GMARCH」(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)にはのべ158名が合格しています。

  • その他:海外の大学へ進学する生徒もいるのが大きな特徴です。 長期休暇中の講習や、習熟度別・少人数制授業など、進学実績に結びつく手厚いサポート体制が整っています。

立川国際中等教育学校の特長・アピールポイント

立川国際中等教育学校には、他の学校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 6年間一貫の探究的な学び:小中高の枠を超えた12年間(中高では6年間)を見通した独自の探究プログラム「IBL(Inquiry-Based Learning)」を軸に、主体的に学ぶ力を養います。

  • 多様性あふれる学習環境:全校生徒の約2割が海外帰国・在京外国人生徒で、日常的に多様な文化や価値観に触れることができます。

  • 充実した英語教育と国際交流:ネイティブ教員の数が多く、授業外でも英語に触れる機会が豊富です。 卒業までに英検準1級取得を目標とするなど、実践的な英語力の育成に力を入れています。 オーストラリアへの全員参加の海外研修旅行のほか、多彩な留学・国際交流プログラムが用意されています。

  • 後期課程(高校)での文理分けなし:5年生(高校2年生)まで文系・理系にクラスを分けず、幅広い教養を身につけることを重視しています。 これにより、生徒は自分の興味・関心をじっくりと見極め、将来の進路を考えることができます。

  • 国際バカロレア(IB)の教育理念:IB認定校ではありませんが、その教育理念である「探究的な学び」をカリキュラムに取り入れています。 生徒の主体性や論理的思考力を育むことを目指しています。

  • 充実した学習施設:図書館の他に自習室が完備されており、廊下にも自習スペースが設けられるなど、生徒が集中して学習に取り組める環境が整っています。

  • 活発な学校行事:文化祭「紫翠祭」や体育祭、合唱祭など、生徒が主体となって創り上げる行事が多く、学校生活を豊かに彩ります。

立川国際中等教育学校の口コミ・評判のまとめ

立川国際中等教育学校は、生徒や保護者から非常に評価の高い学校ですが、いくつかの注意点も挙げられています。

  • 良い点:

    • 「国際的な環境で、多様な価値観に触れながら成長できる」という声が最も多く聞かれます。

    • 「先生方のサポートが手厚く、進路相談にも親身に乗ってくれる」

    • 「探究活動や発表の機会が多く、自主性やプレゼンテーション能力が身につく」

    • 「友人関係が良好で、知的好奇心旺盛な仲間と切磋琢磨できる」

    • 「英語力が飛躍的に伸びた」という卒業生の声も多数あります。

  • 気になる点:

    • 「課題やレポートが多く、学習は楽ではない」という意見があります。自主的な学習習慣が求められるようです。

    • 「駅から少し距離がある」という点が挙げられています。

    • 「施設が比較的新しく綺麗だが、グラウンドが少し手狭」といった声もあります。

アクセス・通学

立川国際中等教育学校へのアクセスは以下の通りです。

  • JR中央線・南武線・青梅線「立川駅」北口から徒歩約18〜20分

  • 多摩都市モノレール「立川北駅」から徒歩約18〜20分

  • 立川駅北口または立川北駅から、立川バス「北町行き」に乗車し、「立川国際中等教育学校」バス停で下車(所要時間約12分)。

通学している生徒は、立川市、八王子市、日野市、国立市、国分寺市など多摩地区全域からだけでなく、JR中央線沿線を中心に23区内から通う生徒もいます。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。