近畿大学附属高等学校、通称「近高(きんこう)」は、あなたの高校生活を、そしてその先の未来を豊かに彩るための無限の可能性を秘めた学校です。全校生徒約3000人という西日本でも有数の規模を誇るマンモス校ならではの活気と多様性の中で、きっとあなたにぴったりの居場所と目標が見つかるはずです。

この学校の最大の魅力は、二つの確かな道を同時に示してくれる点にあります。一つは、絶大な人気を誇る近畿大学への内部進学という安心感に満ちた道。もう一つは、最難関の国公立大学を目指すためのハイレベルな学習環境が整えられた挑戦の道です。近畿大学附属高等学校では、このどちらの道を選ぶことも、あるいは両方の可能性を視野に入れながら進むこともできます。

勉強はもちろん、全国レベルで活躍する部活動、大阪城ホールという特別な舞台で行われる体育祭など、ここでしか経験できないことがたくさん待っています。この記事では、そんなエネルギッシュで懐の深い「近高」の魅力を、進学アドバイザーとして余すところなくお伝えします。あなたの高校選びの確かな一歩となるよう、一緒に見ていきましょう。

近畿大学附属高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩は、正確な情報を知ることから始まります。

項目 内容
正式名称 近畿大学附属高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒578-0944 大阪府東大阪市若江西新町5-3-1
代表電話番号 06-6722-1261
公式サイト https://www.jsh.kindai.ac.jp/hs/

近畿大学附属高等学校の偏差値・難易度・併願校

近畿大学附属高等学校の学力レベルは、コースによって大きく異なります。これは、この学校を理解する上で非常に重要なポイントです。自分の目標に合ったコースを見つけるために、偏差値や難易度をしっかりと把握しましょう。

コースごとの偏差値は以下の通りです。

コース名 偏差値
Super文理コース 71
特進文理コースⅠ 68
特進文理コースⅡ 66
英語特化コース 63
進学コース 63

この偏差値の幅広さは、近畿大学附属高等学校が「一つの学校の中に、複数の異なるレベルの学校が存在する」ような構造になっていることを示しています。最上位のSuper文理コースの偏差値71は、大阪府内でもトップクラスの難易度です。一方で、進学コースや英語特化コースは、確かな学力を持ちながらも、より幅広い生徒層に門戸を開いています。このため、校則の厳しさや生徒の雰囲気、学習への熱量もコースによって異なるとの声が多く聞かれます。志望校として考える際は、「近高」という大きな枠組みだけでなく、「どのコースで3年間を過ごしたいか」を具体的にイメージすることが、入学後のミスマッチを防ぐ鍵となります。

合格に必要な内申点の具体的な基準は公表されていませんが、特にSuper文理コースや特進文理コースを目指す場合、中学校での成績が非常に優秀であることが前提となります。入試は5教科で、コースごとに合格最低点が設定されています。

この学校が多くの受験生から選ばれる理由の一つに、大阪府内のトップ公立高校を目指す生徒にとって、最高の併願校であることが挙げられます。実際に、Super文理コースを併願で受験する生徒の多くは、北野高校、天王寺高校、高津高校、生野高校、三国丘高校といった最難関公立高校を第一志望にしています。併願受験者のうち、約9割が第一志望の公立高校に合格していくというデータもあり、これは近畿大学附属高等学校の入試が、トップ公立高校の合否を占う試金石として機能していることを意味します。つまり、「近高のSuper文理に合格できれば、第一志望のトップ公立校への挑戦権を得た」と考えることができるのです。

私立高校では、大阪桐蔭高校、清風高校、明星高校、桃山学院高校などが、同じくらいの学力レベルの生徒が併願先として検討する学校として挙げられます。

近畿大学附属高等学校に設置されている学科・コース

近畿大学附属高等学校には、生徒一人ひとりの目標や興味に合わせた多彩なコースが設置されています。それぞれのコースの特色を理解し、自分に最も合った場所を選びましょう。

  • 文理コース (Super文理コース, 特進文理コースⅠ, 特進文理コースⅡ)

    • 京都大学や大阪大学といった最難関国公立大学から、その他の国公立大学、難関私立大学まで、高いレベルでの大学進学を目指すコースです。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境で、徹底的に学力を伸ばしたい生徒におすすめです。

  • 英語特化コース

    • 実践的な英語力を身につけ、グローバルな舞台で活躍することを目指すコースです。海外留学や国際バカロレア(IB)クラスへの道も開かれており、将来、海外の大学や国際系の学部に進みたい生徒に最適です。

  • 進学コース

    • 近畿大学への内部進学を主な目標とする、学校内で最も人数の多いコースです。附属校ならではのメリットを最大限に活かし、安定した環境で高校生活を送りながら、人気の高い近畿大学への進学を目指したい生徒におすすめです。

なお、1年生から2年生に進級する際に、一定の条件を満たせば文理コースと進学コース間でコースを変更することも可能で、入学後の目標の変化にも柔軟に対応できる体制が整っています。

近畿大学附属高等学校の特色・校風

「文武両道」「マンモス校」「グローバル」「ICT先進校」といったキーワードで表される近畿大学附属高等学校の学校生活。ここでは、口コミなどを基に、中学生が本当に知りたいリアルな姿に迫ります。

宿題の量は、コースによって差があるようです。特にSuper文理コースや特進文理コースでは、授業の進度が速く、課題も多いため、日々の予習・復習が欠かせないという声が多く聞かれます。進学コースは比較的、自分のペースで学習を進めやすい環境のようです。

校則については、「厳しい」という意見と「そうでもない」という意見が混在しており、一概には言えません。学校の公式な方針としては「身だしなみ」を重視していますが、実際の運用は先生やコースによって温度差があるのが実情のようです。例えば、「文理コースは厳しく、進学コースは緩やか」「男子生徒には厳しく、女子生徒には甘い」といった口コミが見られます。

スマートフォンの校内での使用は原則禁止で、電源を切ってカバンにしまうのがルールですが、これも先生によっては黙認されることがあるなど、状況次第という声が聞かれます。服装や頭髪の検査は定期的に行われますが、スカートを折ったり、メイクをしたりしている生徒もおり、ある程度は個人の裁量に任されている部分もあるようです。

生徒たちの雰囲気もコースによる違いが大きいです。文理コースは真面目で勉強熱心な生徒が多く、落ち着いた雰囲気です。一方、進学コースは活発で明るい生徒が多く、学校生活を楽しみたいという雰囲気ですが、一部で「少し騒々しい」と感じる生徒もいるようです。英語特化コースは、留学などの共通の目標があるためか、クラスの団結力が強いと評判です。

アルバイトは原則として禁止されています。家庭の事情などでやむを得ない場合は、学校に届け出て許可を得る必要があります。

制服は、男女ともにブレザースタイルです。特に女子は、ネクタイとリボン、スカート・キュロット・スラックスから選べるなど、選択肢が豊富なのが特徴で、評判は概ね良好です。

土曜授業は、午前中に行われています。施設・設備面は非常に評価が高く、人工芝のグラウンド、全教室・体育館の冷暖房完備、そして何より「トイレがきれい」という口コミが多数寄せられています。

近畿大学附属高等学校の部活動・イベント

部活動

近畿大学附属高等学校は、勉強だけでなく部活動にも全力で打ち込める「文武両道」の精神が根付いています。加入率は約6割と高く、多くの生徒が学業と両立させながら青春を謳歌しています。

運動部は、全国にその名を轟かせる強豪クラブが数多く存在します。

  • 野球部:春の選抜高校野球大会で全国制覇の経験があり、数多くのプロ野球選手を輩出している名門中の名門です。

  • 水泳部:オリンピック選手を輩出した歴史を持ち、インターハイでの男女総合優勝回数は合計33回を誇るなど、圧倒的な実績を誇ります。

  • サッカー部:全国高等学校サッカー選手権大会の大阪府代表常連校として知られています。

  • その他:相撲部、レスリング部、ラグビー部、アーチェリー部なども全国レベルで活躍しています。

文化部も活気にあふれています。

  • 吹奏楽部:関西大会の常連であり、高い演奏技術で知られています。

  • 囲碁・将棋部:全国大会でも優秀な成績を収める強豪です。

  • 英語同好会:英語のレッスンだけでなく、ミュージカルなどの音楽活動も行うユニークな活動が魅力です。

これら以外にも多種多様なクラブや同好会があり、きっとあなたが3年間熱中できる活動が見つかるでしょう。

イベント

近畿大学附属高等学校の学校行事は、マンモス校ならではのスケールと熱気が魅力です。

  • 体育祭:最大の目玉は、プロのコンサートやスポーツイベントで使われる「大阪城ホール」を貸し切って行われる体育祭です。全校生徒が8つのブロックに分かれて競い合い、会場はものすごい熱気に包まれます。「魔法のじゅうたん運びリレー」といったユニークな競技もあり、生徒と保護者が一体となって盛り上がる一日です。

  • 文化祭「近梅祭(きんばいさい)」:学校最大のイベントで、毎年多くの来場者で賑わいます。クラスごとの展示や模擬店、ステージでの有志発表など、生徒たちが主体となって創り上げる祭典は、高校生活最高の思い出の一つになるでしょう。

  • 修学旅行:行き先は年度やコースによって様々ですが、近年では東京(東京ディズニーリゾートやスカイツリーなど)や沖縄を訪れています。仲間との絆を深める貴重な体験となります。

近畿大学附属高等学校の進学実績

近畿大学附属高等学校の進路指導は、生徒の多様な未来を力強くサポートします。この学校の進学実績は、大きく分けて「近畿大学への内部進学」と「難関国公立・私立大学への外部進学」という二つの大きな柱で支えられています。

まず特筆すべきは、系列大学である近畿大学への圧倒的な進学実績です。2025年春の卒業生のうち、約6割にあたる600名が近畿大学へ進学しています。これは、高校での成績など、定められた基準を満たすことで試験免除で進学できる附属特別推薦制度によるもので、多くの生徒にとって大きな安心材料となっています。

一方で、外部大学への進学実績も非常に高い水準を誇ります。難関国公立大学や難関私立大学を目指す生徒のために、手厚いサポート体制が敷かれています。朝の小テストや放課後の再テスト、長期休暇中の集中学習会、小論文対策など、志望校合格に向けたきめ細やかな指導が行われます。国公立大学を受験する場合でも、近畿大学への推薦資格を保持したまま挑戦できる併願制度があり、安心して最難関大学にチャレンジできる環境が整っているのです。この「安心」と「挑戦」の両立こそが、近畿大学附属高等学校の進路指導の最大の強みと言えるでしょう。

2025年度の主な大学合格実績は以下の通りです。

  • 国公立大学:合計157名

    • 主な合格先:京都大学 4名、大阪大学 9名、神戸大学 7名、大阪公立大学 23名、名古屋大学 1名、東北大学 1名、北海道大学、九州大学など。

  • 難関私立大学:

    • 関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学):合計323名

    • 早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学:合計7名

  • 近畿大学:600名

  • その他:専門学校への進学や就職など、多様な進路を選ぶ生徒もいます。

近畿大学附属高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、近畿大学附属高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 未来を選べる「ハイブリッド型」の進路指導

    • 人気の高い近畿大学への内部進学という「安心の道」と、最難関国公立大学を目指す「挑戦の道」の両方が用意されており、自分の目標に合わせて最適な進路を選択できます。

  • Apple認定校の先進的なICT教育

    • 全生徒がiPadを持ち、独自のポータルサイト「CYBER CAMPUS」を活用。授業や課題提出、学校からの連絡まで、学校生活のあらゆる場面でテクノロジーが活用されています。Apple社から卓越した教育機関として認定される「Apple Distinguished School」にも選ばれています。

  • 世界へつながるグローバル教育

    • 2022年に国際的な教育プログラムである「国際バカロレア(IB)」の認定校となり、質の高い国際教育を提供。短期の語学研修から1年間の交換留学まで、多彩な留学制度も整っています。

  • マンモス校だからこそのスケールと熱気

    • 約3000人の生徒が集まるからこそ生まれる多様な出会いや機会があります。特に、プロも使用する大阪城ホールを貸し切って行われる体育祭は、他では決して味わえない圧巻のイベントです。

  • 本物の「文武両道」を実現する環境

    • 野球部や水泳部をはじめ、数多くの部活動が全国の頂点を目指して活動する一方で、京都大学や大阪大学など最難関大学への合格者も多数輩出。学問とスポーツ、どちらも本気で取り組める環境がここにはあります。

  • 大学と一体化した「高大連携」教育

    • 近畿大学のキャンパスに隣接しているため、大学の図書館などの施設を利用したり、大学教授による模擬授業を受けたりする機会が豊富にあります。高校にいながら一足先に大学の学びに触れることができます。

近畿大学附属高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられた様々な声から、学校のリアルな姿を探ってみましょう。良い点だけでなく、少し気になる点も知っておくことで、より深く学校を理解できます。

  • 良い点:

    • 「施設がとにかく綺麗で快適!」という声が非常に多いです。特に、人工芝のグラウンド、冷暖房完備の教室、清潔なトイレは多くの生徒から高く評価されています。

    • 「生徒数が多いので、色々なタイプの友達ができる」というマンモス校ならではのメリットを挙げる声も多数あります。

    • 「先生方が親身に相談に乗ってくれる」「クラスの仲間と励まし合って受験を乗り越えられた」など、先生のサポートや友人関係の良さを評価する意見も目立ちます。

    • 「近畿大学に進学できるという安心感が大きい」という、附属校ならではのメリットを挙げる声は、特に進学コースの生徒や保護者から多く聞かれます。

    • 意外なところでは、「プールの授業がないのが嬉しい」という声も少なくありません。

  • 気になる点:

    • 「先生の当たり外れが大きい」という意見は、残念ながら複数の口コミで見られます。どの先生が担任になるかで、学校生活の満足度が変わる可能性があるようです。

    • 「校則の厳しさが先生によって違う」という声もあります。スマホや服装に関するルールが、その場の先生の判断で変わることがあり、戸惑う生徒もいるようです。

    • 「文理コースは課題が多くて大変」といった、学習面の負担の大きさを指摘する声もあります。高い目標を目指す分、相応の努力が求められます。

    • 「生徒数が多すぎて、埋もれてしまうことがある」と感じる生徒もいます。積極的に部活動などに参加しないと、友人関係を広げにくいかもしれません。

    • 「いじめへの対応が十分ではないと感じた」という深刻な意見も一部で見られます。学校側は対策方針を定めていますが、万が一の際にどのように対応されるかは、事前に確認しておきたい点です。

    • 「駅から20分歩くのが遠い」というのは、多くの生徒が挙げる共通の悩みです。

アクセス・通学

近畿大学附属高等学校への通学方法と、主な通学エリアについてご紹介します。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 近鉄大阪線「長瀬」駅より徒歩約20分

    • 近鉄奈良線「八戸ノ里」駅より徒歩約20分

    • JRおおさか東線・近鉄大阪線「俊徳道」駅より徒歩約40〜50分(バス利用を推奨)

  • バスでのアクセス

    • 「八戸ノ里」駅と「俊徳道」駅から、近畿大学東門前まで便利な「大学直行バス」(運賃120円)が運行されています。バス停から学校までは徒歩約5分です。

    • さらに、生徒専用のスクールバスも運行されています(月額定期券制)。JR久宝寺駅、京阪門真市駅、JR鴻池新田駅など、様々な方面の主要駅と学校を結んでおり、遠方からの通学もサポートしています。

  • 主な通学エリア

    • 充実した交通網により、学校が位置する東大阪市だけでなく、大阪市内、八尾市、奈良県方面など、非常に広い範囲から生徒が通学しています。

近畿大学附属高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。近畿大学附属高等学校という魅力的な学校に興味を持ってくれたことを、心から嬉しく思います。

近畿大学附属高等学校は、自ら考えて行動できる人、多様な選択肢の中から自分の道を切り拓きたいと願う人に、最高の舞台を提供してくれます。「近畿大学への進学」という確かな土台の上で、最難関大学への挑戦や、全国レベルの部活動、国際交流など、自分のやりたいことに思う存分打ち込める環境です。もしあなたが、ただ一つの正解を求めるのではなく、たくさんの可能性の中で自分を試してみたいと考えるなら、この学校はきっと期待に応えてくれるでしょう。

受験勉強に向けては、5教科すべてをバランス良く学習することが大切です。特に理科と社会は、公立高校の入試問題よりも難しいと感じる受験生が多いようですので、油断せずに対策を進めてください。Super文理コースや特進文理コースを目指すあなたは、府内トップクラスの受験生たちとの厳しい競争になります。最後まで諦めずに、自分の力を信じて努力を続けてください。近畿大学附属高等学校で始まるあなたの未来が、輝かしいものになるよう、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。