麻布大学附属高等学校は、今、まさに大きな変革期を迎え、受験生や保護者の皆さんから熱い注目を集めている学校です。かつてはスポーツの強豪校としてのイメージが強かったかもしれませんが、近年では驚異的なスピードで大学進学実績を伸ばし、地域でも有数の進学校へと生まれ変わろうとしています。この変化の背景には、学校全体の並々ならぬ努力と、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出すための教育改革があります。
この学校の最大の魅力は、生徒の学力や目標に応じて設定された3つのコース制度と、それを支える手厚い学習サポート体制にあります。入学時の学力だけでなく、入学後の頑張りを正当に評価し、上級コースへとステップアップできる道が用意されているため、すべての生徒が高いモチベーションを維持しながら学校生活を送ることができます。麻布大学附属高等学校は、本気で大学進学を目指したい、そしてそのための最高の環境で3年間を過ごしたいと考える君にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
この記事では、そんな麻布大学附属高等学校の偏差値や入試情報はもちろん、在校生や卒業生の声をもとにしたリアルな学校生活、部活動や学校行事の様子まで、皆さんが本当に知りたい情報を余すところなくお伝えします。厳しいと噂の校則の真相から、急成長する進学実績の秘密まで、進学アドバイザーの視点から徹底的に解説していきます。あなたの高校選びの確かな一助となることを願っています。
麻布大学附属高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩は、正確な情報を把握することから始まります。
項目 | 内容 |
正式名称 | 麻布大学附属高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒252-0206 神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-50 |
代表電話番号 | 042-757-2403 |
公式サイトのURL | https://www.azabu-univ-high-school.jp/ |
麻布大学附属高等学校の偏差値・難易度・併願校
近年、大学進学実績の向上に伴い、麻布大学附属高等学校の入学難易度は上昇傾向にあります。最新の情報をしっかりと把握し、万全の対策で臨みましょう。
学科・コースごとの偏差値
複数の模擬試験のデータを総合すると、各コースの偏差値の目安は以下のようになります。
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S特進クラス: 62~65
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特進クラス: 57~61
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進学クラス: 52~58
これらの数値は、あくまで目安です。麻布大学附属高等学校は進学実績が急速に伸びているため、年々人気が高まり、それに伴って合格に必要な学力レベルも上がっていると考えられます。過去のデータに頼るのではなく、常に最新の模試結果を参考にし、目標偏差値は少し高めに設定しておくと安心です。
合格に必要な内申点の目安
推薦入試や一般入試の併願優遇制度を利用する場合、内申点(通知表の評定)が重要になります。明確な基準は年度によって変動しますが、重要な前提条件がいくつかあります。
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9教科の評定に「1」や「2」がないこと。
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中学3年間の欠席日数が30日以内であること。
これらは最低限クリアすべき基準です。さらに、英検・漢検・数検で準2級以上を取得していたり、生徒会活動などで実績があったりすると、内申点に加点される制度もあります。日々の授業態度や定期テスト、そして課外活動にも真剣に取り組むことが、合格への近道となります。
主な併願校
麻布大学附属高等学校を受験する生徒が、併願先として選ぶことが多い学校には以下のような高校があります。自分の学力レベルや通学の便などを考慮して、併願パターンを組み立てる際の参考にしてください。
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主な私立併願校: 桐蔭学園高等学校、桜美林高等学校、東京農業大学第一高等学校、日本大学高等学校、横浜隼人高等学校など。
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主な公立併願校: 神奈川県立港北高等学校、神奈川県立新城高等学校、神奈川県立大和高等学校、神奈川県立相模原弥栄高等学校など。
(注意:神奈川県の公立高校入試では、原則として複数の公立高校を併願することはできません。)
麻布大学附属高等学校に設置されている学科・コース
麻布大学附属高等学校の教育の核となるのが、生徒一人ひとりの目標と学力に合わせて編成される3つのコース制度です。普通科の中に、以下のコースが設置されています。
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S特進クラス
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どんなことを学ぶ場所か: 国公立大学や早稲田、慶應といった最難関私立大学への現役合格を目指し、1年次からハイレベルな演習中心の授業が展開されます。
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どんな生徒におすすめか: 高い目標を持ち、仲間と切磋琢磨しながらとことん学力を伸ばしたい、意欲あふれる生徒に最適です。
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特進クラス
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どんなことを学ぶ場所か: GMARCHをはじめとする難関私立大学や国公立大学への合格を目標に、応用力・発展力を重視した授業で実力を養成します。
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どんな生徒におすすめか: 基礎力には自信があり、さらに応用力を身につけて幅広い選択肢の中から進路を選びたい生徒に向いています。
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進学クラス
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どんなことを学ぶ場所か: 丁寧な授業で基礎学力を確実に定着させ、中堅以上の私立大学から難関大学まで、幅広い大学への進学を目指します。
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どんな生徒におすすめか: まずは高校の勉強の基礎をしっかり固め、自分のペースで着実に力をつけていきたい生徒におすすめです。
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このコース制度の最大の特徴は、単なる学力別のクラス分けで終わらない点にあります。全コースで授業の進むペース(進度)が統一されているため、1年ごとに行われるクラスの入れ替えが非常にスムーズです。つまり、「進学クラス」で努力を重ねて成績を上げれば、授業に遅れる心配なく「S特進クラス」へ移ることが可能なのです。この「頑張れば上にいける」という仕組みが、学校全体の学習意欲を高める大きな原動力となっています。
麻布大学附属高等学校の特色・校風
学校選びでは、偏差値だけでなく、学校全体の雰囲気や文化(校風)が自分に合うかどうかも非常に重要です。
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キーワード: 文武両道、規律重視、急成長中、サポート体制充実
リアルな学校生活(口コミ・評判より)
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宿題の量は多いか少ないか
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「多い」という声が多数派です。特に小テストや課題が頻繁に出されるため、部活動と両立させるには計画的な学習習慣が求められます。これは、学校が「進学校」として生徒の学力向上に本気で取り組んでいる証拠とも言えるでしょう。
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校則は厳しいか緩やかか
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「厳しい」という意見が非常に多く、特にスマートフォンに関するルールは厳格です。校内での使用は一切禁止されており、文化祭などの行事中でも使用できない点には、不満の声も聞かれます。服装や頭髪に関しても定期的なチェックがあり、規律を重んじる校風がうかがえます。こうした環境は、一部の生徒には窮屈に感じられるかもしれませんが、見方を変えれば、学習に集中するための環境が意図的に作られていると言えます。
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生徒たちの雰囲気
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全体的に真面目で落ち着いた生徒が多いようです。派手な高校生活よりも、勉強や部活に打ち込みたいという生徒にとっては、非常に過ごしやすい環境です。また、附属中学校がない「高校単独校」であるため、全員が同じスタートラインから高校生活を始められるのも、一体感が生まれやすい良い点です。
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アルバイトは可能か
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校則が厳しいことから、原則として禁止されている可能性が高いですが、家庭の事情などによっては許可制で認められる場合もあります。正確な情報は学校説明会などで確認が必要です。
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制服の評判はどうか
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制服のデザインについては、個人の好みが分かれるようです。紺を基調としたブレザースタイルで、落ち着いた印象を与えます。
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土曜授業はあるか
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あります。高校1・2年生は土曜日に3時間の授業が設定されています。3年生になると、希望制の大学入試対策講座「土曜講座」が開講され、多くの受験生が活用しています。
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麻布大学附属高等学校の部活動・イベント
部活動
学業だけでなく、部活動も非常に盛んです。部活動加入率は85%を超え、多くの生徒が勉強と部活を両立させて充実した日々を送っています。
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全体の様子
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運動部、文化部合わせて23のクラブがあり、選択肢は豊富です。S特進クラスの生徒にも部活動への参加を奨励しており、まさに「文武両道」を実践する環境が整っています。
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注目の部活動
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サッカー部: 全国大会への出場経験も豊富な、学校を代表する強豪部です。多くの部員が所属し、活気にあふれています。
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ワンダーフォーゲル部: 山登りなどを通じて自然に親しむ、少し珍しい部活動です。アウトドアが好きな生徒に人気があります。
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演劇部・吹奏楽部: どちらも活発に活動しており、高いレベルを目指しています。特に吹奏楽部は部員数も多く、地域のイベントなどでも活躍しています。
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この他にも、陸上競技部や野球部、テニス部、バレーボール部といった運動部から、写真部、自然科学部などの文化部まで、多種多様な活動の場が用意されています。
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イベント
勉強や部活だけでなく、学校行事も麻布大学附属での高校生活を彩る大切な要素です。生徒が主体となって運営される行事が多く、クラスの団結力を高める絶好の機会となっています。
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体育祭(5月)
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高校生活最初の大きなイベント。赤・白・青・黒の4つの団に分かれて競い合います。学年を超えた交流が生まれ、クラスの結束が一気に強まる、熱気あふれる一日です。
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翔渕祭(しょうえんさい)(9月)
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文化祭の名称です。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などを企画します。お化け屋敷やクイズ大会など、生徒たちのアイデアが光る企画が満載で、毎年大変な盛り上がりを見せます。
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修学旅行(2年次)
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高校生活最大の思い出となるイベントです。以前は海外でしたが、近年は京都・大阪方面を訪れています。班別での自主研修や、USJでの楽しい一日など、仲間との絆を深める貴重な体験ができます。
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球技大会・クラスマッチ
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秋と冬に開催されるスポーツイベントです。体育祭とはまた違った雰囲気で、クラス一丸となって各種球技に汗を流します。
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麻布大学附属高等学校の進学実績
麻布大学附属高等学校が今、最も注目されている理由が、この飛躍的な大学進学実績の伸びです。具体的な数字とともに、その実績を支えるサポート体制を見ていきましょう。
最新の大学合格実績(2025年春)
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国公立大学: 12名合格
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主な合格大学: 電気通信大学(3)、東京都立大学(2)、東京外国語大学(1)、東京海洋大学(1)など。
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難関私立大学
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早慶上理(早稲田・慶應義塾・上智・東京理科): 合計21名合格。
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(早稲田大学 8名、慶應義塾大学 2名など)
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GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政): 合計112名合格。
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(法政大学 46名、青山学院大学 23名、明治大学 21名など)
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その他
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系列の麻布大学獣医学部への合格者も輩出しています。また、薬学部や看護学部など、理系分野への進学者が多いのも特徴の一つです。
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実績を支える手厚い進学サポート
これらの素晴らしい実績は、決して偶然ではありません。生徒一人ひとりの「本気」に、学校が「全力」で応える、きめ細やかなサポート体制が存在します。
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オーダーメイドの「受験プラン」の提案
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これが最大の強みです。進路指導部の先生方が、生徒一人ひとりの模試の成績を専門的に分析し、「どの大学のどの学部を、どの入試方式で受験するのが最も合格の可能性が高いか」という具体的な受験プランを作成・提案してくれます。このデータに基づいた戦略的な指導が、多くの「逆転合格」を生み出しています。
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充実した無料の補習・講習
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放課後に行われる「7限セミナー」、3年生対象の「土曜講座」、夏休み中の「夏期集中講座」など、塾に通わなくても大学受験に対応できるほどの講座が、原則無料で提供されています。
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卒業生による入試講演会
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難関大学に合格したばかりの卒業生が後輩のために来校し、自身の体験談や効果的な勉強法を語ってくれるイベントです。身近な先輩からのリアルなアドバイスは、何よりの刺激とモチベーションになります。
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特筆すべきは、こうしたサポート体制が「逆転合格」を文化として根付かせている点です。昨年度の大学現役合格者のうち、3人に1人は秋の模試でD判定やE判定(合格可能性が低い判定)からの合格でした。これは、麻布大学附属高等学校が、入学時の学力だけで生徒を判断するのではなく、3年間を通じて生徒を成長させ、本人も諦めかけていたかもしれない高い目標を達成させる力を持っていることの証明です。
麻布大学附属高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、麻布大学附属高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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習熟度別3クラス制とクラス入れ替え制度
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学力別にクラスを分けつつも、全コースで授業の進む速度を統一。これにより、年1回のクラス入れ替えがスムーズに行われ、常に上を目指せる環境が「頑張る生徒」を強力に後押しします。
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データに基づくオーダーメイドの「受験プラン」
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生徒個々の模試成績を徹底分析し、最適な大学出願戦略を学校が提案してくれます。この科学的アプローチが、驚異的な合格実績の原動力です。
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高校単独校ならではの一体感
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附属中学校がないため、全生徒が高校から入学します。誰もが同じスタートラインに立つことで、強い連帯感が生まれやすい環境です。
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充実した無料の講習・補習体制
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放課後や土曜日、夏休みなどを利用した多彩な講座が原則無料で受けられます。経済的な負担を抑えながら、万全の受験対策が可能です。
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最新のICT環境
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全普通教室に電子黒板が設置され、生徒は一人一台iPadを所有。板書時間を削減し、対話型・参加型の授業を効率的に進める環境が整っています。
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文武両道を本気で奨励する校風
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高い進学実績を誇りながらも、部活動加入率は85%以上。学業と部活動の両立を学校全体で応援し、人間的に大きく成長できる環境です。
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麻布大学への特別推薦枠
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獣医学部をはじめとする麻布大学の各学部へ、附属高校生ならではの有利な条件で進学できる道が用意されています。
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麻布大学附属高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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先生のサポートが手厚い
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「質問に行くと、わかるまで丁寧に教えてくれる」「進路相談に親身に乗ってくれる」といった声が非常に多いです。生徒のやる気に対して、先生方が全力で応えてくれる学校です。
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勉強に集中できる環境
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真面目な生徒が多く、特に上位コースでは「周りの意識が高く、自然と勉強する雰囲気になる」という意見が見られます。学習に集中したい生徒にとっては最高の環境と言えるでしょう。
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進学実績が伸びており、将来性が期待できる
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学校が大きく変わろうとしている勢いを、在校生も肌で感じているようです。「年々大学合格実績が良くなっている」という事実は、生徒たちの誇りやモチベーションにつながっています。
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施設が綺麗で充実している
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冷暖房完備の体育館や、メニューが豊富な食堂、自習室など、快適な学校生活を送るための施設が整っている点も高く評価されています。
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気になる点
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校則が厳しい(特にスマホ)
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最も多く聞かれる意見です。校内でのスマートフォン使用が一切禁止されていることについて、「時代に合っていない」「行事の時くらいは使わせてほしい」といった不満の声が上がっています。
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課題が多く、勉強が大変
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「とにかく課題が多い」「小テストの勉強が大変」という声もあります。高いレベルの学力を身につけるためには、相応の努力が求められるようです。
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いわゆる「高校デビュー」や「JKライフ」を謳歌したい生徒には合わない可能性
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自由な校風の学校と比べると、規律が重んじられるため、華やかな高校生活をイメージしている生徒には少し物足りなく感じられるかもしれません。
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アクセス・通学
3年間毎日通う場所だからこそ、通学のしやすさは大切なポイントです。
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最寄り駅からのアクセス
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メインの最寄り駅は、JR横浜線の「矢部」駅です。駅から学校の正門までは、なんと徒歩4分という近さです。雨の日でも負担が少なく、安心して通学できます。
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同じくJR横浜線の「淵野辺」駅からも徒歩13〜15分ほどで通学可能です。
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どのエリアから通っている生徒が多いか
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矢部駅はアクセスが良く、町田、橋本、八王子といった東京の多摩地区や、横浜、新横浜、大和、海老名といった神奈川県の主要なエリアから多くの生徒が通学しています。
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麻布大学附属高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、麻布大学附属高等学校を目指す君にメッセージを送ります。
この学校は、「大学進学という目標に向かって、本気で頑張りたい」と強く願う君にこそ、心からおすすめしたい学校です。少し厳しい校則や多い課題は、君が目標を達成するための「集中できる環境」だと前向きに捉えられるなら、ここは最高の場所になるでしょう。自分の頑張り次第で、入学時よりもさらに高いレベルを目指せるコース制度は、君の無限の可能性を信じてくれる麻布大学附属高等学校からのエールです。
受験勉強では、まず英語・数学・国語の3教科の基礎を徹底的に固めてください。その上で、S特進や特進コースを目指すのであれば、応用問題にも積極的にチャレンジしていくことが合格の鍵となります。そして何より、ぜひ一度、学校説明会やオープンスクールに足を運んでみてください。急成長を遂げる学校の活気と、先生方の熱意を肌で感じれば、君の「ここで学びたい!」という気持ちは、きっとさらに強くなるはずです。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。