2023年4月に誕生した新しい風、京都市立開建高等学校にようこそ。 この学校は、ただ新しいだけではありません。これからの社会を創り出す、君たち一人ひとりの「やってみたい」という気持ちを全力で応援し、未来を切り拓く力を育むために設立されました。開建高等学校は、洛陽工業高等学校の跡地に設立され、塔南高等学校を再編して生まれた、まさに京都の教育の未来を担う期待の星なのです。
開建高等学校の最大の魅力は、生徒が主役となって学校を創り上げていけること。 決められた道を歩くだけでなく、仲間や先生、そして地域社会と一緒になって、新しい学びの形や学校文化をゼロから創造していく。そんなワクワクするような挑戦が、ここでは待っています。この学校で過ごす3年間は、君たちの可能性を無限に広げる特別な時間になるはずです。
この記事では、そんな魅力あふれる開建高等学校について、進学アドバイザーである私が、中学生や保護者の皆さんに分かりやすく、そして詳しく解説していきます。偏差値や学科の特色はもちろん、在校生のリアルな声や学校生活の様子まで、気になる情報をたっぷりお届けしますので、ぜひ最後まで読んで、未来の高校生活をイメージしてみてください。
開建高等学校の基本情報
開建高等学校の基本的な情報を表にまとめました。新しい学校なので、まずはここからチェックしてみましょう。
開建高等学校の偏差値・難易度・併願校
2023年に開校したばかりの新しい学校、開建高等学校の偏差値や難易度は、受験生の皆さんにとって非常に気になるところだと思います。新しい学校のため、偏差値は今後の変動も考えられますが、現時点での目安をお伝えします。
学科ごとの偏差値の目安は以下の通りです。
偏差値49は、京都府の公立高校の中では中堅レベルに位置します。 同じくらいの偏差値の高校としては、公立では京都市立日吉ヶ丘高等学校、西乙訓高等学校、西舞鶴高等学校(普通科)などがあげられます。
合格に必要な内申点の目安ですが、京都府の公立高校入試(中期選抜)では、中学3年間の9教科の成績(合計195点満点)が評価されます。 開建高等学校を目指す場合、オール3に加えて、いくつかの教科で4があると安心できるラインと言えるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点も非常に重要です。
京都府の公立高校入試では、中期選抜で第2順位まで志願できますが、前期選抜では1校1学科しか受験できません。そのため、併願校としては私立高校を選ぶのが一般的です。開建高等学校を受験する生徒の主な併願校としては、以下のような高校が考えられます。
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京都外大西高等学校
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京都先端科学大学附属高等学校
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花園高等学校
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大谷高等学校
これらの私立高校は、コースによって難易度が異なるため、自分の学力や希望進路に合わせて選ぶことが大切です。
開建高等学校に設置されている学科・コース
開建高等学校には、未来社会の創り手を育むためのユニークで魅力的な2つの学科が設置されています。 どちらの学科も、これからの時代に必要とされる力を伸ばすことを目的としており、開建高等学校ならではの学びが待っています。
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エンジニア科
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どんなことを学ぶ場所か:ものづくりの基礎から最先端のテクノロジーまでを学び、社会の課題を解決できる技術者(エンジニア)を目指す学科です。実践的な授業が多く、企業と連携したプロジェクトなどにも挑戦できます。
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どんな生徒におすすめか:ロボットやAI、プログラミングに興味がある人、自分の手で何かを創り出すのが好きな人、科学技術で社会に貢献したい人におすすめです。
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ルミノベーション科
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どんなことを学ぶ場所か:文系・理系の枠にとらわれず、様々な学問分野を横断しながら、社会の課題を発見し、解決策を創造していく力を養う学科です。 探究活動やフィールドワークが学びの中心となります。
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どんな生徒におすすめか:「なぜ?」を考えるのが好きな探究心旺盛な人、文系も理系も両方学びたい人、将来、新しいビジネスやサービスを企画したい人におすすめです。
開建高等学校の特色・校風
2023年に開校したばかりの開建高等学校は、生徒と教職員が一体となって新しい伝統を築いている、活気に満ちた学校です。
校風をキーワードで表すなら、「生徒主体」「挑戦」「協創」でしょう。学校行事や一部の校則などは「未来協創会議」という場で生徒と教職員が話し合って決めていくなど、生徒が学校づくりの主役となれる場面が多く用意されています。
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宿題の量:探究活動やプロジェクト型の学習が多いため、自ら調べてまとめるような課題が出されることが多いようです。量は標準的ですが、自分で計画的に進める力が求められます。
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校則:非常に自由な雰囲気で、「〇〇をしてはいけない」という校則は基本的にないとされています。髪を染めることやピアス、メイク、アルバイトも認められているようです。 ただし、自由には責任が伴うことを理解し、社会の一員としての自覚ある行動が求められます。
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生徒たちの雰囲気:新しい学校を自分たちで創っていこうという意欲的な生徒が多いようです。様々なことに興味を持ち、活発に意見交換する場面が多く見られます。
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制服の評判:開建高等学校には、いわゆる「制服」はありません。日々の服装は私服や「学校服」など、その日の活動や気分に応じて自分で選びます。 式典や企業訪問などのフォーマルな場面では、正装として指定の学校服(ブレザー、スラックス、スカートなど)を着用します。 この自由なスタイルは、生徒の自主性を尊重する学校の姿勢の表れとして好評です。
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土曜授業:現時点では、土曜授業は実施されていません。
開建高等学校の部活動・イベント
部活動
開建高等学校の部活動は、母体校である塔南高校や洛陽工業高校から引き継いだ伝統ある部活と、新しい学校ならではのユニークな部活が共存しており、生徒の「やってみたい」を応援する環境が整っています。
特に注目したいのが、最先端の機材を揃えた「e-sports部」や「VR部」など、これからの時代を象徴するような文化部です。また、運動部も活発で、特に陸上競技部は近畿大会で入賞するなど、高いレベルでの活躍が見られます。 吹奏楽部も地域のイベントに積極的に参加しており、活気にあふれています。 部活動への加入は強制ではありませんが、多くの生徒が何らかの形で活動に参加し、学校生活を豊かにしています。
イベント
開建高等学校の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営するのが大きな特徴です。 文化祭や体育祭は、有志の生徒で結成される「祭実行委員会」が中心となって、企画から運営までを担います。 生徒一人ひとりの「やってみたい」というアイデアを形にできる場で、毎年大きな盛り上がりを見せるようです。
修学旅行にあたる「研修旅行」もユニークです。 行き先や日程をただこなすのではなく、「何を学びたいか」「どんな経験がしたいか」という目的から生徒自身が考え、プランを組み立てていく探究型のプログラムとなっています。 これらの行事を通して、生徒たちは主体性や協調性、リーダーシップを育んでいきます。
開建高等学校の進学実績
開建高等学校は2023年に開校した新しい学校のため、2025年時点ではまだ卒業生を輩出していません。そのため、具体的な大学進学実績はこれから作られていくことになります。
しかし、開建高等学校が目指しているのは、生徒一人ひとりが自らの興味・関心を深く探究し、希望する進路を実現できる力を育むことです。そのためのサポート体制は非常に充実しています。
特徴的なのは、3年間を通して行われる探究活動「KAIKEN-PROJECT」です。 地域の企業や大学、研究機関と連携し、社会のリアルな課題に取り組むこの活動は、総合型選抜や学校推薦型選抜といった大学入試において、大きなアピールポイントとなるでしょう。実際に、生徒が主体となって国際交流イベントを企画したり、海外の教育を学ぶためにフィンランドへ留学したりといった活動も始まっています。
学校としては、国公立大学や難関私立大学への進学はもちろん、専門分野を深く学べる大学や専門学校、あるいは起業など、多様な進路選択を支援していく方針です。これからの進学実績に大いに期待が持てる学校と言えるでしょう。
開建高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、開建高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。
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未来社会を創造する2つの専門学科:「エンジニア科」と「ルミノベーション科」という、文理の枠を超えた新しい学びが、これからの社会で活躍するための専門性と課題解決能力を育みます。
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生徒が主役の学校づくり「未来協創会議」:校則や学校行事など、学校の様々なことを生徒と教職員が対等な立場で話し合って決定します。 学校運営に参画することで、主体性や責任感を養います。
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探究活動「KAIKEN-PROJECT」:3年間を通して、京都の街全体をフィールドに、企業や大学と連携しながら社会のリアルな課題を探究します。 この経験は、大学入試やその先の人生で大きな力となります。
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最先端の学習空間「L-pod」:通常の教室4つ分の広さを持つ大空間「ラーニングポッド」では、約80人の生徒が複数の教員のもと、講義形式の授業と対話や協働を組み合わせた探究的な学びを展開します。
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自由な服装と個性の尊重:制服はなく、私服または指定の学校服を場面に応じて生徒が自分で選んで着用します。 生徒一人ひとりの個性を尊重する校風の象徴です。
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企業や大学との豊富な連携プログラム:京セラや龍谷大学など、数多くの企業や大学と連携した授業やプログラムが用意されています。 社会の最前線で活躍する大人たちとの交流が、生徒の視野を広げ、学びを深めます。
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「やってみたい」をカタチにする課外活動:部活動だけでなく、生徒が自ら企画するプロジェクトやボランティア活動など、授業外での挑戦も積極的にサポートする体制が整っています。
開建高等学校の口コミ・評判のまとめ
開建高等学校は新しい学校のため、口コミはまだ多くありませんが、在校生や学校説明会に参加した中学生・保護者からは、期待と魅力に関する様々な声が聞かれます。
良い点:
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「自分たちで学校を創っていけるのが楽しい」という声が最も多く聞かれます。行事や校則など、生徒の意見が反映される場面が多いことに魅力を感じているようです。
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「校則が自由で、個性を尊重してくれる雰囲気が良い」という意見も多数あります。服装や髪型が自由なため、のびのびと学校生活を送れる点が高く評価されています。
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「探究活動や企業連携の授業が面白そう」と、カリキュラムへの期待の声も大きいです。
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「施設が新しくて綺麗」という点も、学校生活を送る上で嬉しいポイントとして挙げられています。
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「先生方が熱心で、生徒の挑戦を応援してくれる」という、教員のサポート体制を評価する声もあります。
気になる点:
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「まだ卒業生がいないため、進学実績が未知数なのが少し不安」という声は、受験生や保護者から聞かれることがあります。
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「自由な校風だからこそ、自分を律する力が必要になる」という意見もあります。自主性が求められる環境に、戸惑いを感じる可能性も指摘されています。
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「制服がないため、毎日の服装を考えるのが大変そう」という、服装に関する現実的な意見も見られます。
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一部で、登下校時のマナーについて近隣住民から厳しい意見が寄せられていることも事実のようです。 学校側も指導していると思われますが、生徒一人ひとりの自覚が求められます。
アクセス・通学
開建高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあり、様々なエリアから通学しやすいのが魅力です。
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最寄り駅:JR「西大路駅」から徒歩約5分と、駅からのアクセスは抜群です。
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バスでのアクセス:市バス「西大路駅前」バス停から徒歩約5分、または「九条御前通」バス停から徒歩約3分で、バス路線も充実しています。
JR京都線(東海道本線)や嵯峨野線(山陰本線)が利用できるため、京都市内全域はもちろん、宇治市、城陽市、亀岡市、長岡京市、向日市といった京都府南部や中部、さらには滋賀県や大阪府の一部からも多くの生徒が通学しています。
開建高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
開建高等学校を目指している君へ。この学校は、ただ勉強を教わる場所ではなく、君自身が主役となって未来を「ひらく」場所です。もし君が、「誰かが作ったレールの上を走るより、自分で道をつくりたい」「正解のない問いに、仲間と一緒に挑戦してみたい」と少しでも思うなら、開建高等学校は最高の舞台になるはずです。
この学校が君に求めているのは、今の学力だけではありません。新しいことにワクワクする好奇心、失敗を恐れずに行動するチャレンジ精神、そして多様な仲間と協力して新しい価値を創り出そうとする「協創」の心です。
受験勉強においては、京都府の公立高校入試で求められる5教科の基礎学力を固めることはもちろん大切です。それに加えて、なぜ開建高等学校で学びたいのか、入学してどんなことに挑戦したいのかを、自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。学校説明会や公開行事には積極的に参加し、学校の雰囲気や先生方、先輩たちの声を直接聞いて、君自身の「やってみたい」を膨らませてください。君の熱意と可能性を、開建高等学校は待っています。
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。