千葉県立鎌ヶ谷高等学校、通称「鎌高(カマコウ)」は、高校選びという人生の大きな岐路に立つ皆さんにとって、非常に魅力的な選択肢の一つとなる学校です。勉強だけでなく、部活動や学校行事にも全力で打ち込みたい、そんなエネルギーあふれる三年間を思い描いている中学生とその保護者の皆さんに、鎌ヶ谷高等学校がどのような場所なのか、そのリアルな姿をお届けします。

この学校の最大の魅力は、多くの在校生や卒業生が口を揃えて語る「文武両道」の精神と、生徒が主役となって創り上げる活気ある学校生活にあります。高いレベルの大学進学を目指しながら、一生の思い出に残る学校行事や部活動に情熱を注ぐことができる環境は、鎌高ならではのものです。真面目で落ち着いた雰囲気の中にも、イベントにかける熱い想いが溢れています。

この記事では、偏差値や進学実績といった客観的なデータはもちろんのこと、校則や制服、学校生活の雰囲気といった、在校生の口コミに基づいた「生の声」まで、詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたが鎌ヶ谷高等学校でどのような高校生活を送ることができるのか、きっと具体的にイメージできるはずです。さあ、一緒に鎌高の扉を開けてみましょう。

鎌ヶ谷高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。正式名称は「千葉県立鎌ヶ谷高等学校」ですが、所在地の市名は「鎌ケ谷市」と、「が」の字が少し違うのは豆知識です。

項目 内容
正式名称 千葉県立鎌ヶ谷高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学の別 男女共学
所在地 〒273-0115 千葉県鎌ケ谷市東道野辺1-4-1
代表電話番号 047-444-2171
公式サイトURL https://cms1.chiba-c.ed.jp/kamagaya-h/

鎌ヶ谷高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで最も気になるのが、やはり偏差値と難易度ですよね。鎌ヶ谷高等学校の立ち位置を具体的に見ていきましょう。

鎌ヶ谷高等学校の偏差値は、各種模擬試験や塾のデータによると、おおむね58〜61の範囲に位置しています。これは千葉県内の公立高校の中でも上位にランクされ、第3学区(鎌ケ谷市、柏市、流山市、野田市、我孫子市)ではトップクラスの進学校の一つです。近年、その人気はさらに高まる傾向にあり、入試倍率が1.5倍を超えることもあるなど、合格を勝ち取るにはしっかりとした準備が必要です。

合格に必要な内申点の目安としては、3年間の合計で135点満点中、105〜115点程度が一つの目標となります。通知表の評定で言うと、9教科で「4」を中心としながら、得意教科で「5」がいくつかある状態をイメージすると分かりやすいでしょう。

千葉県の公立高校入試では、他の公立高校との併願ができないため、多くの受験生が私立高校を併願します。鎌ヶ谷高校を受験する生徒に人気の併願校としては、以下のような学校が挙げられます。

  • 八千代松陰高等学校

  • 専修大学松戸高等学校

  • 流通経済大学付属柏高等学校

  • 日本大学習志野高等学校

  • 芝浦工業大学柏高等学校

これらの私立高校も高いレベルにあるため、鎌ヶ谷高等学校を目指すことは、高い学力を持つライバルたちとの競争になることを意味します。

鎌ヶ谷高等学校に設置されている学科・コース

鎌ヶ谷高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。特別なコース分けはありませんが、これは生徒一人ひとりが幅広い知識を身につけ、自分の興味や適性をじっくりと見極めるためのカリキュラムが組まれていることを意味します。

  • 普通科

    • 1、2年生では、芸術科目などの一部選択を除き、全員が共通の科目を履修し、国語・数学・英語を中心に全ての教科の基礎学力を徹底的に固めます。将来、文系・理系のどちらの道に進むとしても必要となる土台を、この2年間でしっかりと築き上げます。3年生になると、それぞれの進路希望に合わせて「文系」と「理系」のコースに分かれ、大学受験に向けた専門的な学習が本格化します。

    • 「まだ将来の夢がはっきり決まっていない」「高校で色々なことを学びながら自分の進みたい道を見つけたい」と考えている生徒に特におすすめの環境です。

鎌ヶ谷高等学校の特色・校風

鎌ヶ谷高等学校の雰囲気は、いくつかのキーワードで表すことができます。「文武両道」「行事が盛ん」「落ち着いた雰囲気」「メリハリがある」といった言葉が、この学校のカルチャーをよく表しています。

  • 宿題の量

    • 「自称進学校」という口コミも見られるように、課題や小テストは定期的に出され、決して楽ではありません。しかし、こなせないほどの量ではなく、テスト前には多くの生徒が真剣に勉強に取り組むため、自然と学習習慣が身につく環境と言えそうです。

  • 校則

    • 全体的には「厳しすぎず、緩すぎず」という声が多いようです。スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、授業中の使用はもちろん禁止です。服装については、式典などでは厳しく指導されますが、普段はある程度の着こなしは許容されているようです。ただし、先生によって指導の厳しさが異なるという意見もあるため、節度を守ることが大切です。近年、気候変動に対応するため、制服の衣替え期間が廃止され、年間を通じて冬服・夏服どちらも着用可能になるなど、柔軟な対応も見られます。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 「真面目で落ち着いている」「穏やかで優しい人が多い」という評判が非常に多いのが特徴です。いわゆる「派手」な生徒は少なく、いじめもほとんど聞かれない平和な雰囲気で、誰もが安心して学校生活を送れるようです。しかし、ひとたび学校行事となると、その落ち着いた雰囲気は一変。クラス一丸となって全力で盛り上がる「メリハリ」のある生徒が多いのも鎌高生の魅力です。

  • アルバイト

    • アルバイトは原則として禁止されていませんが、長期休暇中に限り、学校に届け出を提出して許可を得る必要があります。

  • 制服の評判

    • 制服は在校生からも人気があります。男子は伝統的な黒の学生服(詰襟)ですが、ボタンも黒で統一されており、シャープな印象です。女子は紺色のブレザーで、爽やかなブルーのシャツに、リボンまたはネクタイを合わせます。女子はスカートだけでなく、スラックスを選択することも可能です。

  • 土曜授業

    • 平常授業として毎週土曜授業があるわけではないようです。ただし、模試や進学補習などが土曜日に行われることはあります。

鎌ヶ谷高等学校の部活動・イベント

「文武両道」を掲げる鎌ヶ谷高等学校では、部活動も学校行事も非常に盛んで、高校生活を彩る重要な要素となっています。

部活動

運動部・文化部ともに多くの部が活発に活動しており、県大会など上位の大会で活躍する部も少なくありません。部活動への加入率も高く、多くの生徒が学業と両立させながら練習に励んでいます。

  • 百人一首かるた部

    • 全国レベルの強豪として知られています。全国高等学校選手権大会でベスト16に入るなど、輝かしい実績を誇ります。文化部で全国の舞台を目指したい人には最高の環境です。

  • 陸上競技部

    • 個人・リレー種目ともに県大会で常に入賞争いを演じ、関東大会へ出場する選手も輩出しています。高いレベルで競技に打ち込みたい生徒が集まっています。

  • 料理研究部

    • 過去には「料理甲子園」でグランプリを獲得したこともある、ユニークで実力のある部活動です。本格的に料理の腕を磨きたい人にとっては非常に魅力的です。

  • 吹奏楽部

    • 地域のイベントにも積極的に参加し、コンクールでも好成績を収めている人気の部活動です。仲間と一つの音楽を創り上げる喜びを味わえます。

イベント

鎌ヶ谷高等学校を語る上で欠かせないのが、生徒たちが主役となって創り上げる学校行事です。その盛り上がりは、多くの生徒が「鎌高を選んだ理由」として挙げるほどです。

  • 鎌高祭(文化祭・体育祭)

    • 鎌高最大のイベントであり、文化の部と体育の部で構成されます。特に文化の部では、3年生の全クラスが演劇を上演するのが伝統となっており、数ヶ月かけて脚本、衣装、大道具などをすべて生徒たちの手で作り上げます。そのクオリティの高さと熱量は圧巻です。体育の部では、騎馬戦や棒倒しといった伝統競技で、クラスの誇りをかけて熱い戦いが繰り広げられます。

  • 球技大会

    • 鎌高祭と並んで非常に盛り上がるイベントの一つです。ドッジボールやサッカー、バスケットボールなどの種目で、クラス対抗で優勝を目指します。学年を超えて応援にも熱が入り、学校全体が一体感に包まれます。

  • 修学旅行

    • 高校生活の大きな思い出となる修学旅行も、生徒たちが楽しみにしている行事の一つです。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

鎌ヶ谷高等学校の進学実績

充実した学校生活を送りながらも、鎌ヶ谷高等学校の生徒たちは高い進学意識を持っています。卒業生の9割以上が大学へ進学しており、確かな学力が身についていることを証明しています。

特に、難関私立大学への進学実績には目を見張るものがあります。2025年度の入試では、以下のような素晴らしい結果を残しています(現役・既卒含む)。

大学群 合格者数(2025年度)
国公立大学 27名
早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科) 34名
GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政) 170名

主な合格先大学と人数は以下の通りです。

  • 国公立大学:千葉大学 7名、東北大学 1名、東京都立大学 1名、埼玉大学 1名、千葉県立保健医療大学 5名など

  • 難関私立大学:早稲田大学 6名、慶應義塾大学 1名、上智大学 9名、東京理科大学 12名、明治大学 36名、法政大学 56名、立教大学 30名、日本大学 111名、東洋大学 115名など

こうした高い進学実績を支えているのが、学校の手厚い進路サポート体制です。1年生の段階から保護者向けの説明会や、生徒向けの進路講演会が計画的に実施され、早い時期から大学受験を意識させます。放課後や長期休暇中には実力養成講座が開かれ、週末課題が出されるなど、授業以外の学習機会も豊富に用意されています。また、東京理科大学やGMARCHをはじめ、多くの大学から指定校推薦の枠も得ています。

鎌ヶ谷高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、鎌ヶ谷高等学校ならではの強みや魅力をまとめました。

  • 生徒が主役で創り上げる、熱狂的な学校行事

    • 「鎌高祭」を筆頭に、ほとんどの行事が生徒主体で企画・運営されます。この経験を通じて、自主性や協調性、リーダーシップが育まれます。

  • GMARCH・日東駒専など難関私大への確かな進学実績

    • 多くの生徒がGMARCHや日東駒専といった人気の高い私立大学へ進学しており、これらの大学を目指す生徒にとって、非常に心強い環境です。

  • 全国レベルで活躍する個性豊かな部活動

    • 百人一首かるた部や料理研究部など、全国の舞台で実績を残すユニークな部活動があり、自分の「好き」をとことん追求できます。

  • 「メリハリ」を大切にする、落ち着いていて真面目な生徒層

    • 普段は穏やかで平和な雰囲気ですが、やるべき時には集中し、楽しむ時には全力で楽しむという、けじめのある生徒が多いのが特徴です。

  • 駅から徒歩10分、安全な通学路も整備された好立地

    • 最寄りの鎌ケ谷駅から徒歩10分とアクセスが良く、高架下を利用した歩行者専用の「新通学路」も整備されているため、毎日安全に通学できます。

  • スラックスも選べる、柔軟な制服制度

    • 女子はスラックスを選択でき、衣替えの時期も固定されていないなど、生徒の快適性を考えた現代的で柔軟な制度が導入されています。

  • 伝統と革新が共存する「文武両道」の校風

    • 創立50年を超える歴史の中で培われた「文武両道」の精神を大切にしながら、生徒の意見を尊重し、時代に合わせた変化も取り入れるバランス感覚が魅力です。

鎌ヶ谷高等学校の口コミ・評判のまとめ

最後に、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「行事がとにかく楽しくて、最高の思い出が作れる」という声が圧倒的に多いです。特に鎌高祭でのクラスの一体感は格別なようです。

    • 「穏やかで優しい人が多く、すぐに友達ができた」「いじめがなく平和」といった、人間関係の良さを挙げる声も目立ちます。

    • 「勉強と遊びのメリハリがつけやすい環境」「先生方が親身に質問に答えてくれる」など、学習面でのサポートを評価する意見もあります。

    • 「制服が可愛い・かっこいい」という点も、学校生活のモチベーションにつながっているようです。

  • 気になる点

    • 「校舎や体育館など、施設が全体的に古い」という点は、多くの人が指摘しています。

    • 「先生によって授業の分かりやすさや、校則指導の厳しさに差がある」と感じる生徒もいるようです。

    • 非常に高いレベルの大学を目指す生徒からは、「周りの雰囲気がのんびりしていて、流されてしまいそうになる」「授業の進度が物足りない」といった、いわゆる「自称進学校」的な側面を指摘する声も一部あります。難関大学への合格は、本人の強い意志と自主的な学習が不可欠と言えそうです。

アクセス・通学

鎌ヶ谷高等学校への通学は非常に便利です。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 東武アーバンパークライン「鎌ケ谷」駅:徒歩約10分

      • 駅から学校までは、高架下を利用した歩行者専用の通学路が整備されており、安全に通学できます。

    • 新京成電鉄「初富」駅:徒歩約25分

  • 通学エリアの傾向

    • 鎌ヶ谷高等学校は千葉県の第3学区に属しているため、鎌ケ谷市、柏市、流山市、野田市、我孫子市から通学する生徒が多くを占めます。また、隣接する第2学区の船橋市や松戸市など、交通の便が良いことから広い範囲から生徒が集まっています。

鎌ヶ谷高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、鎌ヶ谷高等学校を目指す君たちにエールを送ります。

鎌ヶ谷高等学校は、「高校では勉強も頑張りたいけど、行事や部活も全力で楽しんで、最高の思い出を作りたい!」と考える、エネルギッシュな君にぴったりの学校です。仲間と協力して何かを成し遂げるのが好きな人、そして周りに流されず自分の目標に向かって努力できる人なら、間違いなく充実した3年間を送れるでしょう。鎌高の「文武両道」は、学校がすべてお膳立てしてくれるものではなく、生徒一人ひとりの「メリハリ」によって成り立っています。

受験勉強においては、5教科すべてで苦手を作らないことが重要です。また、近年人気が上昇しているため、内申点もしっかりと確保しておくことが合格への鍵となります。模擬試験では安定してA判定を取れる実力をつけ、自信を持って本番に臨んでください。鎌ヶ谷高等学校で待っている、熱くて楽しい高校生活を思い描きながら、残りの期間、勉強を頑張り抜いてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。