奈良県立王寺工業高等学校は、ものづくりに興味を持つ生徒にとって、夢への第一歩を踏み出すのに最適な学び舎です。1962年の開校以来、多くの卒業生を産業界に送り出してきた歴史と伝統のある専門高校で、その確かな技術教育と手厚い進路サポートには定評があります。王寺工業高等学校では、社会で即戦力となるための専門知識や技術はもちろん、挨拶や礼儀といった人間力の育成にも力を入れています。

「時代を担うスペシャリストを目指す高校」として、情報通信技術などの先端技術を中心に学ぶことができるのが、王寺工業高等学校の大きな魅力です。 充実した設備と、経験豊富な先生方の熱心な指導のもと、生徒一人ひとりが自分の可能性を最大限に引き出し、輝かしい未来を切り拓いています。

この記事では、そんな王寺工業高等学校について、偏差値や難易度、設置されている学科、学校生活の様子から進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

王寺工業高等学校の基本情報

王寺工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 奈良県立王寺工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒636-0012 奈良県北葛城郡王寺町本町3丁目6-1
代表電話番号 0745-72-4081
公式サイトURL https://www.e-net.nara.jp/hs/ojikogyo/

王寺工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

王寺工業高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は重要なポイントです。専門的な知識と技術を身につけられる王寺工業高等学校は、毎年多くの受験生が目標とする学校の一つです。

学科・コースごとの偏差値

最新の偏差値は以下の通りです。3つの学科があり、偏差値はすべて同じくらいです。

  • 機械工学科:43

  • 電気工学科:43

  • 情報電子工学科:43

難易度の目安

偏差値43は、奈良県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、磯城野高校(ヒューマンライフ科、フードデザイン科など)や橿原学院高校(美術科)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安としては、中学校での成績が5段階評価で平均3前後、定期テストでは5教科合計で250点〜300点程度が一つの目標となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、内申点と学力検査の合計点で合否が判断されるため、日々の授業に真面目に取り組み、基礎学力をしっかりと固めておくことが大切です。

主な併願校

王寺工業高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願します。奈良県では公立高校の併願ができないため、万が一の場合に備えて私立高校の受験を検討しておくことが一般的です。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 奈良育英高等学校

  • 橿原学院高等学校

  • 奈良大学附属高等学校

  • 天理高等学校

これらの高校は、それぞれ特色のある教育を行っているため、自分の興味や学力に合わせて併願校を選ぶと良いでしょう。

王寺工業高等学校に設置されている学科・コース

王寺工業高等学校には、社会の基盤を支える専門技術者を目指すための3つの学科が設置されています。それぞれの学科で、特色あるカリキュラムを通して、未来のスペシャリストを育成しています。

  • 機械工学科

    • どんなことを学ぶ場所か:「ものづくり」の基礎から応用までを学び、機械系技術者のスペシャリストを目指します。3D-CADを使った製図や、実際に金属を加工して製品を作り上げる実習などを通して、実践的な技術を習得します。

    • どんな生徒におすすめか:機械の仕組みに興味がある人や、自分の手で何かを作り出すことが好きな人におすすめです。

  • 電気工学科

    • どんなことを学ぶ場所か:発電所から家庭に届くまでの電気の流れや、電気設備の仕組みについて学びます。卒業すると第二種電気工事士の筆記試験が免除されるなど、国家資格の取得に力を入れています。

    • どんな生徒におすすめか:電気エネルギーやインフラに興味がある人、社会を支える仕事に就きたい人におすすめです。

  • 情報電子工学科

    • どんなことを学ぶ場所か:コンピュータの仕組みやプログラミング、電子回路、ネットワーク技術など、IT社会に不可欠な知識と技術を幅広く学びます。

    • どんな生徒におすすめか:パソコンやスマートフォンが好きな人、プログラミングや電子工作に興味がある人におすすめです。

王寺工業高等学校の特色・校風

王寺工業高等学校は、「ものづくり」を通して社会に貢献できる人材の育成を目指しており、活気と規律が両立した校風が特徴です。

学校全体の雰囲気

キーワードで表すと「質実剛健」「文武両道」「地域貢献」といった言葉が似合います。生徒たちは専門技術の習得に真摯に取り組む真面目さを持つ一方で、部活動や学校行事にも全力で打ち込む活発さも兼ね備えています。また、挨拶や礼儀を重んじる指導が徹底されており、来客者に対して生徒が立ち止まって挨拶をする姿は、王寺工業高校の伝統となっています。

中学生が知りたい学校生活のリアル

  • 宿題の量:専門教科の実習やレポートなどがあり、決して少なくはないようですが、計画的に取り組めば十分にこなせる量です。

  • 校則:頭髪や服装に関する規定は比較的厳しいという声が多いようです。 例えば、男子の髪は目や耳にかからない長さ、染髪やパーマは禁止されています。 スマートフォンの持ち込みは可能ですが、校内での使用は原則禁止です。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりが好きな生徒が集まっているため、共通の話題で盛り上がることが多いようです。少しやんちゃな生徒もいるが、全体的には真面目で落ち着いた雰囲気という口コミが見られます。

  • アルバイト:原則として禁止されています。 ただし、家庭の事情などやむを得ない場合は、学校に届け出て許可を得る必要があります。

  • 制服の評判:男子は伝統的な詰襟、女子はブレザーとスカートまたはスラックスです。 落ち着いたデザインで、特に悪い評判はないようです。きちんと着こなすことが求められます。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

王寺工業高等学校の部活動・イベント

部活動

王寺工業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が加入し、文武両道を目指して活発に活動しています。

特に全国レベルで活躍する部活動も多く、高い実績を誇っています。

  • ボクシング部:全国大会の常連であり、過去にはアジアジュニア選手権で銀メダルを獲得した選手も輩出しています。

  • 自転車競技部:近畿大会や全国大会で常に上位の成績を収めており、強豪として知られています。

  • ロボット研究部:ものづくりコンテストなどで数々の入賞実績があり、工業高校ならではの専門性を活かした活動が魅力です。

この他にも、運動部、文化部ともに様々な部活動があり、生徒たちは自分の興味や目標に合わせて活動しています。部活動への加入率は高く、放課後の校内は生徒たちの活気に満ちています。

イベント

王寺工業高等学校では、生徒たちの絆を深め、学校生活を彩る様々なイベントが年間を通して開催されます。

  • 文化祭(王工祭):毎年秋に開催される最大のイベントです。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などを出店し、大変な盛り上がりを見せます。工業高校ならではの、生徒が製作した作品の展示や実演は特に見ごたえがあります。

  • 体育大会:クラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。クラスTシャツを作成するなど、生徒たちが一体となって全力で楽しむイベントです。

  • 修学旅行:行き先は年によって異なりますが、仲間との共同生活を通して、忘れられない思い出を作ることができます。

  • その他:球技大会や芸術鑑賞会など、年間を通して多彩な行事が企画されています。

王寺工業高等学校の進学実績

王寺工業高等学校は、高い就職内定率を誇る一方で、大学や専門学校への進学にも力を入れています。生徒一人ひとりの希望進路を実現するための手厚いサポート体制が整っています。

就職に強い王寺工業

長年にわたり、就職内定率はほぼ100%を維持しており、多くの卒業生が大手企業や地元の優良企業で活躍しています。 学校で学んだ専門知識と技術、そして礼儀や挨拶といった社会人としての基礎が企業から高く評価されている証です。トヨタ自動車など、日本を代表する企業への就職実績もあります。

大学・専門学校への進学

就職だけでなく、専門性をさらに深めるための進学を選ぶ生徒も少なくありません。

  • 国公立大学:奈良教育大学や琉球大学などへの合格実績があります。

  • 私立大学:大阪工業大学、近畿大学、龍谷大学、摂南大学など、主に関西圏の工業系・理工系大学への進学者が多い傾向にあります。

  • 専門学校:より専門的な技術を身につけるため、工業系の専門学校へ進学する生徒もいます。

学校では、進学希望者向けの補習や個別指導など、学力向上に向けたサポートも行っています。指定校推薦枠も確保されており、多様な進路選択が可能です。

王寺工業高等学校の特長・アピールポイント

王寺工業高等学校には、他の高校にはない独自の魅力や強みがたくさんあります。ここでは、その中でも特に注目すべきポイントをいくつかご紹介します。

  • 圧倒的な就職実績:長年にわたり就職内定率100%を継続しており、大手企業からの求人も多数あります。 卒業生の活躍が、社会からの高い信頼につながっています。

  • 充実した資格取得サポート:第二種電気工事士や危険物取扱者など、将来に役立つ様々な資格の取得を学校全体で強力にバックアップしています。 放課後には資格取得のための講習なども開かれています。

  • 最先端の技術を学べる施設・設備:3D-CADや各種工作機械など、企業でも使われているような最新の設備が整っており、実践的なスキルを身につけることができます。

  • 社会で通用する「人間力」の育成:技術教育だけでなく、挨拶や礼儀、時間厳守といった社会人としての基礎を徹底して指導します。 この「人間力」が、就職先でも高く評価されています。

  • 地域社会との連携:王寺町の清掃活動への参加や、地元の中学校と協力して交通安全標識を作製するなど、地域に貢献する活動にも積極的に取り組んでいます。

  • 全国レベルで活躍する部活動:ボクシング部や自転車競技部、ロボット研究部など、全国の舞台で輝かしい実績を誇る部活動が多数あります。

  • 「ものづくり」への情熱を育む環境:同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、3年間「ものづくり」に打ち込める環境は、何物にも代えがたい経験となります。

王寺工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられた王寺工業高等学校に関する様々な声を紹介します。良い点だけでなく、少し気になる点についても公平に取り上げるので、学校選びの参考にしてください。

良い点

  • 就職に非常に強い:多くの口コミで「就職率が良い」「先生方のサポートが手厚い」という点が挙げられています。大手企業への就職実績も魅力のようです。

  • 専門的な技術が身につく:「資格がたくさん取れる」「実習が楽しい」など、工業高校ならではの学びに対する満足度は高いようです。

  • 礼儀や挨拶が身につく:社会に出てから役立つ礼儀作法が自然と身につくという声が多く見られます。

  • 先生が熱心:生徒一人ひとりに親身になって指導してくれる先生が多いという評判です。特に進路相談に関しては、手厚いサポートが受けられるようです。

気になる点

  • 校則が厳しい:「頭髪や服装のチェックが厳しい」「スマートフォンの使用制限が不便」といった声が一部で見られます。

  • 坂道が大変:最寄り駅から学校まで、急な坂道を登らなければならないのが少し大変だという意見があります。

  • 先生によって指導に差がある:一部の口コミでは、先生によって生徒への態度が違うと感じるという意見もありました。

  • 施設の古さ:校舎や設備の一部に古さを感じるという声も聞かれます。

アクセス・通学

王寺工業高等学校への通学方法についてまとめました。

最寄り駅からのアクセス

  • JR大和路線/和歌山線、近鉄生駒線「王寺駅」から南へ徒歩約15分

  • 近鉄田原本線「新王寺駅」から南へ徒歩約17分

駅から学校までは上り坂が続くため、少し時間に余裕を持って通学すると良いでしょう。

通学エリア

王寺町内はもちろん、近隣の香芝市、生駒市、三郷町、斑鳩町、河合町など、奈良県内北西部を中心に幅広いエリアから生徒が通学しています。駅からのアクセスが比較的良いため、電車を利用して通学する生徒が多いようです。

王寺工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

王寺工業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、「ものづくりが好き」「将来は技術者として社会の役に立ちたい」という強い意志を持つ君にこそ、ぴったりの場所です。王寺工業高等学校では、ただ知識を詰め込むだけでなく、実際に手を動かし、試行錯誤を繰り返す中で「本物の技術」を身につけることができます。同じ夢を持つ仲間たちと切磋琢磨し、時には難しい課題にぶつかりながらも、それを乗り越えた時の達成感は、きっと君を大きく成長させてくれるはずです。

受験勉強においては、まず中学校の基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に数学や理科は、工業の専門科目を学ぶ上での土台となります。苦手な分野をなくし、安定して点数が取れるようにしておきましょう。そして、面接では「なぜ王寺工業で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」という君自身の熱い思いを、自分の言葉で伝えられるように準備しておいてください。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。