甲府東高等学校は、高いレベルの学習と、かけがえのない思い出を作る高校生活を両立させたいと考える中学生にとって、非常に魅力的な選択肢の一つです。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込める環境がここにはあります。この学校が掲げる「自律」の精神は、生徒一人ひとりが自分の目標を見つけ、主体的に行動する力を育む土台となっています。
この記事では、そんな甲府東高等学校がどんな学校なのか、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。理数コースと普通コースという二つの学びの道があり、それぞれに特色があります。偏差値や進学実績といったデータだけでなく、在校生や卒業生が語るリアルな学校の雰囲気、校則や部活動の様子まで、深く掘り下げていきます。
この記事を読み終える頃には、あなたが甲府東高等学校でどんな3年間を送ることができるのか、鮮明にイメージできるようになっているはずです。自分にぴったりの高校を見つけるための大切な一歩として、ぜひ最後までじっくりと読み進めてみてください。
甲府東高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 情報 |
正式名称 | 山梨県立甲府東高等学校 |
公立/私立 | 公立 |
男女の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒400-0805 山梨県甲府市酒折一丁目17-1 |
電話番号 | 055-237-6931 |
公式サイト | http://www.higasih.kai.ed.jp/ |
甲府東高等学校の偏差値・難易度・併願校
甲府東高等学校の受験を考える上で、最も気になるのが偏差値や難易度でしょう。この学校には二つのコースがあり、それぞれで難易度が異なるのが大きな特徴です。
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普通科 理数コース: 偏差値 65~67
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普通科 普通コース: 偏差値 58~63
理数コースは、山梨県内の公立高校の中でもトップクラスの難易度を誇ります。難関国公立大学の理系学部を目指す、学力に自信のある生徒が集まるコースです。一方、普通コースも県内上位の学力レベルが求められ、幅広い大学進学に対応できる確かな学力が身につきます。
難易度をより具体的にイメージするために、いくつかの目安を見てみましょう。
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合格に必要な内申点の目安: 理数コースは41前後、普通コースは34前後がひとつの目安とされています。もちろん、これは当日のテストの点数との兼ね合いで変わりますので、あくまで参考としてください。
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同じくらいの偏差値の他の高校: 理数コースは甲府南高校(理数科)や甲府第一高校(探究科)、吉田高校(理数科)などが、普通コースは甲府西高校や甲府南高校(普通科)などが学力的に近いレベルの学校として挙げられます。
山梨県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、甲府東高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を受験します。主な併願校としては、以下のような高校がよく選ばれているようです。
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山梨学院高等学校(特に特進コース)
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駿台甲府高等学校(特にコア・スーパーコース)
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東海大学付属甲府高等学校
甲府東高等学校に設置されている学科・コース
甲府東高等学校には「普通科」が設置されており、その中に2つのコースがあります。自分の興味や将来の目標に合わせてコースを選ぶことになります。
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普通科 理数コース
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どんなことを学ぶ場所か:数学と理科に重点を置いた、高度で専門的なカリキュラムで学びます。課題研究(探究活動)に力を入れており、大学での研究に近いような体験もできます。
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どんな生徒におすすめか:将来、医師や研究者、技術者など理系の専門職に就きたいと考えている人や、一つのテーマを深く掘り下げて考えるのが好きな人におすすめです。
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普通科 普通コース
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どんなことを学ぶ場所か:国語、数学、英語、理科、社会の主要5教科をバランス良く学び、大学進学に必要な基礎学力と応用力を固めます。2年次からは文系・理系の選択があり、自分の進路に合わせた学習を進めます。
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どんな生徒におすすめか:文系・理系を問わず、幅広い大学への進学を目指している人や、勉強と部活動・学校行事を両立させて充実した高校生活を送りたい人におすすめです。
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甲府東高等学校の特色・校風
甲府東高等学校の魅力を語る上で欠かせないのが、その独特の校風です。キーワードで表すなら、「自由闊達」「文武両道」「生徒主体」、そしてそれら全てを支える「自律」の精神と言えるでしょう。
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宿題の量:宿題の量については、コースや学年、先生によってかなり差があるようです。「毎週、英数国の課題や小テストがあり大変」という声がある一方で、「課題はあまり出ず、自主性に任されている」という声も聞かれます。共通しているのは、ただ課題をこなすだけでなく、自分で学習計画を立てて進める力が求められる点です。まさに「自律」が試される部分と言えます。
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校則(スマホ、服装など):校則は、他の進学校と比較すると、標準的かやや自由な面もあるようです。
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スマホ:校内への持ち込みは許可されていますが、授業中の使用は原則禁止で、電源を切ってカバンなどにしまっておく決まりです。先生の許可があれば授業で使うこともあり、ルールの中での活用が認められています。
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服装:制服は、男女ともに紺色のブレザーが基調で、デザインが可愛いと評判です。特に女子のチェック柄のスカートや、夏に選べるポロシャツ(白・ピンク・水色)が人気です。スカート丈は膝にかかる程度など、着こなしに関する規定はありますが、全体的には常識の範囲内できちんと着こなすことが求められます。
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頭髪:パーマや染色は禁止されています。
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生徒たちの雰囲気:全体的に「真面目で、かつ活発」な生徒が多いようです。「勉強できるリア充パリピが集まる」というユニークな表現をされることもあり、勉強するときは集中し、遊ぶときや行事のときは全力で楽しむ、メリハリのある生徒が多い印象です。レベルの高い仲間と切磋琢磨できる環境で、互いに教え合う文化も根付いています。
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アルバイト:原則として禁止されています。学業や部活動に専念してほしいという学校の方針の表れでしょう。特別な事情がある場合は、申請すれば許可されることもあるようです。
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制服の評判:前述の通り、制服は生徒から非常に人気があります。「制服が可愛いから東高を選んだ」という声も聞かれるほどで、学校生活のモチベーションの一つになっているようです。
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土曜授業:土曜日には、希望者向けの学習会や課外授業が実施されています。1・2年生は基礎・発展補習、3年生は大学入試対策講座が中心で、学力向上を力強くサポートする体制が整っています。
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施設について:施設の古さは、多くの在校生や卒業生が指摘する点です。「校舎がボロい」「体育館の床が傾いている」といった声も聞かれます。しかし、トイレの改修工事が進められていたりと、改善の努力も見られます。また、個別の学習スペースが確保された自習室は非常に充実しており、集中して勉強できると好評です。
甲府東高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動やイベントも高校生活を彩る大切な要素です。甲府東高等学校では、どちらも非常に盛んで、生徒たちが主体となって活動しています。
部活動
体育局17、文化局13、合わせて30の部と2つの同好会があり、多くの生徒が加入して文武両道を実践しています。関東大会や全国大会で活躍する部も少なくありません。
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水球部:山梨県内で唯一の水球部があることで非常に有名です。常に県内トップレベルの実力を誇り、関東大会や全国大会の常連校としてその名を知られています。水球をやりたい中学生にとっては、憧れの存在です。
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テニス部・バドミントン部・弓道部・陸上部:これらの部活動も伝統的に強く、多くの選手が個人・団体で関東大会以上のレベルで活躍しています。高いレベルで競技に打ち込みたい生徒にとって、最高の環境が整っています。
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文化部:放送部、美術部、写真部、書道部などもコンクールで高い評価を受けており、全国レベルで活躍する生徒もいます。文化的な活動に静かに、しかし熱く打ち込みたい生徒にも多くの選択肢があります。
全体の様子としては、どの部活も目標に向かって真剣に活動している雰囲気が特徴です。指導者が不在の時期に生徒たちだけで練習メニューを考えて活動していた剣道部のエピソードなどもあり、生徒の主体性が部活動にも息づいています。
イベント
甲府東高校の学校行事は、生徒が主役となって作り上げる熱気が魅力です。
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蒼龍祭(そうりゅうさい):毎年6月に行われる文化祭は、東高で最も盛り上がるイベントです。クラスごとの発表や有志のステージ、文化部の展示など、準備期間から生徒たちの熱気に包まれます。生徒が主体となって企画・運営するため、達成感やクラスの団結力は格別なものになるようです。
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体育祭:文化祭と並ぶ大きなイベントで、クラス対抗で様々な競技に全力で取り組みます。応援にも熱が入り、学校全体が一体となる一日です。
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修学旅行:例年、2年生の12月に沖縄へ3泊4日の旅に出かけます。美しい自然や文化に触れ、仲間との絆を深める、高校生活最高の思い出の一つとなっています。
甲府東高等学校の進学実績
甲府東高等学校は、県内でも有数の進学校であり、毎年多くの生徒が国公立大学や難関私立大学への進学を果たしています。ほぼ100%の生徒が進学を希望しており、その期待に応える確かな実績があります。
以下は近年の主な大学合格実績の傾向です。(※人数は過去3年間の合計など、年度により変動します)
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国公立大学:地元の山梨大学や山梨県立大学、都留文科大学へは毎年多数の合格者を出しています。それに加え、東北大学、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学といった首都圏や全国の難関大学にも安定して合格者を輩出。東京大学や東京工業大学といった最難関大学への合格者も出ています。
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難関私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学といったトップレベルの私立大学や、GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)にも毎年多くの生徒が進学しています。
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その他:薬学系や看護医療系の大学・専門学校への進学者も多く、生徒の多様な進路希望に対応しています。
この高い進学実績は、生徒自身の努力はもちろん、学校の手厚いサポート体制によって支えられています。早朝や放課後、休日も利用できる自習室の完備、夏休み中の夏期講座や登校学習会、そして土曜日の課外授業など、生徒が「学びたい」と思った時にいつでも学べる環境が整っています。また、大学の先生を招いて講義を体験する「ミニ大学」や、東京大学などを訪問する機会もあり、早い段階から大学での学びを具体的にイメージできるような取り組みも行われています。
甲府東高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、甲府東高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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「自律」の精神を育む自由な校風
学校から細かく管理されるのではなく、生徒一人ひとりの主体性を尊重する校風が最大の特徴です。この自由な環境の中で、自分で考えて行動する力が自然と身につきます。
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レベルの高い理数コースと本格的な探究活動
理数コースでは、夏休みの宿泊学習会や大学訪問などを通じて、知的好奇心を刺激する学びが展開されます。「東高センス・オブ・ワンダー」と名付けられた課題研究では、生徒が自らテーマを設定し、1年かけて深く探究します。
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世界と地域をつなぐ「グローカル・リーダー」の育成
世界的な視野を持ちつつ、地元山梨の発展にも貢献できる人材の育成を目指しています。英語教育にも力を入れており、ICT教材を活用して「聞く・話す」能力を高めるなど、実践的なコミュニケーション能力を養います。
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生徒が主役となって創り上げる熱い学校行事
文化祭である「蒼龍祭」は、企画から運営までその多くを生徒が担います。自分たちの手で最高のイベントを創り上げる経験は、大きな自信と仲間との強い絆を生み出します。
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万全の進学サポート体制
土曜講座や夏期講習、日常的な補習はもちろん、大学での学びを体験できる「ミニ大学」など、生徒の進路実現を多角的に支えるプログラムが充実しています。
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県内唯一の水球部をはじめとした活発な部活動
全国レベルで活躍する水球部を筆頭に、数多くの部活動が盛んに活動しています。勉強と両立しながら、本気でスポーツや文化活動に打ち込める環境は、まさに「文武両道」を体現しています。
甲府東高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
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良い点
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「とにかく学校生活が楽しい。勉強も行事も部活も全部に全力投球できる雰囲気で、最高の『青春』が送れる」という声が非常に多いです。
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「周りの生徒のレベルが高く、意識の高い友達に刺激されて自分も頑張れる。一緒に勉強する仲間がいるのは心強い」といった、学習環境を評価する声も目立ちます。
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「先生方は質問に行けば親身に教えてくれるし、生徒がやりたいことを応援してくれる」など、先生のサポート体制を評価する意見もあります。
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「制服が可愛いと評判で、毎日着るのが楽しみだった」という声は、男女問わず多く聞かれます。
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「自習室がとても静かで集中できる。席も区切られていて、受験期には毎日通っていた」など、学習設備を評価する声も多いです。
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気になる点
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「校舎や体育館など、施設が全体的に古いのが少し残念」という声は、最も多く聞かれる注意点です。
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「自由な校風は良いところだが、裏を返せば自己管理ができないと流されてしまう。自分から動かないと何も始まらない」という、自主性の重要さを指摘する意見もあります。
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「駅から近いのは便利だが、県内全域から通っているので、家が遠い人は通学だけで疲れてしまうかもしれない」といった通学に関する声もあります。
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「受験で使わない科目の授業では、一部で私語が多くて集中しにくい時があった」という意見も少数ながら見られます。
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アクセス・通学
甲府東高等学校は、複数の駅やバス停から徒歩圏内にあり、交通の便が良い場所に立地しています。
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電車でのアクセス
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JR中央本線 「酒折駅」から徒歩約7分
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JR身延線 「善光寺駅」から徒歩約10分
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バスでのアクセス
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山梨交通・富士急行バス 「酒折の宮」バス停から徒歩約3分
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甲府東高校は全県一学区制のため、甲府市内だけでなく、県内全域から生徒が通学しています。そのため、電車やバスを乗り継いで1時間以上かけて通う生徒も少なくありません。多様な地域から生徒が集まることが、学校の活気にもつながっています。
甲府東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、甲府東高等学校を目指す君にエールを送ります。
甲府東高等学校は、「誰かにやらされる勉強」ではなく「自分でつかみ取る学び」をしたい君にこそ、ぴったりの学校です。高い目標を持つ仲間と切磋琢磨し、勉強も部活も行事も、すべてに全力で打ち込む。そんな充実した3年間を自らの手でデザインしたいと願うなら、ここは最高の舞台になるでしょう。受験勉強では、特に理数コースを目指す人は、中学レベルの数学と英語の基礎を完璧に固めてください。授業の進度は速いので、揺るがない土台が君を助けてくれます。
甲府東高等学校での3年間は、君が「自律」という翼を広げるための時間です。その翼でどこまでも高く飛んでいけるよう、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。