高校選びという、人生の大きな岐路に立っている中学生の皆さんと、その保護者の皆様へ。数ある高校の中から、自分にぴったりの一校を見つけるのは、期待と不安が入り混じる大変な作業だと思います。このページでは、香川県内でも屈指の歴史と実績を誇る高松第一高等学校について、皆さんが本当に知りたい情報を、親身になって詳しく解説していきます。
高松第一高等学校は、県内唯一の市立高校というユニークな立ち位置にあり、創立90年以上の伝統を礎に、常に新しい教育を追求し続けている学校です。高い進学実績を誇る「進学校」としての顔と、音楽科や美術専門コース、最先端の科学を探究するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)といった、一人ひとりの「好き」や「得意」を専門的に伸ばせる多様な顔を併せ持っているのが、最大の魅力と言えるでしょう。
この先を読み進めれば、偏差値や入試の難易度といったデータだけでなく、校則や日々の宿題、部活動の様子、そして先輩たちのリアルな声まで、入学後の学校生活が具体的にイメージできるはずです。皆さんの高校選びが、悔いのない、そして心からワクワクするものになるよう、全力でサポートします。さあ、一緒に「一高」の扉を開けてみましょう。
高松第一高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。県内唯一の「市立」高校である点は、他の県立高校とは少し違った特色を持つ背景にもなっています。
項目 | 内容 |
正式名称 | 高松第一高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒760-0074 香川県高松市桜町2-5-10 |
代表電話番号 | 087-861-0244 |
公式サイトURL | http://www.taka-ichi-h.ed.jp/ |
高松第一高等学校の偏差値・難易度・併願校
高松第一高等学校は、香川県内のトップクラスの進学校として知られています。合格するためにはどのくらいの学力が必要なのか、具体的な数字で見ていきましょう。
学科・コースごとの偏差値
学科やコースによって、求められる偏差値の目安は異なります。
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普通科:
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音楽科:
普通科は、高松高校や丸亀高校と並ぶ県内最難関レベルです。一方、音楽科の偏差値は普通科に比べて低く見えますが、これは学力試験に加えて音楽の実技試験が重視されるためです。専門的なスキルが合否に大きく影響することを理解しておきましょう。
難易度と合格に必要な内申点の目安
香川県の公立高校入試では、当日の学力検査の点数と同じくらい「内申点」が重要になります。内申点は中学2年生の9教科と、中学3年生の9教科の成績から算出される220点満点のスコアです。一部で「トップ校は内申点を見ない」という噂を聞くことがあるかもしれませんが、それは全くの誤りです。高松第一高等学校の合格を目指すなら、内申点を軽視することはできません。
合格者の平均的な内申点は190点前後と言われています。これは、通知表の9教科のうち、半分近くで「5」を取っているイメージです。内申点と当日点の合計で、おおよそ380点から390点以上が合格の一つの目安となります。自分の内申点から、当日何点取る必要があるのか、下の表で目標を立ててみましょう。
内申点 (220点満点) | 目標とすべき当日点 (250点満点) | 合計の目安 (470点満点) | アドバイス |
200点以上 (安全圏) | 190点 (各教科38点) | 390点以上 | 内申点に余裕があります。当日は焦らず、ケアレスミスに注意して着実に得点を重ねましょう。 |
190点 (標準圏) | 200点 (各教科40点) | 390点 | これが合格者平均ラインです。5教科で苦手科目を作らず、バランス良く得点する力が求められます。 |
180点 (合格可能圏) | 210点 (各教科42点) | 390点 | 内申点のビハインドを当日点でカバーする必要があります。得意科目で満点近くを狙うなどの戦略が重要です。 |
180点未満 (危険域) | – | – | 合格は非常に厳しくなります。まずは学校の定期テストや提出物で着実に評価を上げ、内申点を180点台に乗せることが最優先課題です。 |
主な併願校
香川県の高校入試では、公立高校同士の併願はできません。そのため、高松第一高等学校を第一志望とする受験生の多くは、すべり止めとして私立高校を受験します。主な併願先としては、以下のような高校が挙げられます。
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英明高等学校
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藤井学園寒川高等学校
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坂出第一高等学校
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高松中央高等学校
高松第一高等学校に設置されている学科・コース
高松第一高等学校の大きな魅力の一つが、多様な興味関心に応える専門的なコース設定です。自分の将来の夢につながる学びがきっと見つかるはずです。
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普通科 文理コース
国公立大学や難関私立大学への進学を目指す、最も標準的なコースです。文系・理系のどちらにも対応できる柔軟なカリキュラムで、幅広い進路希望に対応します。まずは基礎学力をしっかり固めたい人におすすめです。
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普通科 国際文科コース
語学や異文化理解に特化したコースです。かつては「スーパーイングリッシュハイスクール」にも指定されており、オーストラリアへの海外語学研修など、実践的な英語力を磨く機会が豊富です。将来、海外で活躍したい人や、国際関係の学部に進みたい人に最適です。
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普通科 特別理科コース
文部科学省指定のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の中核を担うコースです。大学や研究機関と連携した高度な課題研究「未来・Science Research」や、イギリスへの海外研修など、探究心を刺激するプログラムが満載です。科学者や医師、エンジニアを目指す探究心旺盛な人におすすめです。
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普通科 美術専門コース
美術系の大学や専門学校への進学を目指す人のためのコースです。デッサンや油絵などの専門的な実技指導を受けられ、充実した美術室で作品制作に打ち込めます。絵を描くことやものづくりが大好きで、アートの道に進みたい人にぴったりです。
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音楽科
県内でも高い評価を受ける、音楽家を育成するための専門学科です。専用の演奏ホール「ムジカホール」などを備え、恵まれた環境でレッスンを受けられます。定期演奏会など発表の場も多く、音楽大学への進学実績も豊富です。プロの音楽家を目指す、本気で音楽に取り組みたい人におすすめです。
高松第一高等学校の特色・校風
「一高」の雰囲気はどんな感じ?宿題は多い?校則は厳しい?ここでは、中学生の皆さんが一番気になる学校生活のリアルな姿を、口コミなどを基に詳しく紹介します。
学校全体の雰囲気
キーワードで表現するなら「文武両道」「自主と自律」「多様性」といった言葉がしっくりきます。真面目に勉強に取り組む生徒が多い一方で、部活動や学校行事にも全力で打ち込む活気があります。また、普通科だけでなく音楽科や美術コースなど、様々な目標を持つ生徒が集まっているため、互いの個性を尊重し合う多様性のある文化が根付いています。
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宿題の量
「課題や小テストが多い」という声が多く聞かれます。やはり県内トップクラスの進学校だけあり、日々の学習量は少なくありません。予習・復習を習慣づけ、計画的に学習を進める自己管理能力が求められます。
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校則(スマホ、服装など)
校則は「やや厳しい」と感じる生徒が多いようです。特に「校内でのスマートフォンの使用は禁止」「アルバイトは原則禁止」という点は、事前に理解しておく必要があります。
服装については、年に数回の頭髪・服装検査があります。髪の加工(染色やパーマ)は禁止で、肩より長い場合は結ぶといった規定があります。制服は伝統的な黒の詰襟(男子)とセーラー服(女子)で、一部の生徒からは「デザインが少し古い」という声もありますが、保護者からは「品があって良い」と好意的に受け止められているようです。
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生徒たちの雰囲気
「真面目で落ち着いている」生徒が多いですが、決して堅苦しいわけではなく、「明るくて平和」「男女の壁があまりなく、ストレスなく過ごせる」といったポジティブな口コミが非常に多いのが特徴です。互いに高め合える友人が見つかる、居心地の良い環境だと言えるでしょう。
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制服の評判
前述の通り、生徒からの評価は正直なところ賛否両論です。伝統を重んじた落ち着いたデザインですが、現代的な可愛さや格好良さを求める生徒からは、物足りなさを感じるという意見があります。
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土曜授業
年間行事予定を見る限り、毎週の土曜授業は基本的にありません。ただし、模試や学校行事、部活動の大会などが土曜日に行われることはあります。
高松第一高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、仲間との絆を深める部活動や学校行事も高校生活の醍醐味。高松第一高等学校の活気あふれる活動を紹介します。
部活動
「文武両道」を掲げており、多くの生徒が部活動に加入し、勉強と両立しながら熱心に活動しています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、自分に合った活動場所を見つけやすい環境です。
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吹奏楽部・合唱部など(音楽系)
音楽科がある高松第一高等学校の看板とも言える部活動です。コンクールでの実績も豊富で、レベルの高い演奏を目指して日々練習に励んでいます。定期演奏会は多くの観客を集める人気のイベントです。
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放送部
全国大会出場の経験もある実力派の部活です。新しい校舎の充実した設備を使い、質の高い番組制作を行っています。「将来に役立つ力が身につく」と部員からの満足度も高いようです。
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物理部・科学生物部(科学系)
SSH指定校ならではの、ユニークで本格的な活動が魅力です。特に文化祭で発表される物理部の「巨大ソーラーバルーン」は学校の名物で、過去にはテレビ番組で取り上げられたこともあります。
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山岳部
「インターハイ出場」と「山を楽しむ」をモットーに活動する、少し珍しい部活です。仲間と協力して困難な山に挑む経験は、何物にも代えがたい財産になるでしょう。
イベント
一年を通して、生徒が主役となる多彩なイベントが開催されます。クラスや学校全体が一つになる、忘れられない思い出が作れます。
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一高祭(文化祭)
毎年9月上旬に2日間にわたって開催される、学校最大のイベントです。各文化部の発表や研究展示、クラスごとの出店など、日頃の活動の成果を披露する場として大変な盛り上がりを見せます。生徒が描く巨大な歓迎パネルは圧巻で、地域からも多くの人が訪れる一大イベントです。
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体育祭
5月または6月に、本格的な陸上競技場である「屋島レクザムフィールド」を貸し切って行われます。応援合戦やリレー、綱引きなど、クラス対抗で熱い戦いが繰り広げられます。保護者の観覧も多く、学校全体が熱気に包まれる一日です。
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修学旅行・研修旅行
2年生の修学旅行では、北海道を訪れるのが恒例です。これとは別に、国際文科コースはオーストラリアへ、特別理科コースはイギリスへと、専門性を深めるための海外研修旅行が用意されているのも大きな特徴です。
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クラスマッチ
夏休み前と春休み前の年2回、球技を中心としたクラス対抗のスポーツ大会が行われます。企画・運営も生徒会が中心となって行い、クラスの団結力を高める絶好の機会となっています。
高松第一高等学校の進学実績
県内トップクラスの進学校として、卒業生の多くが国公立大学や難関私立大学へと進学しています。手厚い進路指導体制が、その高い実績を支えています。
最新の大学進学実績
近年の主な大学の合格者数は以下の通りです。四国内の大学はもちろん、全国の難関大学にも多くの合格者を輩出していることが分かります。
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主な国公立大学
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香川大学:44名
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岡山大学:28名
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広島大学:16名
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愛媛大学:12名
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徳島大学:12名
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九州大学:8名
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神戸大学:4名
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大阪大学:2名
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一橋大学:1名
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主な難関私立大学
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関西学院大学:55名
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立命館大学:68名
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関西大学:46名
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同志社大学:23名
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近畿大学:111名
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早稲田大学:5名
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慶應義塾大学:2名
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GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)合計:43名
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進学実績を支える取り組み
高い進学実績は、生徒自身の努力はもちろん、学校のきめ細やかなサポート体制の賜物です。
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進学課外・講習
通常の授業に加えて、大学受験に特化した「進学課外」と呼ばれる補習授業が数多く開講されています。また、推薦入試やAO入試に対応するための「面接対策講座」なども充実しており、あらゆる受験方式に対応できる体制が整っています。
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手厚い個別指導
「先生に質問に行くと、分かるまで熱心に教えてくれる」という声が多く、生徒一人ひとりに寄り添う指導が徹底されています。美術科や音楽科では、それぞれの専門入試に合わせた実技指導も行われ、専門分野での進学もしっかりサポートしています。
高松第一高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、高松第一高等学校ならではの強みや魅力を7つのポイントにまとめました。
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県内唯一の市立進学校という個性
県立高校とは一味違う、独自の歴史と文化を持っています。伝統を大切にしながらも、常に新しい教育に挑戦する校風が魅力です。
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多様な才能を伸ばす専門コース
全国レベルの音楽科や本格的な美術専門コース、グローバルな視点を養う国際文科コースなど、学問以外の分野でも自分の才能を専門的に伸ばせる環境があります。
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最先端の科学に触れるSSH指定校
スーパーサイエンスハイスクールとして、大学レベルの課題研究や海外研修など、他ではできない貴重な体験ができます。科学の世界にどっぷり浸かりたい人には最高の環境です。
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新しく快適な学習環境
近年建て替えられた校舎は非常に美しく、体育館などの施設も充実しています。毎日通う場所だからこそ、快適な環境は大きな魅力です。
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活気あふれる大規模な学校行事
全校生徒が一体となって盛り上がる「一高祭」や体育祭は、高校生活一番の思い出になるはず。仲間との絆を深め、強い愛校心が育まれます。
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抜群のアクセスを誇る立地
最寄りの琴電・栗林公園駅からは徒歩約2分、JR栗林駅からも徒歩圏内と、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。高松市内の様々なエリアから通学しやすいのも大きなメリットです。
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確かな大学進学実績と手厚いサポート
国公立大学や難関私立大学への高い合格実績は、生徒と先生が一体となった努力の証。充実した課外授業や親身な個別指導が、生徒の夢の実現を力強く後押しします。
高松第一高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた「良い点」と「気になる点」を公平に紹介します。学校選びの参考にしてください。
良い点
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友達関係が良く、学校生活が楽しい
「生徒の雰囲気が良く、男女の壁もさほどない」「明るくて平和な学校」という声が圧倒的に多く、人間関係で悩むことの少ない、居心地の良い環境であることがうかがえます。
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先生のサポートが手厚い
「先生と生徒の距離が近く、親身に指導してくれる」「質問すれば丁寧に教えてくれる」など、熱心な先生が多いという評判です。
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新校舎が綺麗で施設が充実している
建て替えられたばかりの校舎や体育館は、多くの生徒が自慢に思うポイントです。「県内のどの高校よりも満足できる」という声も。
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行事が盛り上がり、団結力が深まる
文化祭や体育祭などのイベントは規模が大きく、非常に楽しいと評判です。クラス一丸となって取り組む経験が、強い絆を生むようです。
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高いレベルで切磋琢磨できる環境
「生徒の意識が高く、良い刺激になる」という口コミ通り、向上心のある仲間たちに囲まれて、自然と勉強へのモチベーションが高まる環境です。
気になる点
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先生の質にばらつきがあるという意見
「市立高校のため先生の異動が少なく、考え方が古い先生もいる」「自分の教育法を押し付ける先生がいる」といった厳しい意見も見られます。熱心な先生が多い一方で、一部の先生の指導法に疑問を感じる生徒もいるようです。
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「自称進学校」と感じる側面も
一部の生徒からは「授業の進度が遅く、塾や内職(授業中に別の勉強をすること)に頼っている人が多い」「学校が言うほど進学実績がすごいわけではない」といった声もあります。高いレベルを求める生徒にとっては、学校の授業だけでは物足りなく感じる場面があるのかもしれません。
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校則が厳しい、制服が不評
スマートフォンの使用禁止などの校則や、伝統的なデザインの制服については、やはり不満の声が一定数あります。
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課題が多くて大変
進学校であるため、日々の課題や小テストの量は多く、計画的に勉強しないとこなすのが大変だという声は、多くの生徒に共通するようです。
アクセス・通学
高松第一高等学校は、高松市の中心部に位置し、交通の便が非常に良いのが特長です。
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最寄り駅からのアクセス
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琴平電鉄 琴平線 「栗林公園駅」から徒歩約2分
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JR四国 高徳線 「栗林駅」から徒歩約6〜8分
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ことでんバス 「花ノ宮」または「栗林公園」バス停から徒歩約10分
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レインボー循環バス 「高松一高」バス停下車すぐ
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通学エリア
二つの鉄道路線の駅から徒歩圏内という抜群の立地のため、高松市内全域はもちろん、市外の広い範囲から多くの生徒が通学しています。
高松第一高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、高松第一高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。
この学校は、ただ偏差値が高いだけでなく、科学、国際、芸術、音楽といった自分の「好き」を本気で探究したいという強い意志を持つ生徒に特におすすめです。周りのレベルの高さに刺激を受けながら、自分の個性を磨いていける、そんな素晴らしい環境がここにはあります。もしあなたが「勉強も頑張りたいけど、自分の好きなことにも全力で打ち込みたい」と考えているなら、高松第一高等学校は最高の舞台になるでしょう。
受験勉強で最も力を入れてほしいのは、何と言っても「内申点」です。高松第一高等学校の入試は、中学2年生の成績からすでに始まっています。日々の授業を大切にし、提出物をきちんと出し、定期テストで一点でも多く点数を取る。その地道な積み重ねが、春の合格へとつながります。大変な道のりですが、その先には、新しく美しい校舎で、多様な才能を持つ仲間たちと過ごす、かけがえのない3年間が待っています。夢に向かって頑張る皆さんを、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。