高知国際高等学校は、2021年に開校した、高知の未来を担う新しい学びのステージです。世界で活躍できる人材の育成を目標に掲げ、これまでの高校とは一味違う、探究型の学習や国際バカロレアといった先進的な教育に挑戦しています。これからの時代に求められる「自ら考える力」を、ここ高知国際高等学校で身につけてみませんか。
この学校は、高知南中学校・高等学校と高知西高等学校という、地域で長く親しまれてきた二つの学校の歴史と伝統を受け継いで誕生しました。単に新しいだけでなく、確かな土台の上に、生徒一人ひとりが主役となって新しい文化を創り上げていく、そんな活気にあふれた場所です。先輩たちが築き始めた道を、さらに未来へと繋いでいくのは、これから入学する皆さんです。
「世界を舞台に挑戦したい」「誰もやったことのない新しいことに取り組みたい」「仲間と一緒に学校の歴史を創ってみたい」。もし、そんな熱い想いを少しでも持っているなら、この先をぜひ読み進めてみてください。ここには、あなたの可能性を最大限に引き出し、夢の実現を後押ししてくれる環境が待っているかもしれません。
高知国際高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。中高一貫校なので、正式名称には中学校も含まれています。
項目 | 内容 |
正式名称 | 高知県立高知国際中学校・高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 共学 |
所在地 | 〒780-8052 高知県高知市鴨部2-5-70 |
代表電話番号 | 088-844-1221 |
公式サイトURL | https://sites.google.com/g.kochinet.ed.jp/kokusai-jh |
高知国際高等学校の偏差値・難易度・併願校
高知国際高等学校の偏差値は、学科やコース、そして参照する模試によって幅がありますが、一つの目安として知っておくことは大切です。
学科・コース別偏差値
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普通科:58~60
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グローバル科(探究コース・DPコース):58~60
複数の情報源を見ると、高知国際高等学校の偏差値は58から60あたりが中心となっています。これは県内でも上位に位置する難易度です。ただし、一部の模試では45から49というデータもあり、これは合格可能性B判定(合格圏内)のラインを示しているようです。つまり、幅広い学力層の生徒に門戸が開かれている一方で、上位層の生徒にとっては非常に競争率の高い挑戦になることがうかがえます。安心して合格を目指すなら、偏差値60を一つの目標として設定するのが良いでしょう。
難易度のイメージと内申点
偏差値が同じくらいの高校としては、高知小津高等学校(普通科)や中村高等学校(普通科)などが挙げられます。これらの学校と並ぶレベルだと考えると、難易度のイメージがしやすいかもしれません。
合格に必要な内申点の目安としては、45点満点中39点以上、場合によっては45点近くが目標となるという情報があります。高知県の公立高校入試では中学3年生の成績が特に重視される傾向があるため、日々の授業態度や定期テストにしっかりと取り組むことが合格への鍵となります。
主な併願校
高知県の公立高校入試は、現在の制度では一人の受験生が複数の公立高校に出願することはできません。つまり、A日程で一つの公立高校を受験し、もし不合格だった場合にB日程で別の高校を受験するという形になりますが、一度いずれかの公立高校に合格すると、その後の公立高校の選抜には出願できなくなります。
そのため、高知国際高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願先としては、県内トップクラスの進学校である土佐高等学校、高知学芸高等学校、土佐塾高等学校などが挙げられます。これらの私立高校は入試日程や制度がそれぞれ異なるため、早い段階から情報を集め、準備を進めておくことが重要です。
高知国際高等学校に設置されている学科・コース
高知国際高等学校には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせて選べる、特色豊かな3つの学びの道が用意されています。
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普通科(定員200名)
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どんなことを学ぶ?:文系・理系を問わず、幅広い進路に対応できる確かな学力を築きます。探究的な学びを通して、物事を深く考える力や表現力を養います。
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どんな生徒におすすめ?:将来の夢がまだ具体的に決まっていないけれど、大学進学を目指してしっかり勉強したい人。高知国際のグローバルな雰囲気の中で、自分の可能性を広げたい人。
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グローバル科 探究コース(定員60名)
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どんなことを学ぶ?:高いレベルの英語力と、課題解決能力を身につけることに特化したコースです。世界的な視野で物事を考え、議論し、行動する力を養います。
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どんな生徒におすすめ?:国際問題や異文化に強い関心があり、将来は語学力や探究力を活かして国内外の難関大学に進学したい人。
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グローバル科 DPコース(定員20名)
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どんなことを学ぶ?:「国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラム」という、世界基準の教育課程に挑戦します。授業の一部(数学など)は英語で行われ、最終的には世界中の多くの大学で認められる大学入学資格の取得を目指します。
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どんな生徒におすすめ?:非常に高い学習意欲と自律性を持ち、世界レベルの教育に挑戦したい人。海外大学への進学も視野に入れている、英語力に自信がある人。(英検2級以上が望ましいとされています)
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高知国際高等学校の特色・校風
高知国際高等学校は、新しい学校だからこその活気と、生徒が主体となって未来を創っていくエネルギーに満ちています。
校風をキーワードで表すと、「グローバル」「探究型」「生徒主体」「多様性の尊重」といった言葉がぴったりです。学校全体が「学び方を学ぶ」という理念のもと、生徒一人ひとりの「なぜ?」を大切にし、それを深く探究していくことを応援する文化があります。
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宿題の量は?
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コースや選択科目によって差があるようですが、「他校よりは少ない」という声もあれば、「理系やDPコースは課題が多い」という声もあります。特に探究活動に関するレポートなど、自分で計画を立てて進める必要のある課題が多いため、時間管理能力が求められる場面が多いようです。
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校則は厳しい?緩やか?
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これも意見が分かれる点です。スマートフォンは朝のホームルームから帰りのホームルームまで原則使用禁止となっており、この点を「厳しい」と感じる生徒はいるようです。一方で、制服は本人の希望によってスラックスかスカートかを自由に選べるなど、多様性を尊重する先進的な側面もあります。全体としては、自由な雰囲気と規律のバランスを取ろうとしている印象です。
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生徒たちの雰囲気は?
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「目的意識の高い生徒が多い」という声があるように、部活動や勉強、国際交流など、それぞれが目標を持って学校生活を送っているようです。活発で意欲的な生徒が多い一方で、どんな学校にも言えることですが、クラスや学年によって雰囲気は多少異なると考えられます。新しい学校の文化を自分たちで創っていこうという、前向きな空気が感じられます。
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アルバイトは可能?
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許可制で可能です。ただし、学業がおろそかにならないように、高校生活に慣れるまでの期間(高校1年生の前期末まで)は原則として許可されない方針です。
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制服の評判は?
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紺を基調としたブレザースタイルです。夏にはポロシャツも着用できます。デザインについては「ダサい」という厳しい意見も一部で見られますが、機能性や、性別に関わらずズボンを選べる点は評価されています。
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土曜授業はある?
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学校は前期・後期の2学期制で、基本的に毎週土曜日に授業があるわけではありません。ただし、模試や学校行事などが土曜日に行われることはあります。
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高知国際高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動や学校行事も高校生活を彩る大切な要素です。高知国際での活動は、どれも個性的で活気に満ちています。
部活動
高知国際高等学校には非常に多くの部活動があり、運動部・文化部ともに充実しています。学習との両立は大変ですが、多くの生徒が限られた時間の中で集中して活動し、素晴らしい成果を上げています。
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特に有名な部活動
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弓道部:非常に活気があり、先輩・後輩の仲が良いことで知られています。練習にメリハリがあり、集中して取り組む雰囲気の中で、開校後まもなく全国大会出場を果たすなど、目覚ましい活躍を見せています。
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レスリング部:前身校からの伝統を受け継ぎ、インターハイに出場するなど、県内でも強豪として知られています。
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なぎなた部、登山部:他の高校ではあまり見られない珍しい部活動もあり、多様な選択肢の中から自分の興味に合った活動を見つけることができます。
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運動部は21、文化部は12と、非常に多くの選択肢があります。中には中高合同で活動する部もあり、幅広い年代の生徒と交流できるのも魅力の一つです。
イベント
高知国際高等学校のイベントは、単なるお祭り騒ぎで終わらない、学びと繋がったユニークなものがたくさんあります。
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文化祭・体育祭
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これらは隔年で交互に実施されます。体育祭の年には「ミニ文化祭」が、文化祭の年には体育的な要素(ホームマッチなど)が組み込まれるなど、毎年楽しめる工夫がされています。体育祭では色ごとに分かれて応援やパネルを競い合い、文化祭ではクラスごとの出店やステージ発表で大いに盛り上がります。生徒が主体となって企画・運営する、学校全体が一つになる一大イベントです。
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国際シンポジウム
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これは高知国際を象徴する、最大級の学術イベントです。生徒たちが一年間かけて取り組んできた「総合的な探究の時間」の成果を、全校生徒や外部の人の前でプレゼンテーションします。自分の考えを論理的に伝え、質疑応答に対応する経験は、大学入試やその先の社会で必ず役立つ貴重な力になります。
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修学旅行
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近年では東京方面を訪れています。大学訪問や企業訪問といったキャリア教育の側面に加え、東京グローバルゲートウェイでの研修や、東京ディズニーランドでの自主研修など、学びと楽しみがバランス良く組み込まれたプログラムが特徴です。
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高知国際高等学校の進学実績
2021年に開校したばかりの新しい学校ですが、高知国際高等学校は、その先進的な教育モデルが確かな成果に結びつくことを、一期生から見事に証明しています。
最新の大学合格実績(2024年・2025年卒業生)
まだ歴史の浅い学校でありながら、国内外の難関大学へ多数の合格者を輩出している点は、特筆すべき成果です。
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国公立大学
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旧帝大・難関大:東北大学、大阪大学、九州大学、名古屋大学、横浜国立大学、筑波大学など、全国のトップレベルの大学に合格者を出しています。
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四国・近隣県:地元の高知大学へは2年間で70名以上が合格しているほか、高知工科大学、高知県立大学、岡山大学、愛媛大学、香川大学などへも多数進学しています。
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難関私立大学
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関東:上智大学、明治大学、法政大学、青山学院大学、立教大学など
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関西:同志社大学、立命館大学、関西学院大学、関西大学など
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「GMARCH」や「関関同立」といった、全国的に有名な難関私立大学グループにも、安定して合格者を送り出しています。
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海外大学・その他の進路
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国際バカロレアDPコースの成果もあり、アメリカン大学(アメリカ)、メルボルン大学(オーストラリア)、モナシュ大学マレーシア校(マレーシア)など、海外の大学へ直接進学する生徒もいます。これは、まさに高知国際ならではの強みと言えるでしょう。
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大学進学以外にも、専門学校への進学や就職など、多様な進路を選択する生徒もいます。
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進学実績を支える取り組み
こうした高い進学実績は、日々の探究型授業や国際バカロレアの質の高い学びが土台となっています。それに加え、進路希望調査に基づいた丁寧な個別指導、大学入学共通テストを見据えた模試の実施、夏期補習など、生徒一人ひとりの目標達成をサポートする体制が整えられています。
高知国際高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、高知国際高等学校ならではの魅力を5つのポイントに絞ってご紹介します。
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公立高校で挑戦できる「国際バカロレア(IB)」
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世界トップレベルの大学への道を開く国際的な教育プログラム「IBディプロマ・プログラム」を、高知県の公立高校で受けられるのはここだけです。世界基準の学びが、あなたの視野を大きく広げます。
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「学び方を学ぶ」全校的な探究学習
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答えのない問いに対して、仲間と協力しながら自分なりの答えを見つけ出す「探究学習」が学校全体の学びの中心です。この力は、変化の激しい未来を生き抜くための最も重要なスキルになります。
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生徒が主役!新しい学校文化を創る「開拓者」になれる
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開校してまだ間もないため、学校の伝統や文化は、まさに今、生徒たちの手で創られている最中です。学校行事や生徒会活動などを通して、自分たちが学校の歴史を創っていくという、他では味わえない貴重な経験ができます。
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国内外のトップ大学を目指せる多様な進路
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普通科、グローバル科探究コース、DPコースという3つの道筋があり、それぞれの目標に合わせて国内外の難関大学を目指せます。すでに一期生から素晴らしい進学実績が出ていることが、その教育の質の高さを証明しています。
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地域や世界と繋がる「本物の学び」
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国際シンポジウムでの発表や、県内企業・自治体と連携したリサーチ活動など、教室の中だけで完結しない、社会と繋がったリアルな学びの機会が豊富に用意されています。
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高知国際高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生、保護者からの声をまとめると、この学校のリアルな姿が見えてきます。良い点と、少し気になる点の両方を公平にご紹介します。
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良い点
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「意欲的な生徒には先生が熱心にサポートしてくれる」「目的意識の高い仲間が多くて刺激になる」といった、生徒のやる気を尊重する校風を評価する声が多数あります。
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「英語の授業の質が高い」「ネイティブの先生との交流が楽しい」など、グローバル教育の充実に満足している意見も多いです。
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保護者からは「これからの時代に必要な教育をしてくれる」「子供をぜひ通わせたい」といった、学校の先進的な理念に対する高い期待が寄せられています。
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気になる点
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「先生によって指導の質にばらつきがある」「学校からの情報連絡が分かりにくいことがある」など、新しい学校ならではの「成長過程」を感じさせる指摘もあります。
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「校則が厳しいと感じる部分がある」「課題が多くて大変」といった声も見られます。特に、高いレベルの学びを求めて入学した生徒にとっては、学習面の負担が大きいと感じることもあるようです。
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「活発な生徒が中心で、おとなしい子は馴染みにくいかもしれない」という意見もあり、生徒の個性と学校の雰囲気との相性も、考慮すべき点かもしれません。
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総じて、自ら積極的に学び、行動する意欲のある生徒にとっては、最高の環境である一方、受け身の姿勢でいると、その良さを十分に活かせない可能性がある、という傾向が見えてきます。
アクセス・通学
高知国際高等学校は高知市内にあり、複数の公共交通機関でアクセスできます。
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最寄り駅からのアクセス
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JR土讃線:「JR高知商業前駅」または「JR朝倉駅」から、それぞれ徒歩約15分
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とさでん交通(路面電車):「鴨部」電停から徒歩約6分、「鏡川橋」電停から徒歩約10分
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とさでん交通(バス):「西高校」バス停から徒歩すぐ
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通学エリア
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高知国際高等学校の大きな特徴として、通学区域が「高知県内全域」と定められている点が挙げられます。そのため、高知市内の生徒はもちろん、市外の遠方から時間をかけて通学している生徒もいます。多様な地域から生徒が集まることで、豊かな交流が生まれる一方、遠方に住んでいる場合は、日々の通学時間と学習や部活動との両立をよく考える必要があります。
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高知国際高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、本当にありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、高知国際高等学校を目指す君にエールを送ります。
この学校は、「好奇心旺盛で、知らない世界に飛び込むのが好きな人」「難しい課題にも、仲間と協力して挑戦したい人」「誰かが作ったレールの上を走るより、自分で道を切り拓きたい人」に、特におすすめです。もし君がそんなタイプなら、高知国際高等学校での3年間は、きっとかけがえのない宝物になるはずです。
受験勉強では、単に知識を暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか?」を自分の言葉で説明する練習をしてみてください。この「考えるクセ」こそが、高知国際が求める探究的な学びに繋がる第一歩です。大変なこともあると思いますが、夢に向かって頑張る君を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。