今回ご紹介する八戸工業大学第二高等学校は、青森県八戸市に根ざし、長い歴史の中で多くの卒業生を社会に送り出してきた、地域でもよく知られた私立高校です。
この学校の大きな魅力は、一人ひとりの「なりたい自分」に応えるための多様な選択肢が用意されている点にあります。国公立大学を目指す本格的な進学コースから、美術やデザインの才能を伸ばす専門コース、さらには幅広い進路に対応するコースまで、まるでデパートのように様々な学びのフロアが揃っています。だからこそ、八戸工業大学第二高等学校での3年間は、あなたがどのコースを選び、どう過ごすかによって、全く異なる景色が見えてくるはずです。
この記事では、そんな八戸工業大学第二高等学校のリアルな姿を、進学アドバイザーの視点から、中学生の皆さんや保護者の方々にとって分かりやすい言葉で、余すところなくお伝えしていきます。偏差値や進学実績といったデータはもちろん、学校生活の雰囲気や先輩たちの本音の口コミまで、詳しく解説します。この記事を読み終える頃には、あなたがこの学校でどんな高校生活を送れるのか、きっと具体的にイメージできるようになっているでしょう。
八戸工業大学第二高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校見学や問い合わせの際に役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 八戸工業大学第二高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒031-8505 青森県八戸市大字妙字大開67 |
代表電話番号 | 0178-25-4311 |
公式サイトURL | http://www.kodai2-h.ed.jp/ |
八戸工業大学第二高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校選びで気になるのが、やはり偏差値や難易度ですよね。八戸工業大学第二高等学校はコースによって難易度が大きく異なるのが特徴です。自分の学力や目標に合ったコースを見つけるための参考にしてください。
この学校の偏差値は、最も難易度の高いコースから専門性を重視するコースまで、約20ポイントもの幅があります。これは、八戸工業大学第二高等学校が非常に多様な学力層の生徒を受け入れ、それぞれの目標に合わせた教育を提供しようとしていることの表れです。
学科・コース名 | 偏差値の目安 |
普通科 スーパーカレッジコース | 63 |
普通科 アクティブカレッジコース | 54 |
普通科 カレッジコース | 53 |
普通科 情報ビジネスコース | 42 |
普通科 美術コース | 42 |
難易度のイメージと内申点の目安
偏差値だけでは、具体的な難易度はイメージしにくいかもしれません。そこで、他の高校と比較してみましょう。
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**スーパーカレッジコース(偏差値63)**は、八戸北高校(普通科)や八戸工業高等専門学校(各学科)とほぼ同じレベルです。この地域のトップクラスの公立高校と肩を並べる難易度であり、合格には高い学力が求められます。
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**アクティブカレッジ・カレッジコース(偏差値53〜54)**は、三沢高校(普通科)や八戸聖ウルスラ学院高校(英語科)などが近いレベルになります。公立高校の併願校として多くの受験生が選択する、中心的な学力層のコースです。
内申点については、明確な合格基準は公表されていませんが、一つの重要な目安があります。それは奨学生制度の基準です。推薦選抜における「学業奨学生」の対象となるには、中学校3年間の評定平均が4.0以上であることが条件の一つとなっています。これは、5段階評価で平均して「4」以上を取り続ける必要があるということ。このレベルの成績を収めていると、学校側から学業優秀者として評価される可能性が高いと言えるでしょう。
主な併願校
八戸工業大学第二高等学校は私立高校のため、多くの受験生が公立高校と併願します。特に、偏差値の高いコースを目指す受験生は、以下のような公立高校を第一志望に考えていることが多いようです。
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八戸高校
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八戸北高校
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八戸東高校
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三本木高校
これらのトップレベルの公立高校を目指す生徒にとって、八戸工業大学第二高等学校のスーパーカレッジコースは、万が一の場合に備える重要な選択肢となっています。
八戸工業大学第二高等学校に設置されている学科・コース
この学校の最大の特長とも言えるのが、目的別に細分化されたコース制度です。自分が高校で何をしたいのか、将来どんな道に進みたいのかを考えながら、ぴったりのコースを探してみてください。八戸工業大学第二高等学校には、附属中学校からの内部進学者を対象とした「一貫コース」もありますが、ここでは高校から入学する生徒向けの4つのコースを紹介します。
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進学コース(特別進学クラス 文・理)
国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指すコース。勉強も部活動も本気で取り組みたい、意欲の高い生徒におすすめです。
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総合コース(総合進学クラス・医療クラス・情報クラス)
大学・短大・専門学校への進学から就職まで、幅広い進路に対応できる柔軟なコース。自分の興味に合わせて、医療系や情報系の専門的な学びも選択できます。
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美術コース
絵を描くことやデザインが好きで、美術系の大学や専門学校への進学を本気で目指す人のための専門コース。県内でもトップクラスの実績を誇ります。
八戸工業大学第二高等学校の特色・校風
学校選びでは、勉強や進路だけでなく、3年間を過ごす場所の「雰囲気」もとても大切です。八戸工業大学第二高等学校は、キーワードで表すなら「文武両道」「進学重視」「穏やかな雰囲気」といった言葉が当てはまるでしょう。ここでは、口コミなどを基に、学校生活のリアルな姿を詳しく見ていきます。
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宿題の量や学習サポート
進学コースを中心に、日々の学習習慣を確立するための小テストや課題が計画的に出される傾向があります。特に、ベネッセの教材(GTECやスタディサポートなど)を活用した学習が多く、予習・授業・復習のサイクルを重視しています。放課後講習や長期休暇中のゼミなども充実しており、やる気のある生徒を後押しする体制は整っているようです。
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校則(スマホ、服装など)
校則は「少し厳しい」と感じる生徒が多いようです。例えば、文化祭などの学校行事中はスマートフォンの使用が制限されたり、制服のスカート丈や髪型(ツーブロック禁止など)にも一定の決まりがあったりします。ただ、こうしたルールがあることで、学校の風紀が保たれ、勉強に集中しやすい環境が作られていると捉えることもできます。
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生徒たちの雰囲気
これは、コースによって大きく異なるようです。全体的には「いじめが少なく穏やか」というポジティブな声が多く聞かれます。一方で、特に公立トップ校の併願者が多い進学コース以外のクラスでは、「授業のペースがゆっくりに感じる」という意見もあります。これは、様々な学力や目標を持つ生徒が集まっていることの裏返しとも言えます。個性的な生徒が多く、お互いの「やりたいこと」を尊重し合える雰囲気がある、という声も見られます。
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アルバイト
アルバイトは禁止されていませんが、行う場合は学校への申請が必要です。勉強や部活動との両立を考え、ルールを守って行うことが求められます。
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制服の評判
制服そのものについての強いこだわりや評判はあまり聞かれませんが、着こなしに関するルールはきちんと守る必要があるようです。
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土曜授業
月に1回程度の土曜授業があります。内容は様々ですが、中には「土曜日にわざわざ登校してやることだろうか」と感じる生徒もいるようです。
八戸工業大学第二高等学校の部活動・イベント
勉強漬けの毎日では、高校生活はもったいないですよね。仲間と汗を流したり、一つの目標に向かって協力したりする経験は、一生の宝物になります。八戸工業大学第二高等学校の部活動やイベントについて見ていきましょう。
部活動
運動部・文化部ともに数多くのクラブがあり、活発に活動しています。学校全体としても文武両道を掲げており、多くの生徒が部活動に参加しています。ただし、一部の口コミでは「簡単には辞められない雰囲気がある」という声も聞かれるため、入部する際はよく考えて決めることが大切です。
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特に有名な部活動
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美術部: この学校の看板とも言える部活動です。県のコンクールで最優秀賞を受賞するなど、全国レベルで通用する実力を誇ります。本格的なアトリエなどの設備も整っており、美術系の進路を目指す生徒にとっては最高の環境と言えるでしょう。
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吹奏楽部: 定期演奏会を毎年開催するなど、地域に根差した活発な活動を行っています。高いレベルでの演奏を目指し、日々練習に励んでいます。
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運動部(テニス部、バドミントン部など): 各運動部も県大会や地区大会で上位入賞を果たすなど、熱心に活動しています。高校総体での活躍を目指し、多くの部が切磋琢磨しています。
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イベント
学校生活を彩るイベントも充実しています。クラスの団結力を高め、忘れられない思い出を作る絶好の機会です。
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二高・附属中祭(文化祭): 毎年7月に行われる、学校最大のイベントです。一般公開もされており、各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などで大いに盛り上がります。
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体育祭: 文化祭の前に開催され、軍団(色分けされたチーム)対抗で競い合います。文化祭に向けてクラスや学年の絆を深める重要な行事となっています。
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修学旅行: 高校生活のハイライトの一つ。仲間との共同生活を通じて、普段の学校生活では得られない貴重な経験をすることができます。
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学外学習・ボランティア: ユネスコスクールに認定されていることもあり、SDGsに関連する学習や国際交流、地域でのボランティア活動など、校外での学びの機会も豊富に用意されています。
八戸工業大学第二高等学校の進学実績
高校卒業後の進路は、誰もが気になるところです。八戸工業大学第二高等学校は、多様なコース設定を反映して、国公立大学から私立大学、専門学校、就職まで、非常に幅広い進路実績を誇っています。
最新の大学進学実績(2024年春)
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国公立大学:のべ18名合格
特筆すべきは、弘前大学医学部医学科や筑波大学芸術専門学群といった難関への合格者が出ている点です。その他にも、小樽商科大学、北海道教育大学、青森県立保健大学、山形大学など、北海道・東北地方を中心とした国公立大学にコンスタントに合格者を出しています。また、美術コースの強さを証明するように、秋田公立美術大学に3名が合格しています。
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難関私立大学
日本大学、駒沢大学、北里大学といった全国的に知名度の高い大学や、岩手医科大学、東北医科薬科大学といった難関の医歯薬系大学にも合格者を出しています。美術系では、多摩美術大学や女子美術大学、東京造形大学など、トップクラスの美大への進学実績が光ります。
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その他、進学者が多い進路
最も進学者が多いのは、系列の八戸工業大学で、12名が進学しています。これは、安心して進学できる道が確保されているという点で、生徒や保護者にとって大きな魅力の一つです。また、八戸看護専門学校などの医療系専門学校への進学者も24名と多く、総合コース医療クラスの成果が表れています。さらに、公務員(警察官など)に4名、地元の優良企業を中心に12名が就職しており、多様な出口が用意されていることが分かります。
進学実績を支える取り組み
こうした実績は、単に生徒個人の頑張りだけでなく、学校のサポート体制があってこそです。特に注目したいのは、学校が「入学後の伸び」を重視している点です。公式サイトでは、入学時の学力試験の点数があまり高くなかった生徒が、3年間の学びを経て国公立大学に合格した例が具体的に示されています。これは、放課後講習や学習合宿といった手厚いサポートによって、生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出そうとする学校の姿勢の表れです。
八戸工業大学第二高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、この学校ならではの強みや魅力を5つのポイントに絞ってご紹介します。
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多彩なコース制による「自分メイド」の進路実現
難関大学進学から、医療、情報、美術、就職まで、自分の夢や興味に合わせて最適なコースを選べるのが最大の強みです。高校に入ってからやりたいことを見つけたい人にも、すでにはっきりとした目標がある人にも、ぴったりの道が用意されています。
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県内トップクラスの実績を誇る「美術コース」
全国レベルのコンクールでの受賞実績や、難関美大への高い進学率は、このコースの質の高さを物語っています。専門のアトリエや手厚い指導、遠方の生徒向けの奨学金制度など、本気で美術を志す生徒を全力でバックアップする体制が整っています。
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「ユネスコスクール」認定によるグローバルな学び
2025年にユネスコスクールに正式認定されたことで、SDGs(持続可能な開発目標)や国際平和、異文化理解といった、これからの社会で不可欠なテーマについて学ぶ機会が豊富にあります。世界とつながる視野を高校時代から養うことができます。
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入学後の「伸び」を証明する手厚い進学サポート
「今の成績では難関大学は無理かも…」と不安に思っている人でも、諦める必要はありません。入学時の学力から、どれだけ生徒を成長させられるかという「付加価値」を大切にしており、そのための学習合宿や放課後講習などのサポート体制が充実しています。
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八戸工業大学への内部進学という安心の選択肢
系列大学である八戸工業大学への進学の道が用意されていることは、大きな安心材料です。特に理系分野に興味がある生徒にとっては、確実な進路の一つとして視野に入れることができます。
八戸工業大学第二高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた「本音」を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びのリアルな参考情報として、ぜひ役立ててください。
良い点
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「いじめの話はほとんど聞かず、全体的に穏やかな雰囲気なので、安心して学校生活を送れる」という声が非常に多いです。安心して過ごせる環境は、何よりの魅力です。
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「美術コースは本当にすごい。先生の指導は熱心だし、設備も整っている。美大を目指すならここしかないと思う」と、美術コースの充実ぶりを絶賛する声が多数あります。
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「先生は生徒のやる気に応えてくれる。自分から質問に行ったり、相談したりすれば、親身になってサポートしてくれる先生が多い」という意見も。主体的に動ける生徒にとっては、良い環境のようです。
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「推薦で大学に行きたい人には有利だと思う。ボランティア活動なども盛んなので、推薦入試でアピールできる経験を積みやすい」という、進路選択の幅広さに関する声もあります。
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「ユニークで面白い友達がたくさんできる。行事も盛り上がるし、楽しい高校生活が送れる」といった、学校生活の充実度に関するポジティブな口コミも見られます。
気になる点
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「先生によって教え方のレベルに差がある。分かりやすくて面白い授業もあれば、雑談が多かったり、プリントを配るだけで終わったりする授業もある」という、指導の質に関する指摘は少なくありません。
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「上位の進学コースでないと、授業の進度が遅く感じることがある。もっと高いレベルで勉強したい生徒には、物足りなく感じるかもしれない」という、コース間の学力差に関する意見です。
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「校則が少し厳しい。特にスマホの扱いや髪型については、もっと自由でも良いのにと思うことがある」という、ルールに対する不満の声も一部で見られます。
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「『自称進学校』という言葉がぴったり。学校側は進学実績を強調するが、生徒全体の意識がそこまで高くないように感じる時がある」という、学校と生徒の意識のギャップを指摘する声もあります。
アクセス・通学
八戸工業大学第二高等学校は、八戸市郊外の国道45号線沿いに位置しています。通学手段は、多くの生徒にとってバスが中心となります。
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最寄り駅からのアクセス
JR八戸線の最寄り駅は「白銀駅」や「陸奥湊駅」ですが、駅から学校までは距離があるため、徒歩での通学は現実的ではありません。駅からタクシーを利用するか、バスに乗り換える必要があります。
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バスでのアクセス
多くの生徒が利用するのが路線バスです。八戸市の中心街や「本八戸駅」から、八戸市営バスまたは南部バスの「工業大学」行き、あるいは「階上」方面行きのバスに乗車し、「工業大学前」バス停で下車します。「本八戸駅」からの所要時間は約35分です。
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スクールバス
学校独自のスクールバスも運行されています。八戸市内だけでなく、周辺の市町村からも広範囲にわたってルートが設定されているため、遠方から通学する生徒にとっては非常に重要な足となっています。運行ルートや時刻表は、学校説明会などで必ず確認しましょう。
通学エリアは、八戸市内全域はもちろん、階上町、三戸郡、さらには岩手県北部など、非常に広範囲にわたっています。これは、スクールバス網が充実していることや、専門性の高い美術コースが地域外からも生徒を惹きつけているためと考えられます。
八戸工業大学第二高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、八戸工業大学第二高等学校を目指す君たちに、心からのエールとアドバイスを送ります。
この学校は、特に「高校でこれをやりたい!」というはっきりとした目標を持っている君に、強くおすすめします。それが難関大学への合格でも、大好きな美術の腕を磨くことでも、あるいは医療の道に進むための基礎を学ぶことでも構いません。八戸工業大学第二高等学校には、君の「やりたい」を全力で応援してくれるコースと環境が整っています。逆に、まだ夢が見つかっていない君も、心配はいりません。多様な仲間や活動に触れる中で、きっと自分の進みたい道が見つかるはずです。大切なのは、与えられるのを待つのではなく、自らチャンスを掴みにいく姿勢です。
受験勉強に向けて、まず君がすべきことは、どのコースが自分に合っているかを真剣に考えることです。君の高校生活の満足度は、この最初の選択で大きく変わってきます。学力試験では、苦手科目を作らず、全教科でバランス良く得点する力を養いましょう。美術コースを希望するなら、課題の「手のデッサン」を徹底的に練習してください。そして、面接では「なぜ八戸工業大学第二高等学校で学びたいのか」「この学校で何を成し遂げたいのか」を、自分の言葉で熱く語れるように準備しておきましょう。君の挑戦を、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。