岡山県立興陽高等学校は、100年以上の歴史と伝統を誇る専門高校です。 農業や家庭科に関する専門的な知識と技術を深く学べる、岡山県内でもユニークな魅力を持つ興陽高等学校は、広大な敷地と充実した設備を活かした実践的な授業が特長です。 生徒一人ひとりの「好き」や「得意」を伸ばし、将来のスペシャリストを目指せる環境がここにはあります。

「開拓精神」という建学の精神のもと、生徒たちは日々の学習や実習、部活動に主体的に取り組んでいます。 農業クラブや家庭クラブといった専門高校ならではの活動も盛んで、全国レベルでの活躍も見られます。 この記事では、そんな興陽高等学校の具体的な学びの内容から、学校生活のリアルな様子、卒業後の進路まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しくご紹介していきます。

専門分野への興味や探求心を持つ中学生にとって、興陽高校は夢を実現するための最高の舞台となるでしょう。学校の特色や魅力を深く知ることで、きっと「この学校で学びたい!」という気持ちが高まるはずです。ぜひ、最後まで読み進めて、あなたの未来の選択肢の一つに加えてみてください。

岡山県立興陽高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 岡山県立興陽高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒701-0297 岡山県岡山市南区藤田1500番地
代表電話番号 086-296-2268
公式サイト https://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/

岡山県立興陽高等学校の偏差値・難易度・併願校

岡山県立興陽高等学校の各学科の偏差値は、おおむね42〜45程度とされています。専門学科を持つ高校のため、普通科の高校とは少し異なり、偏差値だけで難易度を測ることは難しい側面があります。大切なのは、それぞれの学科で何を学びたいかという目的意識です。

合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度が一つの基準となるようですが、特別入学者選抜では学力検査、面接、調査書(内申点)などを総合的に判断して合否が決定されます。 自分の興味がある学科で、学習意欲や活動実績をアピールすることが重要になります。興陽高校を第一志望とする場合、併願校としては、岡山市内の私立高校である岡山理科大学附属高等学校、岡山商科大学附属高等学校、就実高等学校、岡山龍谷高等学校などが考えられます。

岡山県立興陽高等学校に設置されている学科・コース

岡山県立興陽高等学校には、農業と家庭科に関する専門性の高い5つの学科が設置されています。 それぞれの学科で、実践的な学びを通して将来のスペシャリストを目指すことができます。

  • 農業科: 広大な農場を活かし、スマート農業などの最新技術も取り入れながら、作物、野菜、果樹、草花、畜産など食と農について幅広く学びます。

  • 農業機械科: 農業機械の操作・整備だけでなく、自動車整備や溶接、材料加工など工業分野の知識・技術も習得できます。ものづくりが好きな生徒におすすめです。

  • 造園デザイン科: 庭園のデザインや施工、管理について学ぶ、岡山県で唯一の専門学科です。 校内だけでなく、後楽園などでの校外実習も魅力です。

  • 家政科: 食物、保育、福祉の分野を専門的に学びます。 地域の方々との交流活動も多く、実践的なスキルが身につきます。

  • 被服デザイン科: ファッションデザインや縫製技術の基礎から応用までを学び、3年間の集大成としてファッションショーを開催します。

なお、令和8年度からは「家政科」と「被服デザイン科」を統合し、新たに「ライフデザイン科」が設置される予定です。

岡山県立興陽高等学校の特色・校風

興陽高等学校は、「開拓精神」を建学の精神に掲げ、自主・敬愛・実践を校訓としています。 専門的な知識や技術の習得はもちろん、スケールの大きな人間教育を目指しているのが特長です。

生徒たちは専門分野の学習に誇りを持ち、真面目に実習などに取り組んでいる様子がうかがえます。校則については、過去には厳しいという声もありましたが、近年は生徒会が主体となって、社会の実情に合わせた見直しが進められています。 例えば、髪型についてツーブロックを許可する案や、男女で異なっていた基準を統一する案などが生徒から提出されるなど、生徒の自主的な活動が活発です。

制服は令和4年度からリニューアルされ、中学生や在校生の投票によってデザインが決定しました。 特に冬服の赤いジャケットが特徴的で、「かわいい」「かっこいい」と評判のようです。 アルバイトは許可制で、多くの生徒が部活動に励んでいるようです。土曜授業は基本的にありません。

岡山県立興陽高等学校の部活動・イベント

部活動

興陽高等学校では、11の運動部と10の文化部・同好会が活発に活動しています。

特に、農業系の学科の生徒が所属する「農業クラブ」は、全国組織の活動であり、日頃の学習の成果を競う各種競技会(測量、情報処理、意見発表など)で全国大会に出場するなど、高い実績を上げています。 また、家庭科系の学科の生徒が所属する「家庭クラブ」も、地域との交流活動などを積極的に行っています。

運動部では自転車競技部、なぎなた部、弓道部などが中国大会や全国大会に出場経験があります。 文化部では、全国的にも珍しい和太鼓部があり、地域のイベントなどでも活躍しています。

イベント

興陽高校では、生徒が主体となって運営する学校行事が多く、一年を通して活気に満ちています。

  • 体育祭: 9月に行われる体育祭は、クラスやブロック対抗で大変盛り上がります。 生徒が考えたユニークなスローガンのもと、全校生徒が一体となって競技や応援に熱中します。

  • 文化祭(興陽祭): 11月に行われる文化祭は、各学科の特色を活かした展示や販売が魅力です。 農業科が生産した新鮮な野菜や卵、加工品の販売には毎年多くの人が訪れます。 近年では、熱気球の搭乗体験といったユニークな企画も実施されています。

  • ぼっけぇ祭: 春に行われる苗もの販売市で、地域の方々にも親しまれているイベントです。

  • 修学旅行: 生徒にとって思い出深いイベントの一つです。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

岡山県立興陽高等学校の進学実績

興陽高等学校の卒業後の進路は、就職と進学がおよそ半々です。 専門学科で身につけた知識と技術を活かし、多様な分野で活躍しています。

近年の主な進学実績としては、国公立大学では岡山大学農学部や鳥取大学農学部への合格者が出ています。 私立大学では、東京農業大学、法政大学、明治大学、ノートルダム清心女子大学などへの進学実績があります。 また、岡山県農林水産総合センター農業大学校をはじめ、各分野の専門学校へ進学する生徒も多数います。

就職に関しても、学校で取得した多数の資格を活かし、地元の優良企業をはじめ、幅広い業種への就職実績があります。 進学希望者向けの放課後講座や、就職希望者向けの面接指導、企業見学会など、生徒一人ひとりの進路希望に応じた手厚いサポート体制が整っているのも興陽高校の強みです。

岡山県立興陽高等学校の特長・アピールポイント

興陽高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 広大な敷地と充実した専門設備: 32ヘクタールにも及ぶ広大な校地には、水田、畑、果樹園、畜舎、温室、各種実習棟などが整備されており、本格的な実習が可能です。

  • 実践的な学びと豊富な資格取得: 各学科で専門知識を深めるだけでなく、フォークリフト運転技能講習や各種技術検定など、将来に直結する多くの資格取得に挑戦できます。

  • 全国レベルで活躍する農業クラブ・家庭クラブ: 日頃の学習成果を発表する大会では、毎年全国大会に出場するなど輝かしい実績を誇ります。

  • 地域との連携による学び: 地元の企業や保育園、高齢者施設などと連携した実習や交流活動が盛んに行われており、社会で生きる力を育みます。

  • 生徒主体で進化する学校: 制服のリニューアルや校則の見直しなど、生徒たちの声が学校づくりに反映されています。

  • 特色ある学校行事: 生徒が育てた農産物を販売する文化祭や「ぼっけぇ祭」など、専門高校ならではのイベントは地域からも注目されています。

  • 新学科「ライフデザイン科」の設置: 時代のニーズに合わせて、令和8年度から「家政科」と「被服デザイン科」が「ライフデザイン科」として生まれ変わります。

岡山県立興陽高等学校の口コミ・評判のまとめ

興陽高等学校に関する口コミをまとめると、専門的な学びを求める生徒にとって非常に満足度の高い学校であることがうかがえます。

  • 良い点:

    • 「農業や家庭科について専門的に学びたい人には最高の環境」という声が多数あります。

    • 「資格がたくさん取れるので、就職に有利だと感じた」という卒業生の声も多いようです。

    • 「先生方が専門分野に詳しく、熱心に指導してくれる」といった、教員への信頼も厚いようです。

    • 「文化祭などの行事が学科の特色が出ていて楽しい」という意見も多く見られます。

    • 「広大な敷地でのびのびと実習ができるのが魅力」という声もあります。

  • 気になる点:

    • 「最寄り駅から距離があり、バスを利用する必要があるため、交通の便が少し悪い」という意見が見られます。

    • 「専門科目の学習が中心になるため、普通教科の大学進学を目指すには自分で努力する必要がある」という声もあります。

    • 「校則が少し厳しいと感じる部分があった」という過去の口コミもありますが、前述の通り、現在は生徒主体で見直しが進んでいます。

アクセス・通学

岡山県立興陽高等学校へのアクセスは、バスの利用が便利です。

  • 最寄りバス停:

    • 両備バス「興陽高校前」バス停下車、徒歩約3〜7分

  • 最寄り駅:

    • JR瀬戸大橋線・宇野線「妹尾」駅からタクシーで約10分

    • JR「妹尾」駅から徒歩の場合は約45分かかります。

岡山市南区を中心に、岡山市内全域や玉野市、倉敷市などから通学している生徒が多いようです。

岡山県立興陽高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

興陽高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、「何かを専門的に学びたい」「実践的なスキルを身につけたい」という強い意欲を持つ君にぴったりの場所です。農業や食品、機械、デザイン、保育、福祉など、自分の興味がある分野をとことん追求できる環境が整っています。興陽高校は、普通科の高校とは違い、明確な目的意識を持って入学してくる仲間がたくさんいます。同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、専門知識を深め、たくさんの資格を取得できる3年間は、きっと君を大きく成長させてくれるはずです。

受験勉強においては、基礎的な学力を固めることはもちろんですが、それ以上に「なぜ興陽高校で学びたいのか」「どの学科で何をしたいのか」を明確にしておくことが大切です。面接では、その熱意を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。学校のオープンスクールや説明会にはぜひ参加して、広大なキャンパスの雰囲気や、先輩たちの活気ある姿を肌で感じてみてください。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。