AICJ高等学校は、広島という地にありながら、世界へと続く扉を開くユニークな学びの場です。単なる進学校という枠には収まらない、国際バカロレア(IB)ワールドスクールとしての顔を持ち、グローバル社会で活躍するリーダーを育てることを使命としています。将来、国内だけでなく海外の大学も視野に入れたい、そんな大きな夢を持つ中学生にとって、ここは見逃せない選択肢となるでしょう。
この学校の最大の魅力は、英語を「学ぶ」のではなく、英語「で」学ぶ没入型の教育環境と、生徒一人ひとりの目標に合わせて用意された専門的なコースです。AICJ高等学校が提供する学びは、受け身の授業ではなく、自ら考え、発信する力が求められます。自由な校風の中で、高い目標を持つ仲間たちと切磋琢磨できる環境が、ここにはあります。
この記事では、そんなAICJ高等学校の具体的な姿を、偏差値や進学実績といったデータから、在校生のリアルな声まで、あらゆる角度から徹底的に解説していきます。この学校が持つ独特の文化、そしてそこで得られる唯一無二の経験が、あなたの未来にとって本当に価値あるものなのか。一緒にその答えを探していきましょう。
AICJ高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、正確な情報を把握しておくことはとても大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | AICJ中学・高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒731-0138 広島県広島市安佐南区祇園3丁目1−15 |
代表電話番号 | 082-832-5037 |
公式サイトのURL | https://aicj.ed.jp/ |
AICJ高等学校の偏差値・難易度・併願校
AICJ高等学校の偏差値は、コースによって大きく異なり、広島県内でもトップクラスの学力が求められます。この数字は、学校の学力レベルを客観的に知るための重要な指標です。
-
普通科 IBディプロマコース:
-
普通科 東医コース:
-
普通科 早慶/国立大コース:
IBディプロマコースと東医コースの偏差値は、広島大学附属高校(偏差値76)や広島大学附属福山高校(偏差値77)といった、県内最難関の国立高校に匹敵するレベルです。早慶/国立大コースも偏差値70と非常に高く、合格するには高い学力が必要不可欠です。
合格に必要な内申点の目安としては、自己推薦入試の出願資格の一つに「中学3年時の5教科の評定平均が(25段階評価で23)以上」という基準があることから、非常に高いレベルが求められていることがわかります。これはオール5に近い成績であり、日頃の授業態度や定期テストでの頑張りが合否に直結すると言えるでしょう。
AICJ高等学校の難易度の高さから、受験生は学力レベルの近い他の難関校を併願先に選ぶ傾向があります。主な併願校としては、以下のような学校が挙げられます。
-
広島大学附属高等学校
-
広島大学附属福山高等学校
-
修道高等学校
-
ノートルダム清心高等学校
-
近畿大学附属広島高等学校東広島校
このように、併願校のラインナップを見ても、AICJ高等学校が広島県の高校受験において、最上位層の生徒たちが目指す学校であることがよく分かります。
AICJ高等学校に設置されている学科・コース
AICJ高等学校の最大の特徴は、生徒の進路目標に応じて最適化された3つの専門コースが設置されている点です。どのコースを選ぶかによって、高校生活の学びの内容が大きく変わるため、自分の将来像と照らし合わせて慎重に選ぶ必要があります。
-
IBディプロマコース
-
海外の大学進学を目指す生徒のためのコースです。授業の約9割が英語で行われ、国際的に通用する大学入学資格である「国際バカロレア・ディプロマ」の取得を目指します。高い英語力はもちろん、主体的に議論や探究活動に取り組む姿勢が求められるため、グローバルな環境で自分を試したい人におすすめです。
-
-
東医コース
-
東京大学や京都大学、そして国公立大学の医学部医学科といった、国内最難関の理系学部への進学を目標とするコースです。高度な学力が要求されるのはもちろん、将来、医療や科学の分野で社会に貢献したいという強い意志を持つ生徒に適しています。
-
-
早慶/国立大コース
-
早稲田大学や慶應義塾大学といった難関私立大学や、その他国公立大学への進学を目指します。文系・理系を問わず、国内のトップレベルの大学で学びたい生徒向けのコースです。他の2コースに比べて英語で行う授業の割合は低いですが、それでも高いレベルの学力が求められます。
-
これらのコースは、単にクラスが分かれているだけでなく、教育の哲学そのものが異なります。特にIBコースと国内大学進学を目指す2つのコースとでは、授業スタイルや評価方法が大きく異なるため、AICJ高等学校を志望する際は、「どのコースで学びたいか」を明確にすることが非常に重要です。
AICJ高等学校の特色・校風
AICJ高等学校の雰囲気をキーワードで表すなら、「グローバル」「自主自律」「多様性」「自由」といった言葉がぴったりです。ここでは、学校生活のリアルな姿を、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。
-
宿題の量と学習スタイル
-
宿題の量は比較的少ないという声が多く、その代わりに生徒自身の「自主的な学習」が強く求められます。先生が手取り足取り教えるというよりは、「分からないところは自分で調べ、それでも解決しなければ質問に来なさい」というスタンスです。このため、自分で学習計画を立てて実行できる生徒にとっては、自分のペースで好きなだけ勉強を深められる最高の環境と言えます。一方で、受け身の姿勢でいると、授業についていくのが難しくなる可能性もあります。
-
-
校則(スマホ、服装など)
-
校則は非常に緩やかで、生徒の自主性を尊重する校風が表れています。「髪染めやピアスは禁止」といった最低限のルールはありますが、それ以外は基本的に自由です。スマートフォンの持ち込みや使用についても特に厳しい制限はなく、多くの生徒が休み時間などに活用しているようです。この自由さは、生徒を大人として扱い、信頼していることの表れです。ただし、その自由には「責任」が伴うことを理解し、節度ある行動が求められます。
-
-
生徒たちの雰囲気
-
生徒は全体的に真面目で、学習意欲が高いと言われています。帰国子女や海外経験が豊富な生徒も多く在籍しており、多様なバックグラウンドを持つ仲間たちと交流できるのが大きな魅力です。互いに高い目標を持って切磋琢磨する、知的で刺激的な環境です。一方で、「裕福な家庭の子が多い」という印象を持つ生徒もいるようです。
-
-
アルバイト
-
校則で明確に禁止されているわけではないようですが、学業のレベルが非常に高く、課外授業なども含めると学習時間が長くなるため、アルバイトをしている生徒はほとんどいないと考えられます。学業との両立は現実的に難しいでしょう。
-
-
制服の評判
-
制服については、意見が分かれるようです。「慣れれば気にならない」という声がある一方で、「少しダサいと感じる」といった正直な意見も見られます。男子はブレザーにネクタイ、女子はブレザーにリボンというスタイルです。
-
-
土曜授業
-
平常の土曜授業はありません。ただし、定期試験の期間中などを中心に、月に2回程度、自習室が開放されることがあります。平日は課外授業などで忙しいため、土曜日は自分のペースで学習を進めたり、休息に充てたりする時間として活用されています。
-
AICJ高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、学校生活を彩る部活動やイベントも高校選びの重要なポイントです。AICJ高等学校では、学業を最優先としつつも、生徒がリフレッシュし、仲間との絆を深めるための機会が用意されています。
部活動
AICJ高等学校の部活動は、学業との両立を重視しており、週に2〜3回程度の活動が基本です。部活動への加入は強制ではなく、全体の雰囲気としては、勉強に集中したい生徒が多いことから、いわゆる「文武両道」を掲げる他の進学校と比べると、活動は穏やかかもしれません。口コミの中には「部活は氷河期みたい」という厳しい意見もありますが、これは学業への集中度が高いことの裏返しとも言えます。
-
特に有名な部活動
-
女子サッカー部: 学校の看板とも言える存在で、全国大会に4年連続で出場し、全国ベスト8に入るなど、輝かしい実績を誇ります。高いレベルでサッカーに打ち込みたい女子生徒にとっては、非常に魅力的な環境です。
-
-
その他の部活動
-
運動部: 陸上部、バドミントン部、バスケットボール部、硬式テニス部、ダンス部など、基本的なクラブは揃っています。
-
文化部: 珍しいところではジャズ部があるほか、茶道部、書道部、美術・イラスト部など、文化的な活動も行われています。
-
イベント
AICJ高等学校の生徒たちは、学校行事にも全力で取り組み、大いに楽しむようです。「行事が楽しくて青春」という口コミがあるほど、生徒にとって大切な思い出となっています。
-
体育祭
-
6月に行われる体育祭は、広島サンプラザの屋内アリーナを貸し切って開催されるのが大きな特徴です。天候に左右されず、日焼けの心配もない快適な環境で、生徒たちはクラス対抗で熱い戦いを繰り広げます。保護者も観覧席からゆっくりと応援できると好評です。
-
-
学園祭
-
9月から10月にかけて行われる学園祭は、体育祭と並ぶ大きなイベントです。クラスや部活動ごとに様々な企画や出店があり、学校中が活気に包まれます。生徒の自主性が重んじられる校風の中、仲間と協力して一つのものを創り上げる経験は、大きな成長の機会となるでしょう。
-
-
修学旅行
-
高校2年生(G11)の修学旅行は、アメリカへ行くのが恒例となっており、学校のグローバルな特色を象徴する行事です。ヨセミテ国立公園などを訪れるプログラムは、生徒たちにとって忘れられない体験となるようです。
-
AICJ高等学校の進学実績
AICJ高等学校の教育の成果は、その卓越した大学進学実績に明確に表れています。特に、海外大学への進学者数が突出しているのが最大の特徴です。生徒一人ひとりの目標に合わせたコース設定が、見事に結果に結びついています。
以下は、2024年度入試における主な大学の合格実績です。
-
国公立大学
-
東京大学:1名
-
京都大学:1名
-
国公立大学医学部医学科:4名(広島大学、岡山大学など)
-
その他、全国の国公立大学に多数の合格者を出しています。
-
-
難関私立大学
-
早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科):合計22名
-
GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政):合計9名
-
関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館):合計43名
-
-
海外大学
-
海外大学への合格者数は、合計で73名にものぼります。これは全国的に見ても非常に高い水準であり、IBコースの教育がいかに海外大学進学に強いかを証明しています。ケンブリッジ大学やトロント大学といった世界トップクラスの大学への合格者も輩出しており、まさに「世界への扉」を開く学校と言えるでしょう。
-
-
進学サポート体制
-
こうした高い進学実績を支えているのが、充実したサポート体制です。特に、国内大学進学を目指すコースでは、正課の授業後に希望者が受講できる「課外授業」が用意されています。これにより、生徒は自分の弱点を補強したり、得意科目をさらに伸ばしたりすることが可能です。学校全体で生徒の「もっと学びたい」という意欲に応える姿勢が、高い進学実績の原動力となっています。
-
AICJ高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、AICJ高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。これらのポイントが、この学校の魅力を形作っています。
-
国際バカラオレア(IB)認定校としての確固たる地位
-
世界的に認められた教育プログラムであるIBディプロマを取得できる、数少ない学校の一つです。これにより、海外のトップ大学への進学が現実的な目標となります。
-
-
英語「で」学ぶ、本物のイマージョン教育
-
特にIBコースでは、ネイティブ教員による英語での授業が中心です。単に英語を教科として学ぶのではなく、英語をツールとして思考し、表現する能力が自然と身につきます。
-
-
目標から逆算された3つの専門コース
-
「海外大学」「国内最難関理系」「国内難関大学」という明確な目標に対応したコース設定により、生徒は自分の夢に向かって最短距離で学習を進めることができます。
-
-
「自由と責任」を学ぶ、大人びた校風
-
緩やかな校則に象徴されるように、生徒を子ども扱いせず、一人の人間として尊重します。この自由な環境が、大学や社会で必要とされる自主自律の精神を育みます。
-
-
圧倒的な海外大学への進学実績
-
年間70名以上が海外大学に合格するという実績は、学校のグローバル教育が本物であることの何よりの証明です。世界を舞台に活躍したい生徒にとって、これ以上ない環境です。
-
-
広島市内中心部からの優れたアクセス
-
JR、バス、アストラムラインといった複数の公共交通機関で通学できる利便性の高さも、見逃せないポイントです。広島市内の広範囲から優秀な生徒が集まる理由の一つとなっています。
-
AICJ高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生、保護者からの「生の声」を、良い点と気になる点に分けて公平に紹介します。学校選びの際には、こうしたリアルな評判も参考にすることが大切です。
-
良い点(ポジティブな口コミ)
-
「英語力は確実に、そして飛躍的に伸びる」
-
これは、ほとんどの生徒や保護者が口を揃える最大の魅力です。ネイティブの先生が多く、日常的に英語に触れる機会が豊富なため、自然と高い英語力が身につくようです。
-
-
「自由な校風で、個性を尊重してくれるのが良い」
-
厳しい校則で縛られることなく、のびのびと学校生活を送れる点を評価する声が非常に多いです。自主性を重んじる文化が、生徒の満足度に繋がっています。
-
-
「レベルの高い仲間が多く、刺激的で楽しい」
-
学習意欲の高い生徒が集まっているため、互いに高め合える環境があります。ディスカッションなどを通じて、多様な価値観に触れられることも魅力とされています。
-
-
「先生との距離が近く、フレンドリー」
-
特にネイティブの先生方は気さくで、生徒と良好な関係を築いているようです。質問や相談がしやすい雰囲気があります。
-
-
「体育祭や文化祭などの行事が最高に楽しい」
-
勉強で忙しい毎日だからこそ、学校行事は思い切り楽しむというメリハリのある文化があり、クラスの団結力が強まると評判です。
-
-
-
気になる点(ネガティブな口コミ・注意点)
-
「自主性がないと、ついていけなくなる」
-
自由な校風の裏返しとして、自分で勉強を管理できない生徒は成績が伸び悩む危険性がある、という指摘です。「学校が何とかしてくれる」という受け身の姿勢では厳しい環境のようです。
-
-
「先生の質にばらつきがあるように感じる」
-
ネイティブ教員の評価が高い一方で、一部の日本人教員に対して「熱意が感じられない」「指導力に疑問がある」といった厳しい意見も見られます。
-
-
「施設が手狭で、特に食堂は混雑がひどい」
-
中高6学年が同じ校舎で学ぶため、昼休みの食堂などは非常に混み合うという声があります。施設のキャパシティに関する不満は、複数の口コミで見られました。
-
-
「部活動に真剣に取り組みたい人には向かないかもしれない」
-
女子サッカー部など一部を除き、部活動は学業の息抜きという位置づけが強いようです。高校生活で部活動に全力を注ぎたいと考えている生徒は、物足りなさを感じる可能性があります。
-
-
「鷗州塾グループであることへのネット上の批判が気になる」
-
学校の母体が学習塾であることに対して、ネット上では様々な意見が見られます。これらを「誇大広告」や「胡散臭い」と感じる人もいるようです。
-
-
アクセス・通学
AICJ高等学校は、広島市中心部からのアクセスが非常に良く、通学の利便性が高いことも魅力の一つです。複数の交通手段が利用できるため、市内の様々なエリアから生徒が通っています。
-
JRを利用する場合
-
JR可部線「下祇園駅」で下車し、徒歩約3分です。広島駅からは約13分、横川駅からは約9分と、非常に便利です。
-
-
バスを利用する場合
-
広島バスセンターから乗車し、「今津」バス停で下車、徒歩約5分です。
-
広島交通「中祇園」バス停からは徒歩約1分と、さらに近くなります。
-
-
アストラムラインを利用する場合
-
アストラムライン「西原駅」で下車し、徒歩約10分です。
-
このように、主要な公共交通機関の駅から徒歩圏内にあるため、広島市安佐南区内はもちろん、中区や西区、東区、さらには市外からも多くの生徒が通学しています。
AICJ高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまでAICJ高等学校の様々な側面を見てきましたが、最後に、この学校を目指す皆さんへの応援メッセージを送ります。
AICJ高等学校は、「世界を舞台に活躍したい」という大きな夢を持っている人、そしてその夢のために自ら努力し続けられる人に特におすすめしたい学校です。受け身ではなく、主体的に学ぶ楽しさを知っている人、多様な文化や価値観を受け入れ、仲間と高め合いたいと考える人にとって、ここは最高の環境になるでしょう。自由な校風は、あなたを大人として扱い、成長を促してくれます。
受験勉強においては、何よりも「英語力」が合否を分ける鍵となります。特にIBディプロマコースや東医コースを目指すなら、単に英語のテストで点数が取れるだけでなく、英語で数学の問題を解いたり、自分の意見を表現したりする実践的な力が求められます。目標として、中学卒業までに実用英語技能検定(英検)の準2級以上、できれば2級を取得しておくことが、大きなアドバンテージになるでしょう。AICJ高等学校への挑戦は、決して簡単な道のりではありません。しかし、その先には、あなたの可能性を無限に広げてくれる、刺激的で充実した3年間が待っています。頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。