さいたま市立大宮北高等学校は、高いレベルの探究学習と、生徒一人ひとりの個性を尊重する自由な校風が融合した、非常に魅力的な学校です。文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、理数科だけでなく普通科の生徒も全員が課題研究に取り組むなど、本格的な学びが実践されています。ここでは、未来を切り拓くための論理的思考力や表現力を存分に伸ばすことができるでしょう。

しかし、大宮北高校の魅力は勉強だけではありません。全国で初めて制服にユニクロ製品を選択できるようにしたことは、生徒の声に真摯に耳を傾け、時代に合わせた新しい学校文化を創り出そうとする姿勢の表れです。勉強も、学校生活も、自分らしく思い切り楽しみたい。そんなあなたにとって、大宮北高等学校は最高の舞台になるかもしれません。

この記事では、進学アドバイザーである私が、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、在校生のリアルな口コミや学校生活の様子まで、皆さんが本当に知りたい情報を余すところなくお伝えします。この記事を読めば、きっと大宮北高校での3年間を具体的にイメージできるようになるはずです。さあ、一緒にその扉を開けてみましょう。

大宮北高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 さいたま市立大宮北高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学の別 共学
所在地 〒331-0822 埼玉県さいたま市北区奈良町91-1
代表電話番号 048-663-2912
公式サイトURL https://www.ohmiyakita-h.ed.jp/

大宮北高等学校の偏差値・難易度・併願校

大宮北高校を目指す上で、まず気になるのが学力レベルですよね。ここでは偏差値や内申点の目安、そして一緒に受験を検討されることが多い併願校について詳しく見ていきましょう。

学科ごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 理数科:65

  • 普通科:61

理数科は県内でもトップクラスの難易度、普通科も上位校に位置づけられており、しっかりとした学力が必要になります。同じくらいの偏差値の公立高校としては、浦和西高校、川口北高校、越ヶ谷高校などがあり、これらの学校と大宮北高校を比較検討する受験生も多いようです。

合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、目安としては9教科合計で40前後は確保しておきたいところです。ただし、最も重要なのは当日の学力検査の得点です。特に、大宮北高校の入試では、英語と数学でより難易度の高い「学校選択問題」が採用されています。これは、単に教科書の知識を覚えているだけでは解けない、思考力や応用力が問われる問題です。そのため、偏差値の数字だけを見るのではなく、過去問などを活用して、この学校選択問題にしっかり対応できる実力をつけておくことが合格の鍵となります。

埼玉県では公立高校を複数併願することはできないため、併願校は私立高校から選ぶことになります。大宮北高校の受験生がよく併願する私立高校としては、以下のような学校が挙げられます。

  • 大宮開成高等学校

  • 栄東高等学校

  • 埼玉栄高等学校

  • 武南高等学校

  • 春日部共栄高等学校

  • 川越東高等学校(男子)

  • 淑徳与野高等学校(女子)

これらの学校は、コースによって難易度が異なりますので、ご自身の学力や目標に合わせて選ぶことが大切です。

大宮北高等学校に設置されている学科・コース

大宮北高校には、それぞれ特色のある2つの学科が設置されています。どちらの学科も、これからの社会で活躍するための力を育むことを目指しています。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:文系・理系の枠にとらわれず、幅広い知識と教養を身につけます。最大の特徴は、SSH指定校として1・2年生全員が「探究活動(STEAMS Time)」に取り組む点です。自ら課題を見つけ、仮説を立て、検証し、発表するという一連のプロセスを通じて、大学での研究や社会での問題解決に直結する力を養います。

    • どんな生徒におすすめか:まだ将来の夢が具体的に決まっていないけれど、知的好奇心が旺盛で、物事を深く考えるのが好きな人。文系・理系どちらの可能性も探りながら、本質的な学ぶ力を身につけたい人におすすめです。

  • 理数科

    • どんなことを学ぶ場所か:数学や理科の授業時間数が多く、より専門的で高度な内容を学びます。大学や研究機関と連携した講義や実験も豊富で、最先端の科学に触れる機会に恵まれています。もちろん、普通科同様に3年間の探究活動を通して、科学者・技術者としての素養を徹底的に磨きます。

    • どんな生徒におすすめか:将来、科学、技術、医療などの分野で活躍したいという強い意志を持っている人。好きなことをとことん突き詰めたい、知的な挑戦を楽しみたいという探究心あふれる人におすすめです。

大宮北高等学校の特色・校風

大宮北高校の雰囲気は、「自主性を尊重」「穏やかで自由」「探究的」といったキーワードで表すことができます。生徒一人ひとりが主役となり、のびのびと学校生活を送っている様子が口コミからも伝わってきます。

  • 宿題の量

    日々の宿題の量は標準的ですが、SSHの「探究活動」があるため、自分でテーマを決めて調査や実験を進める「課題研究」が学習の中心になります。そのため、受け身の勉強ではなく、自ら計画を立てて進める主体性が求められる場面が多いようです。

  • 校則(スマホ、服装など)

    校則は、他の高校と比較して厳しくないという声が多く、「自由な校風」を魅力に感じている生徒が多いようです。スマートフォンの校内での使用も、授業に支障が出ない範囲で認められている傾向があります。服装に関しても、後述する制服の自由度が高いことが特徴です。全体的に、厳しいルールで縛るのではなく、生徒の自主性や良識を信頼する校風と言えるでしょう。

  • 生徒たちの雰囲気

    「穏やかで真面目」「親しみやすい人が多い」といった口コミが多数見られます。落ち着いた環境で勉強に集中したい人にも、たくさんの友達と学校行事を楽しみたい人にも、居心地の良い場所のようです。いじめが少ないという評判もあり、安心して学校生活を送れる環境が整っています。

  • アルバイト

    アルバイトに関する明確な情報はありませんが、学業や部活動、特に探究活動に多くの時間が必要となるため、両立は簡単ではないかもしれません。希望する場合は、学校に許可基準を確認することをおすすめします。

  • 制服の評判

    大宮北高校の大きな特色の一つが、全国で初めて導入されたユニクロ製品を選べる制服です。従来の制服に加えて、ユニクロのジャケット、シャツ、パンツ、スカートなどを自由に組み合わせることができます。

    この制度は、「価格が手頃で家計に優しい」「女子生徒もスラックスを選べるなど、ジェンダーレスに対応している」「汚れたり成長に合わせてサイズが変わったりしても気軽に買い替えられる」といった点で、生徒や保護者から高く評価されています。一方で、「デザインがシンプルすぎる」「他の学校のような『かわいい制服』への憧れがある」といった声も一部にはあるようです。学校オリジナルのネクタイやリボンも用意されており、組み合わせを工夫して個性を出すこともできます。この制服制度は、生徒の多様なニーズに応えようとする学校の先進的な姿勢を象徴しています。

  • 土曜授業

    隔週で土曜日にも4時間の授業が実施されています。平日の授業時間数を確保し、探究活動などの特色ある教育活動を行うためのものです。週末の過ごし方を考える上で、知っておきたいポイントです。

大宮北高等学校の部活動・イベント

勉強だけでなく、部活動や学校行事も高校生活を彩る大切な要素です。大宮北高校では、多くの生徒が文武両道を実践し、充実した日々を送っています。

部活動

運動部、文化部ともに活発に活動しており、特に全国レベルで活躍する部活動があるのが大宮北高校の誇りです。

  • ダンス部

    全国大会の常連として知られる強豪部です。「REOLiSE」というチーム名で活動しており、そのハイレベルなパフォーマンスは学校内外で高く評価されています。厳しい練習を乗り越え、仲間と共に大きな目標を目指したい人には最高の環境です。

  • カヌー部

    埼玉県内の高校では3校にしかない非常に珍しい部活動です。過去に10回以上も全国大会に出場している伝統ある強豪で、他ではできない特別な経験を積むことができます。自然の中で体を動かしたい人、新しいスポーツに挑戦したい人におすすめです。

  • サイエンス部

    SSH指定校である大宮北高校を象徴する文化部です。日頃の研究活動の成果を様々なコンテストや発表会で披露し、高い評価を得ています。科学が好きな仲間と集い、知的好奇心をとことん満たすことができます。

この他にも、インターハイ出場経験のある水泳部や、国際的な美術展で入賞した美術部など、多くの部活動が熱心に活動しています。

イベント

生徒が主体となって作り上げる学校行事は、クラスの絆を深め、最高の思い出を作る場所です。

  • 文化祭・体育祭

    どちらも学校全体が一体となって盛り上がる一大イベントです。特に文化祭は、クラスごとの企画や部活動の発表など、生徒たちの創造性とエネルギーが爆発します。体育祭も、応援合戦などでクラスの団結力が高まり、毎年大きな感動を呼びます。

  • 修学旅行

    2年生の秋に実施される修学旅行は、シンガポールとマレーシアを訪れます。単なる観光旅行ではなく、「多文化共生」をテーマに現地の文化や社会を学ぶ、国際理解を深めるためのプログラムです。海外の文化に直接触れる貴重な体験は、視野を大きく広げてくれるでしょう。

  • SSH関連行事

    臨海フィールドワークや秩父ジオパークでの地学実習、ハワイや台湾へのサイエンス研修など、SSH校ならではの専門的でユニークな行事が数多く用意されています。座学だけでは得られない、本物の学びに触れる絶好の機会です。

大宮北高等学校の進学実績

大宮北高校の生徒たちが、3年間の学びを経てどのような進路を選んでいるのか、最新の大学進学実績を見てみましょう。国公立大学や難関私立大学へ、毎年多くの合格者を輩出しています。

(令和7年度入試結果)

  • 国公立大学:合計 57名

    • 主な合格大学:東北大学 1名、筑波大学 1名、千葉大学 1名、埼玉大学 14名、東京都立大学 2名、電気通信大学 3名、東京学芸大学 3名 など

  • 難関私立大学

    • 早慶上理(早稲田、慶應、上智、東京理科):合計 19名

      (早稲田大学 4名、上智大学 3名、東京理科大学 11名)

    • GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政):合計 94名

      (明治大学 26名、法政大学 28名、中央大学 11名、立教大学 10名、学習院大学 10名 など)

特に注目すべきは、理数系の大学への進学実績です。芝浦工業大学、工学院大学、東京電機大学、東京都市大学の「4工大」には合計112名もの合格者を出しており、SSHとしての教育成果が明確に表れています。

こうした高い進学実績を支えているのが、手厚い進路サポート体制です。生徒の希望に応じて、早朝や放課後、夏休みなどの長期休暇中に多彩な進学講習が開かれています。また、いつでも利用できる自習室が完備されているほか、国語・数学・英語の先生の準備室近くに質問用の机が設置されており、わからないことをすぐに解決できる環境が整っているのも大きな特長です。

大宮北高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、大宮北高校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 全生徒が取り組む本格的な探究学習(SSH)

    理数科だけでなく普通科の生徒も全員が、3年間を通じて「STEAMS Time」という課題研究に取り組みます。これは、大学での学びや社会での問題解決に不可欠な「自ら問いを立て、探究する力」を育む、まさに大宮北高校の教育の核となるプログラムです。

  • 社会課題に挑む独自のプログラム「Hamadoori Reborn」

    2年生がクラス単位で福島県浜通り地方の8市町村と連携し、復興と持続可能な町おこしを考える長期プロジェクトです。現実社会の複雑な課題に高校生が主体的に向き合う、非常に先進的で社会貢献意識の高い取り組みです。

  • 生徒の声から生まれた「UNIQLO選択制服」

    全国で初めて、生徒の意見を反映して制服にユニクロ製品を導入しました。価格、機能性、ジェンダーへの配慮など、多様な価値観を尊重する学校の姿勢を象

    徴する、まさに「北高らしさ」あふれる制度です。

  • 世界に視野を広げる活発な国際交流

    修学旅行先のシンガポール・マレーシアをはじめ、ハワイや台湾へのサイエンス研修、オーストラリアの姉妹校との交換留学など、国際的な視野を養うプログラムが豊富に用意されています。

  • 全国レベルで輝く、特色ある部活動

    ダンス部やカヌー部のように全国の舞台で活躍する部活動があり、高いレベルで自分の好きなことに打ち込める環境があります。勉強と両立させながら、大きな目標に挑戦したい生徒を全力でサポートします。

  • 大学との連携による最先端の学び

    埼玉大学をはじめとする近隣の大学と密に連携し、大学教授による特別講義や研究室訪問などを実施しています。高校にいながらにして、一足早く大学レベルの学問に触れることができます。

大宮北高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生からのリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「生徒の雰囲気がとても良く、穏やかで優しい人が多いです。いじめの話も全く聞きません。」

    • 「文化祭や体育祭が本当に楽しい。生徒が中心になって作り上げるので、クラスの団結力がすごく高まります。」

    • 「校則が緩やかで自由なのが良い。先生たちも生徒を信頼してくれている感じがします。」

    • 「SSHの探究活動は大変だけど、自分の興味があることを深く研究できてすごく面白い。プレゼン能力も身につきました。」

    • 「ユニクロの制服は楽だし、自分で組み合わせを考えられるのが楽しい。特に女子でスラックスを履けるのが嬉しいです。」

  • 気になる点

    • 「熱心で分かりやすい先生が多い一方で、少し授業の進め方が古いと感じる先生もいます。先生によって差があるかもしれません。」

    • 「トイレや更衣室など、校舎の一部の設備が古いのが少し気になります。」

    • 「最寄りの宮原駅から歩くと15分くらいかかるので、雨の日などは少し大変です。」

    • 「マラソン大会など、体育系の行事が結構本格的で、運動が苦手な人には少しきついかもしれません。」

アクセス・通学

大宮北高校への主な通学方法は以下の通りです。

  • JR高崎線「宮原駅」西口から

    • 徒歩で約15分

    • 東武バス(別所団地循環)で約3分、「北高入り口」バス停下車

  • JR埼京線「日進駅」から

    • 徒歩で約25分

多くの生徒は、JR高崎線や埼京線を利用して通学しています。さいたま市内、特に北区、西区、大宮区や、上尾市方面から通う生徒が多い傾向があります。通学区域は埼玉県全域となっているため、様々な地域から生徒が集まっています。

大宮北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。大宮北高校の魅力、伝わったでしょうか。

最後に、進学アドバイザーとして、大宮北高校を目指す君たちにメッセージを送ります。この学校は、「誰かに与えられたものをこなす」のではなく、「自分で何かを見つけ、創り出したい」という強い気持ちを持った生徒に特におすすめです。探究活動や生徒主体の行事、自由な校風は、君たちの自主性と好奇心をどこまでも伸ばしてくれるはずです。

受験勉強では、特に英語と数学の「学校選択問題」の対策に力を入れてください。基礎を固めた上で、応用問題や長文問題に数多く挑戦し、難しい問題にも粘り強く取り組む思考力を鍛えましょう。大宮北高校の入試は、君がこれから始まる探究活動への適性を見ているのかもしれません。

大変なこともあると思いますが、その先には、最高の仲間たちとの刺激的で充実した3年間が待っています。自分を信じて、頑張ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。