岐阜県立大垣北高等学校は、西濃地区だけでなく岐阜県全体でもトップクラスの進学校として、高い目標を持つ多くの中学生が憧れる場所です。しかし、その魅力は単に高い学力や進学実績だけにとどまりません。真剣に学問と向き合う緊張感の中にも、生徒たちが主体となって創り上げる活気ある学校行事や、互いに高め合える仲間との温かい交流があり、「勉強も青春も、どちらも全力で楽しみたい」と願う君にとって、最高の環境が整っています。
この場所が特別なのは、生徒一人ひとりの自主性を信じ、大きな裁量を与えてくれる校風にあります。厳しい学習課題を乗り越える中で生まれる深い友情、美しいモダンな校舎で過ごす充実した毎日、そして、将来の夢へと力強く羽ばたくための確かな学力。これらすべてが、大垣北高等学校での3年間で得られるかけがえのない宝物です。
この記事では、そんな大垣北高等学校がどんな場所なのか、受験を考える君と保護者の方々が本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。偏差値や進学実績といったデータはもちろん、学校生活のリアルな様子や先輩たちの声まで、深く掘り下げてご紹介します。この記事を読み終える頃には、きっと「この学校で高校生活を送りたい」という君自身の未来像が、より鮮明になっているはずです。
大垣北高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、正確な情報を把握しておくことはとても大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 岐阜県立大垣北高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒503-0017 岐阜県大垣市中川町4-110-1 |
代表電話番号 | 0584-81-2244 |
公式サイトURL | https://school.gifu-net.ed.jp/ogkkita-hs/ |
大垣北高等学校の偏差値・難易度・併願校
大垣北高等学校を目指す上で、最も気になるのが偏差値や難易度でしょう。ここでは具体的な数字と共に、合格を勝ち取るために何が必要なのかを解説します。
偏差値と難易度
大垣北高等学校の偏差値は、各種の調査で「67〜69」とされており、岐阜県内の公立高校では最上位グループに位置します。これは、岐阜高校や多治見北高校などと並ぶ、県内屈指の難易度であることを示しています。
しかし、この高い偏差値以上に合格の鍵を握るのが「内申点」です。合格者の多くは、中学3年間の内申点の合計が45点満点中「40点以上」、安全圏としては「42点前後」を獲得している傾向があります。これは、主要5教科だけでなく、技能4教科を含めた9教科すべてで、ほとんど「5」の評価を安定して取り続ける必要があることを意味します。一夜漬けの勉強では決して届かないこの数字は、中学1年生の時から授業に真剣に取り組み、提出物を丁寧仕上げ、定期テストで着実に高得点を重ねる、といった日々の地道な努力の積み重ねがいかに重要かを示しています。大垣北高等学校は、単に試験の点数が高い生徒だけでなく、真面目で継続的な努力ができる、人間的にも成熟した生徒を求めていると言えるでしょう。
主な併願校
岐阜県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、大垣北高等学校を受験する生徒の多くは、滑り止めとして以下の私立高校を併願するケースが一般的です。
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大垣日本大学高等学校(普通科 特別進学コース / アカデミーコース)
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鶯谷高等学校(普通科 英進Ⅰ類 / 英進Ⅱ類)
これらの私立高校も高いレベルにあり、それぞれのコースの特色をよく理解した上で、万が一の場合の進学先として納得できる学校を選ぶことが大切です。
大垣北高等学校に設置されている学科・コース
大垣北高等学校の学びの基本は、大学進学に特化したカリキュラムにあります。どのような学科・コースが設置されているのか見ていきましょう。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心にハイレベルな学力を養成します。2年生からは、生徒一人ひとりの進路希望に合わせて「文系」と「理系」に分かれ、より専門的な学習を深めていきます。
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どんな生徒におすすめか:将来の夢や目標が明確で、その実現のために高いレベルの大学で学びたいと考えている人。知的好奇心が旺盛で、難しい課題にも粘り強く取り組める人におすすめです。
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大垣北高等学校の特色・校風
大垣北高等学校の最大の魅力の一つが、その独特の校風です。キーワードは「文武両道」「自主自律」「切磋琢磨」。生徒たちは高い目標に向かって真剣に勉強する一方で、学校行事や部活動にも全力で打ち込みます。
宿題・課題について
宿題の量については、「噂通り多い」「長期休暇の課題は特に大変」という声が多く聞かれます。授業の進度も速く、予習を前提に進む科目もあるため、日々の学習習慣が非常に重要になります。しかし、多くの在校生は「計画的に取り組めばきちんと終えられる量」とも話しており、自己管理能力を養う良い機会と捉えているようです。
校則について(スマホ・服装など)
校則は、県内トップクラスの進学校としては比較的「緩やか」だと言われています。これは、生徒一人ひとりを大人として扱い、その自主性と良識を信頼していることの表れです。
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スマホ:休み時間中の使用は基本的に自由で、授業中に調べ物などで使用が許可されることもあります。この自由さは、生徒が自らを律する力を育む土壌となっています。
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服装:制服は伝統的なブレザースタイルで、清楚な印象です。令和7年度からは新しい制服も選択できるようになりました。着こなしについては、常識の範囲内での指導はありますが、厳しすぎるということはないようです。
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アルバイト:原則として許可されていません。学業と部活動、学校行事で非常に多忙なため、時間的にも難しいのが実情です。
生徒たちの雰囲気
「真面目で勉強熱心な生徒が多い」というのはもちろんですが、それだけではありません。「周りのレベルが高く、常に刺激を受けられる」「分からないことがあれば、友達でも先生でも親身に教えてくれる」といった声が多く、お互いを尊重し、高め合おうという「切磋琢磨」の精神が根付いています。行事の時には一転して全力ではしゃぐなど、オンとオフの切り替えが上手な生徒が多いのも特徴です。
土曜授業
土曜日には、模擬試験や進路実現のための特別講座などが実施されることがあります。平日の授業を補い、より高い学力を身につけるための貴重な時間となっています。
大垣北高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動や学校行事も高校生活を彩る大切な要素です。大垣北高等学校では、これらの活動も非常に盛んです。
部活動
運動部13、文化部12と、多種多様なクラブが存在し、1年生は全員加入が原則です。限られた時間の中で効率的な練習を工夫し、多くの部が素晴らしい実績をあげています。
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自然科学部:特に「オオサンショウウオ班」の活動は全国的に有名です。国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの生態調査や保護活動に取り組み、その研究成果は「日本学生科学賞」で最高賞である内閣総理大臣賞を受賞するなど、極めて高い評価を受けています。大学や地域と連携し、研究成果を基にした商品を開発するなど、高校生の活動の枠を超えた本格的な探究活動を展開しています。
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野球部:強豪校として知られるだけでなく、地域貢献活動にも積極的です。部活動の一環として「ベースボールラボ」と名付けた野球教室を企画し、地元の小学生たちに野球の楽しさを伝える活動を行っています。スポーツを通じて社会と繋がる貴重な経験を積んでいます。
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吹奏楽部:人数の多さを活かした迫力のある演奏が魅力で、コンクールでの上位入賞を目指し、日々練習に励んでいます。先輩・後輩の仲が良く、活気あふれる雰囲気です。
イベント
生徒会が中心となって企画・運営する行事が多く、生徒たちの自主性が存分に発揮されます。
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北高祭(ほっこうさい):毎年9月に行われる文化祭と体育祭を合わせた学校最大のお祭りです。クラスごとに趣向を凝らしたお化け屋敷や演劇、映像作品などを発表するほか、門や折鶴アートといった巨大な制作物も伝統となっています。有志によるバンド演奏やコンサートも大変な盛り上がりを見せ、学校全体が熱気に包まれる2日間です。
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修学旅行:2年生の時に、沖縄へ3泊4日の旅に出ます。単なる観光旅行ではなく、平和祈念公園やひめゆりの塔を訪れるなど、沖縄の歴史と文化を深く学ぶ平和学習としての側面が強いのが特徴です。事前学習を重ね、現地での体験を通じて、平和の尊さについて考えを深めます。
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その他の行事:春と秋の球技大会、冬の風物詩である凧揚げ大会、中庭をイルミネーションで彩るウィンターイベントなど、季節ごとに多彩な行事が用意されており、一年を通じて充実した学校生活を送ることができます。
大垣北高等学校の進学実績
西濃地区のトップ進学校として、大垣北高等学校は毎年輝かしい大学進学実績を誇っています。生徒たちの努力が、どのような形で実を結んでいるのかを見ていきましょう。
最新の大学合格実績(2025年主要大学抜粋)
卒業生約320名のうち、国公立大学へは毎年200名以上が合格しており、非常に高い進学率を維持しています。
大学群 | 主な大学名 | 2025年度合格者数(既卒含む) |
最難関国公立大学 | 東京大学 | 1名 |
京都大学 | 4名 | |
国公立大学医学部医学科 | (岐阜大学、滋賀医科大学など) | 5名 |
難関私立大学(早慶上理) | 早稲田大学、慶應義塾大学など | 22名 |
難関私立大学(GMARCH) | 明治大学、中央大学など | 40名 |
難関私立大学(関関同立) | 同志社大学、立命館大学など | 235名 |
進学実績を支える取り組み
この高い進学実績は、生徒個人の頑張りはもちろん、学校の強力なサポート体制によって支えられています。
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進路目的別補習・土曜特別講座:難関国公立大学や医学部など、生徒それぞれの志望校のレベルに合わせた少人数制の補習や、土曜日を活用した特別講座が数多く開講されています。これにより、自分の弱点を克服し、得意分野をさらに伸ばすことができます。
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添削指導などの個別指導:論文や記述式の問題に対して、先生方が丁寧に添削指導を行ってくれます。一人ひとりの答案にじっくり向き合い、論理的な思考力や表現力を徹底的に鍛え上げます。
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大北サポーター制度:卒業生である現役の大学生が「サポーター」として来校し、後輩たちの学習相談や質問に答えてくれる制度があります。年齢の近い先輩からのアドバイスは、受験勉強の大きな助けとなります。
大垣北高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、大垣北高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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世界と地域をつなぐ本格的な探究学習「SD探究」
1年生では地域(大垣市)、2年生では世界を舞台に、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした探究活動を全員が行います。大学教授から指導を受ける機会もあり、課題発見能力や論理的思考力、プレゼンテーション能力を実践的に養います。
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全国レベルで活躍する部活動
内閣総理大臣賞を受賞した自然科学部のように、興味のあることをとことん突き詰められる環境があります。学問だけでなく、部活動においても本物志向の学びが実践されています。
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美しく機能的なモダンな校舎
多くの在校生や卒業生が自慢に挙げるのが、明るく開放的な校舎です。特に3階まで吹き抜けになったアトリウムは圧巻で、生徒たちの知的好奇心を刺激し、快適な学習環境を提供しています。
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ユネスコスクールとしてのグローバルな視点
ユネスコが認める、平和や国際的な連携を実践する学校です。この理念が「SD探究」や海外研修といったプログラムの根幹にあり、生徒たちは自然とグローバルな視野を身につけていきます。
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生徒を信頼する「自主自律」の校風
校則が比較的緩やかであることに象徴されるように、学校が生徒を信頼し、大きな自由を与えています。この「自由と責任」の環境が、生徒たちの自律性を育み、大学や社会で活躍するための土台を築きます。
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生徒が主役の熱気あふれる学校行事
「北高祭」をはじめとする多くの行事が、生徒会を中心に企画・運営されます。自分たちの手で最高の思い出を創り上げる経験は、リーダーシップや協調性を育み、強い絆を生み出します。
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夢を実現させる手厚い進路サポート
早朝や放課後、土曜日に行われる多彩な補習・講習に加え、卒業生の大学生によるサポートなど、第一志望合格に向けた盤石の体制が整っています。
大垣北高等学校の口コミ・評判のまとめ
実際に通っている在校生や卒業生は、学校生活をどのように感じているのでしょうか。リアルな声を公平にまとめてみました。
良い点
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「最高の仲間に出会える場所」という声が圧倒的に多いです。レベルの高い仲間たちと、勉強や行事を通じて切磋琢磨し、苦楽を共にすることで、一生涯の友人を得られると感じているようです。
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「行事がとにかく楽しい」という評判も非常に高いです。特に北高祭は、クラス一丸となって準備に打ち込み、大きな達成感と強い団結力が生まれる、最高の思い出として語られています。
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「先生方のサポートが手厚い」という意見も目立ちます。熱心で個性的な先生が多く、質問に行けばわかるまで親身に付き合ってくれる、頼れる存在だと評価されています。
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「校舎が綺麗で過ごしやすい」ことも、日々の満足度に繋がっているようです。快適な環境で勉強に集中できることを魅力に感じる生徒は少なくありません。
気になる点
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最も多く挙げられるのが「課題の量が多く、授業の進度も速い」という点です。高いレベルを維持するためには相応の努力が求められるため、入学後は学習面で苦労を感じる生徒もいるようです。
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「先生によって授業の分かりやすさに差がある」という、いわゆる「当たり外れ」を指摘する声も一部にはあります。特に専門性の高い科目で、自分に合う先生に巡り会えるかどうかは重要かもしれません。
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「校舎は綺麗だが、一部の施設や備品は古い」という意見もあります。例えば、伝統ある「麋城館」という建物や、教室の机などは、新校舎に比べて年季が入っていると感じるようです。
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「プライドが高いと感じることがある」という声も少数ながら見られます。県内トップ校としての自負が、時に他校への対抗意識として現れる場面があるのかもしれません。
アクセス・通学
大垣北高等学校への通学方法についても確認しておきましょう。
最寄り駅からのアクセス
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JR大垣駅から
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徒歩:約25分〜30分。多くの生徒が利用するこの通学路は、親しみを込めて「北高街道」と呼ばれています。
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バス:名阪近鉄バスで約5分。「中川」または「北高東口」バス停で下車し、そこから徒歩約4〜5分です。
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通学エリア
大垣北高等学校は「西濃学区」に属しており、大垣市を中心に、海津市、養老町、垂井町、関ケ原町、神戸町、輪之内町、安八町、揖斐川町、大野町、池田町といった西濃地域全域から生徒が通学しています。自宅から直接、あるいは大垣駅などから自転車を利用して通う生徒が多いのが特徴です。
大垣北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、本当にありがとう。最後に、進学アドバイザーとして、大垣北高等学校を目指す君に心からのエールを送ります。
大垣北高等学校は、ただ勉強ができるだけでなく、知的好奇心にあふれ、何事にも主体的に取り組みたいという強い意志を持つ君にこそ、ぴったりの場所です。高いレベルの仲間と切磋琢磨しながら、勉強も、部活も、行事も、すべてに全力で打ち込みたい。そんな熱い想いを抱いているなら、ぜひ挑戦してください。大垣北高等学校の「自由と責任」を重んじる校風は、君を大きく成長させてくれるはずです。
受験勉強においては、まず「継続」を意識してください。合格の鍵を握る高い内申点を獲得するためには、中学1年生からの日々の積み重ねが何よりも大切です。そして、入試本番に向けては、過去問に繰り返し取り組み、単に答えを覚えるのではなく「なぜそうなるのか」という本質を理解する深い学びを心がけましょう。大変な道のりですが、その先には、刺激的で、かけがえのない3年間が待っています。君の挑戦を、心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。