神奈川県立茅ケ崎北陵高等学校、通称「北陵(ほくりょう)」は、高校選びという大きな決断を前にした皆さんに、ぜひ知ってほしい魅力あふれる学校です。高校生活で何を一番大切にしたいですか?高いレベルの大学を目指せる学力、一生の思い出になる学校行事、それとも仲間と汗を流す部活動でしょうか。茅ケ崎北陵高等学校は、そのどれか一つを選ぶのではなく、「学習」「学校行事」「部活動」の三つすべてを全力で応援する「三本柱」の教育を掲げています。

この学校は、神奈川県が指定する「学力向上進学重点校エントリー校」の一つであり、確かな学力を身につけ、希望の進路を実現するための学習環境が整っています。しかし、北陵の魅力はそれだけではありません。生徒たちが主体となって創り上げる学校行事の熱気は、一度見学に訪れた中学生が「この学校に入りたい」と強く思うほどのものです。勉強も、青春も、どちらも妥協したくない。そんなあなたにとって、茅ケ崎北陵高等学校は最高の舞台になるかもしれません。

この記事では、そんな北陵でのリアルな高校生活がどのようなものなのか、偏差値や進学実績といったデータから、在校生たちの声に基づいた校風やイベントの様子まで、詳しくご紹介していきます。皆さんが自分の目で見て、心で感じて、「ここが自分に合う場所かもしれない」と思えるような情報をお届けできれば嬉しいです。さあ、一緒に北陵の扉を開いてみましょう。

茅ケ崎北陵高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 神奈川県立茅ケ崎北陵高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒253-0081 神奈川県茅ヶ崎市下寺尾128番地
代表電話番号 0467-51-0311
公式サイトURL https://www.pen-kanagawa.ed.jp/chigasakihokuryo-h/

茅ケ崎北陵高等学校の偏差値・難易度・併願校

茅ケ崎北陵高等学校を目指す上で、どのくらいの学力が必要になるのか、具体的なデータを見ていきましょう。

偏差値

茅ケ崎北陵高等学校の偏差値は、各種の模擬試験や塾のデータによると、おおむね63〜64前後とされています。この数値は神奈川県内の公立高校の中でも上位に位置しており、しっかりとした学力が求められる進学校であることがわかります。

難易度のイメージ

偏差値だけではイメージしにくいかもしれませんので、合格に必要な内申点や入試当日の得点についても見てみましょう。

  • 合格に必要な内申点の目安:135点満点中、116〜119点あたりが目標となります。これは、中学2年生と3年生の9教科の成績で、オール4に加えて5が半分以上あるようなイメージです。

  • 合格に必要な学力検査の目安:500点満点の学力検査では、360点〜390点あたりが合格者平均となっています。

  • 選考の比率:神奈川県の公立高校入試の第一次選考では、茅ケ崎北陵高等学校は「内申点:学力検査:特色検査」の比率を「4:6:1」に設定しています。この比率からわかるのは、中学校での成績(内申点)ももちろん大切ですが、それ以上に試験当日の学力検査と特色検査の結果が重視されるということです。内申点が少し目標に届かなくても、当日の試験で高い得点を取れれば逆転のチャンスが十分にある、実力勝負の側面が強い学校と言えるでしょう。

同じくらいの偏差値の他の高校

  • 光陵高等学校

  • 横浜平沼高等学校

  • 小田原高等学校

  • 希望ヶ丘高等学校

  • 海老名高等学校

主な併願校

神奈川県の公立高校が第一志望の場合、併願校として私立高校を受験するのが一般的です。茅ケ崎北陵高等学校の受験生がよく併願する私立高校には、以下のような学校が挙げられます。

  • 日本大学藤沢高等学校

  • 横浜隼人高等学校

  • 東海大学付属相模高等学校

  • 向上高等学校

  • 麻布大学附属高等学校

  • 鎌倉学園高等学校

  • 山手学院高等学校

茅ケ崎北陵高等学校に設置されている学科・コース

茅ケ崎北陵高等学校には、一つの学科「普通科」が設置されています。しかし、その中で生徒一人ひとりの進路希望に合わせて、きめ細やかな学びができるようにカリキュラムが工夫されています。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:1・2年生では、全員が共通の科目を履修し、文系・理系を問わず幅広い知識の土台を固めます。この時期にじっくりと自分の興味や適性を見極めることができるのが大きな特長です。そして3年生になると、進路希望に応じて3つの「系」に分かれ、専門性を高めていきます。

    • どんな生徒におすすめか:将来の夢がまだはっきりと決まっていない人でも、2年間かけて自分の進みたい道を探せるので安心です。もちろん、すでに行きたい大学や学部が決まっている人も、3年生からの専門的な学びで受験に対応できる実力をしっかり養うことができます。

3年生からの選択コース(系)

  • α(アルファ)系 – 文系

    • どんなことを学ぶ場所か:国語や英語、地歴・公民といった文系科目を重点的に学びます。国公立大学や私立大学の文学部、法学部、経済学部などを目指す生徒向けのコースです。

    • どんな生徒におすすめか:歴史や文学が好きで、社会の仕組みについて深く学びたい人におすすめです。

  • β(ベータ)系 – 理系

    • どんなことを学ぶ場所か:数学IIIや物理、化学といった理系科目を深く掘り下げて学びます。国公立大学や私立大学の理学部、工学部、医学部、薬学部などを目指す生徒が選択します。

    • どんな生徒におすすめか:科学的な探究やものづくりに興味があり、論理的な思考力を高めたい人に最適です。

  • γ(ガンマ)系 – 文理系

    • どんなことを学ぶ場所か:文系・理系の枠にとらわれず、多様な大学入試に対応するために科目を柔軟に組み合わせることができるユニークなコースです。例えば、数学は必要だけれど理科の専門科目は不要、といった学部の受験に対応します。

    • どんな生徒におすすめか:看護・医療系や一部の経済学部など、文理両方の知識が求められる分野に進みたいと考えている人におすすめです。

茅ケ崎北陵高等学校の特色・校風

茅ケ崎北陵高等学校の雰囲気は、多くの在校生や卒業生が口を揃えて「平和」「穏やか」という言葉で表現します。いじめなどはほとんど聞いたことがないという声が多く、生徒同士がお互いを尊重し合う、成熟した文化が根付いています。キーワードで表すなら、「平和で穏やか」「文武両道」「自主自律」といったところでしょう。

  • 宿題の量:宿題の量については、「少ない」という声と「小テストや課題が多い」という声の両方があります。これは、学校が単純な暗記作業としての宿題を出すのではなく、日々の授業の予習・復習を生徒が自主的に行うことを重視しているためと考えられます。授業についていくためには、自分から進んで勉強する姿勢が不可欠で、これが一部で言われる「自称進学校」らしさの一面かもしれません。

  • 校則:校則は、他の公立高校と比較して特に厳しくも緩くもない、常識的な範囲のようです。

    • スマホ:持ち込みは可能ですが、授業中はカバンの中にしまっておくのがルールです。休み時間などは自由に使用できるようです。

    • 服装:制服の着こなしに関する指導はありますが、過度に厳しいという声は少ないです。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で優しい生徒が多く、落ち着いた雰囲気です。しかし、行事の時には信じられないほどのエネルギーを発揮して盛り上がる、オンとオフの切り替えが上手な生徒が多い印象です。他人を思いやれる「人として頭が良い」生徒が多いという口コミは、北陵の素晴らしい文化を象徴しています。

  • アルバイト:アルバイトについては、明確に禁止されているわけではないようですが、多くの生徒が勉強や部活動、行事準備で忙しいため、実際にアルバイトをしている人は少ない傾向にあります。学校に確認するのが最も確実です。

  • 制服の評判:制服は、男子が伝統的な黒の詰襟(学ラン)、女子が紺色のブレザーです。女子はスラックスも選択可能です。デザインについては、「可愛い」というよりは「シンプルで真面目な印象」という声が多いようです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

  • 施設について:校舎は数年前に建て替えられた仮設校舎ですが、新しくて綺麗で、冷暖房も完備されています。公立高校には珍しく学食(食堂)があるのも大きな魅力で、お弁当やパンを求めて昼休みには行列ができます。一方で、体育館やグラウンド、武道場は旧校舎の敷地に残っているため、授業や部活動での移動に5分ほど歩く必要があり、これを不便に感じる声は少なくありません。

茅ケ崎北陵高等学校の部活動・イベント

部活動

茅ケ崎北陵高等学校の「三本柱」の一つである部活動は非常に盛んで、生徒の加入率は9割を超えます。運動部・文化部ともに充実しており、多くの部が県大会以上で活躍しています。

運動部

関東大会や全国大会への出場経験を持つ強豪部がいくつもあります。

  • 陸上競技部:県のトップレベルで常に活躍しており、関東大会の常連です。卒業生には宇宙飛行士の野口聡一さんも在籍していました。

  • 女子バスケットボール部:伝統的に強く、過去には県ベスト4に進出し、全国優勝経験のある強豪校と熱戦を繰り広げた実績があります。

  • サッカー部、ソフトテニス部:これらの部も県内で強豪として知られ、高いレベルで活動しています。

文化部

文化部も活発で、全国レベルで実績を残している部もあります。

  • 吹奏楽部:各種コンクールで高い評価を得ており、特にシンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会では金賞や銀賞を受賞するなど、輝かしい実績を誇ります。

  • 英語部:ディベート大会などで活発に活動しているのが特徴的です。

  • JRC部:ボランティア活動を中心に行う珍しい部活動で、地域貢献にも力を入れています。

イベント

北陵の学校生活を最も彩るのは、生徒が主体となって創り上げる大規模なイベントです。その熱気とクオリティの高さは、学校の大きな誇りとなっています。

  • 北陵祭(文化祭):毎年9月か10月頃に開催される文化祭は、北陵最大のイベントです。企画から運営まで、そのほとんどを生徒たちの手で行います。各クラスの出し物は演劇やアトラクションなど、高校生レベルとは思えないほど凝ったものが多く、衣装や大道具もすべて手作りです。中庭の特設ステージで行われる有志のダンスやバンド演奏は、学校中が一体となる最高の盛り上がりを見せます。

  • 体育祭:5月頃に行われる体育祭も、学年を超えた4つのカラー(団)に分かれて競い合う、非常に盛り上がるイベントです。特に、各団が一体となって創り上げる応援合戦「カラーパフォーマンス」は圧巻の一言で、体育祭にかける生徒たちの情熱を感じることができます。

  • 北鶴戦(ほっかくせん):近隣のライバル校である鶴嶺高校と、運動部・文化部が対抗戦形式で競い合う、北陵ならではの伝統行事です。学校のプライドをかけた戦いは、普段の大会とは違う独特の熱気に包まれ、学校全体の絆を深めます。

  • 修学旅行:2年生の時に沖縄を訪れるのが恒例です。平和学習やマリンスポーツなどを通して、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

  • その他:合唱コンクールやマラソン大会、球技大会など、年間を通して多彩な行事が目白押しです。

茅ケ崎北陵高等学校の進学実績

「三本柱」の一つである「学習」の成果は、茅ケ崎北陵高等学校の優れた大学進学実績にもはっきりと表れています。卒業生の8割以上が4年制大学へ進学し、その多くが指定校推薦よりも一般選抜で第一志望合格を勝ち取っています。

国公立大学

毎年、安定して25名〜30名程度の合格者を出しています。

  • 主な合格大学:横浜国立大学、横浜市立大学、東京都立大学、静岡大学、神奈川県立保健福祉大学など、関東圏を中心に全国の国公立大学に合格しています。

難関私立大学

特にGMARCHレベルの大学への進学実績は、県内でもトップクラスです。

  • 早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科):合計で30名前後の合格者を出しています。2025年度入試では、早稲田大学13名、慶應義塾大学10名などの実績があります。

  • GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政):合計で220名を超える、非常に多くの合格者を輩出しています。これは北陵の進学指導の大きな強みと言えるでしょう。特に法政大学、明治大学、中央大学への合格者が多い傾向にあります。

その他

その他にも、神奈川大学、日本大学、東海大学といった地元の大学や、全国の様々な私立大学に多数の生徒が進学しています。

進学実績を支える取り組み

この高い進学実績は、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。特に、長期休業中に行われる講習・補習は非常に充実しています。夏期講習だけでも、学年別・レベル別に数十もの講座が開講されます。例えば、「GMARCHレベル問題演習」「早慶レベル問題演習」といった志望校に特化した講座から、各教科の基礎を固める講座まで、自分の目標に合わせて自由に選択できます。このようなきめ細やかなサポートが、生徒一人ひとりの夢の実現を力強く後押ししています。

茅ケ崎北陵高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、茅ケ崎北陵高等学校ならではの強みや魅力をまとめました。

  • 「三本柱」が作る充実の高校生活

    勉強だけでなく、学校行事や部活動にも本気で打ち込める環境が整っています。このバランスの取れた学校生活が、人間的な成長を促し、豊かな3年間を約束します。

  • GMARCHに特に強い!手厚い進学サポート

    GMARCHに毎年220名以上の合格者を出す実績は、学校の大きな強みです。志望校レベルに合わせた多彩な講習や校内模試など、目標達成のための具体的なサポートが充実しています。

  • 生徒が主役!日本一級に盛り上がる学校行事

    生徒が企画・運営の中心となる「北陵祭」や、ライバル校との「北鶴戦」など、ここでしか味わえない熱いイベントが盛りだくさん。これらの行事が、生徒たちの自主性や協調性を育んでいます。

  • 宇宙飛行士・野口聡一さんも卒業生!夢を育む環境

    世界的に活躍する大先輩の存在は、生徒たちにとって大きな刺激であり、夢を追うことの素晴らしさを教えてくれます。野口さんが宇宙へ持って行った北陵の応援旗は、学校の宝物です。

  • 穏やかで平和な校風と、成熟した仲間たち

    いじめがほとんどなく、誰もが安心して学校生活を送れる穏やかな雰囲気は、何にも代えがたい魅力です。互いを尊重し合える仲間たちと過ごす3年間は、貴重な財産となるでしょう。

  • 公立には珍しい学食完備

    温かい定食からパン、お弁当まで揃う学食は、生徒たちに大人気です。日々の学校生活の満足度を大きく高めてくれる、嬉しいポイントです。

茅ケ崎北陵高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集めてみました。良い点と、少し気になる点の両方を知ることで、より深く学校を理解できるはずです。

良い点

  • とにかく平和で雰囲気が良い:「いじめは聞いたことがない」「みんな優しくて穏やか」という声が圧倒的に多く、安心して過ごせる学校であることがうかがえます。

  • 行事が最高に楽しい:生徒主体で作り上げる文化祭や体育祭は、一生の思い出になるほど楽しく、クラスや学年の団結力が非常に強まると評判です。

  • 先生のサポートが手厚い:特に進路相談では、先生方が親身になって生徒一人ひとりの話を聞き、的確なアドバイスをくれるという感謝の声が多く聞かれます。

  • 文武両道が実現できる:勉強と部活動の両立を学校全体で応援してくれる雰囲気があり、どちらも本気で頑張りたい生徒にとって最高の環境だという意見が多いです。

気になる点

  • 典型的な「自称進学校」:「課題や小テストが多い」「常に大学受験を意識させられる」といった点で、勉強へのプレッシャーを感じるという声もあります。自主的な学習が求められる環境です。

  • 校舎と体育館・グラウンドが離れている:仮設校舎から体育施設までの移動が徒歩5分ほどかかり、特に雨の日などは不便に感じるという、現実的な問題点を指摘する声が多くあります。

  • 先生の質にばらつきがある:これは多くの公立高校に共通する点ですが、「授業が非常に分かりやすい先生もいれば、そうでない先生もいる」と感じる生徒もいるようです。

  • 駅から少し歩く・立地が不便:最寄り駅から徒歩10分〜15分という距離や、住宅街の中にある落ち着いた立地を、人によっては少し不便と感じることもあるようです。

アクセス・通学

茅ケ崎北陵高等学校への通学方法についてです。

最寄り駅からのアクセス

  • JR相模線 香川駅より徒歩約10分

  • JR相模線 寒川駅より徒歩約15分

通学エリア

生徒の多くは、学校周辺の地域から通学しています。

  • 主な通学エリア:茅ヶ崎市、藤沢市、平塚市、寒川町など。

  • 通学方法:電車通学の生徒も多いですが、特に茅ヶ崎市内など近隣に住む生徒は自転車で通学するケースも非常に多いです。全生徒分の駐輪場が確保されています。

茅ケ崎北陵高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、茅ケ崎北陵高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。

茅ケ崎北陵高等学校は、「勉強も行事も部活も、全部本気でやりたい!」というエネルギッシュな人に心からおすすめできる学校です。やらされる勉強ではなく、自分の目標のために自ら学ぶ意欲のある人、そして、最高の仲間たちと一生忘れられない思い出を作りたいと願う人にとって、ここは最高の場所になるでしょう。

受験勉強では、選考比率が「4:6:1」であることを常に意識してください。これは、入試本番の学力検査と特色検査でいかに点数を取れるかが合格の鍵を握るということです。まずは教科書レベルの基礎を完璧に固め、その上で神奈川県の入試問題で問われる思考力や応用力を試す問題に数多く挑戦しましょう。また、比重は1割ですが、特色検査の対策も合否を分ける重要なポイントになります。計画的に準備を進めてください。茅ケ崎北陵高等学校への道は決して楽ではありませんが、その先には、皆さんの期待をはるかに超える充実した3年間が待っています。自分を信じて、頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。