島根県立情報科学高等学校は、これからの社会でますます重要になるIT、つまり情報技術について専門的に学べる、島根県で唯一の専門高校です。プログラミングやデザイン、ビジネスなど、コンピュータを使った専門知識や技術を基礎からしっかりと身につけたいと考えている中学生にとって、まさに夢のような環境がここにはあります。単にパソコンの使い方を学ぶだけでなく、社会で本当に役立つスキルを高校生のうちから探究できるのが、情報科学高等学校の大きな魅力です。

この学校では、1年生で全員が情報分野の基礎を幅広く学び、2年生になるときに自分の興味や将来の夢に合わせて「情報システム科」「マルチメディア科」「情報処理科」の3つの専門学科から自分の道を選びます。このシステムのおかげで、入学してからじっくりと自分の適性を見極めることができます。地域と連携したイベントや、最先端の設備を使った授業など、情報科学高等学校ならではのユニークな学びがたくさん待っています。

この記事では、そんな情報科学高等学校の具体的な学習内容から、学校生活のリアルな様子、卒業後の進路まで、受験生のみなさんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっと「この高校で学んでみたい!」という気持ちが高まるはずです。

島根県立情報科学高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 島根県立情報科学高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒692-8500 島根県安来市能義町310
代表電話番号 0854-23-2700
公式サイトURL https://www.shimanet.ed.jp/johokoko/

島根県立情報科学高等学校の偏差値・難易度・併願校

情報科学高等学校は、ITや商業について専門的に学ぶ高校のため、普通科の高校のように偏差値だけで難易度を測ることは難しい学校です。大切なのは、入学後に専門分野の勉強を頑張りたいという強い意欲です。

難易度の目安としては、中学校での基礎学力が定着していることが求められます。入試では、学力試験だけでなく、総合型選抜(旧AO入試)のような形式もあり、IT分野への興味・関心や、部活動や生徒会活動での実績なども評価されることがあります。

情報科学高等学校のような専門高校を目指す生徒は、同じように専門的な知識が学べる高校を比較検討することが多いようです。島根県内の公立高校は基本的に併願ができないため、併願校としては私立高校を選ぶことになります。主な併願校としては、米子松蔭高等学校(鳥取県)や出雲西高等学校などが挙げられることが多いようです。

島根県立情報科学高等学校に設置されている学科・コース

情報科学高等学校では、1年生のうちは全員が共通のカリキュラムで情報とビジネスの基礎を幅広く学びます。 そして、2年生に進級する際に、自分の興味や目標に合わせて以下の3つの学科から1つを選択します。

  • 情報システム科

    • どんなことを学ぶ?:プログラミングやネットワーク、コンピュータの仕組み(ハードウェア)など、システム開発の基礎を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:ゲームやアプリを作ってみたい人、コンピュータの裏側や仕組みに興味がある人におすすめです。

  • マルチメディア科

    • どんなことを学ぶ?:デザインや映像編集、3DCG、Webページの作成など、情報を魅力的に表現する技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:イラストを描くのが好きな人、動画制作やWebデザインに挑戦したい人、クリエイティブな仕事に興味がある人におすすめです。

  • 情報処理科

    • どんなことを学ぶ?:会計や簿記の知識、表計算ソフトやデータベースソフトの活用方法など、ビジネスの現場で即戦力となるスキルを学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:企業の経理や事務、商品開発など、ビジネスの世界で活躍したい人、資格をたくさん取得して進学や就職に活かしたい人におすすめです。

島根県立情報科学高等学校の特色・校風

情報科学高等学校の校風は、「最先端のIT教育」「地域との連携」「資格取得に強い」といったキーワードで表せます。専門的な知識を学ぶため、生徒たちは落ち着いた雰囲気の中で真面目に学習に取り組んでいるようです。

  • 宿題の量:専門教科の課題や資格取得のための勉強など、自主的に学習する時間が必要になることが多いようです。

  • 校則:他の高校と比較して、校則はやや厳しいという声が見られます。 特に頭髪や服装に関する指導はしっかりしているようです。しかし、社会に出るための準備として、当たり前のことを指導されているだけだと捉える生徒もいます。

  • 生徒たちの雰囲気:ITやコンピュータが好きという共通の興味を持った生徒が集まるため、お互いに教え合ったり、協力して作品制作に取り組んだりする、知的で落ち着いた雰囲気があるようです。優しい生徒が多いという口コミも見られます。

  • アルバイト:アルバイトは原則として許可されていないようですが、長期休暇中など、条件によっては許可される場合もあるようです。事前に学校への確認が必要です。

  • 制服:制服は、男子がブレザー、女子がセーラー服タイプのブレザーで、落ち着いたデザインが評判のようです。

  • スマホの持ち込み:スマホの校内への持ち込みは許可されていますが、授業中の使用など、利用には一定のルールが定められています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はないようです。

島根県立情報科学高等学校の部活動・イベント

部活動

情報科学高等学校には、運動部と文化部がバランス良く設置されています。特に、学校の特色を活かした文化部の活動が盛んです。

  • 情報科学部(eスポーツ研究会):特に注目されているのが情報科学部です。 中には「eスポーツ研究会」が設けられており、高性能なゲーミングPCを使って、チームで対戦するゲームの全国大会を目指して活動しています。 eスポーツに本格的に取り組める環境は、県内でも非常に珍しく、大きな魅力の一つです。

  • その他の文化部:プログラミングの技術を競うワープロ部や、デザインスキルを磨く美術部、地域イベントでも活躍する吹奏楽部など、専門知識を活かせる部活動が充実しています。

  • 運動部:野球部、サッカー部、陸上競技部、卓球部、バレーボール部など、一般的な運動部も活発に活動しており、勉強と両立しながら汗を流すことができます。

イベント

情報科学高等学校では、生徒が主体となって作り上げるユニークなイベントが盛りだくさんです。

  • 情報ITフェア:最大のイベントは、毎年冬に開催される「情報ITフェア」です。 これは、生徒たちが日頃の学習成果を活かして企画・運営する、中国地方でも最大級のIT体験イベントです。 自分たちで制作したゲームやアプリの展示、eスポーツ大会、プログラミング体験教室などを開催し、地域の子どもから大人まで多くの人で賑わいます。

  • 体育祭・球技大会:クラス対抗で様々な競技に熱中し、クラスの団結力を高めます。

  • 修学旅行:例年、関西方面などを訪れ、見聞を広めるとともに、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

島根県立情報科学高等学校の進学実績

情報科学高等学校の卒業生は、専門知識と豊富な資格を武器に、多様な進路を実現しています。例年、就職と進学がおよそ半々の割合です。

  • 国公立大学:島根大学、鳥取大学、島根県立大学など、地元の国公立大学への進学実績があります。

  • 私立大学:情報系の学部に強く、広島工業大学、福山大学、大阪電気通信大学などへ進学する生徒が多いようです。

  • 専門学校:ゲーム、CG、デザイン、情報処理などの専門学校へ進学し、さらに高度なスキルを磨く生徒も多数います。

  • 就職:就職希望者のほとんどが島根県内や鳥取県米子市周辺の地元企業に就職しています。 IT関連企業や、企業のIT部門、事務職など、高校で学んだ専門知識を直接活かせる職場で活躍しています。

学校では、資格取得を強力にバックアップしており、取得した資格を活かして推薦入試で大学や専門学校に進学する生徒が多いのが特長です。

島根県立情報科学高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、情報科学高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  1. 中国地方トップクラスのICT学習環境:複数のPC教室やMacBook、3Dプリンタ、液晶ペンタブレットなど、最先端の機材が揃っており、思う存分IT技術を学ぶことができます。

  2. 全員がプログラミング言語「Ruby」を学べる:松江市で開発された世界的なプログラミング言語「Ruby」を、1年生全員が学ぶことができる全国でも珍しい高校です。

  3. 文部科学省「DXハイスクール」指定校:デジタル技術を活用して社会課題の解決に挑戦する人材を育成する、先進的な取り組みが国からも認められています。

  4. 生徒が企画・運営する大規模イベント「情報ITフェア」:日頃の学びを地域社会に発信する実践的な機会を通じて、企画力やコミュニケーション能力を養います。

  5. 地域と連携した探究学習「地域探究」:地域の企業や自治体と協力し、ITの力を使って地域の課題解決に取り組む授業があり、生きた知識を学べます。

  6. eスポーツで全国を目指せる「情報科学部」:専用のハイスペックPCが整備された環境で、本格的にeスポーツに取り組むことができます。

  7. 豊富な資格取得サポート:国家資格であるITパスポートや基本情報技術者試験をはじめ、簿記やデザイン系の検定など、将来に役立つ多くの資格取得を目指せます。

島根県立情報科学高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からの声をまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点:

    • 「専門的な知識が身につき、将来やりたいことが明確になった」

    • 「パソコンなどの設備が充実していて、やりたいことに挑戦できる環境がある」

    • 「資格がたくさん取れるので、進学や就職にとても有利だと感じた」

    • 「先生方が親身になって教えてくれるので、分からないことがあっても安心」

    • 「IT好きの仲間がたくさんいて、毎日が楽しい」

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある」

    • 「駅から少し距離があり、バスの本数も限られているので、通学が少し不便」

    • 「専門教科の勉強は、予習復習が欠かせないので、楽ではない」

    • 「先生によっては指導方法に差があると感じることがある」

アクセス・通学

情報科学高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄り駅:JR山陰本線「安来駅」

  • アクセス方法:安来駅から安来市広域生活バス(イエローバス)に乗車し、「情報科学高校前」または「情報科学高校入口」バス停で下車。

安来市内や松江市、鳥取県の米子市などから通学している生徒が多いようです。遠方から進学する生徒のために、下宿の紹介も行われています。

島根県立情報科学高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

島根県立情報科学高等学校は、「コンピュータが好き」「将来はITやビジネスの世界で活躍したい」という強い思いを持っている君に、最高の学びの場を提供してくれる学校です。普通科の高校では経験できない、専門的で実践的な授業を通して、自分の「好き」を「得意」に変えることができます。特に、プログラミングやデザイン、eスポーツ、あるいはビジネスや資格取得に少しでも興味があるなら、ぜひ一度、学校説明会などに参加してみてください。

受験勉強においては、もちろん中学校の5教科の基礎学力をしっかりと固めることが大切です。それに加えて、「なぜ情報科学高校で学びたいのか」「入学してどんなことに挑戦したいのか」を自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。ITに関するニュースに目を通したり、簡単なプログラミングやデザインに挑戦してみたりするのも、意欲を示す上でプラスになるはずです。情報科学高等学校で、未来を創造する力を身につけ、夢への第一歩を踏み出してください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。