大阪府立工芸高等学校は、100年以上の歴史と伝統を誇る、デザインと美術を専門的に学べる全国でも数少ない公立の専門高校です。「工芸」や「芸高」の愛称で親しまれ、その名の通り、ものづくりやアートに情熱を燃やす生徒たちが集まっています。将来、デザイナーや建築家、アーティストなど、クリエイティブな世界で活躍したいという夢を持つあなたにとって、大阪府立工芸高等学校は最高の学び舎となるでしょう。

この学校の最大の魅力は、デザイン系5学科と美術科という多彩な専門分野が用意されていることです。中学生の段階から自分の興味や関心に合わせて専門的な知識と技術をとことん追求できる環境は、あなたの才能を大きく開花させるきっかけになるはずです。同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、充実した3年間を送ることができます。

この記事では、そんな大阪府立工芸高等学校について、偏差値や難易度、気になる学校生活の様子、部活動や進学実績まで、受験生と保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの夢への第一歩を、ここから一緒に踏み出しましょう。

大阪府立工芸高等学校の基本情報

大阪府立工芸高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 大阪府立工芸高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒545-0004 大阪府大阪市阿倍野区文の里1-7-2
代表電話番号 06-6623-0485
公式サイト https://www3.osaka-c.ed.jp/kogei-t/

大阪府立工芸高等学校の偏差値・難易度・併願校

大阪府立工芸高等学校を目指す上で気になる偏差値や難易度について見ていきましょう。専門高校ということもあり、実技試験が課されるのが大きな特徴です。

学科・コースごとの偏差値

学科によって偏差値は異なります。自分の学びたい分野と学力レベルを照らし合わせて、目標を定めましょう。

  • ビジュアルデザイン科:55

  • 美術科:55

  • 映像デザイン科:51

  • 建築デザイン科:48

  • インテリアデザイン科:48

  • プロダクトデザイン科:48

難易度のイメージと内申点の目安

工芸高校の偏差値は48〜55で、大阪府内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。中学校の定期テストで平均点以上を目標に、日々の学習を積み重ねることが大切です。

大阪府の公立高校入試では内申点も重要になります。工芸高校の入試では、学力検査の成績と調査書(内申点)の比率が「6:4」で計算されます(学力検査315点、内申点210点の合計525点満点)。さらに、これに実技検査の成績(175点満点)が加算され、合計700点満点で合否が判定されます。学科の専門性から実技試験の比重も高いため、デッサンなどの実技対策も欠かせません。

同じくらいの偏差値の高校としては、桜宮高校(人間スポーツ科学科以外)、阿倍野高校、花園高校、久米田高校などが挙げられます。

主な併願校

大阪府立工芸高等学校を受験する生徒は、美術やデザイン系のコースを持つ私立高校を併願する傾向があります。具体的な併願校としては、大阪産業大学附属高等学校(グローバル科デザインコース)、大阪成蹊女子高等学校(美術科)、浪速高等学校などが考えられます。

大阪府立工芸高等学校に設置されている学科・コース

大阪府立工芸高等学校には、デザインと美術に特化した6つの専門学科があります。それぞれの学科で、あなたの「好き」や「得意」をとことん追求できます。

  • ビジュアルデザイン科

    広告やポスター、パッケージなど、情報を分かりやすく伝えるデザインを学びます。イラストやCG制作が得意で、アイデアを形にしたい人におすすめです。

  • 映像デザイン科

    写真やCM、Webコンテンツなど、映像メディアのデザインと制作技術を学びます。動画編集やカメラに興味があり、物語を映像で表現したい人におすすめです。

  • プロダクトデザイン科

    文房具や家具、家電など、私たちの暮らしを豊かにする「モノ」のデザインを学びます。立体的なものづくりが好きで、便利な製品を考えてみたい人におすすめです。

  • インテリアデザイン科

    住宅や店舗など、快適で魅力的な「空間」のデザインを学びます。部屋の模様替えが好きで、人が心地よく過ごせる場所を創りたい人におすすめです。

  • 建築デザイン科

    住宅や公共施設など、建物の設計やデザインを学びます。模型作りや製図に興味があり、街並みや人の暮らしを支える仕事がしたい人におすすめです。

  • 美術科

    絵画や彫刻など、自己表現としての美術をとことん探究します。デッサンや油絵などの基礎から専門的な表現まで、幅広く学びたい人におすすめです。

大阪府立工芸高等学校の特色・校風

大阪府立工芸高等学校は、専門的な学びだけでなく、自由で創造性あふれる校風も魅力の一つです。

校風・雰囲気

校風は「自由闊達」で、生徒一人ひとりの個性を尊重する雰囲気があります。専門分野を学ぶという共通の目的を持った生徒が集まるため、お互いに刺激し合える環境です。大阪市指定有形文化財にもなっている美しい本館校舎は、まるで美術館のようで、生徒たちの創造力をかき立てます。

学校生活について

  • 宿題・課題:専門学科のため、特に実技に関する課題は多い傾向にあります。週末や長期休暇を利用して計画的に進める必要がありますが、その分、着実にスキルアップできるでしょう。

  • 校則:他の公立高校と比較すると、校則は比較的緩やかなようです。服装や頭髪に関する規定はありますが、生徒の自主性が重んじられています。スマホの持ち込みは可能ですが、授業中の使用は制限されるなど、基本的なルールは守る必要があります。

  • 生徒の雰囲気:真面目で、自分の好きなことに熱中する生徒が多いようです。お互いの作品について意見を交換したり、協力して制作に取り組んだりと、和気あいあいとした雰囲気があります。

  • アルバイト:アルバイトは原則として禁止されていますが、特別な事情がある場合は許可されることもあるようです。

  • 制服:制服はありますが、着こなしの自由度は比較的高く、生徒からは「かわいい」「かっこいい」と評判のようです。

  • 土曜授業:土曜授業が実施される日もあります。各学科の先輩から話を聞く「先輩講座」など、進路を考える上で役立つ時間に充てられることが多いようです。

大阪府立工芸高等学校の部活動・イベント

工芸高校では、部活動や学校行事も活発に行われており、充実した高校生活を送ることができます。

部活動

運動部が10、文化部が17と、文化部が非常に充実しているのが工芸高校の特色です。特に、漫画・アニメーション制作研究部、絵画部、撮影研究部など、専門学科の学びに直結するようなアート系の部活動が人気を集めています。同好会も彫金、彫刻、版画陶芸など、ものづくり好きにはたまらないラインナップが揃っています。もちろん、バスケットボール部やテニス部、陸上競技部などの運動部も活発に活動しています。

イベント

工芸高校の最大のイベントは、毎年1月に開催される「工芸展(工芸高校展)」です。これは、3年間の学びの集大成として、生徒たちが制作した作品を一般公開する一大イベントです。各科の特色あふれる力作がずらりと並び、毎年多くの来場者で賑わいます。この工芸展に向けて、クラス一丸となって準備を進める過程は、最高の思い出になるでしょう。

その他にも、体育祭や文化祭、修学旅行など、一般的な高校と同じように年間を通して様々な行事が予定されており、クラスの団結力を高める機会が豊富にあります。

大阪府立工芸高等学校の進学実績

工芸高校の生徒たちは、専門分野で培った知識と技術を活かして、多様な進路に進んでいます。美術・芸術系の大学への進学が最も多いのが特徴です。

主な進学先

  • 国公立大学:京都市立芸術大学、金沢美術工芸大学、京都工芸繊維大学など、難関の美術系国公立大学への合格者を輩出しています。

  • 難関私立大学:大阪芸術大学への進学者が非常に多く、その他にも京都精華大学、京都芸術大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学など、全国の有名美術大学に多数進学しています。

  • その他の進路:大学だけでなく、大阪市立デザイン教育研究所や各種専門学校へ進学し、より専門的な技術を磨く生徒もいます。また、デザイン事務所や建築関係の企業へ就職する生徒もいます。

進路サポート

各学科の特性に合わせた進路指導が行われています。デッサンコンクールや先輩講座などを実施し、生徒一人ひとりの希望進路実現をサポートする体制が整っています。

大阪府立工芸高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、工芸高校ならではの魅力をまとめました。

  • 全国でも数少ない「デザイン・美術」専門の公立高校

    公立高校でありながら、デザイン系5学科と美術科という計6つの専門学科が揃っているのは全国的に見ても非常に珍しいです。

  • 100年以上の歴史と伝統

    1923年の創立以来、多くのデザイナーやアーティストを社会に送り出してきました。

  • 大阪市指定有形文化財の美しい校舎

    歴史を感じさせる美しい校舎は、日々の学びのモチベーションを高めてくれます。

  • プロ仕様の充実した実習設備

    各学科には専門的な制作活動に対応できる、最新の施設・設備が整っています。

  • 学びの集大成「工芸展」

    3年間の成果を発表する「工芸展」は、生徒にとって最大の目標であり、大きな達成感を得られるイベントです。

  • 同じ志を持つ仲間との出会い

    専門分野を学びたいという明確な目的意識を持った仲間が集まるため、刺激し合い、高め合える環境です。

  • 交通の便が非常に良い立地

    複数の路線・駅が利用可能で、大阪府内の様々なエリアから通学しやすいです。

大阪府立工芸高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、工芸高校での学びや生活について様々な声が寄せられています。

良い点

  • 「専門的なことを高校から学べるのが最高の環境」

  • 「同じ趣味や目標を持つ友達がたくさんできるので、毎日が楽しい」

  • 「先生方もその道の専門家なので、授業の質が高い」

  • 「工芸展など、目標を持って作品制作に打ち込めるのが良い」

  • 「校舎がおしゃれで、通っているだけで気分が上がる」

  • 「校則が厳しすぎず、自由な雰囲気で過ごしやすい」

気になる点

  • 「専門課題が多く、普通教科との両立が大変な時がある」

  • 「学科によっては女子生徒の比率が非常に高い」

  • 「施設が充実している分、少し古い部分もある」

  • 「体育館が少し狭いと感じる」

アクセス・通学

大阪府立工芸高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。

  • Osaka Metro谷町線「文の里」駅下車、北へ徒歩約3〜5分

  • Osaka Metro御堂筋線「昭和町」駅下車、北へ徒歩約7〜10分

  • JR阪和線「美章園」駅下車、西へ徒歩約7〜10分

  • 近鉄南大阪線「河堀口」駅下車、南西へ徒歩約13分

4路線もの駅が利用可能で、大阪市内はもちろん、堺市や東大阪市、松原市など、府内の広範囲から生徒が通学しています。

大阪府立工芸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

大阪府立工芸高等学校を目指すあなたへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、「ものづくりが好き」「絵を描くのが好き」という気持ちを、将来の夢に繋げることができる特別な場所です。もしあなたが、自分の好きなことをとことん追求したい、専門的なスキルを身につけてクリエイティブな世界で活躍したいと強く願うなら、工芸高校は最高の選択肢になるでしょう。同じ目標を持つ仲間たちと過ごす3年間は、きっとあなたにとってかけがえのない財産になります。

受験勉強では、5教科の基礎学力を固めることはもちろんですが、工芸高校ならではの「実技試験」対策が合否を分ける大きなポイントになります。デッサンや色彩構成など、基本的な描写力を問われることが多いので、中学校の美術の先生に相談したり、画塾に通ったりして、今から少しずつ準備を進めておくことを強くおすすめします。あなたの情熱と個性を、試験官にしっかりとアピールしてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。