岡山東商業高等学校は、1898年(明治31年)に創立された、120年以上の歴史と伝統を誇る岡山県屈指の商業高校です。 地元では「東商(ひがししょう)」の愛称で親しまれ、これまでに3万人以上の卒業生を社会に送り出してきました。 商業教育の拠点校として、地域経済の発展に貢献する多くの産業人を輩出してきた実績があります。

この学校の魅力は、ただ資格取得や就職に強いというだけではありません。長い歴史の中で培われた「誠実・質素・勤勉」の校訓のもと、社会で活躍するために必要な人間性を育む教育が根付いています。 今回は、そんな岡山東商業高等学校の具体的な学びの内容から、活気あふれる学校生活、そして卒業後の進路まで、その魅力を余すところなくお伝えします。

この記事を読めば、あなたが岡山東商業高等学校でどのような3年間を送り、どんな未来を描けるのか、きっと鮮明にイメージできるはずです。歴史と伝統を大切にしながらも、常に新しい時代を見据えて進化を続ける「東商」のすべてを、これから詳しく見ていきましょう。

岡山東商業高等学校の基本情報

岡山東商業高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 岡山県立岡山東商業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒703-8281 岡山県岡山市中区東山三丁目1番6号
代表電話番号 086-272-1237
公式サイト https://www.higasho.okayama-c.ed.jp/

岡山東商業高等学校の偏差値・難易度・併願校

岡山東商業高等学校の偏差値は48前後とされています。 これは岡山県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。しかし、商業高校としての専門性や人気から、毎年安定した志願者が集まる学校です。

合格に必要な内申点の目安としては、30〜32点(5段階評価の9教科合計)前後が一つの基準と言われることが多いようです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点も重要になります。日々の授業態度を真面目にし、定期テストでしっかりと点数を取ることが合格への近道です。

岡山東商業高等学校を第一志望とする受験生の主な併願校としては、以下のような私立高校が挙げられます。

  • 就実高等学校

  • 岡山理科大学附属高等学校

  • 明誠学院高等学校

  • 山陽学園高等学校

  • 岡山学芸館高等学校

これらの高校は、コースによって難易度が異なりますので、自分の学力や将来の目標に合わせて併願校を選ぶことが大切です。

岡山東商業高等学校に設置されている学科・コース

岡山東商業高等学校では、1年次は全員が「商業科」として共通の基礎科目を学び、自分の興味や適性を見極めます。 そして2年次から、より専門性の高い2つの学科に分かれる「くくり募集」という制度を採用しています。

  • ビジネス創造科

    • どんなことを学ぶ場所か:地域経済の発展に貢献できるビジネスリーダーの育成を目指します。 2年次からはさらに「アドバンス」「総合ビジネス」「会計ビジネス」の3つのコースに分かれ、進学から就職、起業まで幅広い進路に対応した専門知識を深めます。

    • どんな生徒におすすめか:将来、大学で経済や経営を学びたい人、商品開発や販売に興味がある人、会計のプロフェッショナルを目指したい人など、ビジネスの世界で幅広く活躍したい生徒におすすめです。

  • 情報ビジネス科

    • どんなことを学ぶ場所か:プログラミングやネットワーク技術など、IT社会に対応できる専門知識と技術を習得します。 最新の情報機器を活用した実践的な授業が特徴です。

    • どんな生徒におすすめか:コンピュータやインターネットが好きな人、将来IT業界で活躍したい人、情報化社会を支える技術者になりたい生徒におすすめです。

岡山東商業高等学校の特色・校風

岡山東商業高等学校の校風は、「文武両道」と「自主自律」という言葉で表現できます。部活動が非常に盛んで全国レベルで活躍する部が多い一方、資格取得や進路実現に向けた学習にも真剣に取り組む、活気とけじめのある雰囲気が特徴です。

  • 宿題の量:課題は「やや多め」という声が多いようです。特に、日商簿記検定などの資格試験前は、対策のための課題が増える傾向にあります。しかし、これは将来に役立つ知識とスキルを身につけるためのものであり、計画的に取り組む習慣が身につきます。

  • 校則:校則は「標準的」または「やや厳しい」と感じる生徒が多いようです。特に、頭髪や服装に関する指導は定期的かつ厳格に行われる傾向にあります。スマートフォンについては、校内での使用は原則禁止されています。礼儀やマナーを重んじる伝統的な校風の表れと言えるでしょう。

  • 生徒たちの雰囲気:挨拶が徹底されており、礼儀正しく真面目な生徒が多いと評判です。 部活動や学校行事には一丸となって全力で取り組む、エネルギッシュな雰囲気があります。

  • アルバイト:原則として禁止されています。ただし、長期休暇中など、特別な事情がある場合には許可制で認められることもあるようです。

  • 制服の評判:男子は伝統的な学ラン、女子はセーラー服で、特に女子の制服は「可愛い」と評判が高いです。歴史あるデザインが、生徒たちの誇りにもなっています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。 部活動や資格取得のための補習、地域のイベント参加などに時間を有効活用できます。

岡山東商業高等学校の部活動・イベント

部活動

岡山東商業高等学校は、県内でも有数の部活動が盛んな学校として知られています。 運動部11、文化部18と非常に多くの部があり、多くの生徒が部活動に加入し、文武両道を実践しています。

  • 特に有名な部活動

    • 野球部:1965年(昭和40年)の選抜高等学校野球大会で全国優勝を果たした輝かしい歴史を持つ名門です。 「古豪復活」を掲げ、甲子園出場を目指して日々厳しい練習に励んでいます。

    • 男子バレーボール部:春高バレーの常連校であり、県大会では3年連続優勝を飾るなど、圧倒的な強さを誇ります。

    • 女子ソフトボール部、ボート部、陸上競技部なども全国大会に出場する強豪です。

    • 文化部では、珠算部、簿記部、ワープロ部、コンピュータ部などが全国大会で優秀な成績を収めており、商業高校ならではの特色ある部活動が活躍しています。 ダンス部も地域のイベントなどで活躍の場を広げています。

イベント

岡山東商業高等学校の学校生活は、多彩なイベントで彩られています。中でも「東商デパート」と「翠光祭(すいこうさい)」は、学校全体が一体となって盛り上がる大きな行事です。

  • 東商デパート:毎年11月に開催される、学校最大のイベントです。 生徒たちが株式会社「東商」の社員となり、商品の仕入れ、販売計画、決算までを実践的に体験します。 地元企業と連携したオリジナル商品の開発や、プロスポーツチームとのコラボ企画など、本格的なビジネスを学ぶ貴重な機会となっています。

  • 翠光祭(文化祭・体育祭):9月に行われる学校祭で、文化の部と体育の部で構成されます。 体育の部はジップアリーナ岡山を会場に、各チームが応援合戦や競技で熱い戦いを繰り広げます。 吹奏楽部の華やかなパレード演奏も見どころの一つです。

  • 修学旅行:2年次の12月に実施され、生徒たちにとって高校生活の大きな思い出の一つとなっています。

  • 定期戦:毎年5月には、ライバル校である倉敷商業高校との定期戦が行われ、全校応援で盛り上がります。

岡山東商業高等学校の進学実績

岡山東商業高等学校は、商業高校ならではの高い就職実績と、多様な進学実績を両立させているのが大きな強みです。生徒一人ひとりの希望進路に合わせた手厚いサポート体制が整っています。

  • 大学進学

    • 国公立大学:岡山大学、香川大学、高知大学など、地元の国公立大学へ商業科目の知識を活かして進学する生徒がいます。

    • 私立大学:関西大学、近畿大学、京都産業大学、龍谷大学といった関西の有名私立大学や、岡山理科大学、就実大学、ノートルダム清心女子大学など県内の大学へも多数進学しています。特に、ビジネス創造科の「アドバンスコース」は、国公立大学や難関私立大学への進学を目指すカリキュラムが組まれています。

  • 就職

    • 就職希望者の内定率は非常に高く、地元岡山を代表する優良企業や金融機関への就職実績が豊富です。中国銀行、トマト銀行、おかやま信用金庫などの金融機関や、大手企業の事務職、販売職など、多様な職種で卒業生が活躍しています。これは、120年以上の歴史の中で築き上げられた企業との強い信頼関係の賜物です。

  • 専門学校

    • 会計や情報処理、医療事務、公務員など、高校で学んだ専門知識をさらに深めるために専門学校へ進学する生徒も多くいます。

進路実現に向け、検定取得のための補習や個別指導、模擬面接など、きめ細やかなサポートが行われています。

岡山東商業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、岡山東商業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

    1. 伝統の「東商デパート」で学ぶ実践的ビジネス:生徒が会社を運営し、商品の企画から販売、決算までを体験する学校最大のイベント。 企画力、交渉力、協調性など、社会で本当に役立つ力が身につきます。

    1. 高い資格取得率と手厚いサポート体制:日商簿記、情報処理、ITパスポート(国家資格)など、将来の武器になる難関資格に多くの生徒が挑戦し、高い合格率を誇ります。 放課後や長期休暇中の補習も充実しています。

    1. 全国レベルで活躍する文武両道の部活動:野球部やバレーボール部をはじめ、多くの部活動が全国大会で活躍しています。 目標に向かって仲間と努力する経験は、人間的に大きく成長させてくれます。

    1. 地元企業との強いパイプと圧倒的な就職実績:120年以上の歴史で築かれた地域社会との信頼関係により、地元優良企業への就職に非常に強いです。 卒業生の多くが地域経済の担い手として活躍しています。

    1. 自分の興味で選べる多彩なコース設定:1年次に商業の基礎を学んだ後、進学、会計、総合ビジネス、情報ビジネスと、自分の目標に合わせて専門分野を選べるカリキュラムが魅力です。

    1. 礼儀やマナーを重んじる校風:社会人として基本となる挨拶や礼儀作法が自然と身につく環境です。 「東商の卒業生は礼儀正しい」という評価は、多くの企業から寄せられています。

    1. 最新のICT教育環境:全生徒がiPadを所有し、Wi-Fiが完備された校内で、最新の情報機器を活用した授業が展開されています。

岡山東商業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる声を、良い点と気になる点に分けて公平にまとめました。

  • 良い点

    • 「資格がたくさん取れるので、進学にも就職にも有利」

    • 「先生方が熱心で、検定前は分かるまで教えてくれる」

    • 「東商デパートや体育祭などの行事が本当に楽しく、クラスの団結力が強まる」

    • 「部活動が盛んで、高いレベルで挑戦できる環境がある」

    • 「挨拶や礼儀が厳しく指導されるので、社会に出てから役立った」

    • 「歴史と伝統があり、制服も可愛くて誇りに思える」

  • 気になる点

    • 「校則が他の高校に比べて厳しいと感じることがある(特にスマホや頭髪)」

    • 「検定前は課題が多くて大変」

    • 「校舎や施設が少し古い部分がある」

    • 「最寄り駅から少し歩くので、雨の日は少し不便」

アクセス・通学

岡山東商業高等学校へのアクセス方法と、通学エリアについてです。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 岡山電気軌道(路面電車):「東山・おかでんミュージアム駅」電停から徒歩約7分

    • JR山陽本線:「西川原・就実駅」から徒歩約20分

  • バスでのアクセス

    • 岡電バス:「協立病院前」バス停から徒歩約5分

  • 通学エリア

    岡山市内全域はもちろん、倉敷市、玉野市、赤磐市、瀬戸内市など、県内の広範囲から生徒が通学しています。 公共交通機関のアクセスが良いため、様々な地域から生徒が集まりやすい環境です。

岡山東商業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

岡山東商業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして応援メッセージを送ります。

もしあなたが、「将来、ビジネスの世界で活躍したい」「専門的な資格を自分の武器にしたい」「高校生活で、勉強だけでなく部活動や行事にも全力で打ち込みたい」と少しでも考えているなら、岡山東商業高等学校は最高の舞台になるはずです。この学校には、あなたの夢を叶えるための具体的な学びと、熱い仲間、そして親身になって支えてくれる先生方が揃っています。

受験勉強では、まず中学校の基礎・基本を徹底的に固めることが大切です。特に英語・数学・国語は、商業科目の学習の土台となります。そして、内申点も非常に重要です。日々の授業に真剣に取り組み、提出物をきちんと出し、定期テストで良い成績を収めることを心がけてください。岡山東商業高等学校は、真面目にコツコツ努力できる生徒を評価してくれる学校です。入学後の自分を想像しながら、頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。