高松工芸高等学校は、120年以上の歴史と伝統を誇る、ものづくりのスペシャリストを目指せる専門高校です。1898年に伝統工芸である香川漆器の伝承などを目的に設立されて以来、時代に合わせて学科を増やし、常に最先端の技術と知識を学ぶことができる環境が整っています。工業・工芸・美術の分野で、将来様々な業界で活躍するための専門的なスキルを基礎からじっくりと学べるのが、高松工芸高等学校の最大の魅力と言えるでしょう。

「好き」をとことん追求したい、自分の手で何かを創り出すことに喜びを感じる、そんなあなたにとって、高松工芸高等学校は夢への第一歩を踏み出すのに最適な場所です。充実した設備と、各分野の専門家である先生方の熱心な指導のもと、同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、かけがえのない3年間を送ることができます。

この記事では、そんな高松工芸高等学校について、偏差値や難易度、気になる学校生活の様子、そして卒業後の進路まで、受験生と保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

高松工芸高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 香川県立高松工芸高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒760-0017 香川県高松市番町二丁目9番30号
代表電話番号 087-851-4144
公式サイト https://www.kagawa-edu.jp/takakogeh/

高松工芸高等学校の偏差値・難易度・併願校

高松工芸高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、およそ51〜54の範囲にあります。最も偏差値が高いのは美術科で54、次いで機械科、電気科、建築科、デザイン科、工芸科が52、工業化学科が51となっています。香川県内の公立高校の中では中堅上位に位置し、専門高校として確固たる人気を誇っています。

難易度を具体的にイメージするために、合格に必要な内申点の目安は、5段階評価で平均3.5〜4以上あることが望ましいでしょう。ただし、高松工芸高等学校の入試では、学科の特性上、面接や実技試験が重視される傾向があります。特に美術科やデザイン科を目指す場合は、デッサンなどの実技能力も合否に大きく影響するため、学力だけでなく、専門分野への興味・関心と基礎的な技術をアピールすることが重要です。また、各学科とも募集定員がそれほど多くないため、倍率が高くなりやすいのも特徴です。

香川県の公立高校入試制度では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、高松工芸高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として選択します。主な併願校としては、同じ高松市内の大手前高松高等学校、高松中央高等学校、英明高等学校などが挙げられます。

高松工芸高等学校に設置されている学科・コース

高松工芸高等学校には、社会のニーズに応える多様な専門分野を学べる7つの学科が設置されています。それぞれの学科で、ものづくりのプロフェッショナルを目指すための特色ある教育が行われています。

  • 機械科 – 機械の設計から製作、制御までを学びます。ロボットや自動車など、動くものづくりに興味がある人におすすめです。

  • 電気科 – 電気エネルギーや情報通信技術の基礎を学びます。私たちの生活に欠かせない電気のエキスパートを目指したい人にぴったりです。

  • 工業化学科 – 化学の知識を活かして、新しい素材の開発や環境問題の解決に取り組みます。実験が好きで、化学の力で社会に貢献したい人におすすめです。

  • 建築科 – 快適で安全な建物をデザインし、設計する方法を学びます。将来、建築士やインテリアデザイナーとして活躍したい人に最適です。

  • デザイン科 – グラフィックやプロダクトなど、様々なデザインの基礎から応用までを学びます。アイデアを形にするのが好きな、クリエイティブな分野に興味がある人におすすめです。

  • 工芸科 – 金属工芸、漆芸、インテリアの3コースがあり、伝統技術と新しい表現方法を学びます。 手仕事が好きで、素材の特性を活かした作品づくりに挑戦したい人に向いています。

  • 美術科 – デッサンや油絵などの基礎から専門的な表現技法までを学び、美術系大学への進学を目指します。絵を描くことが好きで、将来も美術の世界で生きていきたいと強く願う人におすすめです。

高松工芸高等学校の特色・校風

高松工芸高等学校は、「ものづくりへの情熱」「自由な創造性」「伝統と革新」といったキーワードで表現できる校風です。専門的な知識や技術を学ぶ学校であるため、生徒たちは自分の好きな分野に真剣に取り組んでおり、校内には活気と創造的な雰囲気が溢れています。

  • 宿題の量:学科によって差があるようですが、特に専門科目の課題や実習レポートなどが多く、計画的に学習を進める必要があるとの声が見られます。

  • 校則:他の公立高校と比較すると、服装や頭髪に関する規定はやや厳しいという意見が多いようです。 しかし、専門的な機械や薬品を扱う実習が多いため、安全面を考慮した規則であるとも言えます。スマートフォンの校内での使用については、一定のルールが定められているようです。

  • 生徒たちの雰囲気:同じ目標を持つ生徒が集まっているため、お互いに刺激し合える環境です。真面目で、自分の好きなことに没頭するタイプの生徒が多い傾向があります。科によって雰囲気が異なり、工芸科は和気あいあいとしているという口コミもあります。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情などにより届け出をすれば許可される場合があるようです。

  • 制服の評判:男子は伝統的な詰襟の学生服、女子はセーラー服ですが、特に女子の制服は全国的にも珍しいデザインで、可愛らしいという評判がある一方で、少し個性的すぎると感じる生徒もいるようです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

高松工芸高等学校の部活動・イベント

部活動

高松工芸高等学校は、運動部・文化部ともに活動が盛んで、多くの部が全国大会で活躍するなど輝かしい実績を誇っています。

特に、自転車競技部、バレーボール部、陸上部、ボクシング部、ヨット部、弓道部、水泳部などは全国レベルの実力を持っています。 文化部では、ロボット部が高校生ロボットアメリカンフットボール大会で全国優勝を果たすなど、専門高校ならではの強みを発揮しています。 また、クリエイティブ7部が香川漆器の制作やPR活動を全国的に行うなど、地域に根差したユニークな活動も魅力的です。 吹奏楽部や演劇部も活発に活動しています。

イベント

高松工芸高等学校の最大のイベントは、毎年11月に開催される「工芸展」です。 これは、生徒たちが1年間の学習の成果を発表する場であり、各学科で制作した作品の展示や販売が行われます。 建築科の精巧な建築模型や、デザイン科の独創的な作品、工芸科の実用的な家具や美しい漆器など、高校生のレベルを超えた作品が並び、毎年多くの来場者で賑わいます。 生徒たちが自分たちの作品について熱心に説明する姿も見られ、学校全体の熱気を感じることができる一大イベントです。

その他、体育祭や修学旅行など、一般的な高校のイベントも充実しており、生徒たちは勉強だけでなく、学校行事にも全力で取り組んでいます。

高松工芸高等学校の進学実績

高松工芸高等学校の卒業後の進路は、就職と進学がおよそ半々です。 専門高校で身につけた知識と技術を活かし、多くの生徒が地元香川県の優良企業や、県外の大手企業に就職し、産業界で高く評価されています。

大学進学にも力を入れており、毎年、国公立大学や有名私立大学への合格者を輩出しています。特に、美術科やデザイン科からは美術・芸術系の大学へ、工業系の学科からは工学部の大学へ進学する生徒が多いのが特徴です。3年次には進学希望者向けのコースも編成され、大学受験に対応した学習サポートも充実しています。

具体的な進学先としては、国公立大学では香川大学、徳島大学、愛媛大学など、私立大学では大阪芸術大学、京都精華大学、成安造形大学などの美術・デザイン系大学や、各種専門学校への進学者も多数います。専門知識を活かして、多様な進路を選択できるのが高松工芸高等学校の強みです。

高松工芸高等学校の特長・アピールポイント

高松工芸高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 120年以上の歴史と伝統:香川県の産業と文化を支えてきた長い歴史の中で培われた、質の高い専門教育が受けられます。

  • プロ仕様の充実した設備:各学科に専門的な実習を行うための最新の機器や設備が整っており、本格的なものづくりに打ち込める環境です。

  • 「工芸展」という大きな発表の場:一年間の学びの集大成として、自分たちの作品を多くの人に見てもらえる「工芸展」は、大きな達成感と自信につながります。

  • 専門分野のプロフェッショナルによる指導:各分野の専門知識と経験豊富な先生方から、丁寧で熱心な指導を受けることができます。

  • 高い就職率と幅広い進路選択:専門性を活かした就職に強いだけでなく、大学進学へのサポートも手厚く、多様な未来を描くことができます。

  • 姉妹校交流:初代校長を同じくする石川、富山、佐賀の工業・工芸高校と姉妹校関係にあり、毎年学びを通した交流が行われています。

  • 地域社会との連携:企業や自治体と連携した商品開発やプロジェクトに取り組む機会もあり、実践的な学びを深めることができます。

高松工芸高等学校の口コミ・評判のまとめ

高松工芸高等学校の口コミを見ると、専門的な学びに対する満足度の高さがうかがえます。

  • 良い点:「自分の好きな分野をとことん学べるので、毎日が楽しい」「専門的な知識を持った先生が多く、指導が手厚い」「同じ目標を持つ仲間と出会えて刺激になる」「就職に強く、先生方のサポートが手厚い」「工芸展などの行事が非常に盛り上がり、達成感がある」といった声が多く寄せられています。

  • 気になる点:「専門科目の課題や実習が多くて大変」「校則が他の高校に比べて少し厳しいと感じる部分がある」「施設や設備に古い部分もある」「制服のデザインが個性的」といった意見も見られます。専門性を追求するからこその厳しさや課題の多さはあるようですが、それも将来の夢を実現するためのステップと捉えている生徒が多いようです。

アクセス・通学

高松工芸高等学校は高松市の中心部に位置しており、交通の便が非常に良いのが特徴です。

  • JR高徳線「栗林公園北口駅」から徒歩約16分

  • ことでん琴平線「栗林公園駅」から徒歩圏内

  • JR「高松駅」から徒歩約13分

  • ことでんバス「幸町」バス停から徒歩約5分

高松市内はもちろん、坂出市や丸亀市など、JRやことでんの沿線から多くの生徒が通学しています。

高松工芸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

高松工芸高等学校を目指す君へ。この学校は、「好き」という気持ちをエネルギーに変えて、夢中になれるものを見つけたい、そしてそれを将来の仕事につなげたい、と考えている君にぴったりの場所です。専門的な勉強は、普通科の高校とは違う難しさや課題の多さがあるかもしれません。しかし、自分の手で作品を創り上げた時の喜びや、仲間と協力してプロジェクトを成し遂げた時の達成感は、何物にも代えがたい経験となるはずです。

高松工芸高等学校の受験では、内申点ももちろん大切ですが、それ以上に「この学校で何を学びたいのか」という強い意志が問われます。面接や実技試験では、君の情熱を存分にアピールしてください。なぜこの学科を選んだのか、入学してどんなことに挑戦したいのかを、自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。高松工芸高等学校で、君の無限の可能性を形にしてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。