兵庫県立北須磨高等学校は、ただ大学進学を目指すだけでなく、生徒一人ひとりが自らの手で未来を設計していく力を育む場所です。最大の特徴である「単位制」は、生徒の自主性を尊重し、学問と部活動を高いレベルで両立させる「文武両道」の精神を創立以来の伝統として受け継いでいます。高校生活を通じて、自分だけの時間割を作り、目標に向かって主体的に学ぶ経験は、将来の大きな財産となるでしょう。
この学校の魅力は、自由な学習環境だけではありません。落ち着いた雰囲気の中で真剣に学業に打ち込む仲間たちと、9割以上の生徒が参加する活気あふれる部活動。その両方が、北須磨高等学校の充実した日常を形作っています。真面目で誠実な生徒が多く、互いに良い影響を与え合いながら成長できる環境は、他の学校にはない大きな特長と言えるでしょう。
この記事では、そんな兵庫県立北須磨高等学校の偏差値や具体的な学校生活、在校生や卒業生のリアルな声まで、あなたが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすくお伝えしていきます。この記事を読み終える頃には、北須磨高校があなたにとって最高の選択肢となり得るか、きっと見えてくるはずです。さあ、一緒にその扉を開けてみましょう。
北須磨高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。進路を考える上での第一歩です。
項目 | 情報 |
正式名称 | 兵庫県立北須磨高等学校 |
公立/私立 | 公立 |
男女の別 | 共学 |
所在地 | 〒654-0142 兵庫県神戸市須磨区友が丘9丁目23番 |
電話番号 | 078-792-7661 |
公式サイト | https://dmzcms.hyogo-c.ed.jp/kitasuma-hs/NC3/ |
北須磨高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校選びで最も気になるのが、やはり学力レベル。ここでは、北須磨高等学校の偏差値や合格の目安について具体的に見ていきましょう。
北須磨高等学校の普通科の偏差値は、おおよそ62から63とされています。これは兵庫県内の公立高校の中でも上位に位置し、受験生全体の上位約20%以内に入る学力が求められるレベルです。同じくらいの偏差値の高校としては、御影高等学校や市立葺合高等学校などが挙げられ、これらの学校と並んで人気の高い進学校です。
合格を勝ち取るためには、入試当日の学力試験の点数だけでなく、中学校での成績である「内申点」も非常に重要になります。一般選抜における内申点の目安は、250点満点中208点程度と言われています。これは、主要5教科だけでなく、音楽や美術、体育などの副教科もしっかりと頑張る必要があることを示しています。もちろん、これはあくまで目安であり、当日の試験で高い得点を取ることができれば、多少内申点が足りなくても逆転合格の可能性は十分にあります。
兵庫県の公立高校入試は、複数の学校を志願できる「複数志願選抜」が採用されていますが、私立高校を併願して万全の態勢で臨む受験生がほとんどです。北須磨高等学校を第一志望とする受験生がよく選ぶ併願校としては、以下のような私立高校が挙げられます。
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須磨学園高等学校
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滝川第二高等学校
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滝川高等学校
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神戸龍谷高等学校
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神戸学院大学附属高等学校
これらの私立高校は、それぞれ特色あるコースを設置しており、万が一の場合の進学先としてだけでなく、自分の可能性を広げる選択肢としても魅力的です。
北須磨高等学校に設置されている学科・コース
北須磨高等学校の最大の特徴は、その柔軟なカリキュラムにあります。どのような学び方ができるのか、詳しく見ていきましょう。
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普通科(単位制)
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1年次は芸術科目以外は全員が同じ授業を受け、基礎学力を徹底的に固めます。2年次からは、生徒一人ひとりが自分の進路希望や興味関心に合わせて、膨大な選択科目の中から自分だけの時間割を作成します。その組み合わせは240通り以上にも及び、まさにオーダーメイドの学びが可能です。将来の夢がはっきりしている人、自分のペースで効率よく受験勉強を進めたい人に特におすすめです。
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この単位制は、単に大学受験に有利というだけではありません。「自ら考え、自ら選び、自ら学ぶ」というプロセスを通じて、生徒の自主性や主体性を育むことを大きな目的としています。高校時代にこの経験をすることは、大学進学後や社会に出てからも役立つ、かけがえのない力となるでしょう。
北須磨高等学校の特色・校風
どんな雰囲気の学校で、どんな毎日を送ることになるのか、中学生の皆さんにとっては一番気になるところかもしれません。口コミや評判を基に、北須磨高等学校のリアルな姿に迫ります。
学校全体の雰囲気を表すキーワードは、「真面目」「落ち着いた雰囲気」「文武両道」「自主自立」です。
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宿題の量
口コミを見ると、「課題はとても多い」という声と、「中学校と同じくらいで、計画的にやれば問題ない」という声の両方があります。これは、単位制で選択する科目によって課題の量が変わることや、部活動との両立の状況によって感じ方が異なるためだと思われます。ただ、全体的には、日々の学習習慣を確立させようという学校の方針がうかがえ、真面目に取り組む生徒が多いようです。
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校則(スマホ、服装など)
校則は、厳しすぎず、緩すぎず、比較的穏やかなようです。スマートフォンの校内への持ち込みは許可されていますが、授業中に使用すると反省文などの指導があるようです。服装については、頭髪の染色やピアスは禁止されていますが、髪型自体は比較的自由です。制服は創立50周年を機に新しくなり、ブレザータイプで「デザインがおしゃれで可愛い」と在校生からの評判は非常に良いようです。セーターの色が選べるなど、ちょっとした個性を出すこともできます。
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生徒たちの雰囲気
「真面目で素直な生徒が多い」「常識的で優しい友達に恵まれた」という声が多数を占めます。落ち着いて勉強に集中したい生徒にとっては、非常に良い環境と言えるでしょう。一方で、「少し地味でおとなしい雰囲気」「いわゆる『キラキラした高校生活』をイメージしていると、少し違うかもしれない」という意見もあります。これは、学校の持つ「真面目さ」が、ある人には居心地の良さとして、別の人には物足りなさとして映るということでしょう。自分自身が高校生活に何を求めるかを考える上で、重要なポイントです。
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アルバイト
アルバイトについては、原則として禁止されていることが多いようです。学業と部活動に力を入れる校風を考えると、時間的にも両立は難しいかもしれません。
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制服の評判
前述の通り、2022年度から一新された制服は、生徒から非常に好評です。特に冬服のブレザーや選べるセーターが人気で、制服が志望校を決める一因になったという声もあるほどです。
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土曜授業
基本的に土曜授業はありません。その代わり、平日の授業が1コマ55分間となっており、標準的な50分授業の学校に比べて、週あたりにすると約3コマ分多い授業時間を確保しています。これにより、土日は部活動や自分のための勉強、休息にしっかりと時間を使うことができます。
北須磨高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、仲間と共に何かに打ち込む時間も高校生活の醍醐味です。北須磨高等学校の活気ある部活動と、盛り上がる学校行事を紹介します。
部活動
北須磨高等学校では、生徒の90%以上が部活動に加入しており、まさに「文武両道」を実践しています。多くの部が県大会や近畿大会、さらには全国大会で活躍しています。
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特に実績豊富な部活動
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放送委員会:放送部の活動は全国レベルで知られており、NHK杯全国高校放送コンテストでは毎年のように上位入賞を果たしています。アナウンスや朗読、番組制作など、声や言葉で表現することに興味がある人には最高の環境です。
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美術部:近年、全国高等学校総合文化祭への出場を果たすなど、高い創作レベルを誇ります。落ち着いた環境で、じっくりと作品制作に打ち込めます。
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水泳部:個人種目で全国大会に出場する選手を輩出するなど、伝統的に強豪として知られています。
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陸上競技部:近畿大会の常連であり、多くの選手が活躍しています。
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吹奏楽部:部員数も多く、コンクールでの受賞歴も豊富な人気の部活動です。地域のイベントなどでも演奏を披露しています。
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書道部:全国大会で賞を受賞するなど、文化部の中でも特に高い実績を誇ります。
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運動部、文化部ともに非常に充実しており、選択肢が豊富なため、高校から新しいことに挑戦したいという生徒も自分に合った部を見つけやすいでしょう。
イベント
学校全体が一体となって盛り上がる行事は、最高の思い出になります。
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文化祭(北須磨祭)
6月に行われる北須磨祭は、学校最大のイベントの一つです。1年生はクラス対抗の合唱コンクール、2年生は趣向を凝らしたゲームなどの模擬店、そして3年生は食べ物の屋台を出店するのが伝統です。特に3年生の食品模擬はクオリティが高く、毎年長蛇の列ができます。体育館のステージでは、吹奏楽部やダンス部などのパフォーマンスや、有志によるバンド演奏、お笑いライブなどが繰り広げられ、2日間にわたって大きな熱気に包まれます。
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体育大会
秋に開催される体育大会は、クラスの団結力が試される一日です。名物競技である「騎馬戦」は男女ともに行われ、迫力満点です。部活動のユニフォームを着て走る「部活動対抗リレー」も大きな見どころの一つで、運動部だけでなく文化部もそれぞれのプライドをかけて全力で走ります。
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修学旅行
2024年度からは、行き先が台湾への海外修学旅行となりました。異文化に触れ、国際的な視野を広げる貴重な機会となっています。
北須磨高等学校の進学実績
高校3年間の学びの集大成である大学進学。北須磨高等学校の生徒たちがどのような未来を掴んでいるのか、最新の進学実績を見ていきましょう。
北須磨高等学校は、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しており、安定して高い進学実績を誇っています。
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国公立大学
2024年度には、合計で102名の現役合格者を出しています。主な合格先としては、地元の神戸大学(5名)や兵庫県立大学(24名)はもちろん、大阪大学(3名)、東北大学(1名)、北海道大学(1名)といった旧帝国大学にも合格者が出ています。その他、岡山大学(5名)や神戸市外国語大学(11名)など、全国の国公立大学に幅広く進学しています。
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難関私立大学
私立大学では、特に関西の難関大学群である「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)に圧倒的な強さを見せており、2024年度は合計で284名もの合格者を出しています(合格者数は延べ人数)。また、首都圏の「早慶上理」(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学)にも8名の合格者を出すなど、全国の難関大学が視野に入ります。
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進学サポート
こうした高い進学実績を支えているのが、北須磨高等学校ならではのサポート体制です。最大の強みは、やはり「単位制」のカリキュラムそのものです。2年次から自分の志望校の受験科目に特化した時間割を組めるため、無駄なく効率的に学習を進めることができます。また、夏休みなどの長期休暇中には進学補習や講習が開かれ、受験に向けた実戦力を養います。職員室前には質問スペースが設けられており、気軽に先生に相談できる環境も整っています。
北須磨高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、北須磨高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめて紹介します。
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自分だけの学びを設計できる「単位制」
最大の特長である単位制により、2年次からは240通り以上もの組み合わせから自分だけの時間割を作成できます。進路目標に直結した科目をとことん探究することで、夢の実現を最短距離で目指せます。
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大学の講義を一足先に体験できる「大学連携」
兵庫県立大学や神戸市外国語大学といった近隣の大学と連携しており、高校にいながら大学の講義を受講し、単位を修得することが可能です。学問への興味を深め、進路意識を高める絶好の機会です。
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グローバルな視点を育む「ユネスコスクール」
ユネスコが推進する理念を実現する「ユネスコスクール」に認定されており、ESD(持続可能な開発のための教育)に力を入れています。環境問題や国際協力などをテーマにした探究活動を通じて、世界で活躍するための視野を広げます。
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9割以上が打ち込む「活気ある部活動」
生徒の9割以上が部活動に所属し、勉強と両立しながら青春を謳歌しています。放送委員会や美術部のように全国レベルで活躍する部も多く、仲間と共に目標に向かって努力する経験は、大きな成長につながります。
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落ち着いて学べる「真面目で穏やかな校風」
派手さはありませんが、真面目で心優しい生徒が多く、落ち着いた環境でじっくりと勉強に集中できます。「良い友達に恵まれた」という声が非常に多く、安心して3年間を過ごせる人間関係を築きやすいのが魅力です。
北須磨高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生の「生の声」は、学校選びの貴重な参考になります。ここでは、様々な口コミを公平にまとめました。
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良い点
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「学習環境が整っている」という声が最も多く聞かれます。自習スペースが充実しており、真面目な生徒が多いため、自然と勉強する雰囲気になるようです。
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「素敵な友達ができた」という評判も非常に多いです。穏やかで常識的な生徒が多く、いじめなどもほとんど聞かれないため、安心して学校生活を送れるという意見が目立ちます。
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「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」など、教員のサポート体制を評価する声もあります。
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「部活動が本当に楽しい」「行事が盛り上がる」など、勉強以外の学校生活の充実度を挙げる生徒も多いです。
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気になる点
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「課題が多い」「勉強が大変」という声は、やはり一定数あります。特に、高いレベルの部活動と両立しようとすると、かなりの努力が求められるようです。
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「単位制なのでクラスの団結力は少し弱いかも」という意見もあります。授業ごとに教室を移動するため、一日中同じメンバーで過ごすわけではないことが理由のようです。その分、部活動や委員会でのつながりが強くなる傾向があります。
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「良くも悪くも真面目な学校」という評価もあります。活発で賑やかな高校生活をイメージしている生徒にとっては、「少しおとなしい」「地味だ」と感じることがあるかもしれません。
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「駅から坂道が続くのが少し大変」といった、通学に関する物理的な負担を挙げる声も少数ながら見られます。
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アクセス・通学
毎日のことだから、通学のしやすさも大切なポイントです。
北須磨高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。
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最寄り駅:神戸市営地下鉄 西神・山手線「名谷駅」
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名谷駅からのアクセス:
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徒歩:駅から南へ約12分〜15分(距離約1km)。健康のために歩く生徒も多いようです。
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バス:名谷駅前のバスターミナルから、神戸市バスまたは山陽バスの15系統「青山台」行きに乗車し、「北須磨高校前」バス停で下車。バス停は学校の目の前です。
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注意点:同じ15系統でも「神戸医療センター前」経由のバスは北須磨高校を通りません。乗車時に必ず「北須磨高校前経由」であることを確認してください。
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通学している生徒は、地下鉄沿線の須磨区、垂水区、西区、長田区など、神戸市内の広範囲から集まっているようです。
北須磨高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、北須磨高等学校を目指す君にエールを送ります。
北須磨高等学校は、「自分で自分の道を切り拓きたい」と考える、自立心旺盛な生徒に特におすすめの学校です。誰かに与えられた道を歩くのではなく、自分の興味や目標に向かって主体的に学びたい、そして、真剣な勉強と本気の部活動、その両方を手に入れたい。もし君がそんな熱い想いを持っているなら、北須磨高等学校での3年間は、間違いなく君を大きく成長させてくれるはずです。
受験勉強では、まず中学校の成績、つまり内申点をしっかり確保することに全力を注いでください。特に副教科も手を抜かず、日々の授業と提出物を大切にしましょう。その上で、入試本番に向けては、苦手科目の克服はもちろん、得意科目をさらに伸ばす意識が大切です。北須磨高等学校の単位制は、君の「好き」や「得意」を未来につなげるためのシステムです。入試でもそのポテンシャルを示せるよう、最後まで諦めずに頑張ってください。君の挑戦を心から応援しています。
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。