島根県の豊かな自然に抱かれた地に、キリスト教愛真高等学校はあります。ここは、日本でも数少ない全寮制の小さな高校で、全国から生徒が集まり、共に学び、生活をしています。一般的な高校とは少し違う、ユニークな教育がキリスト教愛真高等学校の魅力です。

この学校の最大の特徴は、生徒一人ひとりと真剣に向き合う少人数教育です。1学年の定員は28名と少なく、全校生徒を合わせても100名に満たない小さな共同体です。この環境だからこそ、生徒と先生、そして生徒同士が深く関わり合いながら、濃密な3年間を過ごすことができます。キリスト教愛真高等学校での生活は、単に勉強を教わるだけでなく、「人は何のために生きるのか」という根源的な問いと向き合い、自分自身の生き方を見つめる貴重な時間となるでしょう。

この記事では、そんなキリスト教愛真高等学校の特色や学校生活の様子、進路についてなど、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しくご紹介します。偏差値だけでは測れない、この学校ならではの価値や魅力に触れてみてください。

キリスト教愛真高等学校の基本情報

キリスト教愛真高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 学校法人キリスト教愛真高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒695-0002 島根県江津市浅利町1826-1
代表電話番号 0855-52-5795
公式サイトURL https://www.aishinhigh.ed.jp/

キリスト教愛真高等学校の偏差値・難易度・併願校

キリスト教愛真高等学校は、その教育の特性上、一般的な学力偏差値で難易度を測ることが難しい学校です。一部の高校情報サイトでは偏差値が36程度と記載されていることもありますが、これはあくまで目安であり、合否は学力だけで決まるわけではありません。

この学校の入試では、学力試験に加えて面接が重視されます。なぜキリスト教愛真高等学校で学びたいのか、全寮制の共同生活の中でどのように成長したいのか、といった生徒自身の考えや意欲が問われます。そのため、偏差値の数字に一喜一憂するのではなく、学校の教育理念への理解を深め、自分自身の言葉で志望動機を語れるように準備することが大切です。

全国から生徒を募集しているため、特定の併願校というものは一概には言えません。受験生の出身地や考え方によって様々です。追加募集の第3期では、他の高校との併願が可能とされています。

キリスト教愛真高等学校に設置されている学科・コース

キリスト教愛真高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。コース制はとられておらず、生徒全員が同じカリキュラムで学びます。

  • 普通科:少人数制のクラスで、基礎学力の定着を重視した授業が行われます。特徴的なのは、単なる受験勉強にとどまらず、「聖書」の授業や平和学習、労働(作業)の時間などがカリキュラムに組み込まれている点です。キリスト教愛真高等学校の普通科は、知識を詰め込むだけでなく、体験的な学びを通して、物事の本質を深く考える力や、他者と協力して生きる力を育みたい生徒におすすめです。

キリスト教愛真高等学校の特色・校風

キリスト教愛真高等学校の校風は、「自主・自立」「共同生活」「平和の探求」といったキーワードで表すことができます。全寮制という環境の中で、生徒たちは互いに支え合い、高め合いながら人間的に大きく成長していきます。

  • 宿題の量:一般的な高校と比較して、特別に多いという情報はありませんが、日々の授業の予習復習に加え、レポート作成など、主体的な学びが求められる場面が多いようです。

  • 校則:校則はありますが、生徒の自主性を尊重する校風です。ただし、寮生活の規律を守ることは重要視されます。特筆すべき点として、携帯電話や漫画の持ち込みは禁止されており、寮監に預ける決まりになっています。これは、情報過多の社会から少し距離を置き、人との直接的な関わりや自分と向き合う時間を大切にするための配慮です。

  • 生徒たちの雰囲気:全国から様々な背景を持つ生徒が集まっているため、多様な価値観に触れることができます。少人数なので、学年を超えて生徒同士の仲が良く、アットホームな雰囲気のようです。

  • アルバイト:全寮制であり、学校生活そのものが学びの場とされているため、アルバイトは許可されていません。

  • 制服:制服はありません。生徒は各自、学校生活にふさわしい服装で過ごしています。

  • 土曜授業:土曜日は基本的に休みですが、学校行事などが行われることもあります。

キリスト教愛真高等学校の部活動・イベント

部活動

キリスト教愛真高等学校には、一般的な高校のような「部活動」という制度はありません。しかし、生徒の自主的な活動が盛んで、音楽や芸術、スポーツなどを楽しむ機会は豊富にあります。

特に音楽活動が盛んで、礼拝で歌う讃美歌だけでなく、生徒たちが自主的に集まって合唱を楽しんでいます。その他にも、ハンドベルや陶芸、ギター、ピアノなどの活動があり、年に数回、全校生徒の前で発表する機会も設けられています。

イベント

キリスト教愛真高等学校では、独自のユニークなイベントが数多く行われます。

  • AAF (Aishin Art Festival):毎年秋に開催される文化祭です。クラスごとの演劇や合唱、バンド演奏、ダンスなどのステージ発表のほか、模擬店や作品展示など、生徒たちが主体となって創り上げる一大イベントです。

  • 平和学習:各学年で平和について学ぶための研修旅行が実施されます。1年生は広島、2年生は呉・大久野島、3年生は沖縄を訪れ、戦争体験者の話を聞くなどして、平和の尊さを学びます。

  • 大山登山:鳥取県にある大山に全校生徒で登る伝統行事です。

  • クリスマス礼拝・祝会:キリストの降誕を祝い、全校で礼拝や祝会を行います。

  • 卒業音楽会・感話会:卒業を前に、3年生が感謝の気持ちを込めて音楽会や感話会を開きます。

キリスト教愛真高等学校の進学実績

キリスト教愛真高等学校では、生徒一人ひとりが「どのように生きるか」という問いと向き合いながら、時間をかけて自分の進路を選択していきます。そのため、特定の大学への進学を目的とするのではなく、生徒それぞれの興味や関心に基づいた多様な進路実績が特徴です。

2024年度の主な進学実績は以下の通りです。

  • 難関私立大学:早慶上理ICUに1名、関関同立に2名が合格しています。

  • 主な進学先:明治学院大学(2名)、立命館大学(1名)、東海大学(1名)などの大学へ進学しています。

  • その他:大学だけでなく、短期大学や専門学校への進学、あるいは就職を選ぶ生徒もいます。過去には教育、医薬、芸術など、幅広い分野への進学実績があります。

進学に向けて、少人数制の利点を活かし、教員が生徒一人ひとりの学習相談にきめ細かく対応しています。また、社会の様々な分野で活躍する方を講師として招く特別授業も多く、生徒が自身の生き方や将来を考えるきっかけとなっています。

キリスト教愛真高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、キリスト教愛真高等学校ならではのユニークな魅力を7つのポイントにまとめました。

  • 日本で一番小さい全寮制高校:1学年約15名、全校生徒50名ほどの小さな共同体で、生徒と教職員が家族のように深く関わり合います。

  • 聖書に基づく人間教育:「人は何のために生きるのか」という根源的な問いを教育の中心に据え、聖書を通して人間としての生き方を探求します。

  • 「作業」という労働の時間:週に2回、米や野菜作り、山林整備、パン焼きなど、全校生徒で労働する「作業」の時間があります。自分たちの生活を自分たちの手で整えることを学びます。

  • 自分たちで作る毎日の食事:朝・昼・夕の3度の食事は、すべて生徒たちが当番制で手作りしています。

  • 情報から離れる環境:生徒は携帯電話やテレビ、漫画のない環境で生活します。人との直接的な対話や、自分自身と向き合う豊かな時間を過ごすことができます。

  • 充実した平和学習:広島、沖縄、韓国などを訪れ、歴史の事実と向き合い、平和を愛する心を育む独自のプログラムがあります。

  • 夕会(ゆうかい):毎日一人の生徒が、全校生徒と教職員の前で自分の思いや考えを語る「夕会」という時間があります。人の話を真剣に聞き、自分の言葉で表現する力が養われます。

キリスト教愛真高等学校の口コミ・評判のまとめ

キリスト教愛真高等学校の在校生や卒業生、保護者からは、そのユニークな教育方針に対して多くの肯定的な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「人間としての芯を作ってくれる学校」という評価が多く見られます。

    • 少人数・全寮制のため、人間関係で逃げることができず、他者と深く関わる力が身につくという声があります。

    • 先生と生徒の距離が近く、一人ひとりへのサポートが手厚い点が評価されています。

    • 情報機器から離れた生活を通して、自分自身と向き合い、本当にやりたいことを見つけられるという意見があります。

    • 食事作りや作業など、共同生活を通して生きる力が身につくと感じている卒業生が多いようです。

  • 気になる点:

    • 全寮制で、携帯電話も使えないなど、厳しい環境だと感じる人もいるかもしれません。

    • 一般的な高校生活(自由なアルバイト、部活動など)をイメージしていると、ギャップを感じる可能性があります。

    • 最寄り駅から距離があるため、交通の便が良いとは言えません。

アクセス・通学

キリスト教愛真高等学校は全寮制のため、生徒は学校敷地内にある寮から徒歩で通学します。

  • 所在地:島根県江津市浅利町1826-1

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • JR山陰本線「浅利駅」から徒歩約46分

    • JR山陰本線「江津駅」から車で約10分

  • 生徒の出身地:生徒は日本全国、そして海外からも集まっています。そのため、特定のエリアから通う生徒が多いという傾向はありません。

キリスト教愛真高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

キリスト教愛真高等学校は、偏差値や学力だけで測れる学校ではありません。この学校が最も大切にしているのは、生徒一人ひとりが自分自身と向き合い、「いかに生きるか」を真剣に考える姿勢です。もしあなたが、大勢の中に埋もれるのではなく、少人数の環境で仲間や先生と深く関わりながら成長したいと願うなら、キリスト教愛真高等学校は最高の場所になるでしょう。

受験勉強においては、基礎的な学力を身につけることはもちろん大切ですが、それ以上に「なぜ愛真で学びたいのか」を自分の言葉で語れるように準備してください。学校のパンフレットや公式サイトを読み込むだけでなく、オープンスクールや学校説明会に積極的に参加し、実際の学校の雰囲気を肌で感じてみることを強くお勧めします。あなたの熱意と誠実な思いが、合格への一番の近道になるはずです。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。