埼玉県立越ヶ谷高等学校は、2025年に創立100周年を迎える歴史と伝統を誇る、県内でも屈指の人気校です。長年にわたり地域社会からの厚い信頼を築き、多くの卒業生を社会に送り出してきました。その人気は、高い学力レベルだけでなく、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育環境にあります。

「文武両道」と「自主自律」を教育の柱に掲げる越ヶ谷高等学校では、勉強はもちろんのこと、部活動や学校行事にも全力で打ち込む活気あふれる生徒たちの姿が印象的です。ここでは、生徒が主役となって学校生活を創り上げていく文化が根付いており、やらされる勉強ではなく、自ら学び、考え、行動する力が育まれます。

「実際の学校生活はどんな感じ?」「勉強と部活、そして楽しい高校生活を両立できる?」そんな期待と少しの不安を抱えている中学生と保護者の皆さんのために、この記事では「越高(えつこう)」の愛称で親しまれるこの学校の魅力を、様々な角度から詳しくご紹介します。学校選びの参考に、ぜひ最後までご覧ください。

越ヶ谷高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 埼玉県立越ヶ谷高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学の別 男女共学
所在地 〒343-0024 埼玉県越谷市越ヶ谷2788-1
代表電話番号 048-965-3421
公式サイト https://koshigaya-h.spec.ed.jp/

越ヶ谷高等学校の偏差値・難易度・併願校

越ヶ谷高等学校への合格を目指す上で、具体的な学力レベルを把握しておくことは非常に重要です。

普通科の最新の偏差値は66前後とされており、これは埼玉県内の公立高校の中でも上位に位置する高いレベルです。合格するためには、中学校の学習内容を深く理解し、応用力を身につけておく必要があります。

学力だけでなく、中学校での日々の学習態度を示す内申点も合否の重要な要素となります。埼玉県の公立高校入試では、中学1年生から3年生までの成績が評価対象となり、特に中学3年生の成績は比重が高く(1:1:3の比率で計算されることが多いようです)、最後まで気を抜かずに学習に取り組む姿勢が求められます。

指標 目安
北辰テスト偏差値 61~63
内申点 中1 37
内申点 中2 38
内申点 中3 41
入試当日点 330~340点 / 500点満点

上記の表はあくまで目安ですが、合格者の多くは通知表で「4」を中心に「5」を複数取得しているようです。日々の授業を大切にし、定期テストで安定して高得点を取ることが、越ヶ谷高等学校への合格への近道と言えるでしょう。

また、埼玉県の高校受験では、公立高校は原則として1校しか受験できません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願することが一般的です。越ヶ谷高等学校を受験する生徒の主な併願校としては、以下のような学校が挙げられます。

  • 叡明高等学校(特進選抜コース・特進コース)

  • 春日部共栄高等学校(特進コース)

  • 埼玉栄高等学校(αコース)

越ヶ谷高等学校に設置されている学科・コース

越ヶ谷高等学校には、全日制と定時制の2つの課程があります。多くの受験生が目指すのは全日制の普通科です。

  • 普通科(単位制)

    • 1年次は芸術科目以外は全員が同じ科目を履修し、基礎学力を固めます。2年次から文系・理系に分かれ、さらに3年次では各自の進路希望に合わせて多くの選択科目が用意されています。この「単位制」が越ヶ谷高等学校の大きな特徴で、大学受験に必要な科目を集中的に学んだり、自分の興味関心を深める科目を選んだりと、主体的に学習計画を立てることができます。将来の目標が明確な人にも、これから見つけたい人にも最適なシステムです。

  • 定時制

    • 働きながら学びたい人や、自分のペースで高校卒業を目指したい人のための課程です。給食があるなど、独自の特色を持っています。

越ヶ谷高等学校の特色・校風

学校選びでは、偏差値や進学実績だけでなく、学校生活の雰囲気、つまり「校風」が自分に合っているかどうかも非常に大切なポイントです。

学校全体の雰囲気を示すキーワードは、「文武両道」「自主自律」「活気と落ち着きの両立」です。生徒たちは勉強にも行事にも真剣に取り組み、オンとオフの切り替えが上手な印象です。生徒の自主性を尊重する校風が、落ち着きと活気を両立させていると言えるでしょう。

  • 宿題の量

    • 「少し多め」と感じる生徒もいるようですが、他の進学校と比較すると標準的な量のようです。日々の予習・復習を習慣づけていれば、十分にこなせる内容と量だという声が多く聞かれます。

  • 校則(スマホ、服装など)

    • 県内の他の高校と比べると、校則は「比較的緩やか」で、生徒の自主性が尊重されています。ただし、自由には責任が伴います。

    • スマートフォンは校内での使用が認められていますが、授業中の使用は原則禁止です。授業中に音が鳴ると没収されることもあるため、マナーを守ることが求められます。

    • 服装や頭髪に関する検査は、学期に一度、年3回ほど行われます。スカート丈やシャツの着こなしなど、基本的なルールを守っていれば厳しく指導されることは少ないようです。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 「明るく真面目な生徒が多い」という評判です。いじめなどはほとんど聞かれず、お互いを尊重し合う穏やかな雰囲気があるようです。クラスや部活動、行事を通じて、一生の友人に出会えるかもしれません。

  • アルバイト

    • アルバイトは許可されています。勉強や部活動との両立を考えながら、社会経験を積むことができるのは魅力の一つです。

  • 制服の評判

    • 男子は伝統的な黒の学生服(学ラン)、女子は紺のブレザーです。リボンやネクタイがないシンプルなデザインで、「清楚で良い」という意見もあれば、「少し地味かも」という声も聞かれます。

  • 土曜授業

    • 原則として、毎週の土曜授業はありません。後述する「65分授業」の採用により、平日の授業だけで十分な学習時間を確保しています。そのため、土曜日は部活動の練習や大会、または自分のペースでの学習に集中できる環境が整っています。

越ヶ谷高等学校の部活動・イベント

「文武両道」を掲げるだけあり、部活動や学校行事は非常に盛んで、学校生活を彩る重要な要素となっています。

部活動

部活動への加入率は95%を超え、ほとんどの生徒が何らかの活動に参加しています。運動部・文化部ともに種類が豊富で、活気にあふれています。

  • 特に有名な部活動

    • 他の学校ではあまり見られない珍しい部活動が強く、全国レベルで活躍しているのが特徴です。特に、ボート部、アーチェリー部、少林寺拳法部は、関東大会や全国大会の常連として知られています。一つのことに打ち込み、高いレベルを目指したい生徒にとっては最高の環境です。

  • 全体の様子

    • 運動部は上記の他にも野球、サッカー、テニス、陸上、ダンスなど定番の部活が揃っており、どの部も熱心に活動しています。文化部も吹奏楽部、軽音楽部、美術部、書道部などが盛んで、文化祭などでの発表は大きな見どころとなっています。自分に合った部活動が必ず見つかるはずです。

イベント

生徒が主体となって作り上げる学校行事は、越高生活一番の思い出として多くの生徒の心に残ります。

  • 体育祭

    • 毎年6月に行われる一大イベントです。全校生徒が4つの団(赤・青・黄・白など)に分かれ、総合優勝を目指して競い合います。100m走や大縄跳びといった定番種目に加え、男子の「騎馬戦」や女子の「棒引き」は迫力満点。一番の盛り上がりを見せるのは、各部活がユニフォーム姿でプライドをかけて走る「部活対抗リレー」です。

  • 越高祭(えつこうさい)

    • 毎年9月に行われる文化祭で、2日間にわたって開催されます。各クラスが趣向を凝らした企画(お化け屋敷、演劇、飲食店など)や、文化部の質の高い展示・発表、有志団体によるステージパフォーマンスなど、見どころが満載です。毎年多くの地域住民や中学生が訪れ、校内は大変な熱気に包まれます。

越ヶ谷高等学校の進学実績

多くの生徒が大学進学を目指しており、その希望を実現するための手厚いサポート体制と高い進学実績を誇ります。

最新の2025年度の大学合格実績を見ると、国公立大学から難関私立大学まで、幅広い大学に多くの合格者を出していることがわかります。

大学グループ 2025年度 合格者数(既卒生含む)
国公立大学 34名
早慶上理 21名
GMARCH 207名
日東駒専 290名
  • 国公立大学

    • 地元の埼玉大学(4名)をはじめ、筑波大学(3名)、千葉大学(1名)、東京都立大学(2名)など、関東圏の難関大学を中心に安定した合格実績があります。

  • 難関私立大学

    • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)には合計で207名という非常に多くの合格者を輩出しており、特に法政大学(72名)、明治大学(44名)への強さが見られます。また、早稲田大学(12名)、慶應義塾大学(8名)といった最難関私立大学にも多数の合格者を出しています。

  • その他の進路

    • 日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)レベルの大学にも多くの生徒が進学しており、生徒一人ひとりの学力や目標に合わせた進路指導が行われていることがうかがえます。ほとんどの生徒が4年制大学へ進学しますが、専門学校への進学や就職を選ぶ生徒も少数ながらいます。

こうした高い進学実績を支えているのが、学校独自のきめ細やかな進学サポート体制です。1年生の段階から計画的な進路指導が始まり、卒業生を招いた相談会や、大学の専門家によるガイダンスが頻繁に開催されます。また、早朝や放課後、夏休みなどの長期休暇中には、受験対策のための補習や講習が数多く開講され、希望者は誰でも参加することができます。

越ヶ谷高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、越ヶ谷高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 進学重視の単位制カリキュラム

    • 2年次から自分の進路に合わせて時間割を組み立てられるため、大学受験に向けて効率的かつ主体的に学習を進めることができます。

  • 独自の「65分授業」

    • 1コマの授業時間を65分に設定することで、1日の授業数は5コマでも、週全体では標準的な授業時間数を確保。これにより、放課後の時間を長く確保でき、部活動に集中できる環境を生み出しています。まさに「文武両道」を実現するための工夫です。

  • 生徒が主役の学校行事

    • 体育祭や越高祭は、企画から運営まで生徒会や実行委員会が中心となって行われます。仲間と協力して一つのものを創り上げる経験は、学力だけでは測れない大きな成長の機会となります。

  • 手厚い進路サポート体制

    • 1年生からの計画的なガイダンス、豊富な補習・講習、オンライン学習ツール「スタディサプリ」の導入など、生徒の「行きたい大学」への進学を全力でバックアップする体制が整っています。

  • 全国レベルで活躍する珍しい部活動

    • ボート部やアーチェリー部など、他ではなかなか経験できない部活動が盛んで、全国の舞台で活躍しています。多様な興味に応える環境があります。

  • 自主性を重んじる自由な校風

    • 比較的緩やかな校則のもと、生徒一人ひとりが責任を持って行動することが求められます。この環境が、社会で通用する自律した人間を育てます。

越ヶ谷高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの「生の声」は、学校の本当の姿を知る上でとても参考になります。ここでは、良い点と気になる点を公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「行事がとにかく楽しくて、クラスの団結力が強まる」という声が非常に多いです。特に越高祭は、準備期間も含めて最高の思い出になると評判です。

    • 「周りの友達のレベルが高く、一緒に頑張れる環境がある」「穏やかで優しい人が多い」など、人間関係に満足している声が目立ちます。

    • 「部活動がとても盛んで、本気で打ち込める場所がある」という点も、多くの生徒にとって大きな魅力となっています。

    • 「先生方は質問に行くと熱心に教えてくれる」「進路相談に親身に乗ってくれる」など、学習面でのサポートの手厚さを評価する声も聞かれます。

  • 気になる点

    • 最も多く聞かれるのが「駅から遠い」という点です。越谷駅、北越谷駅のどちらからも徒歩15分以上かかるため、特に夏場や雨の日の通学が大変だという意見があります。

    • 「先生によって授業の分かりやすさに差がある」という声も一部で見られます。これはどの学校にも言えることですが、合わないと感じる先生もいるようです。

    • 「施設が全体的に少し古い」という意見もあります。清掃は行き届いていますが、校舎の歴史を感じる部分もあるようです。

    • 「思ったより自由ではなかった」という声も。自由な校風というイメージで入学すると、スマホの使用ルールなど、守るべき決まりがあることに少し窮屈さを感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

越ヶ谷高等学校への主な通学方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 東武スカイツリーライン「越谷」駅 東口より徒歩約15~20分

    • 東武スカイツリーライン「北越谷」駅 東口より徒歩約15分

  • バスを利用する場合

    • 東武スカイツリーライン「越谷」駅 東口から朝日バスに乗車し、「越ヶ谷高校前」バス停で下車すると目の前です。

  • 通学エリア

    • 地元の越谷市から通学する生徒が最も多いですが、草加市、春日部市、吉川市、三郷市など、周辺の市や町からも多くの生徒が電車や自転車を利用して通学しています。

越ヶ谷高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

こんにちは、進学アドバイザーです。ここまで越ヶ谷高等学校の魅力についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?

この学校は、「勉強も頑張りたいけど、部活や行事で最高の思い出も作りたい!」という、エネルギッシュで欲張りな君にこそ、ぴったりの場所です。生徒の自主性を信じ、多くのチャンスを与えてくれるのが越ヶ谷高等学校の素晴らしいところ。自ら目標を立てて行動できる人なら、きっと充実した3年間を送れるはずです。

受験勉強では、まず中学校の成績、つまり内申点を安定させることが何よりも大切です。特に中学3年生の成績は重要視されるので、日々の授業と提出物を大切にしてください。その上で、苦手科目をなくし、5教科バランス良く得点できる学力を入試本番までに身につけましょう。高い目標ですが、君ならきっと乗り越えられます。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。