富山東高等学校は、富山市東部に位置し、1962年の創立以来、60年以上にわたって「文武両道」の精神を掲げてきた歴史と伝統のある県立高校です。生徒一人ひとりが学業と部活動の両方に全力で打ち込める環境が整っており、地域社会からも厚い信頼を寄せられています。卒業生の多くが地元の国公立大学をはじめとする四年制大学へ進学しており、確かな学力と豊かな人間性を育む場として知られています。
これから高校選びを始める皆さんにとって、学校の雰囲気や学習環境は最も気になるポイントでしょう。富山東高等学校は、高い進学目標を達成するために、日々の予習・復習や課題に真摯に取り組む姿勢が求められる、学習に重きを置いた学校です。その真面目で落ち着いた校風は、集中して勉強したい生徒にとって最適な環境と言えるかもしれません。
この記事では、富山東高等学校の偏差値や進学実績といった基本的な情報から、在校生や卒業生のリアルな口コミ・評判、学校生活を彩る部活動や伝統行事まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事が、皆さんとご家族にとって、悔いのない高校選びの一助となることを心から願っています。
富山東高等学校の基本情報
富山東高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。学校見学や問い合わせの際に参考にしてください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 富山県立富山東高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒931-8443 富山県富山市下飯野荒田6の1 |
代表電話番号 | 076-437-9018 |
公式サイトURL | https://www.higashi-h.tym.ed.jp/ |
富山東高等学校の偏差値・難易度・併願校
富山東高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要な指標です。ここでは、具体的な数値と共に、合格の目安や併願校について解説します。
最新のデータによると、富山東高等学校の偏差値は以下の通りです。
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普通科:
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普通科自然科学コース:
情報源によっては普通科の偏差値を65とするところもあり、県内でも上位に位置する進学校であることが分かります。同じくらいの偏差値の高校としては、砺波高校(普通科)、高岡南高校(普通科)、魚津高校(普通科)などがあり、これらの高校と並んで高い学力が求められます。
合格に必要な内申点の目安としては、過去の合格者のデータを見ると、45点満点換算で年間36点~38点以上、3年間の合計で110点以上(135点満点)が一つの基準となりそうです。もちろん、当日の学力検査の得点が最も重要ですが、中学1年生の時からコツコツと定期テストで高得点を維持し、高い内申点を確保しておくことが、富山東高校の合格をぐっと引き寄せます。
富山東高等学校は公立高校のため、富山県内の他の公立高校を併願することはできません。そのため、受験生の多くは私立高校を併願先として選びます。主な併願校としては、富山第一高等学校、富山国際大学付属高等学校、片山学園高等学校などが挙げられます。これらの私立高校は、それぞれ独自の特色やコースを持っているため、万が一の場合に備えて、自分に合った併願校をしっかりと調べておくことが大切です。
富山東高等学校に設置されている学科・コース
富山東高等学校には、生徒一人ひとりの進路希望や興味関心に応えるため、2つのコースが設置されています。それぞれの特色を理解し、自分に合ったコースを選びましょう。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:文系・理系を問わず、国公立大学や難関私立大学への進学を目指すための幅広い学力を養成します。バランスの取れたカリキュラムで、将来の多様な選択肢に対応できる基礎力を固めます。
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どんな生徒におすすめか:まだ将来の夢が具体的に決まっていない人や、文系・理系のどちらの可能性も残しておきたい人、幅広い分野に興味がある人におすすめです。
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普通科自然科学コース
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どんなことを学ぶ場所か:理数系の科目に特化した高度な学習を行います。大学との連携事業や筑波研修、「理数探究」といった専門科目を通して、探究心や科学的思考力を深く掘り下げていきます。
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どんな生徒におすすめか:将来、科学者や技術者、医師などを目指していて、理科や数学が特に好きな人、実験や研究活動に積極的に取り組みたい人に最適のコースです。
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富山東高等学校の特色・校風
富山東高等学校の学校生活を具体的にイメージするために、校風や生活に関する様々な情報を口コミや評判を基にまとめました。
学校全体の雰囲気を示すキーワードは、「文武両道」「真面目」「落ち着いた雰囲気」「伝統重視」といった言葉が当てはまるでしょう。
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宿題の量:多くの在校生や卒業生が「多い」と口を揃えます。特に、日々の予習や週末課題は必須とされており、計画的に学習を進める習慣が自然と身につくようです。「こなせば確実に力がつく」という声がある一方で、部活動との両立には相当な努力が求められます。
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校則:県内の他の高校と比較して「厳しい」という意見が多いようです。特にスマートフォンの使用ルールは厳格で、朝のホームルームから放課後まで電源を切り、カバンやロッカーにしまっておくことが義務付けられています。休み時間中の使用も原則禁止されており、この点を不自由に感じる生徒もいるようです。
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服装・頭髪:制服の着こなしや頭髪についても、細かな規定があり、定期的に検査が行われます。スカート丈は膝の中央下と定められているなど、全体的に「生徒らしい端正な身だしなみ」が求められる校風です。
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生徒たちの雰囲気:校則は厳しいものの、生徒たちは「穏やかで真面目」「明るく、いじめなども聞いたことがない」といった声が多く、落ち着いた環境で学校生活を送りたい生徒には非常に良い環境のようです。互いに切磋琢磨し合える、良い友人関係を築きやすい雰囲気があります。
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アルバイト:原則として禁止されています。家庭の事情などでやむを得ない場合に限り、学校の許可を得て行うことができます。
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制服の評判:制服については、「可愛くない」「デザインが少し古い」といった正直な意見が見られます。しかし、「3年間着ていると愛着が湧く」「すぐに慣れる」という声もあり、大きな問題点とは考えられていないようです。
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施設:校舎が「古い」「ボロボロ」という口コミは少なくありません。施設面で最新の設備が整っているとは言えないようですが、一方で「空調設備はしっかりしていて快適」という声もあり、学習に必要な環境は確保されています。
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土曜授業:土曜授業の有無に関する明確な情報は見当たりませんでしたが、夏休みなどの長期休暇中には補習が数多く組まれており、進学に向けた手厚いサポート体制がうかがえます。
富山東高等学校の部活動・イベント
部活動
富山東高等学校は「文武両道」を掲げる通り、部活動が非常に盛んです。運動部15、文化部12と多種多様なクラブがあり、多くの生徒が学業と両立させながら熱心に活動しています。
運動部は、サッカー部、硬式野球部、男女バスケットボール部、陸上競技部などが活発に活動しており、県大会で上位の成績を収める部も少なくありません。特に、男子ハンドボール部や女子ソフトボール部なども伝統的に力を持っています。
文化部も充実しており、コンクールでの受賞歴も多い吹奏楽部や、落ち着いた雰囲気で日本の伝統文化を学べる茶道部、美術部、書道部などがあります。また、写真部は「比較的ゆるくて楽しい雰囲気」という口コミもあり、自分のペースで活動したい生徒にも居場所があるようです。演劇部や放送部、科学部など、専門的な活動に打ち込める部も人気です。
イベント
富山東高等学校の学校生活は、ユニークで伝統的なイベントによって彩られます。これらの行事は、生徒たちにとって忘れられない思い出となり、クラスや学年の団結力を高める重要な機会となっています。
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体育大会
6月中旬に開催される体育大会は、全校生徒が赤鷲(せきしゅう)、白虎、青龍、黄獅(おうし)の4つの団に分かれて競い合う、学校全体が熱気に包まれる一大イベントです。名物となっているのは、各団が一体となってバトンをつなぐ「50人リレー」や、迫力満点の応援合戦です。閉会式前には、全校生徒でフォークダンスを踊るのが伝統となっており、大きな盛り上がりを見せます。
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強歩大会
秋に行われる強歩大会は、富山東高校の最も有名な伝統行事です。これは速さを競うものではなく、「強い心を持って、最後まで歩き抜くこと」を目的としています。学年ごとに15kmから20kmほどのコースが設定され、雨天でも決行されることが多く、心身ともに鍛えられます。辛い道のりを仲間と励まし合いながら歩ききった経験は、何物にも代えがたい達成感と自信につながるようです。
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東窓祭(とうそうさい)
3年に一度だけ開催される文化祭が「東窓祭」です。開催頻度が少ない分、生徒たちの熱意は非常に高く、クラスごとの企画や文化部の発表、有志によるステージなど、内容は非常に濃密です。他校の生徒や地域住民も訪れる盛大なイベントで、この年に在学している生徒にとっては、高校生活最大のハイライトとなります。
富山東高等学校の進学実績
富山東高等学校は、県内有数の進学校として、安定して高い大学進学実績を誇っています。特に、地元の国公立大学への進学に強いのが大きな特長です。
以下に、近年の主な大学合格実績(既卒生含む)をまとめました。
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国公立大学(主な大学名と合格者数)
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富山大学: 41人
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富山県立大学: 17人
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金沢大学: 11人
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新潟大学: 10人
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千葉大学: 4人
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信州大学: 4人
このように、富山大学には毎年40人以上が合格しており、学校を挙げて手厚いサポートが行われていることがうかがえます。金沢大学をはじめとする北陸の主要大学にも多くの合格者を出しています。
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難関私立大学(主な大学群と合計合格者数)
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関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学): 合計 18人
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GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学): 合計 11人
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その他、近隣の富山国際大学(22人)や金沢星稜大学(19人)などにも多数進学しています。
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これらの高い進学実績は、日々の厳しい授業や大量の課題だけでなく、学校の充実した進学サポート体制に支えられています。夏休みなどに集中的に行われる補習や講習、1年生の時から社会の第一線で活躍する卒業生や社会人を招いて行われる「進路座談会」などを通して、生徒の学習意欲と進路意識を高める取り組みが積極的に行われています。
富山東高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、富山東高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
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地域トップクラスの国公立大学進学サポート
特に富山大学や富山県立大学といった地元の国公立大学への進学においては、県内でも屈指の実績とノウハウを誇ります。地域に根差した進路指導は大きな強みです。
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探究心を深く育む「自然科学コース」
理数系のスペシャリストを育成するための特設コースです。大学との連携授業や研究発表会など、普通科では体験できない高度で専門的な学びの機会が豊富に用意されています。
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心と体を鍛え抜く伝統行事
名物の「強歩大会」や全校が一体となる「体育大会」など、単なるお祭りではない、人間的な成長を促すことを目的とした伝統行事が、生徒たちの絆と忍耐力を育みます。
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「文武両道」を本気で実現できる環境
学業で高いレベルを求められると同時に、部活動にも全力で打ち込める環境が整っています。多種多様な部活動があり、多くの生徒が勉強と両立させながら充実した3年間を送っています。
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手厚くも厳しい学習指導
「宿題が多い」「補習が多い」といった声は、裏を返せばそれだけ学校が進学指導に熱心である証拠です。この厳しい環境が、大学受験を乗り越えるための確かな学力を築きます。
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グローバルな視点を養うプログラム
ALT(外国語指導助手)と集中的に英語で交流する「English Camp」や、英語での発表能力を競うコンテストへの参加などを通じて、世界に通用するコミュニケーション能力の育成にも力を入れています。
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落ち着いた環境で学べる真面目な校風
厳しい校則や規律は、生徒が学業に集中するための環境づくりという側面も持っています。真面目で穏やかな生徒が多く、落ち着いた雰囲気の中でじっくりと学びたい生徒に最適な学校です。
富山東高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な口コミを、良い点と気になる点に分けて公平に紹介します。学校選びのリアルな参考情報としてください。
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良い点
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「勉強と部活を両立できる環境が整っている」「文武両道を高いレベルで実践できる」という声が非常に多いです。
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「穏やかで優しい人が多く、いじめなどもなく、安心して3年間を過ごせる」と、人間関係の良さを挙げる声が目立ちます。
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「先生方は質問に行けば親身になって教えてくれる」「進路相談に熱心に乗ってくれる」など、教員のサポート体制を評価する意見があります。
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「強歩大会や体育祭は大変だけど、終わった後の達成感は格別で、クラスの団結力が強まる」と、伝統行事に対するポジティブな評価も多いです。
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「富山大学を目指すなら、東高校が一番良いと思う」と、地元の国公立大学への進学サポートの手厚さを評価する声が多数あります。
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気になる点
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最も多く聞かれるのが「とにかく課題や予習の量が多くて大変」という意見です。自分のペースで勉強したい人には厳しい環境かもしれません。
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「校則が厳しすぎる。特にスマホのルールは時代に合っていないのでは」という不満の声は根強くあります。
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「校舎が古く、トイレなどもきれいとは言えない」など、施設の老朽化を指摘する意見が少なくありません。
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「先生によって授業の質に差がある(当たり外れがある)」という、少しシビアな意見も見られます。
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「自称進学校。もっと上の大学を目指すなら、富山中部や富山高校に行った方が良い」という、高い目標を持つ生徒からの厳しい声もあります。
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アクセス・通学
富山東高等学校への通学方法について説明します。
最寄り駅は、あいの風とやま鉄道の「東富山駅」です。東口から学校までは、徒歩で約8分から10分ほどの距離で、多くの生徒が電車を利用して通学しています。富山駅からは1駅という利便性の高さも魅力です。
また、地鉄バスの「富山東高校前」というバス停が学校のすぐ近くにあります。ただし、バスの路線や時刻は変更される可能性があるため、利用を検討する際は、富山地方鉄道の公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。
通学している生徒は、富山市内全域から集まっていますが、特に学校が位置する富山市東部や、あいの風とやま鉄道沿線の滑川市、魚津市などから通う生徒が多い傾向にあります。
富山東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
富山東高等学校は、日々の学習に真面目に取り組み、高い目標に向かって努力を続けられる生徒にぴったりの学校です。勉強だけでなく、部活動や学校行事にも全力で打ち込みたいという「文武両道」の精神を持つあなたを、富山東高校は温かく迎え入れてくれるでしょう。特に、富山大学をはじめとする地元の国公立大学への進学を強く希望しているなら、この学校の持つ豊富な情報と手厚いサポートは、あなたの夢を叶えるための大きな力になります。
合格を勝ち取るためには、まず「内申点」が非常に重要です。中学1年生の時から授業態度を良くし、提出物をきちんと出し、定期テストで安定して高得点を取ることを心がけてください。その上で、入試本番では基礎力と思考力が問われます。苦手科目を作らず、全教科でバランス良く得点できる力を養いましょう。過去の受験生からは、数学で差がつきやすいという声も聞かれます。応用問題までしっかりと演習を重ねておくと、自信を持って本番に臨めるはずです。大変な道のりですが、その先には充実した3年間が待っています。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。