広島市立舟入高等学校は、100年を超える長い歴史と伝統を礎に、未来を切り拓く力を育む進学校です。大正10年に広島市高等女学校として創立されて以来、地域社会に深く根ざし、多くの卒業生を社会に送り出してきました。その学びの舎は、単に大学進学のための知識を詰め込む場所ではなく、生徒一人ひとりの主体性を尊重し、自由な雰囲気の中で個性を伸ばすことを大切にしています。
勉強も、学校行事も、部活動も、すべてにおいて「自分次第で最高の高校生活を送れる」というのが、舟入高等学校の最大の魅力かもしれません。高いレベルの学習環境に身を置きながら、仲間と共に学校行事を創り上げ、部活動に打ち込む。そんな充実した3年間が、ここにはあります。この学校が持つ独特の空気感や、生徒たちのリアルな声を通して、舟入高等学校がどんな場所なのかを一緒に見ていきましょう。
この記事を読み終える頃には、「舟入高校でこんな高校生活を送りたい!」という具体的なイメージが湧いてくるはずです。あなたの高校選びが、未来への素晴らしい一歩となるよう、詳しく、そして分かりやすくご案内します。さあ、一緒に舟入高校の扉を開けてみましょう。
広島市立舟入高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 広島市立舟入高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒730-0847 広島県広島市中区舟入南1丁目4-4 |
代表電話番号 | 082-232-1261 |
公式サイトURL | http://www.funairi-h.edu.city.hiroshima.jp/ |
広島市立舟入高等学校の偏差値・難易度・併願校
舟入高等学校への進学を考える上で、最も気になるのが学力レベルですよね。ここでは偏差値や合格に必要な内申点の目安、そして併願校について具体的に見ていきましょう。
偏差値
学科・コースごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。
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普通科: 65~67
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普通科 国際コミュニケーションコース: 58~60
普通科の偏差値65~67というのは、広島県内の公立高校の中でもトップクラスに位置します。舟入高等学校に合格するためには、中学校の学習内容を深く理解し、高いレベルで定着させておく必要があります。一方、国際コミュニケーションコースは、普通科とは少し異なる学力層の生徒が集まる傾向があります。
難易度のイメージ
偏差値だけでは、難易度を具体的にイメージしにくいかもしれません。そこで、いくつかの補足情報を見てみましょう。
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同じくらいの偏差値の他の高校
広島県内で舟入高等学校(普通科)と同じくらいの偏差値の高校としては、広島国泰寺高校、呉三津田高校、安古市高校などが挙げられます。これらの高校は、いずれも県内有数の進学校として知られており、お互いに切磋琢磨するライバル校と言えるでしょう。
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合格に必要な内申点の目安
広島県の公立高校入試では、当日の学力検査の点数だけでなく、中学校3年間の成績を評価する「内申点(調査書点)」が非常に重要になります。舟入高等学校の普通科に合格した先輩たちのデータを見ると、135点満点中117点~135点程度、つまり3年間の9教科の平均評定が「4」以上、多くの教科で「5」が求められるレベルであることが多いようです。特に舟入高校の選抜では、副教科を含めて内申点に傾斜配点がないため、音楽や美術、保健体育、技術・家庭科といった科目でも手を抜かず、全教科で高い成績を維持し続ける「継続的な努力」が合格の鍵を握ります。
主な併願校
広島県の公立高校入試では、原則として複数の公立高校を同時に受験することはできません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願することが一般的です。舟入高等学校を受験する生徒が併願校として選ぶことが多いのは、以下のような私立高校です。
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広島なぎさ高等学校
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崇徳高等学校
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近畿大学附属広島高等学校東広島校
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安田女子高等学校
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広島新庄高等学校
これらの高校は、舟入高校と学力レベルが近い、あるいは進学指導に力を入れている学校として選ばれる傾向があります。
広島市立舟入高等学校に設置されている学科・コース
舟入高等学校には、個々の興味や将来の目標に合わせて選べる2つのコースが設置されています。それぞれのコースでどんなことが学べるのか、どんな人におすすめなのかを見ていきましょう。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心にハイレベルで幅広い学力を身につけるコースです。質の高い授業と手厚い進路指導で、生徒の高い志の実現をサポートします。
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どんな生徒におすすめか:特定の分野だけでなく、全体的に学力を伸ばしたい生徒や、将来の夢がまだ具体的に決まっておらず、大学で様々な学問分野に触れたいと考えている生徒におすすめです。
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普通科 国際コミュニケーションコース
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どんなことを学ぶ場所か:語学力はもちろん、異文化を理解し、多様な価値観を受け入れる力を養うことに特化したコースです。海外姉妹校との交流や独自のプログラムを通じて、国際社会で活躍できる人材を育成します。
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どんな生徒におすすめか:英語や外国の文化に強い興味があり、将来は留学や海外での仕事、国際的な分野で貢献したいと考えている生徒にぴったりのコースです。
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広島市立舟入高等学校の特色・校風
舟入高等学校の最大の特色は、その校風にあります。キーワードで表現するなら、「自由闊達」「文武両道」「主体性の尊重」といった言葉がぴったりです。
在校生や卒業生の口コミで最も多く聞かれるのが、「自分次第でどんな高校生活にもできる」という声です。学校から細かく管理されるのではなく、生徒一人ひとりの自主性が尊重されるため、自ら考えて行動することが求められます。勉強に打ち込みたい生徒はとことん集中できる環境があり、学校行事や部活動を楽しみたい生徒は、仲間と協力して最高の思い出を作ることができます。
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宿題の量と授業のペース
進学校ということもあり、授業の進度は速く、日々の課題や小テストも多いようです。「周りのみんなが勉強しているから、自分も頑張らなくては」という良い意味での緊張感があり、自然と学習意欲が高まる環境だという声が多く聞かれます。
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校則(スマホ、服装など)
校則は、全体的に見ると厳しすぎず、緩やかすぎず、といった印象です。
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スマホ:校内での使用ルールは比較的厳格で、「正門をくぐってから出るまでは電源を切る」という決まりがあります。授業に集中するための環境づくりを大切にしている表れと言えるでしょう。
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服装・髪型:制服の着こなしはきちんと指導されますが、髪型については、染髪は禁止されているものの、比較的自由度は高いようです。ピアスやアクセサリーの着用は認められていません。
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アルバイト・制服・土曜授業
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アルバイト:原則として禁止されています。
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制服:制服のデザインは、生徒や保護者からも評判が良いようです。「制服のデザインが好き」という声も聞かれます。白シャツとセーターの腕、そして女子のスカートには、舟入高校の精神を表す「fff」の刺繍が施されているのが特徴です。
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土曜授業:毎週土曜日に授業があるわけではありませんが、希望者が参加できる「土曜自主参加ゼミ(土ゼミ)」が開講されており、学習意欲の高い生徒が活用しています。
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生徒たちの雰囲気と施設
生徒は真面目で落ち着いた雰囲気ですが、行事などの際には非常に活発になり、メリハリのある生徒が多いようです。施設は1998年に改築された近代的な校舎で、冷暖房完備の教室や約45,000冊の蔵書を誇る図書館、合宿にも使えるセミナーハウス「舟友館」など、充実した設備が整っています。
広島市立舟入高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動や学校行事にも全力で取り組むのが舟入生のスタイル。ここでは、その活気あふれる様子をご紹介します。
部活動
舟入高等学校では部活動が非常に盛んで、運動部・文化部ともに多くの部が活発に活動しています。多くの生徒が部活動に加入し、勉強と両立させながら充実した日々を送っています。
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特に有名な部活動
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演劇部:全国大会の常連校としてその名が知られており、学校の誇りの一つです。高いレベルの演劇活動を目指す生徒が集まっています。
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全国レベルで活躍する部:近年では、陸上競技部、水泳部、放送部、箏曲部、軽音楽部なども全国大会へ出場しており、様々な分野で生徒が輝ける舞台が用意されています。
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全体の様子
体育系ではサッカー部や野球部、テニス部、バスケットボール部など計16の部が、文化部でも吹奏楽部や書道部など、多種多様なクラブがあり、自分に合った活動を見つけることができます。
イベント
舟入高校の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営されるのが大きな特徴で、毎年大変な盛り上がりを見せます。
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舟入祭(文化祭)
生徒会が中心となり、クラスごとの展示やステージ発表、有志によるパフォーマンスなど、多彩な企画で彩られます。生徒たちの創造力とエネルギーが爆発する、学校で最も活気のあるイベントの一つです。
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体育祭
単なる運動の祭典ではなく、舟入高校の伝統が色濃く反映された特別なイベントです。
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1年生の「舟入高校体操」:入学したばかりの1年生全員が、伝統の体操を披露します。
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3年生の「浴衣で盆踊り」:体育祭のフィナーレを飾るのが、3年生全員が自前の浴衣を着て踊る盆踊りです。この美しい光景は、多くの生徒にとって忘れられない思い出となります。
これらのユニークな伝統が、学年の団結力を高め、学校への愛着を育んでいます。
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修学旅行
行き先は年度やコースによって異なりますが、国際コミュニケーションコースではヨーロッパへ、普通科では北海道や東北など、探究的な学びと結びついた研修旅行が実施されています。
広島市立舟入高等学校の進学実績
舟入高等学校は、県内屈指の進学校として、毎年輝かしい大学進学実績を誇ります。卒業生の約9割が4年制大学へ進学し、その多くが国公立大学や難関私立大学への合格を果たしています。
国公立大学への進学実績
地元の広島大学へは毎年多数の合格者を輩出しているほか、旧帝国大学や全国の主要な国公立大学にも多くの生徒が進学しています。
主な国公立大学(2023-2024年合格者数参考) |
広島大学 (35-53名) |
九州大学 (9-11名) |
大阪大学 (4-7名) |
神戸大学 (3-11名) |
岡山大学 (4-7名) |
山口大学 (18-21名) |
京都大学 (1名) |
東京大学 (1名) |
県立広島大学 (4-13名) |
広島市立大学 (3-8名) |
※上記は過去の実績の一部です。合格者数は年度により変動します。
難関私立大学への進学実績
関西の「関関同立」や関東の「GMARCH」といった難関私立大学群にも、安定して多くの合格者を出しています。
主な私立大学(2023-2024年合格者数参考) |
関西エリア |
立命館大学 (50-63名) |
関西学院大学 (22-46名) |
同志社大学 (16-21名) |
関西大学 (17-23名) |
近畿大学 (23-84名) |
関東エリア |
明治大学 (4-7名) |
早稲田大学 (2-5名) |
法政大学 (1-5名) |
中央大学 (2-3名) |
地元・その他 |
安田女子大学 (83-87名) |
広島修道大学 (66-102名) |
※上記は過去の実績の一部です。合格者数は年度により変動します。
進学実績を支える取り組み
こうした高い進学実績は、生徒自身の努力はもちろん、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。夏季・冬季などの長期休暇中に行われる補習授業、希望者対象の土曜ゼミ、京都大学や広島大学などから講師を招いての出張授業、東京大学などのオープンキャンパス研修など、生徒の知的好奇心を刺激し、学力を伸ばすための多様なプログラムが用意されています。また、放課後の教室では、先生に熱心に質問する生徒の姿が日常的に見られ、わかるまで親身に指導してくれるサポート体制が整っています。
広島市立舟入高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、舟入高等学校ならではの魅力や強みを5つのポイントにまとめました。
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自由と規律の絶妙なバランス
生徒の主体性を尊重する自由な校風と、学習に集中するための規律が両立しています。スマホの校内使用を制限するなど、学ぶべき時は集中する環境を整える一方で、学校行事などは生徒主体で創り上げることを推奨しており、生徒は責任感と自主性を同時に育むことができます。
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グローバルな視野を育む国際交流
専門の「国際コミュニケーションコース」を設置しているだけでなく、韓国、フランス、ドイツの姉妹校との活発な交流プログラムがあります。世界に目を向け、多様な文化に触れる機会が豊富に用意されているのは大きな強みです。
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伝統と革新が共存する感動的な学校行事
体育祭での3年生による「浴衣での盆踊り」のように、何十年も受け継がれる美しい伝統があります。一方で、生徒が主体となって現代的なテーマで探究活動の成果を発表する「舟入探究祭」のような革新的な取り組みも行われており、単なるお祭りではない、心に残る行事を体験できます。
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全国レベルで活躍する活発な部活動
全国大会常連の演劇部をはじめ、多くの部活動がハイレベルな活動を展開しています。勉強だけでなく、自分の好きなこと、得意なことにも全力で打ち込める環境があり、文武両道を高いレベルで実現できます。
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高い目標を実現する圧倒的な進学実績と手厚いサポート
広島大学をはじめとする国公立大学や難関私立大学への高い進学実績は、学校の大きな誇りです。その背景には、充実した補習・講習制度や、生徒一人ひとりに寄り添う先生方の熱心な進路指導があります。
広島市立舟入高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びの参考にしてください。
良い点
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「自由な校風で、自分から動けば何でもできる。最高の高校生活を送れるかは自分次第だけど、その分やりがいは大きい。」
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「周りの生徒のレベルが高く、真面目な人が多いので、自然と勉強する雰囲気になる。良い刺激をもらえる。」
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「先生方がとても親身。放課後に質問に行っても、分かるまで丁寧に教えてくれる先生が多い。」
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「舟入祭や体育祭などの行事が本当に楽しい。クラスの団結力が高まり、一生の思い出になる。」
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「広島市の中心部に近いので、放課後に友達と市内で遊んで帰れるのが嬉しい。」
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「制服が可愛いと評判。特に女子の制服は人気があると思う。」
気になる点
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「自主性が重んじられる分、受け身の姿勢だと置いていかれてしまうかもしれない。自分で計画を立てて勉強できない人には厳しい環境。」
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「いわゆる『自称進学校』的な雰囲気があり、課題の量や授業のペースについていくのが大変だと感じることもある。」
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「校内でのスマホの使用ルールが厳しい。電源オフが徹底されているので、少し不便に感じる。」
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「先生の指導力に差がある(当たり外れがある)と感じる声も一部ある。」
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「校舎は綺麗だが、自習できるスペースがもっと欲しいという意見がある。」
これらの口コミから浮かび上がるのは、舟入高校が「自ら学び、考え、行動する生徒」にとって最高の環境であるということです。受け身ではなく、主体的に高校生活をデザインしたい人にとっては、これ以上ないほど魅力的な学校と言えるでしょう。
アクセス・通学
舟入高等学校は広島市中心部からのアクセスが非常に良く、通学しやすい場所にあります。
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最寄り駅からのアクセス
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広島電鉄(路面電車)江波線:「舟入川口町」電停から徒歩約3分
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通学エリア
広島市中区という立地の良さから、市内の全域はもちろん、市外からも多くの生徒が路面電車などを利用して通学しています。
広島市立舟入高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、舟入高等学校を目指す君にメッセージを送ります。
舟入高等学校は、「やらされる勉強」ではなく「自ら学ぶ楽しさ」を知りたい君、そして高い目標に向かって仲間と切磋琢磨したい君に、心からおすすめしたい学校です。自由な校風の中で、君の可能性は無限に広がります。この学校で得られる経験は、きっと君を大きく成長させてくれるはずです。
舟入高等学校の合格を掴むためには、まず中学3年間の「内申点」をしっかり確保することが何よりも大切です。主要5教科だけでなく、副教科にも真剣に取り組み、日々の授業と提出物を大切にしてください。学力検査では、全教科で8割以上の得点を目指しましょう。特に、積み重ねが重要な「数学」と「英語」は、今のうちから苦手分野をなくし、得意科目にできると大きな強みになります。挑戦は決して簡単ではありませんが、その先には最高の高校生活が待っています。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。