鎌倉学園高等学校は、100年以上の歴史を誇る、古都鎌倉の豊かな自然と文化に抱かれた男子校です。建長寺に隣接する静かで落ち着いた環境は、日々の学びや部活動に打ち込む上で、他では得られない特別な雰囲気をもたらしています。歴史と伝統を重んじながらも、生徒一人ひとりの自主性を尊重する自由な校風が、この学校の最大の魅力と言えるでしょう。

鎌倉学園が掲げるのは「文武両道」と「礼義廉恥」の精神です。これは、単に勉強と部活動を両立させるだけでなく、人としての礼儀や誠実さを身につけ、社会で活躍できる人間を育てるという強い意志の表れです。生徒たちは、この「自主自律」の精神のもと、活気あふれる学校生活の中で、自分の好きなことや目標に全力で挑戦しています。

この記事では、そんな鎌倉学園での高校生活がどのようなものなのか、皆さんが本当に知りたいことに焦点を当てて、詳しく解説していきます。「実際の授業はどんな感じ?」「校則は厳しいの?」「どんな部活が人気なの?」「大学進学の実績は?」といった疑問に、在校生や卒業生の声を交えながら、一つひとつ丁寧にお答えします。この記事が、あなたにとって最高の高校選びの助けとなることを願っています。

鎌倉学園高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 学校法人鎌倉学園 鎌倉学園高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男子校
所在地 〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内110
代表電話番号 0467-22-0994
公式サイトURL https://www.kamagaku.ac.jp/

鎌倉学園高等学校の偏差値・難易度・併願校

鎌倉学園の偏差値は、神奈川県内でもトップクラスに位置しており、入学には高い学力が求められます。

最新の偏差値は普通科で「68」とされています。この数値は、神奈川県内の全高校約340校中17位、私立高校の中では9位にランクインする非常に高いレベルです。全国的に見ても上位に位置する進学校と言えるでしょう。

難易度を具体的にイメージするために、内申点の目安も見てみましょう。書類選考で行われるA方式の場合、主要5教科(25点満点)で24点、その他4教科(20点満点)で16点程度が基準とされており、中学時代から安定して優秀な成績を収めていることが重要になります。

同じくらいの偏差値の高校としては、公立では横浜サイエンスフロンティア高校(理数科)、柏陽高校(普通科)、厚木高校(普通科)などが挙げられます。

鎌倉学園は、その高いレベルから、神奈川県内の最難関公立高校を目指す受験生の併願校として選ばれることが非常に多いのが特徴です。例えば、横浜翠嵐高校や湘南高校といったトップ校を第一志望とする生徒が、安心して受験に臨むための併願先として鎌倉学園を選ぶケースが目立ちます。また、私立では慶應義塾高校や法政大学第二高校、桐光学園、山手学院などと併願する受験生も多くいます。これは、鎌倉学園の生徒たちが、入学時点から非常に高い学力と志を持った仲間たちで構成されていることを意味しており、互いに切磋琢磨できる学習環境が整っていることの証でもあります。

鎌倉学園高等学校に設置されている学科・コース

鎌倉学園高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。しかし、学年が進むにつれて、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかなクラス編成が行われます。

  • 高校1年生

    • どんなことを学ぶ場所なのか:まずは全員が同じカリキュラムで学び、特に英語・数学では高校の範囲を先取りする進度の速い授業で、強固な学力の土台を築きます。

    • どんな生徒におすすめか:これから自分の興味や進みたい道を見つけていきたい、すべての新入生におすすめです。この1年間でじっくりと自分の適性を考えることができます。

  • 高校2年生

    • どんなことを学ぶ場所なのか:生徒はそれぞれの興味や目標大学に合わせて「文系」と「理系」のコースに分かれます。ここから、より専門的な学習が始まります。

    • どんな生徒におすすめか:将来、文学や経済、法学などを学びたい生徒は文系へ、医学や工学、理学などに進みたい生徒は理系へと、自分の進路がある程度定まってきた生徒におすすめです。

  • 高校3年生

    • どんなことを学ぶ場所なのか:文系・理系の各コースが、さらに「標準クラス」と、難関国公立大学や難関私立大学を目指す「発展(国公立)クラス」に分かれます。志望校のレベルに応じた、より実践的な受験対策が行われます。

    • どんな生徒におすすめか:発展クラスは、最難関大学への現役合格という高い目標を持つ生徒に、標準クラスは、幅広い大学への進学を目指し、自分のペースで着実に力をつけたい生徒におすすめです。

鎌倉学園高等学校の特色・校風

鎌倉学園の校風をキーワードで表すなら、「自由闊達」「文武両道」「自主自律」といった言葉がぴったりです。生徒の主体性を尊重する、のびのびとした雰囲気が学校全体に流れています。

  • 宿題の量は多いか少ないか

    授業の進度が速いため、毎日大量の宿題が出るというよりは、日々の予習・復習といった自主的な学習が非常に重要になるようです。特に数学などは、先生によっては進度がかなり違うため、しっかり予習をして授業に臨むことが大切だという声があります。また、頻繁に行われる小テストで、学習内容の定着度が確認されます。

  • 校則は厳しいか緩やかか

    校則は全体的に緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が大きいようです。

    • スマホ:校内への持ち込みは許可されていますが、授業中は電源を切り、カバンにしまうのがルールです。休み時間などは自由に使用できます。

    • 服装・頭髪:制服は伝統的な黒の学生服(学ラン)です。髪を染めることやアクセサリーの着用は禁止されていますが、それ以外に特に厳しい規則はないようです。

  • 生徒たちの雰囲気

    エネルギッシュで活発な生徒が多く、全体的に明るい雰囲気です。男子校ならではの気兼ねのなさから、「自然体でいられる」「ありのままで過ごせる」と感じる生徒が多いようです。いじめの話はほとんど聞かれず、生徒同士の仲が良いことがうかがえます。一方で、学校の自由な校風は、生徒の成熟度や自己管理能力を試す側面も持っています。自主的に目標を立てて努力できる生徒にとっては最高の環境ですが、厳しい管理がないと勉強に集中できないタイプの生徒は、「放任」だと感じてしまう可能性もあります。実際に、一部の授業では集中力を欠く生徒もいるという指摘もあり、高いレベルの環境で自分を律することができるかが、鎌倉学園での生活を充実させる鍵となりそうです。

  • アルバイトは可能か

    アルバイトに関する明確な情報はありませんが、学業や部活動が忙しいため、行っている生徒は少ないと考えられます。

  • 制服の評判はどうか

    制服は伝統的な学生服で、特にデザインについての評判は口コミなどでは見られませんでした。

  • 土曜授業はあるか

    土曜日も通常授業が行われています。週末も活用して、しっかりと学習時間を確保するカリキュラムが組まれています。

鎌倉学園高等学校の部活動・イベント

部活動

鎌倉学園の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。部活動加入率は約60%で、多くの生徒が学業と両立させながら青春を謳歌しています。人工芝のグラウンドや冷暖房完備の体育館など、施設も充実しています。

運動部、文化部ともに多種多様なクラブがあり、全国レベルで活躍する部も少なくありません。

  • 特に実績豊富な部活動

    • アメリカンフットボール部:創部以来の悲願であった県大会初優勝を果たすなど、県内屈指の強豪チームです。

    • 陸上競技部:特に長距離部門が強く、「都大路」と呼ばれる全国高校駅伝競走大会への出場経験も持つ名門です。

    • ボクシング部:インターハイ(全国高等学校総合体育大会)の常連で、毎年全国レベルの選手を輩出しています。

    • 硬式野球部:甲子園への出場経験もある伝統ある部で、多くの野球少年たちの憧れの的です。

  • 珍しい部活動

    • 考古学部:古都鎌倉という立地を活かしたユニークな部活動。全国大会で優秀賞を受賞した実績もあり、古文書の読解講座など専門的な活動も行っています。

    • 鉄道研究同好会:精巧な鉄道模型で全国コンテストの常連であり、数々の賞を受賞しています。

    • 弁論部:ディベートの全国大会で準優勝するなど、輝かしい実績を誇ります。

    • ESS (English Speaking Society):外国人観光客に英語で鎌倉を案内するという、非常に実践的でユニークな活動を行っており、高い評価を受けています。

イベント

鎌倉学園の学校生活を彩るイベントは、生徒たちの手によって作られるものが多く、その熱気と一体感は格別です。

  • 星月祭(せいげつさい/学園祭)

    6月に2日間にわたって開催される、学校最大のイベントです。毎年1万人以上が来場する地域でも有名な学園祭で、企画から運営まで、そのほとんどを生徒が主体となって行います。クラスや部活動による模擬店、有志バンドによるライブ、文化部の展示など、キャンパスの至る所で多彩な企画が繰り広げられます。特に、体育館で行われる「間夜祭」や「後夜祭」のライブパフォーマンスは、高校生たちのエネルギーが爆発する圧巻の盛り上がりを見せます。男子校であるため、他校の女子生徒も多く訪れるこのイベントに、生徒たちは並々ならぬ情熱を注いでいます。

  • 体育デー

    体育祭とは少し異なり、クラス対抗の球技大会という位置づけで、4月と10月の年2回開催されます。ソフトボールやサッカー、綱引きなどの種目でクラス一丸となって優勝を目指すため、クラスの団結力が一気に高まります。名物となっているのが部活動対抗リレーで、各部のユニフォームを着て、部を象徴する道具(ラケットやボールなど)をバトン代わりに走る姿は、大きな笑いと声援に包まれます。

  • 研修旅行(修学旅行)

    高校2年生の秋に、沖縄へ5日間の研修旅行に行きます。美しい自然や独自の文化に触れるだけでなく、沖縄の歴史を学ぶ平和学習も行われます。仲間と共にマリンスポーツを楽しんだり、現地の文化を体験したりと、高校生活の中でも特に思い出深いイベントの一つです。

鎌倉学園高等学校の進学実績

鎌倉学園は、神奈川県屈指の進学校として、毎年多くの卒業生を全国の難関大学へ送り出しています。

国公立大学では、東京大学、京都大学、一橋大学といった最難関大学への合格者を輩出。私立大学では、特に早稲田大学、慶應義塾大学への進学者が多いのが特徴です。GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)にも毎年多数の合格者を出しており、非常に高い進学実績を誇ります。

大学分類 主な大学名と合格者数(2025年度実績)
国公立大学 東京大学 (2), 京都大学 (1), 一橋大学 (2), 東北大学 (4), 北海道大学 (2), 筑波大学 (5), 横浜国立大学 (7) など、合計64名
難関私立大学 早稲田大学 (42), 慶應義塾大学 (32), 上智大学 (31), 東京理科大学 (46)
GMARCH 明治大学 (110), 青山学院大学 (34), 立教大学 (40), 中央大学 (58), 法政大学 (63), 学習院大学 (9) など、合計314名

注:合格者数は延べ人数であり、一人の生徒が複数の大学に合格している場合があります。

この優れた進学実績を支えているのが、手厚い進路指導体制です。高校1年生から進路適性検査やガイダンスを通じて自己分析を行い、2年生で文理選択、3年生で志望校別の対策へと、段階的に進路意識を高めていきます。長期休暇中の講習や日常的な補習も充実しており、卒業生が自身の経験を語る「合格体験記」の配布や、大学関係者を招いた説明会など、豊富な情報提供も行われています。

また、鎌倉学園の進路指導には特有の文化があります。それは、生徒の高い志を尊重する姿勢です。たとえGMARCHレベルの大学に合格しても、本人が第一志望とするさらに上の大学を目指すために、浪人して再挑戦する道を選ぶ生徒が少なくありません。これは、学校が単に「大学に合格させる」ことだけをゴールとせず、生徒一人ひとりが本当に納得のいく進路を見つけるまで、長期的な視点でサポートしていることの表れです。この「妥協しない」姿勢が、高い進学実績の根底にあると言えるでしょう。

鎌倉学園高等学校の特長・アピールポイント

鎌倉学園には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

    1. 心を整える「坐禅教育」

      隣接する臨済宗大本山・建長寺で、中学1年から高校1年まで年に数回、本格的な坐禅を体験します。静寂の中で自分と向き合う時間は、集中力を高め、心を落ち着かせる貴重な機会です。

    1. 探究心を育む「K-Labo」

      座学だけでは終わらない、実践的な理科教育プログラムです。大学や研究機関と連携し、実験やフィールドワークを通して本物の科学に触れることで、知的好奇心と探究心を深く掘り下げます。

    1. 生徒が主役の学園祭「星月祭」

      1万人以上が訪れる、地域でも有名な大規模イベントです。企画・運営のほぼすべてを生徒が行うことで、自主性や協調性、リーダーシップを育みます。その熱気と一体感は、鎌倉学園の自由な校風を象徴しています。

    1. 古都鎌倉という唯一無二の学習環境

      歴史的な寺社や豊かな緑に囲まれた環境そのものが、生きた教材です。日々の通学路でさえ、歴史や文化を感じることができ、落ち着いた雰囲気の中で感性を磨くことができます。

    1. 世界に視野を広げる多様な海外研修

      希望者向けに、オーストラリアでの語学研修や、ベトナムでのボランティア活動を伴う研修など、多彩な国際交流プログラムが用意されています。机上の学習だけでは得られない、グローバルな視点を養います。

    1. 「自主自律」を育む自由な校風

      校則で厳しく縛るのではなく、生徒一人ひとりを信頼し、その自主性に任せるのが鎌倉学園のスタイルです。この自由な環境が、自ら考え、行動する力を育み、大学進学後や社会で必要とされる主体性につながります。

    1. 一生の仲間と出会える男子校生活

      気兼ねなく何でも話せる仲間たちと、勉強や部活、行事に全力で打ち込める3年間は、かけがえのない時間です。ここで築かれる固い絆は、卒業後も続く一生の財産になります。

鎌倉学園高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「とにかく自由で楽しい」という声が圧倒的に多いです。校則が厳しくなく、のびのびと自分らしく過ごせる雰囲気が高く評価されています。

    • 「一生の友達ができる」という点も多くの人が挙げています。男子校ならではの強い連帯感の中で、深い友情を育むことができるようです。

    • 「行事や部活動が最高に盛り上がる」という意見も多数あります。特に学園祭は、生徒たちのエネルギーが結集する最高の思い出になると評判です。

    • 「先生との距離が近く、相談しやすい」と感じる生徒も多いようです。親身になってサポートしてくれる先生方の存在が、安心感につながっています。

    • 「鎌倉という立地と環境が素晴らしい」という声も、学校の大きな魅力として挙げられています。

  • 気になる点

    • 「自由すぎて『放任』と感じることがある」という意見もあります。自主性が尊重される一方で、自己管理が苦手な生徒にとっては、もう少し厳しい指導があった方が良いと感じる場合もあるようです。

    • 「生徒のやる気に差がある」という指摘も見られます。自由な雰囲気のため、授業への集中力や勉強への意欲は、生徒個人の意識に大きく左右される傾向があるようです。

    • 「大学進学は結局、本人次第」という声もあります。学校のサポートは手厚いものの、最終的に高い進学実績を出すためには、本人の強い意志と努力が不可欠であると感じる生徒が多いようです。

    • 「中高共用で施設が少し狭い」と感じる意見も一部で見られました。

アクセス・通学

鎌倉学園は、歴史的な散策路の途中にあり、複数の駅からアクセス可能です。

  • 最寄り駅

    • JR横須賀線「北鎌倉」駅:徒歩約13分 (約850m)。多くの生徒が利用するメインルートです。

    • JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉」駅:徒歩約15分。

  • バスでのアクセス

    • 「鎌倉」駅東口から江ノ電バスに乗車し、「建長寺(鎌倉学園前)」バス停で下車すると、学校は目の前です。

  • 通学エリア

    JR横須賀線沿線からのアクセスが良いため、横浜市、横須賀市、逗子市、藤沢市など、湘南エリアを中心に幅広い地域から生徒が通学していると考えられます。2つの主要駅からアクセスできるため、通学の利便性は高いと言えるでしょう。

鎌倉学園高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、鎌倉学園を目指す君たちにメッセージを送ります。

鎌倉学園は、「ただ勉強するだけじゃ物足りない」「自分の好きなことに本気で打ち込みながら、高いレベルの大学を目指したい」と考えている君に、特におすすめしたい学校です。誰かに管理されるのではなく、自分で考えて行動したいという強い意志を持っているなら、この学校の自由な環境は君の可能性を最大限に引き出してくれるはずです。

鎌倉学園の入試は、その高い偏差値が示す通り、決して簡単ではありません。合格を勝ち取るためには、中学3年間の学習内容を完璧にマスターすることが不可欠です。難しい応用問題に目を奪われがちですが、まずは英・数・国すべての教科で、基礎・基本に穴がない状態を作り上げてください。土台がしっかりしていれば、応用力は必ずついてきます。鎌倉学園の進度の速い授業についていくためにも、盤石な基礎学力を身につけておくことが何よりも大切です。

高校受験は大変な道のりですが、それは君が大きく成長できるチャンスでもあります。鎌倉学園には、一生付き合える仲間たちと、君の挑戦を全力で応援してくれる先生たちが待っています。ぜひ一度、名物の学園祭に足を運んで、その活気と自由な雰囲気を肌で感じてみてください。健闘を心から祈っています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。