富山高等専門学校本郷キャンパスは、君の「好き」を未来の「プロフェッショナル」へと育てる、特別な5年間の学び舎です。一般的な高校が3年間であるのに対し、ここでは5年間という時間をかけて、じっくりと専門分野の知識と技術を深く掘り下げていきます。これは、中学校を卒業した時点から、未来のエンジニアや研究者としての道を歩み始めることを意味します。
この場所は、単に勉強するだけの学校ではありません。大学のような自由な雰囲気の中で、仲間と共にプロジェクトに挑戦したり、最新の設備を使ってものづくりに没頭したりと、毎日が発見と創造の連続です。富山高等専門学校本郷キャンパスでの学びは、ただの知識ではなく、社会で即戦力として活躍できる「本物の力」を君に与えてくれるでしょう。
この記事では、そんな富山高等専門学校本郷キャンパスがどんな場所なのか、偏差値や難易度、学校生活の様子、そして卒業後の未来まで、中学生の君とその保護者の方が知りたい情報を余すところなくお伝えします。この学校が、君の未来を輝かせるための最高のステージになるかどうか、一緒に見ていきましょう。
富山高等専門学校本郷キャンパスの基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。正式名称や所在地は、書類の提出や学校見学の際に必要になる大切な情報です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 富山高等専門学校 |
公立/私立の別 | 国立 |
共学/男女別の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒939-8630 富山県富山市本郷町13 |
代表電話番号 | 076-493-5402 |
公式サイトURL | https://www.nc-toyama.ac.jp/ |
富山高等専門学校本郷キャンパスの偏差値・難易度・併願校
富山高等専門学校本郷キャンパスを目指す上で、どのくらいの学力が必要になるのかは最も気になるところでしょう。ここでは、偏差値や難易度の目安について具体的に解説します。
学科ごとの偏差値
高専の偏差値は、調査する機関によって多少のばらつきがありますが、おおよその目安は以下の通りです。複数の学科があり、それぞれで求められるレベルが少し異なります。
-
機械システム工学科: 60~63
-
電気制御システム工学科: 63
-
物質化学工学科: 58~63
これらの数値は、富山県内の公立高校でいえば、富山中部(探究科学科)、富山(探究科学科)、高岡(探究科学科)といったトップクラスの高校に次ぐ、上位の難易度グループに位置することを示しています。専門分野に特化しているため、単純な偏差値だけでなく、数学や理科といった特定教科での高い能力が求められるのが特長です。
合格に必要な内申点の目安
高専入試では、学力検査の点数だけでなく、中学校での成績(内申点)も重視されます。明確な基準は公表されていませんが、合格者の傾向を見ると、特に数学・理科・英語の成績が重要視されるようです。5段階評価でこれらの科目は「5」に近い評価を得ていることが望ましいでしょう。もちろん、他の教科も手を抜かず、全体的に高い内申点を確保しておくことが合格への近道です。
主な併願校
富山高等専門学校は「国立」の学校です。そのため、富山県立高校などの「公立」高校を同時に併願することはできません。推薦入試で不合格だった場合に一般入試を受験することは可能ですが、公立高校との同時受験はできないルールになっています。
したがって、併願校を考える場合は、私立高校が選択肢となります。富山高等専門学校本郷キャンパスの難易度を考慮すると、以下のような私立高校を併願する受験生が多いようです。
-
富山第一高等学校
-
高岡第一高等学校
-
片山学園高等学校(より高いレベルを視野に入れている場合)
富山高等専門学校本郷キャンパスに設置されている学科・コース
富山高等専門学校は、富山市にある「本郷キャンパス」と射水市にある「射水キャンパス」の2つから成り立っています。ここでは、ご要望のあった本郷キャンパスに設置されている3つの工学系学科について紹介します。
-
機械システム工学科
-
どんなことを学ぶ?: ロボットやエンジン、ものづくりの生産ラインなど、あらゆる「機械」が動く仕組みを学びます。設計から材料、加工技術まで、実践的な実習を通して総合的に探究します。
-
どんな生徒におすすめ?: ものの仕組みを考えるのが好き、プラモデル作りや機械いじりに夢中になる、将来は新しい機械やロボットを開発したい人におすすめです。
-
-
電気制御システム工学科
-
どんなことを学ぶ?: 私たちの生活に欠かせない電気や電子回路、コンピュータを動かすプログラミング、情報通信の技術などを幅広く学びます。電気エネルギーを効率よく使い、システムを賢く制御する専門家を目指します。
-
どんな生徒におすすめ?: パソコンや電子工作が好き、プログラミングに興味がある、社会を支えるインフラ技術に関わりたい人におすすめです。
-
-
物質化学工学科
-
どんなことを学ぶ?: 新しい機能を持つ材料(マテリアル)や医薬品の開発、環境問題の解決につながる化学技術などを学びます。化学や生物の知識をベースに、たくさんの実験を通して探究を深めます。
-
どんな生徒におすすめ?: 理科の実験が大好き、物質が変化する様子にワクワクする、環境や医療の分野で社会に貢献したい人におすすめです。
-
富山高等専門学校本郷キャンパスの特色・校風
学校選びでは、勉強の内容だけでなく、どんな雰囲気の場所で毎日を過ごすのかも非常に重要です。富山高等専門学校本郷キャンパスの校風をキーワードで表すなら、「自由と自律」「大学に近い環境」「専門性の追求」と言えるでしょう。
学校生活のリアル
中学生の皆さんが特に知りたいであろう、校則や生徒の雰囲気について、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。
-
校則は厳しい?緩やか?
一般的な高校と比べて、校則は非常に緩やかで自由な雰囲気です。
-
スマホの持ち込み・使用: 持ち込みはもちろん可能で、校内でWi-Fiが使えるため、休み時間などに利用している学生が多いようです。これは大学のキャンパスに近い環境と言えます。
-
服装・制服: 少しユニークなシステムです。1年生から3年生までは制服を着用しますが、女子生徒はスカートかスラックスかを選べるなど、現代的な配慮がされています。そして、4年生と5年生は私服での通学となります。大人へと成長していく段階に合わせて服装の自由度が変わる、象徴的なルールです。この制服のデザインが気に入って入学を決めた、という声もあるほど評判は良いようです。
-
頭髪など: 髪を染めることなどについても、比較的寛容なようです。個性を尊重する校風がうかがえます。
-
-
宿題の量や勉強は大変?
毎日大量の宿題が出るというよりは、授業内容そのものが高度で、予習・復習といった自主的な学習が不可欠です。特に専門科目は、中学校の勉強の延長線上というより、大学レベルの内容に踏み込んでいきます。そのため、「自分で勉強できる人にとっては余裕」という声がある一方で、「目的意識を持って勉強しないと留年してしまう」という厳しい現実もあります。この「自由」と、それに伴う「自己責任」が、高専の最大の特徴です。
-
生徒たちの雰囲気は?
「将来はエンジニアになりたい」といった明確な目標を持つ生徒が多く集まっています。同じ興味を持つ仲間と専門的な話で盛り上がれる、知的な刺激にあふれた環境です。ただし、女子生徒の比率は工学科という特性上、男子に比べて少ない傾向にあります。雰囲気は「全てはその人次第」と言われ、自ら積極的に行動する生徒が学校生活を謳歌しています。
-
アルバイトは可能?
アルバイトは許可されており、実際に多くの学生が学業と両立しながら励んでいるようです。
-
土曜授業はある?
基本的に土曜授業はありません。
富山高等専門学校本郷キャンパスの部活動・イベント
部活動
勉強だけでなく、部活動も充実しています。運動部・文化部ともに多くの選択肢があり、多くの学生が所属して活動を楽しんでいます。特に、高専ならではの全国大会「高専大会」を目指して日々練習に励んでいる部も多くあります。
-
運動部
サッカー部、野球部、テニス部、バスケットボール部といった人気の部活動はもちろん、弓道部やハンドボール部など、たくさんの運動部が活動しています。本郷キャンパスのテニス部は約30名の部員が和気あいあいと活動しており、基礎練習を大切にしながら楽しむことを重視しているようです。
-
文化部
高専らしいユニークな部活動が揃っているのが文化部の魅力です。
-
メカテック部: まさに「ものづくり」の学校を象徴する部活動です。ロボット製作などを通して、授業で学んだ知識を実践的な形にしていきます。有名な「高専ロボコン」への出場を目指す活動は、この学校の華と言えるでしょう。
-
鉄道部: 文化祭では巨大な鉄道ジオラマを展示することで知られており、その精巧さは毎年多くの来場者を驚かせています。趣味を深く追求できる場です。
-
知能プログラミング研究: AI(人工知能)など、より高度なプログラミング技術を探究する部活動です。単なるパソコン部とは一線を画す、専門的な活動を行っています。
-
イベント
学生生活を彩る年間行事もたくさん企画されています。
-
高専祭—志峰祭—(しほうさい)
本郷キャンパスで隔年(奇数年)の11月頃に開催される文化祭です。「志峰祭」という名前は、前身である富山工業高専の伝統を受け継いだものです。各学科による専門知識を活かした展示や、部活動の発表、模擬店などでキャンパス中が大変な熱気に包まれます。
-
校内球技大会
毎年5月頃に行われるスポーツイベントです。クラスや学科対抗で様々な球技を楽しみ、学生同士の交流を深める良い機会となっています。
-
工場見学・校外研修
高専ならではのキャリア教育として、学年ごとに様々な研修が組まれています。2年生での校外研修に始まり、3年生では富山県内の、4年生になると県外の最先端の工場や企業を見学します。自分の専門分野が実際の社会でどのように活かされているのかを肌で感じる、貴重な体験です。
富山高等専門学校本郷キャンパスの進学実績
富山高等専門学校の卒業後の進路は、大きく分けて「大学編入」と「就職」の2つの道があり、どちらも非常に優れた実績を誇ります。これは、5年間で培った高い専門性が社会や大学から高く評価されている証です。
大学編入
高専卒業生の多くが選ぶのが、4年制大学の3年次へ編入する道です。高専での5年間の学びは大学の1・2年次の教養課程や基礎専門科目に相当するため、無駄なくスムーズに大学での研究をスタートできます。特に国公立の難関大学への編入実績は目覚ましく、多くの卒業生がさらに高度な研究の道へ進んでいます。
-
主な国公立大学への編入実績
-
東京大学
-
東京工業大学
-
東北大学
-
名古屋大学
-
大阪大学
-
九州大学
-
筑波大学
-
神戸大学
など、日本を代表する大学への進学者が多数います。
-
就職
就職希望者の就職率は、ほぼ100%という驚異的な数字を誇ります。5年間で身につけた実践的な技術力と専門知識は企業から高く評価され、「即戦力」として多くの大手企業から求人が寄せられます。1人の学生に対して多数の企業からオファーがあることも珍しくありません。
-
主な就職先
ダイキン工業、三協立山といった大手メーカーや、各種海運会社など、専門性を活かせる多様な業界で卒業生が活躍しています。
このように、高専という進路は「大学進学」と「優良企業への就職」という2つの素晴らしい選択肢を、5年間の学びの先に見据えることができる、非常に将来性の高い道だと言えます。
富山高等専門学校本郷キャンパスの特長・アピールポイント
他の高校にはない、富山高等専門学校本郷キャンパスならではの強みや魅力をまとめました。
-
5年一貫の高度な専門教育
中学校卒業後すぐに、大学レベルの工学教育をスタートできます。興味のある分野を誰よりも早く、深く学べる環境は、君の知的好奇心を最大限に刺激してくれるはずです。
-
大学レベルの自由な環境と充実した設備
校則は緩やかで、学生の自主性を尊重する大学のような校風です。Wi-Fi環境はもちろん、専門分野の学習に必要な実験装置や工作機械など、プロが使うような本格的な設備が整っています。
-
トップクラスの大学への編入実績
卒業後は、東京大学や東京工業大学をはじめとする日本の難関国立大学へ、3年生として編入する道が開かれています。高専での学びは、大学でのより高度な研究への強力なパスポートになります。
-
企業からの絶大な信頼と抜群の就職力
就職希望者の就職率はほぼ100%。専門知識と実践力を兼ね備えた卒業生は「即戦力」として企業から引く手あまたで、安定した将来を築くことができます。
-
実践を何よりも重視したカリキュラム
座学だけでなく、豊富な実験・実習、そして実際の工場や企業を訪れる見学研修がカリキュラムに組み込まれています。本物に触れる体験を通して、生きた知識と技術が身につきます。
-
「高専ロボコン」に代表される、ものづくりの熱気
NHKで放送されることで有名な「高専ロボコン」は、高専生の技術力と創造性の祭典です。仲間と協力して一つのロボットを作り上げる経験は、一生の宝物になるでしょう。
-
成長を実感できるユニークな服装ルール
1〜3年生は制服、4〜5年生は私服という2段階のルールは、学生が少年少女から大人へと成長していく過程を象徴しています。自覚と責任感を育む、ユニークな制度です。
富山高等専門学校本郷キャンパスの口コミ・評判のまとめ
実際に通っている学生や卒業生は、この学校をどのように感じているのでしょうか。良い点と、入学前に知っておきたい気になる点を公平にまとめました。
良い点
-
「将来の目標がはっきりしている人には最高の環境」という声が非常に多いです。エンジニアや研究者になりたいという夢がある学生にとって、専門分野に没頭できる5年間は非常に有意義なようです。
-
「自由な校風が魅力。普通の高校とは違う楽しさがある」と、大学のような自主性を重んじる雰囲気を楽しんでいる学生が多くいます。
-
「就職にも進学にも強く、将来の選択肢が広いのが安心」という意見も目立ちます。卒業後のキャリアパスが多様で、かつレベルが高いことは、学生と保護者にとって大きな魅力です。
-
「専門的なことを早くから深く学べるのが良い」と、カリキュラム内容への満足度は高いようです。
気になる点
-
「目的意識がないと辛くなる。自主性が何よりも大事」という声は、この学校の厳しさを示すものです。自由な環境だからこそ、自ら学ぶ意欲がないと授業についていくのが難しくなる可能性があります。
-
「留年のプレッシャーは大きい。勉強はかなり大変」という意見もあります。高いレベルの学習内容を維持するため、進級の基準は厳格です。日々の努力が求められます。
-
「女子生徒が少ないので、華やかな共学の雰囲気を期待すると少し違うかもしれない」という点は、特に本郷キャンパスの工学科を志望する際には知っておくと良いでしょう。
-
「自由な分、一部の学生の学習意欲が低いと感じることもある」という声も。周りに流されず、自分のペースで学習を進める強い意志が必要です。
アクセス・通学
富山高等専門学校本郷キャンパスへの主な通学方法です。富山市内を中心に、県内各地から学生が通学しています。
交通手段 | 出発地 | 路線・行き先 | 所要時間 | 備考 |
バス | 富山駅南口 | 5番のりば「国立高専」行き | 約30分 | 終点「国立高専」で下車すぐ |
電車 | 電鉄富山駅 | 不二越・上滝線「岩峅寺」行き | 約14分 | 小杉駅で下車、その後徒歩約15分 |
電車 | 岩峅寺駅 | 不二越・上滝線「電鉄富山」行き | 約15分 | 布市駅で下車、その後徒歩約15分 |
富山高等専門学校本郷キャンパス受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。富山高等専門学校本郷キャンパスは、「ものづくりが好き」「科学のナゼ?を追求したい」「自分の手で未来を創ってみたい」そんな熱い想いを持った君を待っている学校です。普通の高校生活では味わえない、深くて刺激的な5年間がここにはあります。
もし君が富山高等専門学校本郷キャンパスへの進学を本気で考えるなら、中学校の勉強では特に「数学」と「理科」に力を入れてください。この2つの教科は、高専で学ぶすべての専門分野の土台となる「言葉」です。公式をただ暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか」という根本を理解する勉強を心がけると、入学後も必ず役に立ちます。君の挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。