国際基督教大学高等学校は、ただの高校ではありません。武蔵野の豊かな自然に抱かれた広大なキャンパスに、世界中から多様な個性と才能が集まる、まさに「小さな地球」のような場所です。毎年、約50カ国から帰国した生徒たちと日本国内で学んできた生徒たちが集い、教室の一つひとつが国際色豊かなコミュニティを形成しています。ここは、教科書から学ぶ知識だけでなく、友人との何気ない会話からも世界が広がる、刺激的な毎日が待っている学校です。

この学校が最も大切にしているのは、「責任を伴う自由」という考え方です。生徒一人ひとりの自主性を尊重し、互いの違いを受け入れ、高め合う文化が根付いています。もしあなたが、決められた道を歩くだけでなく、自分自身の興味や関心をとことん追求したい、異なる背景を持つ仲間たちと共に成長したいと願うなら、国際基督教大学高等学校は最高の環境を提供してくれるでしょう。ここでは、学びの主役はあなた自身です。

「まだ見ぬ新しい自分に出会いたい」「自分の個性を強みに変えたい」そう考えているあなたへ。この記事では、そんな特別な学びの場である国際基督教大学高等学校の魅力を、偏差値や進学実績といったデータから、在校生のリアルな声まで、あらゆる角度から詳しくご紹介します。この学校が、あなたの未来を輝かせる舞台になるかどうか、一緒に探していきましょう。

国際基督教大学高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩として、所在地や連絡先は正確に把握しておくことが大切です。

項目 内容
正式名称 国際基督教大学高等学校
公立/私立の別 私立
共学/別学の別 共学
所在地 〒184-8503 東京都小金井市東町1-1-1
代表電話番号 0422-33-3407
公式サイト https://icu-h.ed.jp/

国際基督教大学高等学校の偏差値・難易度・併願校

国際基督教大学高等学校は、首都圏でもトップクラスの学力が求められる学校です。その難易度を具体的に見ていきましょう。

最新の偏差値は71〜72とされており、これは東京都内でも最難関レベルに位置します。この数値は、入学するためには非常に高い学力が必要であることを示しています。

偏差値72がどのくらいのレベルかというと、青山学院高等部、桐朋高等学校、立教池袋高等学校といった、誰もが知る難関校と同じくらいの学力層の生徒たちが集まる学校だとイメージすると分かりやすいでしょう。

合格に必要な内申点の目安については、入試方式によって異なります。特に「帰国生徒推薦入試」では、9教科の合計が45点満点中40点以上、さらに英検2級以上といった高い基準が設けられているようです。このことからも、国際基督教大学高等学校が学力試験の点数だけでなく、中学校での日々の学習態度や総合的な優秀さも重視していることがうかがえます。

このような難関校であるため、多くの受験生が他のトップレベルの高校と併願して受験に臨みます。主な併願校としては、同じく国際的な校風を持つ慶應義塾湘南藤沢高等部や同志社国際高等学校、高い進学実績を誇る青山学院高等部などが挙げられます。これらの学校選びからも、受験生が高いレベルでの挑戦を考えていることが分かります。

国際基督教大学高等学校に設置されている学科・コース

国際基督教大学高等学校には、一般的な高校にあるような「普通科」「理数科」といったコース分けはありません。全ての生徒が同じカリキュラムの枠組みの中で学びますが、その中身は非常にユニークです。

この学校の最大の特徴は、主要科目である英語、国語、数学で、生徒一人ひとりの習熟度に合わせたレベル別のクラス編成(習熟度別授業)を行っている点です。これは、海外で英語を母語のように使ってきた生徒、日本の教育課程で着実に学力を伸ばしてきた生徒など、あまりにも多様な学力背景を持つ生徒たちが集まる国際基督教大学高等学校だからこその仕組みです。

  • 習熟度別授業

    • どんなことを学ぶ場所なのか:英語・国語・数学の3教科で、入学時のテストやそれまでの学習歴に応じて、自分に最適なレベルのクラスで授業を受けます。これにより、得意な科目はさらに伸ばし、少し苦手な科目は基礎からじっくりと学ぶことができます。

    • どんな生徒におすすめか:帰国生で英語は得意だけれど国語の古文・漢文は初めて学ぶ、という人や、数学の特定分野を深く学びたい人など、自分の学力に合わせて効率よく学習を進めたい全ての生徒におすすめです。画一的な授業ではなく、自分に合った学びを求める人に最適な環境と言えるでしょう。

国際基督教大学高等学校の特色・校風

国際基督教大学高等学校の雰囲気は、ひと言で言えば「自由闊達」。生徒一人ひとりの個性と自主性を何よりも尊重する文化が、学校全体に満ちあふれています。

  • 校風キーワード:自由闊達、多様性、自主性の尊重、グローバル、落ち着いた雰囲気

中学生の皆さんが本当に知りたい、学校生活のリアルな様子を口コミなどから見ていきましょう。

  • 宿題の量は多いか少ないか:宿題は比較的少ないという声が多いようです。これは、生徒が受け身で課題をこなすのではなく、自分で学習計画を立て、興味のある分野をとことん探究する時間を大切にしているからです。自主的に勉強する習慣が求められます。

  • 校則は厳しいか緩やかか:校則は非常に緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が大きいです。

    • 服装:制服はありますが、着用が義務付けられているのは入学式や卒業式などの式典の時だけです。普段はほとんどの生徒が私服で、自分の好きなスタイルで過ごしています。まさに大学のような自由さです。

    • スマホ:校内でのスマートフォンの使用についても、厳しい制限はないようです。生徒たちは自己責任のもとで、マナーを守って活用しています。

  • 生徒たちの雰囲気:とにかく個性的で、多才な生徒が多いと言われています。帰国生と国内生という区別もすぐに感じられなくなるほど、自然に交流し、互いの違いを認め合っています。活発な生徒もいれば、静かに読書を好む生徒もいて、どんなタイプの人でも自分の居場所を見つけられる雰囲気です。

  • アルバイトは可能か:アルバイトに関する明確な校則は見当たりませんが、学校の自由な校風から、学業に支障のない範囲で許可されている可能性が高いと考えられます。

  • 制服の評判はどうか:紺のブレザーに黄色のネクタイが特徴的な制服です。デザインについては様々な意見がありますが、着用する機会が年に数回と限られているため、「あまり気にならない」という声が多いようです。

  • 土曜授業はあるか:はい、土曜日も毎週午前中は授業があります。午後からは部活動など、生徒たちの自主的な活動の時間となっています。

この学校の「自由」は、単なる「放任」とは異なります。それは、自分で考え、判断し、その結果に責任を持つという「自律」を学ぶための環境です。この環境を最大限に活かせるかどうかは、生徒一人ひとりの意欲にかかっています。

国際基督教大学高等学校の部活動・イベント

勉強だけでなく、仲間との絆を深める部活動や学校行事も高校生活の醍醐味です。国際基督教大学高等学校では、これらも生徒主体で活発に行われています。

部活動

国際基督教大学高等学校の部活動は、初心者でも温かく迎え入れる雰囲気が特徴です。海外で部活動の経験がなかった帰国生も多く、誰もが新しい挑戦をしやすい環境が整っています。先輩・後輩の上下関係も厳しくなく、皆で活動を創り上げていく楽しさがあります。

  • 特に活発な部活動

    • ダンス部:近年非常に活気があり、文化祭などでのパフォーマンスは大きな盛り上がりを見せます。

    • 器楽部:ジャズを中心に活動しており、「ICUHSで一番愛があるのは器楽部だ!」と自負するほど、仲間との一体感を大切にしています。

    • チアーリーディング部:見ている人まで元気になるような、明るくエネルギッシュな活動が人気です。

  • 珍しい部活動

    • 写真部:本格的な暗室があり、フィルムの現像から自分たちの手で行うことができます。デジタルが主流の今、貴重な体験ができるでしょう。

    • 演劇部(劇団Act!on):キャストだけでなく、脚本、演出、音響、照明といった裏方のスタッフも全て生徒たちで作り上げる本格的な活動です。

運動部も文化部もバランス良く充実しており、多くの生徒が何らかの形で活動に参加し、高校生活を謳歌しています。

イベント

生徒たちが企画・運営の中心となるイベントは、一年を通じて学校を彩ります。

  • 体育祭:9月に行われる体育祭は、学年を超えた「縦割り」チームで競い合います。1組から6組まで、1年生から3年生までが同じチームとなり、応援合戦や競技に臨むため、学年を超えた強い絆が生まれます。特に応援合戦の完成度の高さは圧巻です。

  • 学校祭(文化祭):秋に開催される文化祭は、生徒たちの創造性が爆発する一大イベントです。ライブパフォーマンスや演劇、研究発表、模擬店など、多彩な企画でキャンパスが熱気に包まれます。大学の「ICU祭」と同時期に開催されることもあり、非常に大規模で活気のあるお祭りになります。

  • 修学旅行:3年生の時に訪れる沖縄への修学旅行は、この学校の教育を象徴する重要な行事です。単なる観光旅行ではなく、「平和学習」を大きな目的としています。実際にガマ(自然洞窟)に入ったり、戦争体験者の方からお話を聞いたりすることで、平和の尊さや歴史について深く学びます。この経験は、多様な背景を持つ生徒たちが共に未来を考える上で、かけがえのないものとなっています。

国際基督教大学高等学校の進学実績

国際基督教大学高等学校の進路指導は、「どこに行くか」よりも「何をしたいか」という問いを大切にしています。その結果、生徒たちは国内外の多様な進路へと羽ばたいており、現役での大学合格率は約90%と非常に高い水準を誇ります。

最新の大学進学実績は以下の通りです。

進路分類 主な大学名と合格者数 (2025年実績)
国公立大学 東京大学 (4), 京都大学 (2), 北海道大学 (5), 一橋大学 (1), 東京科学大学 (1), 筑波大学 (4), 大阪大学 (3), 東京外国語大学 (3) など、合計33名
難関私立大学 早稲田大学 (41), 慶應義塾大学 (44), 上智大学 (45), 東京理科大学 (32), 明治大学 (29), 青山学院大学 (18), 立教大学 (21), 中央大学 (28), 法政大学 (31)
国際基督教大学(ICU) 117名 (うち約80名は推薦入学)
海外大学 Yale University, University of Pennsylvania (アメリカ); University of Toronto, McGill University (カナダ); University College London (イギリス)など多数

特筆すべきは、系列の国際基督教大学(ICU)へ、学年の約3分の1にあたる80名程度の推薦入学枠があることです。これにより、ICUへの進学を視野に入れている生徒にとっては大きな魅力となっています。

また、国公立大学や早慶上智といった難関私立大学にも毎年多数の合格者を輩出しています。さらに、その国際的な環境を活かし、アメリカ、カナダ、イギリスなど、海外のトップ大学へ進学する卒業生も少なくありません。

これらの輝かしい実績は、生徒一人ひとりの希望進路をきめ細かくサポートする体制によって支えられています。早稲田大学(理工学部)や慶應義塾大学(法学部)など、多くの有名大学から指定校推薦の枠を得ており、生徒の多様な選択肢を力強く後押ししています。

国際基督教大学高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、国際基督教大学高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。

  • 全校生徒の3分の2が帰国生という比類なきグローバル環境

    約50カ国以上から集まった帰国生が全校生徒の約67%を占めています。日常的に多様な文化や価値観に触れることができ、「教室が世界とつながっている」ような環境は、この学校でしか体験できません。

  • 「自治自律」を学ぶ学生寮での共同生活

    キャンパス内には寮が完備されており、様々なバックグラウンドを持つ仲間との共同生活を通じて、異文化理解力と自立心を育むことができます。単なる宿泊施設ではなく、人間的に大きく成長できる教育の場です。

  • 大学レベルの文章作成支援を行う「ライティングセンター」

    レポートや小論文の書き方を、専門のチューターからマンツーマンで指導してもらえる大学のような施設です。論理的な思考力と表現力を磨くことができ、大学入試やその先の学びで大きな力となります。

  • 文部科学省指定「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」

    将来、国際的に活躍できるリーダーを育成するための先進的な教育プログラムが実践されています。グローバルな課題について探究する授業や、海外研修の機会も豊富です。

  • 国際基督教大学(ICU)との密接な連携

    大学の図書館やプールといった施設を利用できるほか、大学の授業を体験する機会もあります。また、学年の約3分の1にあたる約80名の推薦入学枠があることは、最大の魅力の一つです。

  • 平和構築への使命を体現する独自の平和教育

    学校の設立理念である「世界平和への貢献」を教育の核に据えています。その集大成とも言える3年次の沖縄修学旅行では、歴史と向き合い、平和の尊さを深く学びます。

  • 多様な生徒に対応する習熟度別授業

    英語・国語・数学で展開されるレベル別の授業により、生徒一人ひとりが自分のペースで無理なく、かつ最大限に学力を伸ばすことができます。どんな学習歴を持つ生徒でも安心してスタートできる体制が整っています。

国際基督教大学高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、そのユニークな環境を称賛する声が数多く寄せられています。一方で、その特殊な環境ゆえの注意点も指摘されています。

  • 良い点:

    • 「一生ものの友達に出会えた」「様々な価値観を持つ人々に囲まれ、毎日が刺激的」という声が非常に多いです。多様性の中で互いを尊重し合う文化が、深い人間関係を育んでいるようです。

    • 「自由な校風のおかげで、自分のやりたいことに打ち込めた」「自主性が身についた」など、生徒の主体性を重んじる教育方針が、個々の成長に繋がっているとの評価が高いです。

    • 先生との距離が近く、フレンドリーで相談しやすいという意見も目立ちます。生徒一人ひとりに寄り添う姿勢が、安心感のある学校生活を支えています。

  • 気になる点:

    • 「自由である分、すべては自分次第。流されてしまうと3年間あっという間に過ぎてしまう」という厳しい指摘もあります。高い自己管理能力と学習意欲がなければ、この学校の環境を活かしきれないかもしれません。

    • 「先生は手取り足取り教えてくれるわけではない」という声も。生徒が自ら動き出すのを待つスタイルのため、受け身の姿勢では物足りなさを感じる可能性があります。

    • 授業は基本的に日本語で行われるため、「海外生活が長く日本語に不安がある生徒は、慣れるまで少し苦労するかもしれない」という意見も見られます。

    • 最寄り駅からバスを利用する必要があり、「駅から少し遠いのが難点」と感じる生徒もいるようです。

これらの口コミから浮かび上がるのは、国際基督教大学高等学校が「合う人には最高の学校だが、誰にでも合うわけではない」ということです。この学校の最大の魅力である「自由」と「多様性」は、裏を返せば「自己責任」と「主体性」が強く求められる環境でもあります。自分から積極的に行動できる生徒にとっては、無限の可能性が広がる場所と言えるでしょう。

アクセス・通学

国際基督教大学高等学校のキャンパスは、都心にありながら緑豊かな落ち着いた環境にあります。通学には、最寄り駅からバスを利用するのが一般的です。

  • JR中央線 武蔵境駅 南口から

    • 小田急バス「国際基督教大学行き」に乗車し、終点「国際基督教大学」で下車(乗車時間約12分)。バス停から校舎までは徒歩約6分です。

  • JR中央線 三鷹駅 南口から

    • 小田急バス「国際基督教大学行き」に乗車し、終点「国際基督教大学」で下車(乗車時間約20分)。バス停から校舎までは徒歩約6分です。

  • 京王線 調布駅 北口から

    • 小田急バス「武蔵境駅南口行き」または「三鷹駅行き」に乗車し、「西野」で下車(乗車時間約20分)。バス停から校舎までは徒歩約8分です。

そのユニークな教育内容から、東京都内だけでなく、神奈川、埼玉、千葉など首都圏の広い範囲から生徒が通学しています。多少の通学時間がかかってでも通いたいと思わせる、強い魅力を持った学校であることがうかがえます。

国際基督教大学高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

国際基督教大学高等学校を目指す皆さん、こんにちは!長年、多くの受験生をサポートしてきたアドバイザーとして、皆さんにエールを送ります。

この国際基督教大学高等学校は、知的好奇心が旺盛で、自分の頭で考えることが好きな生徒に特におすすめです。周りと違うことを恐れず、むしろそれを楽しみたい、受け身の勉強ではなく、自分でテーマを見つけて探究していきたい、そんなエネルギーに満ちたあなたを待っている学校です。

受験勉強では、この学校ならではのユニークな入試問題への対策が鍵となります。特に数学は、単なる計算力ではなく、長い資料文を読み解く読解力と論理的思考力が問われます。過去問に徹底的に取り組み、問題の形式に慣れることが合格への一番の近道です。英語も、帰国生と共に受ける試験なのでレベルは非常に高いです。長文を速く正確に読む力、文脈から単語の意味を推測する力を鍛えましょう。国際基督教大学高等学校の入試対策は、単なる暗記ではなく、入学後に求められる「考える力」そのものを養うトレーニングになります。大変な道のりですが、この挑戦を乗り越えた先には、あなたの世界を大きく広げてくれる、かけがえのない3年間が待っています。自分を信じて、頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。