徳島県立脇町高等学校は、120年を超える豊かな歴史と伝統を礎に、未来を切り拓く革新的な教育を実践する、徳島県西部を代表する進学校です。地域社会に貢献する多くの卒業生を輩出してきたこの学び舎は、単に学問を修めるだけの場所ではありません。
「文武両道」を学校の基本方針に掲げ、生徒一人ひとりが学業と部活動の両方に全力で打ち込むことを奨励しています。この脇町高等学校の精神は、生徒たちに知力、体力、そして豊かな人間性を育むための土壌を提供し、充実した3年間を約束します。
さらに、先進的な理数教育を推進する「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」としての顔も持っています。伝統を重んじながらも、常に未来を見据えた教育に挑戦し続ける脇町高等学校。この記事では、そんな魅力あふれる高校生活の全貌を、進学アドバイザーの視点から詳しくご紹介します。
脇町高等学校の基本情報
脇町高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。学校選びの第一歩として、まずは正確な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 徳島県立脇町高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒779-3610 徳島県美馬市脇町大字脇町1270-2 |
代表電話番号 | 0883-52-2208 |
公式サイトURL | https://wakimachi-hs.tokushima-ec.ed.jp/ |
脇町高等学校の偏差値・難易度・併願校
脇町高等学校への合格を目指す上で、その学力レベルを正確に把握することは非常に重要です。偏差値はあくまで一つの目安ですが、具体的な目標設定に役立ちます。
最新の偏差値は普通科で「61」とされており、徳島県内の公立高校の中ではトップクラスに位置します。この数値は、高い学力が求められることを示しています。同じくらいの偏差値の高校としては、富岡西高等学校(理数科、偏差値61)や池田高等学校(探究科、偏差値60)などが挙げられ、これらの学校と比較することで脇町高等学校の難易度をより具体的にイメージできるでしょう。
合格に必要な内申点の目安としては、非常に高いレベルが求められる傾向があります。過去の合格者の例を見ると、中学3年間を通じてほぼ満点に近い成績(例:45点満点中43点以上)を収めている生徒も少なくありません。日々の授業態度や定期テストへの取り組みが、受験において極めて重要になると言えるでしょう。
徳島県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、併願校は私立高校から選ぶことになります。脇町高等学校を受験する生徒の主な併願校としては、生光学園高等学校などが挙げられることが多いようです。
脇町高等学校に設置されている学科・コース
脇町高等学校の学びのフィールドは、一見シンプルながら奥深い構成になっています。どのような学科があり、どんなことが学べるのかを見ていきましょう。
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普通科
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学校に設置されている公式な学科は「普通科」のみです。しかし、その内容は決して「普通」ではありません。2年次からは文系・理系のコースに分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学習を深めていきます。
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スーパーサイエンスハイスクール(SSH)コース
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厳密には学科やコースとして独立しているわけではありませんが、脇町高等学校の最大の特徴がこのSSH指定です。学校全体が文部科学省からSSHの指定を受けており、理数系教育に特化した先進的なプログラムが全校で展開されています。特に理系コースの生徒は、『探究科学』といった学校設定科目を通じて、大学や研究機関と連携した本格的な課題研究に取り組みます。科学的な探究心を持ち、将来、研究者や技術者を目指したい生徒にとって、これ以上ない環境が整っています。
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脇町高等学校の特色・校風
脇町高等学校での3年間は、どのような雰囲気の中で過ごすのでしょうか。キーワードは「文武両道」「アットホーム」「探究学習」「伝統と革新」です。
学校全体の雰囲気は、進学校らしい真面目さと、生徒同士の仲の良さが両立した、落ち着きのあるものです。「アットホームで生徒も先生も本当にいい人ばかり」という声が多く聞かれ、いじめなどもほとんど見られない平和な環境のようです。
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宿題の量:口コミでは「多い」という意見が多数を占めます。特に週末課題や長期休暇中の課題はかなりの量になることがあるようです。一部には「自分のペースで勉強する時間が取りにくい」と感じる生徒もいるようですが、この豊富な課題が、高い進学実績を支える一因とも言えます。
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校則:全体的に「厳しい」と捉える生徒が多いようです。特に服装や頭髪に関する規定は明確です。男子は黒の詰襟、女子は紺のセーラー服という伝統的な制服で、スカート丈は膝の中心にかかる程度と定められています。頭髪についても、染髪やパーマは禁止されており、清潔感が求められます。
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スマートフォンの扱い:校内でのスマートフォンの使用に関する具体的なルールは、公開されている資料からは確認できませんでした。学校説明会などで直接確認することをおすすめします。
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生徒たちの雰囲気:真面目で勉強熱心な生徒が多いですが、行事などでは一丸となって盛り上がる活発さも持ち合わせています。互いを尊重し合える、穏やかで優しい生徒が多いという印象です。
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アルバイト:アルバイトに関する規定は確認できませんでした。進学校の特性上、学業に専念することが推奨される可能性が高いですが、こちらも学校への確認が必要です。
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制服の評判:伝統的なセーラー服と詰襟であり、クラシックで品があるという印象を持つ人が多いようです。
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土曜授業:正規の土曜授業に関する情報はありませんが、模試や補習などが土曜日に行われることはあるようです。
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施設:校舎自体は歴史があるため、一部に古さを感じる部分もあるようですが、図書館の蔵書や体育館などの設備は充実しており、学習や部活動に打ち込む環境は整っています。
脇町高等学校の部活動・イベント
部活動
脇町高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。多くの生徒が部活動に加入し、学業と両立させながら素晴らしい実績を残しています。
運動部、文化部ともに充実しており、全国レベルで活躍する部が複数存在します。
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特に有名な部活動
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女子ソフトテニス部:全国大会の常連校としてその名を轟かせています。「育成型選抜」という入試制度で、顕著な実績を持つ生徒を募集していることからも、学校がいかに力を入れているかが分かります。
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ラグビー部:男子ラグビー部も全国大会に駒を進める強豪として知られています。力強いプレーとチームワークが魅力です。
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文化部:運動部だけでなく、文化部の活躍も目覚ましいものがあります。放送部、書道部、吹奏楽部、新聞部などが全国大会で優秀な成績を収めており、多彩な才能が輝く場となっています。
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全体の様子
運動部では弓道部や卓球部、文化部では美術・イラスト部や探求部なども人気があり、活気に満ちています。生徒のほとんどが何らかの部に所属し、仲間と共に目標に向かって努力する経験は、高校生活をより豊かなものにしてくれるでしょう。
イベント
勉強や部活動だけでなく、学校行事も脇町高校の大きな魅力の一つです。生徒が主体となって作り上げるイベントは、クラスや学年の団結力を高め、かけがえのない思い出となります。
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脇高祭(わきこうさい)
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9月上旬に3日間にわたって開催される、学校最大のイベントです。文化祭と体育祭が一体となっており、学校中が熱気に包まれます。初日の「前日祭」では各クラスが趣向を凝らしたパフォーマンスを披露し、2日目の「文化祭」では展示や模擬店で来場者をもてなします。最終日の「体育祭」では、総合優勝を目指して各クラスが熱戦を繰り広げます。
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修学旅行
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2年生の5月に実施されます。行き先は年によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会です。
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SSH関連行事
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SSH指定校ならではのユニークな行事も豊富です。夏休みには中学生向けのオープンスクールが開催されるほか、屋久島や台湾での研修など、校外での実践的な学習機会も設けられています。
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脇町高等学校の進学実績
脇町高等学校の教育の成果は、その卓越した大学進学実績に明確に表れています。生徒の9割以上が大学進学を希望し、その多くが国公立大学や難関私立大学への合格を果たしています。
公式サイトによると、国公立大学への合格率は延べ人数で72.5%に達しており、これは県内でも非常に高い水準です。以下に、2025年春の主な大学合格実績をまとめました。
分類 | 主な合格大学名と人数 |
難関国公立大学 | 京都大学 (1), 北海道大学 (1), 九州大学 (1), 東京外国語大学 (1) など |
主な国公立大学 | 徳島大学 (19), 香川大学 (13), 愛媛大学 (8), 岡山大学 (7), 広島大学 (1) など |
難関私立大学 | 早稲田大学 (1), 同志社大学 (2), 立命館大学 (7), 関西学院大学 (4), 明治大学 (1), 中央大学 (1) など |
主な私立大学 | 近畿大学 (25), 京都産業大学 (14), 龍谷大学 (13), 松山大学 (15), 徳島文理大学 (11) など |
これらの輝かしい実績は、日々の質の高い授業はもちろん、手厚い進路サポート体制によって支えられています。「先生方が一人ひとりの進路に真剣に向き合ってくれる」という口コミが示すように、経験豊富な教員による個別指導や面談が充実しています。また、有名大学からの指定校推薦枠も豊富にあり、多様な進路選択が可能となっています。週末課題や定期的な模試、SSHでの探究活動など、全ての教育活動が、生徒の希望進路実現へと繋がっています。
脇町高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、脇町高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。これらのポイントが、あなたの高校選びの決め手になるかもしれません。
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未来を拓くSSHプログラム
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文部科学省指定のスーパーサイエンスハイスクールとして、大学レベルの先進的な理数教育を受けられます。データ分析やAIを活用した課題研究など、他ではできない貴重な体験ができます。
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地域トップクラスの大学進学実績
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特に徳島大学をはじめとする四国や中国地方の国公立大学への進学に圧倒的な強さを誇ります。先生方の手厚いサポートと豊富な情報量で、第一志望合格へと導きます。
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「文武両道」を体現する活発な部活動
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女子ソフトテニス部やラグビー部といった全国レベルの運動部から、同じく全国で活躍する文化部まで、多種多様な部活動が盛んです。高いレベルで勉強と部活を両立できる環境です。
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生徒主体の学校行事と育まれる団結力
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学校最大のイベント「脇高祭」は、生徒たちが企画・運営の中心となり、大変な盛り上がりを見せます。準備から本番まで、クラス一丸となって取り組む経験は、強い団結力を育みます。
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120年の伝統とアットホームな校風
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長い歴史の中で培われた落ち着いた雰囲気と、生徒も先生も温かい「アットホーム」な人間関係が魅力です。尊敬できる仲間たちと、安心して学校生活を送ることができます。
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手厚い進路指導と豊富な指定校推薦枠
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教員による親身な進路相談に加え、有名私立大学などを中心に指定校推薦の枠が多数用意されています。一般入試だけでなく、多様な受験方法を視野に入れることができます。
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脇町高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生の声をまとめることで、脇町高等学校のリアルな姿が見えてきます。良い点と気になる点の両方を把握し、自分に合った学校かどうかを判断する材料にしてください。
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良い点
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「先生のサポートが手厚い」:進路相談や学習指導において、先生方が非常に親身になってくれるという声が圧倒的に多いです。熱心な先生方の存在が、生徒のやる気を引き出しています。
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「行事が楽しく、クラスの団結力が強い」:脇高祭をはじめとする学校行事が非常に盛り上がり、最高の思い出になるという意見が多数あります。
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「目標の高い仲間と切磋琢磨できる」:真面目で向学心の高い生徒が多く、互いに刺激し合いながら成長できる環境です。
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「アットホームで平和な雰囲気」:生徒同士の仲が良く、いじめなどの心配が少ない、安心して過ごせる学校だと評価されています。
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気になる点
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「課題が多く、自分の勉強時間がとりにくい」:宿題や課題の量が非常に多いという声は、最もよく聞かれる注意点です。計画的な学習習慣が求められます。
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「校則が厳しいと感じる声も」:特に服装や頭髪に関する規定が厳格だと感じる生徒もいるようです。自由な校風を求める人には合わないかもしれません。
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「施設の一部が古い」:歴史ある学校のため、校舎の老朽化を指摘する声が一部にあります。ただし、学習に必要な設備は整っているとの意見がほとんどです。
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「駅から遠く、通学が少し大変」:最寄りの穴吹駅から徒歩で30分以上かかるため、通学の負担が大きいという点は、多くの生徒が挙げる難点です。
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アクセス・通学
毎日のことだからこそ、通学方法は事前にしっかり確認しておきましょう。脇町高等学校へのアクセスは、以下の通りです。
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最寄り駅:JR徳島線 「穴吹駅」
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駅からのアクセス:
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徒歩:駅から学校までは約2km以上の距離があり、徒歩で28分から44分程度かかるとされています。体力に自信がある生徒以外は、他の手段を検討する必要があるかもしれません。
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自動車:駅から車で約10分です。保護者による送迎や、地域のバスなどを利用する生徒もいます。
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主な通学エリア:
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地元の美馬市から通う生徒が最も多いですが、近隣の阿波市や三好市など、広い範囲から生徒が集まっています。毎日の通学時間や方法を具体的にシミュレーションしておくことが大切です。
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脇町高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、脇町高等学校を目指す君たちにメッセージを送ります。
この学校は、「大学進学」という明確な目標を持ち、その達成のために努力を惜しまない人に特におすすめです。厳しい課題や校則も、夢を叶えるためのステップだと前向きに捉えられる人なら、最高の3年間を送れるでしょう。脇町高等学校は、そんな君の頑張りに全力で応えてくれる学校です。
受験勉強では、内申点をとにかく大切にしてください。中学1年生の時から、授業態度、提出物、定期テストの全てに真剣に取り組むことが合格への近道です。入試本番では、基礎力を固めた上で、徳島県の入試傾向である思考力や記述力を問う問題にしっかり対策しておきましょう。挑戦の先には、素晴らしい仲間と未来が待っています。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。