沖縄県立開邦高等学校を目指している皆さん、こんにちは。進学アドバイザーの私から、皆さんの高校選びを全力でサポートするための情報をお届けします。高校選びは、自分の未来を形作る大切な一歩です。その中で、県内でもトップクラスの進学校である開邦高等学校に目標を定めている皆さんの高い志に、心から敬意を表します。この選択が、皆さんにとって最高の未来につながるよう、詳しく見ていきましょう。
このページでは、単なる偏差値や進学実績の数字だけではなく、開邦高等学校がどのような場所で、どんな生徒たちが集い、どのような3年間を送ることができるのか、その「リアルな姿」を深く掘り下げていきます。勉強のこと、学校生活のこと、そして卒業後の未来のこと。皆さんが本当に知りたい情報を、在校生や卒業生の声を交えながら、具体的で分かりやすい言葉で解説していきます。
ここでは、学校の魅力だけでなく、大変な部分や注意すべき点についても正直にお伝えします。なぜなら、自分にぴったりの学校を選ぶためには、良い面とそうでない面の両方を知ることが不可欠だからです。この情報が、皆さんと保護者の皆様にとって、信頼できる道しるべとなり、自信を持って「開邦高校に行きたい!」と思えるような、後悔のない選択をするための一助となれば幸いです。
開邦高等学校の基本情報
まずは、開邦高等学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩として、正式名称や所在地などの公式な情報を正確に把握しておくことが大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 沖縄県立開邦高等学校 |
公立/私立の別 | 県立(公立) |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒901-1105 沖縄県島尻郡南風原町字新川646番地 |
代表電話番号 | 公式サイトをご確認ください |
公式サイトURL | http://www.kaiho-h.open.ed.jp/ |
開邦高等学校の偏差値・難易度・併願校
開邦高等学校の難易度を、偏差値だけでなく、内申点や併願校といった様々な角度から具体的に見ていきましょう。自分の現在の学力と照らし合わせ、どのくらいの目標設定が必要かを把握するための重要なセクションです。
学科・コースごとの偏差値
開邦高等学校には大きく分けて2つの学科があり、それぞれで偏差値が大きく異なります。これは、この学校が持つ二つの顔を象徴しており、自分がどちらの道を目指すのかを明確に意識する必要があります。
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学術探究科:68
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芸術科(音楽・美術コース):51
学術探究科の偏差値68は、沖縄県内の公立高校で最も高く、まさにトップ・オブ・トップと言える難易度です。一方、芸術科は専門性を重視するため、学力偏差値は県内の平均的なレベルに設定されています。この大きな差は、開邦高校が学問の頂点を目指す生徒と、芸術の道を究める生徒、その両方を受け入れるユニークな学校であることを示しています。
難易度のイメージと内申点の目安
偏差値68の学術探究科に合格するためには、非常に高い学力が求められます。
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同じくらいの偏差値の高校: 沖縄県内では、私立の沖縄尚学高等学校(東大・国公立大医学科コース)が同等のレベルとして挙げられます。公立高校の中では、球陽高等学校の理数科(偏差値64)や那覇国際高等学校の普通科(偏差値63)も県内トップクラスですが、開邦高校の学術探究科はそれらを上回る最難関の位置づけです。
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合格に必要な内申点の目安: 沖縄県の公立高校入試では、中学1年生から3年生までの3年間の内申点(通知表の成績)が非常に重要視されます。特に、音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科は評価が1.5倍に換算されるため、主要5教科だけでなく、全ての科目で高い成績を維持することが不可欠です。具体的な点数は公表されていませんが、偏差値68というレベルを考えると、ほぼオール5に近い、極めて高い内申点が求められると考えて間違いありません。中学1年生の最初の定期テストから、すでに入試は始まっているという意識が大切です。
主な併願校
沖縄県の公立高校入試は、これまで1校しか受験できない「単願制」が基本でしたが、2025年度入試から新しい「特色選抜」が導入され、制度が少し変わりました。しかし、最難関である開邦高等学校を受験する場合、万が一に備えて私立高校を併願し、合格を確保しておくのが一般的な戦略です。
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主な私立併願校:
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興南高等学校
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沖縄尚学高等学校
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この2校は、県内トップクラスの私立高校であり、多くの開邦高校受験生が併願先として選んでいます。特に興南高校は、併願先として広く認知されています。これらの私立高校の入試対策も必要になりますが、安心して第一志望の開邦高校に挑戦するためには、この「滑り止め」の確保が精神的な支えになります。
なお、2025年度から始まった新制度では、「特色選抜」で開邦高校に出願し、同時に「一般選抜」で別の公立高校に出願するという「公立-公立」の併願も可能になりました。しかし、制度が始まったばかりであることや、万が一特色選抜で不合格だった場合のリスクを考えると、依然として有力な私立高校を併願する戦略が最も安全で確実な選択肢と言えるでしょう。
開邦高等学校に設置されている学科・コース
開邦高等学校には、将来の目標に合わせて選べる、特色豊かな2つの学科が設置されています。それぞれの学科がどんな場所なのか、どんな人におすすめなのかを見ていきましょう。
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学術探究科
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どんなことを学ぶ?:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、非常に高いレベルの学問を探究します。2年生からは文系(学術文科)と理系(学術理科)に分かれ、より専門的な学習に進みます。60分授業や早朝講座などで圧倒的な学習時間を確保し、思考力や表現力を徹底的に鍛えます。
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どんな生徒におすすめ?:知的好奇心が旺盛で、難しい問題に挑戦することに喜びを感じる人。将来、研究者や医師、弁護士など、高度な専門知識を要する分野で活躍したいという高い志を持つ人におすすめです。
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芸術科
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どんなことを学ぶ?:沖縄県で唯一設置されている芸術の専門学科です。プロの芸術家を目指し、音楽または美術の専門的な知識と技術を深く学びます。専門家による指導のもと、日々実技の鍛錬を重ね、文化祭でのミュージカルや校外での作品展など、発表の機会も豊富です。
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どんな生徒におすすめ?:音楽や美術の道で生きていきたいという強い情熱と覚悟がある人。学習は非常に厳しく、精神的な強さも求められるため、「趣味」ではなく「専門」として芸術と向き合いたい人におすすめです。
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開邦高等学校の特色・校風
開邦高等学校は、どのような雰囲気の学校なのでしょうか。キーワードや、在校生・卒業生の口コミから、そのリアルな姿に迫ります。
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校風を表すキーワード: 切磋琢磨、文武両道(学問と芸術・スポーツの両立)、自由闊達、勉強も遊びも全力
中学生が本当に知りたい学校生活のリアル
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宿題の量は多いか少ないか?
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「多い」という声が圧倒的です。口コミでは直接的な宿題の量への言及は少ないものの、「学校が長時間で居残りが多くても耐えられる人のみ通える」、「早朝講座や土曜講座、60分授業」といった情報から、授業時間外の学習負担もかなり大きいことがうかがえます。楽な高校生活をイメージしていると、ギャップに苦しむかもしれません。
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校則は厳しいか緩やかか?(スマホ、服装など)
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全体的には「自由」な雰囲気のようです。「校則は緩い」という口コミがあります。スマートフォンの使用などに関しても、常識の範囲内であれば厳しく制限されることは少ないようです。ただし、「謎のツーブロック禁止ルールがある」といった、少しユニークな校則も存在するようで、完全に自由というわけではないようです。基本的には生徒の自主性を尊重する校風と言えるでしょう。
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生徒たちの雰囲気は?(真面目、活発など)
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「真面目で勉強熱心、でも個性的で面白い人ばかり」というのが多くの生徒が感じている雰囲気です。「周りも頭がいい人ばっかりなので毎日刺激がうけられてモチベーションはあんまり下がらない」、「高い志をもつ仲間が多いため、切磋琢磨しあいながら学力の向上を謀ることができる」といった声が多く、お互いを高め合える最高の環境が整っています。いわゆる「ガリ勉」という雰囲気ではなく、何事にも全力で取り組む活気のある生徒が多いようです。
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アルバイトは可能か?
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はい、可能です。「がっつりバイトしてる子もいました」という口コミがあり、学業との両立ができる範囲で許可されているようです。
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制服の評判はどうか?
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制服のデザインや評判に関する具体的な情報は見つかりませんでした。学校説明会などで直接確認することをおすすめします。
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土曜授業はあるか?
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はい、あります。「月に1〜2回」の頻度で土曜授業(土曜講座)が実施されているようです。平日だけでなく土曜日も活用し、国公立大学合格に必要な学力を養成するための手厚いサポート体制が整っています。
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開邦高等学校の部活動・イベント
部活動
開邦高等学校の部活動は、勉強の合間のリフレッシュとして、また自分の興味を深める場として、多くの生徒にとって大切な活動となっています。
部活動の加入率は約70%と高く、体育系・文化系を合わせて41もの部・同好会があります。学業を最優先とする校風のため、他のスポーツ強豪校のように部活動一筋という雰囲気ではありませんが、その分、生徒の自主性が重んじられています。「本気で取り組もうと思えばそれに応えてくれる環境がある」という声もあり、限られた時間の中で集中して活動しています。
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注目の部活動
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吹奏楽部: 芸術科音楽コースの生徒が多数在籍しており、その演奏レベルの高さは特筆すべきものです。「プロの集まり」と評されることもあり、学術探究科の生徒も音楽家の卵たちと一緒に練習できるという、他校では決して味わえない貴重な経験ができます。
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競技かるた部、天文部: こうしたユニークな文化部は、開邦高校の知的好奇心旺盛な生徒たちの気質を象徴しています。自分の「好き」をとことん追求できる場があります。
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イベント
開邦高校の生徒たちは、「勉強も遊びも全力」を体現しています。学校行事にも非常に力を入れており、クラスの団結力を高める大切な機会となっています。
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開邦祭(文化祭)
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毎年6月に開催される学校最大のイベントです。生徒たちが主体となり、展示、バザー、ステージ発表など、創意工夫を凝らした企画で盛り上がります。コロナ禍を経て、近年は再び多くの来場者で賑わいを取り戻しています。
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特に有名なのが、芸術科音楽コースによるミュージカルです。そのクオリティの高さは圧巻で、これを見るために多くの人が訪れるほどの名物となっています。学術探究科の生徒も、芸術科の生徒も、学校全体が一体となって創り上げる開邦祭は、最高の青春の思い出になることでしょう。
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その他の行事
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体育祭や球技大会なども、勉強の合間のリフレッシュとして、またクラスの絆を深めるイベントとして非常に盛り上がるようです。何事にも本気で取り組む生徒が多いため、行事の熱気も相当なものだと言われています。
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開邦高等学校の進学実績
開邦高等学校が県内トップの進学校と言われる最大の理由は、その圧倒的な大学進学実績にあります。卒業生のほとんどが大学進学を目指しており、その進路は県内にとどまらず、全国の難関大学へと広がっています。
最新の大学進学実績(2023年度・2024年3月卒業生)
2023年度の合格実績は、国公立大学への強さを改めて示す結果となりました。
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国公立大学:合計 113名
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主な合格大学(抜粋):
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東京大学:3名
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京都大学:1名
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東京工業大学:2名
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東北大学:1名
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名古屋大学:1名
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大阪大学:2名
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九州大学:3名
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北海道大学:2名
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横浜国立大学:4名
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千葉大学:2名
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琉球大学:41名
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沖縄県立芸術大学:7名
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特筆すべきは、琉球大学の合格者数(41名)よりも、県外の国公立大学への合格者数(63名)の方が多い点です。これは、開邦高校が沖縄県内だけでなく、全国の舞台で戦える学力を生徒に身につけさせていることの何よりの証拠です。東京大学や京都大学といった最難関大学へも毎年合格者を輩出しています。
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難関私立大学
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早稲田大学、慶應義塾大学、東京理科大学、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)など、全国の主要な難関私立大学にも多数の合格者を出しています。
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その他
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医・歯・薬・獣医系への進学者が多いのも大きな特徴で、例年20名以上が合格しています。琉球大学医学科への現役合格者も出ており、医療分野を目指す生徒にとっても最適な環境です。
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卒業生のほぼ100%が進学し、就職者は極めて少ないです。
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進学実績を支える取り組み
こうした輝かしい実績は、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。通常の高校に比べて年間で約900時間も多いと言われる授業時間、60分授業、早朝講座、土曜講座、長期休暇中の講習、そして小論文指導や面接指導など、大学入試を突破するためのあらゆる支援が徹底されています。
開邦高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、開邦高等学校ならではの強みや魅力を5つのポイントにまとめました。
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1. 県内最高峰の学力と全国レベルの大学進学実績
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偏差値68を誇る学術探究科を筆頭に、東京大学や京都大学、国公立大学医学部など、全国の最難関大学へ多数の合格者を輩出しています。沖縄から全国へ羽ばたきたい生徒にとって、最高の環境です。
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2. 高い志を持つ仲間と切磋琢磨できる刺激的な環境
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「周りのレベルが高いから自分も頑張れる」という声が多数あります。勉強することが当たり前の雰囲気の中で、互いに教え合い、高め合える一生の仲間と出会えることは、何物にも代えがたい財産になります。
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3. 個性を伸ばす独自の「学術探究科」と県内唯一の「芸術科」
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学問の頂点を目指す道と、芸術のプロを目指す道。この二つの異なる専門分野を同じ校舎で学べるのは開邦高校だけです。多様な才能が集まることで、学校全体にユニークで創造的な活気が生まれています。
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4. 圧倒的な学習量を確保する手厚い進学サポート体制
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60分授業や早朝・土曜講座など、生徒の「学びたい」という意欲に全力で応えるシステムが整っています。年間900時間多いと言われる学習時間で、難関大学合格に必要な学力を着実に養成します。
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5. 勉強も行事も全力投球。自由で活気のある校風
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県内トップの進学校でありながら、校則は比較的自由で、生徒の自主性が尊重されています。開邦祭などの学校行事には学校全体で熱心に取り組み、「やるときはやる、楽しむときは楽しむ」というメリハリのある高校生活が送れます。
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開邦高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びの参考にしてください。
良い点
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学習環境と仲間について
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「周りの生徒が真面目で勉強熱心なため、みんなで頑張れる雰囲気が最高。モチベーションが下がらない」
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「勉強することを推奨しているので、一生懸命頑張る姿が評価される。『ガリ勉』などと言われて浮くことは絶対にない」
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「高い目標を持つ仲間たちと、互いに刺激を受けながらいい環境で勉強できている」
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「頭が良くても面白い人が多く、個性豊かな友達に囲まれて毎日が楽しい」
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先生のサポートについて
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「指導熱心な先生が多く、学習面だけでなく生活面の悩みも親身に相談に乗ってくれる」
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「大学進学まで考えている生徒にはとてもいい高校。先生方のサポートがすごい」
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学校生活について
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「勉強だけでなく、学校行事にも全力で取り組むのでとても楽しい。最高の思い出が作れる」
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「いじめがほとんどない。安心して学校生活を送れる」
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気になる点(注意点)
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学習の負担について
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「高校で勉強をしたいと思っている学生にはとてもいいが、適度に遊んで勉強したい人には厳しい。学習量がとにかく多い」
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「芸術科は忙しすぎてストレスで体調を崩す子が多い。精神的にかなりタフでないとやっていけないかもしれない」
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立地・施設について
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「高台にあって、モノレールの駅から15分以上歩くので、通学が少し大変」
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「グラウンドが狭い。また、校内に売店や自販機がないのが少し不便」
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校則について
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「全体的には自由だが、なぜかツーブロックが禁止という謎のルールがある」
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アクセス・通学
開邦高等学校は那覇市に隣接する南風原町の高台に位置しています。県内各地から優秀な生徒が集まるため、様々な方法で通学しています。遠方の生徒のために寮も設置されているようです。
アクセス方法 | 最寄り駅・バス停 | 所要時間 |
モノレール(ゆいレール) | 首里駅 | 駅から徒歩 約15分~17分 |
路線バス | 開邦中学・高校前 | バス停から徒歩 約1分 |
路線バス | 城東小学校前 | バス停から徒歩 約11分 |
最も一般的なのは、ゆいレール首里駅からの徒歩、または学校の目の前まで来る路線バス(19番系統など)を利用する方法です。高台にあるため、駅から歩く場合は坂道を上ることになります。自分の家からのルートや所要時間を、事前にしっかり確認しておきましょう。
開邦高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、開邦高等学校を目指す君たちにエールを送ります。
この学校は、「誰かにやらされる勉強」ではなく、「自ら学びたい、高みを目指したい」という強い意志を持った生徒にこそ、最高の場所となります。もし君が、難しい問題に出会うとワクワクするタイプなら、あるいは、周りのすごい仲間から刺激を受けて自分ももっと成長したいと心から思うなら、開邦高校は君を温かく迎え入れてくれるでしょう。
受験勉強に向けて、学術探究科を目指す君は、何よりもまず「内申点」を意識してください。中学1年生からの成績全てが評価の対象です。日々の授業を大切にし、定期テストで確実に高得点を取る習慣をつけましょう。入試本番では、単なる暗記ではなく、物事の本質を理解し、応用する力が問われます。芸術科を目指す君は、学力はもちろんのこと、自分の専門分野への情熱と技術を磨き続けることが何よりも大切です。自分の作品や演奏に、君だけの物語を込めてください。
開邦高等学校への道は決して平坦ではありません。しかし、その先には、一生ものの仲間と、自分の可能性を最大限に引き出してくれる環境が待っています。自分の力を信じて、挑戦を続けてください。心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。