広島学院高等学校は、広島市西区に位置する、カトリックの男子修道会であるイエズス会を設立母体とする私立の中高一貫男子校です。 6年間の完全一貫教育を実践しており、高校からの生徒募集は行っていません。 そのため、高校受験を経て入学することはできませんが、そのユニークな教育方針と輝かしい進学実績から、広島県内はもちろん全国的にも高い注目を集めています。

「他者のために、他者とともに生きる人間」の育成を教育理念に掲げる広島学院は、単なる知識の詰め込みだけでなく、生徒一人ひとりの人格を尊重し、社会に貢献できるリーダーを育むことを目指しています。 自由な校風の中で生徒の自主性を重んじながらも、きめ細やかな指導が行われているのが大きな特徴です。

この記事では、そんな広島学院高等学校がどのような学校なのか、その特色や魅力、在校生や卒業生からの評判などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。広島学院への進学を少しでも考えている中学生と保護者の皆さんにとって、学校選びの確かな一助となれば幸いです。

広島学院高等学校の基本情報

広島学院高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 広島学院中学校・高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男子校
所在地 〒733-0875 広島県広島市西区古江上一丁目630番地
代表電話番号 082-271-0241
公式サイト https://www.hiroshimagakuin.ed.jp/

広島学院高等学校の特色・校風

広島学院高等学校の校風は、「自由闊達」と「文武両道」という言葉で表現されることが多いようです。イエズス会の教育理念である「ひとりひとりを大切にする」という考え方が根底にあり、生徒の自主性を尊重する自由な雰囲気が特徴です。

  • 宿題の量:口コミによると、宿題の量は先生によって差があるものの、全体的には「多い」と感じる生徒が多いようです。特に、長期休暇中の課題はかなりの量が出されることがあると言われています。ただし、これは生徒の学力向上を目的としたものであり、計画的に取り組むことで着実に力がつくと捉える声もあります。

  • 校則:校則は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が大きいようです。スマートフォンの持ち込みは許可されており、校内での使用に関しても、授業の妨げにならない限りは厳しく制限されることは少ないという声が見られます。服装に関しても、制服の着こなしについて細かく指導されることは少ないようです。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で知的な好奇心が旺盛な生徒が多い一方で、活発でユーモアのある生徒も多く、多様な個性を受け入れる土壌があります。休み時間にはグラウンドで元気に遊ぶ姿が見られるなど、男子校らしいエネルギッシュな雰囲気もあるようです。

  • アルバイト:原則として禁止されています。

  • 制服:伝統的な黒の詰襟学生服です。 デザインについての評判は様々ですが、歴史と品格を感じさせるという肯定的な意見が多いようです。

  • 土曜授業:隔週で土曜日にも授業が行われています。

広島学院高等学校の部活動・イベント

部活動

広島学院高等学校は、学業だけでなく部活動も非常に盛んです。運動部、文化部ともに充実しており、多くの生徒が積極的に活動に参加しています。

特に有名なのがクイズ研究会で、全国高等学校クイズ選手権で優勝経験を持つなど、全国トップレベルの実力を誇ります。また、ヨット部もインターハイの常連として知られており、瀬戸内海という立地を活かした活動を行っています。他にも、物理部が「科学の甲子園」で活躍するなど、文化部も高い実績を上げています。

イベント

広島学院の学校生活は、多彩なイベントによって彩られています。中でも最大の盛り上がりを見せるのが、毎年秋に開催される文化祭「学院祭」です。生徒が主体となって企画・運営を行い、各クラスや部活動による展示、ステージ発表、模擬店などで賑わいます。

体育祭も中高合同で行われる一大イベントです。 中学1年生から高校3年生までの全学年が縦割りの4チームに分かれて競い合い、学年を超えた交流が深まります。 部活動対抗リレーは特に人気のある種目の一つです。

修学旅行は高校2年生の時に沖縄を訪れ、平和学習を中心としたプログラムが組まれています。 その他、クリスマスにはミサや祝賀会が行われるなど、カトリック学校ならではの宗教行事も大切にされています。

広島学院高等学校の進学実績

広島学院高等学校は、全国でもトップクラスの進学実績を誇ることで知られています。卒業生の多くが難関国公立大学や私立大学へ進学しており、特に医学部医学科への進学者が多いのが特徴です。

2025年度の大学進学者数(過年度卒業生を含む)を見ると、以下のような実績を上げています。

  • 国公立大学:

    • 東京大学:8名(うち医学科1名)

    • 京都大学:8名(うち医学科1名)

    • 北海道大学:5名(うち医学科1名)

    • 東北大学:3名

    • 大阪大学:5名(うち医学科1名)

    • 神戸大学:9名(うち医学科2名)

    • 九州大学:10名(うち医学科1名)

    • 広島大学:21名(うち医学科7名)

  • 難関私立大学:

    • 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学などへも多数の合格者を出しています。(詳細な人数は公式サイト等でご確認ください)

このような高い進学実績を支えているのが、6年一貫教育の体系的なカリキュラムと、手厚い学習サポート体制です。放課後には希望者向けの補習や講習が数多く開講されており、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかな指導が行われています。また、高校3年生になると、生徒の希望に応じて添削指導なども行われます。

広島学院高等学校の特長・アピールポイント

広島学院高等学校には、他の学校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • イエズス会による人間教育:「他者のために、他者とともに生きる」という教育理念に基づき、知識だけでなく、倫理観や社会貢献の精神を育む人間教育を重視しています。

  • 完全中高一貫の6年一貫教育:高校からの募集を行わないことで、中学生から高校生までの6年間を見通した、ゆとりある体系的なカリキュラムを実現しています。

  • 少人数教育と手厚いサポート:1学年4クラスという規模を維持し、生徒一人ひとりに目が行き届く教育を実践しています。 教員と生徒の距離が近く、学習面でも精神面でも手厚いサポートが受けられます。

  • 充実した理数教育:設立当初から理数教育に力を入れており、物理・化学・生物の各実験室や階段教室など、充実した設備が整っています。 「数学オリンピック」や「科学の甲子園」などへの参加も奨励しています。

  • 活発な国際交流:フィリピンやカンボジア、アメリカでの研修プログラムや、海外の姉妹校とのオンライン交流などを通じて、国際感覚を養う機会が豊富に用意されています。

  • 美しい自然環境と充実した施設:広島市街を一望できる緑豊かな丘の上にキャンパスがあり、落ち着いた環境で学ぶことができます。1200名収容可能な「アルペ講堂」やドーム状の屋根が特徴的な「ザビエル体育館」など、近代的な施設も充実しています。

  • 卒業生の強いネットワーク:政財界、学術界、文化界など、様々な分野で活躍する卒業生を輩出しており、その強い絆は卒業後も大きな財産となります。

広島学院高等学校の口コミ・評判のまとめ

広島学院高等学校に関する口コミをまとめると、以下のような声が多く見られます。

  • 良い点:

    • 「自由な校風で、生徒の自主性を尊重してくれる」

    • 「先生方が熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる」

    • 「優秀で個性的な友人に恵まれ、毎日が刺激的」

    • 「行事がとても盛り上がり、学校全体に一体感がある」

    • 「大学進学へのサポートが手厚く、安心して勉強に集中できる」

    • 「倫理観や道徳観を学ぶ機会が多く、人間的に成長できる」

  • 気になる点:

    • 「坂の上にあるため、毎日の通学が大変」

    • 「施設によっては古い部分も見受けられる」

    • 「宿題や課題が多く、勉強はかなりハード」

    • 「男子校なので、良くも悪くも独特の雰囲気がある」

アクセス・通学

広島学院高等学校へのアクセスは以下の通りです。

  • 広島電鉄(路面電車)宮島線:「古江」駅下車、徒歩約17分

  • JR山陽本線:「西広島」駅または「新井口」駅で広島電鉄宮島線に乗り換え

学校が小高い丘の上にあるため、最寄り駅からは坂道を登る必要があります。通学エリアは広島市内が中心ですが、呉市や東広島市、山口県の岩国市など、県内広域や近隣県から通学している生徒もいます。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。