長崎県立島原高等学校は、島原城のほとりに佇む、120年以上の歴史と伝統を誇る学校です。地域からの厚い信頼を集めるこの学校の根幹には、創立以来受け継がれてきた「文武両道」という校是があります。学業と部活動、その両方で高みを目指す生徒たちが集い、互いに切磋琢磨する環境がここにはあります。

「島高(しまたか)」の愛称で親しまれるこの学び舎での3年間は、充実感と挑戦に満ちた日々になることでしょう。難関大学への進学を目指すための手厚い学習サポートと、全国大会、さらには世界を舞台に活躍するトップレベルの部活動。島原高等学校を選ぶということは、その両方を本気で追い求める仲間たちと共に、自身の可能性を最大限に引き出す道を選ぶことを意味します。

この記事では、島原高等学校がどのような学校なのか、中学生の皆さんや保護者の方々が本当に知りたい情報を、分かりやすく、そして詳しく解説していきます。偏差値や進学実績といったデータはもちろん、学校生活のリアルな雰囲気、先輩たちの声、そして「島高」ならではの魅力まで、深く掘り下げていきます。この記事が、あなたの未来を考えるための、確かな一歩となることを心から願っています。

島原高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。見学や問い合わせの際に役立ててください。

項目 内容
正式名称 長崎県立島原高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学の別 男女共学
所在地 〒855-0036 長崎県島原市城内2-1130
代表電話番号 0957-63-7100
公式サイトURL https://www.shimabara-h.ed.jp

島原高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで最も気になるのが、やはり偏差値と難易度ですよね。島原高等学校の学力レベルを具体的に見ていきましょう。

島原高等学校には2つの学科があり、それぞれで偏差値が大きく異なります。

  • 文理探究科:63

  • 普通科:53

この10ポイントの差は、同じ学校の中に学力レベルの異なる2つのコースが存在することを意味しています。文理探究科は、長崎県内でもトップクラスの難易度を誇り、諫早高校(普通科 偏差値63)と同じレベルの、非常に高い学力が求められるコースです。一方、普通科は、西陵高校(偏差値55)や大村高校(偏差値55)といった県内の有力校と肩を並べる、しっかりとした学力が必要なコースです。

合格に必要な内申点の目安としては、文理探究科を目指す場合は、主要5教科はもちろん、全教科でほぼ満点に近い評価が求められるでしょう。普通科の場合も、平均を大きく上回る通知表の点数が必要になると考えられます。

長崎県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、島原高等学校を受験する生徒の多くは、万が一の場合に備えて私立高校を併願します。島原半島内や近隣の諫早市、長崎市にある、学力レベルに応じた私立高校が主な併願先となる傾向があります。

島原高等学校に設置されている学科・コース

島原高等学校には、生徒一人ひとりの進路目標に合わせて専門性を深めていける、特色ある2つの学科が設置されています。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所なのか:1年次では、全ての教科をバランス良く学び、幅広い知識の土台を築きます。2年次からは、それぞれの進路希望に応じて「文系コース」と「理系コース」に分かれます。文系は国語・社会・英語、理系は数学・理科の学習に重点を置き、志望大学の入試に向けた専門的な学力を高めていきます。

    • どんな生徒におすすめか:国公立大学や私立大学への進学を考えており、高校生活の中で自分の興味や得意分野を見つけ、それに応じた進路を選択したい生徒におすすめです。

  • 文理探究科

    • どんなことを学ぶ場所なのか:難関大学への進学を強く意識した、学習意欲の高い生徒のための専門学科です。通常の授業に加えて、大学の講義を受けたり、生徒自身が興味を持ったテーマについて深く研究し発表する「探究活動」に多くの時間が割かれています。教科書レベルを超える、より深く、主体的な学びが特徴です。

    • どんな生徒におすすめか:将来の目標が明確で、難関大学への進学を目指している生徒に最適です。受け身の学習ではなく、自ら課題を見つけて研究することに興味があり、知的好奇心が旺盛な生徒にとって、最高の環境と言えるでしょう。

島原高等学校の特色・校風

島原高等学校の校風は、「文武両道」「質実剛健」「学究的で礼節を尊ぶ」といった言葉で表現されます。これは、学問を深く探究する姿勢と、礼儀を重んじる真面目でたくましい気風を大切にする文化が根付いていることを示しています。

  • 宿題の量は多いか少ないか

    • 学習量は全体的に多い傾向にあり、特に文理探究科は授業の進度が速く、数学の予習など、家庭学習に多くの時間を割く必要があるようです。日々の予習・復習を習慣づけることが、授業についていくための鍵となります。

  • 校則は厳しいか緩やかか

    • 校則は、県内の他の高校と比較して厳しいという声が多く聞かれます。

    • スマホ:校内での使用は禁止されており、見つかった場合は一定期間預かり指導となるなど、厳しく運用されています。登下校時の連絡など、校外での使用は認められているようです。

    • 服装:制服の着こなしには細かな規定があり、シャツの第一ボタンを留める、スカート丈を適切に保つといった指導が徹底されています。頭髪についても、染髪や奇抜な髪型は禁止です。

    • この厳しい校則は、生徒が学業と部活動に集中できる環境を整えるための土台と考えることができます。スマホなどの distractions を排除し、限られた時間を有効に使うことで、「文武両道」という高い目標の達成を学校全体で支えているのです。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 真面目で落ち着いた雰囲気の生徒が多いようです。文武両道を掲げているだけあり、勉強にも部活動にも一生懸命取り組む、目標意識の高い生徒が集まっています。分からない問題があれば、放課後に先生に質問に行ったり、生徒同士で教え合ったりする光景が日常的に見られます。

  • アルバイトは可能か

    • 原則として禁止されています。家庭の経済的な事情など、やむを得ない場合に限り、許可されることがあるようですが、基本的には学業に専念することが求められます。

  • 制服の評判はどうか

    • 現在の制服は、男子が伝統的な黒の学生服(学ラン)、女子が紺色のブレザーです。在校生からは、制服が新しくなる予定だという声も聞かれ、今後のデザインに注目が集まっています。

  • 土曜授業はあるか

    • 進学サポートの一環として、年間12回程度の土曜講座が実施されており、受験に向けた学力向上を力強く後押ししています。

島原高等学校の部活動・イベント

部活動

島原高等学校の「文武両道」を象徴するのが、活発な部活動です。20以上の部があり、多くの生徒が加入して熱心に活動しています。運動部、文化部ともに非常に充実しており、全国レベルで活躍する部も少なくありません。

  • 特に有名な部活動

    • 剣道部:全国にその名を知られる名門中の名門です。「日本一」に輝いた実績を持ち、常に全国の頂点を目指して厳しい稽古に励んでいます。剣道をするために島原高校を選ぶ生徒もいるほど、学校を代表する部活動です。

    • レスリング部:世界で戦う選手を輩出している強豪部です。近年では、在校生がU17世界選手権で優勝するという快挙を成し遂げており、その指導レベルの高さは折り紙付きです。

    • サッカー部:かつて全国制覇を成し遂げた輝かしい歴史を持つ部です。技術だけでなく、挨拶や礼儀といった人間教育にも力を入れていることで知られています。

    • 弓道部・ソフトテニス部:これらの部も県大会で団体優勝を果たすなど、常に上位の成績を収めている強豪です。

    • 管弦楽部:文化部の中でも特に珍しく、長崎県内でも数少ない弦楽器を演奏できるオーケストラです。初心者も歓迎される温かい雰囲気で、地域のイベントなどでも活躍しています。

イベント

島高での生活を彩る学校行事は、生徒たちの絆を深め、かけがえのない思い出を作ります。

  • 青楓祭(せいふうさい):9月に行われる、体育祭と文化祭を合わせた島原高校最大のイベントです。

    • 体育祭:クラスや団の色に分かれて、様々な競技で競い合います。応援合戦なども非常に盛り上がり、学校全体が一体感に包まれます。

    • 文化祭:2日間にわたって開催され、クラスごとの展示やステージ発表、文化部の公演などが行われます。特に、巨大なモザイクアートや手の込んだ装飾、管弦楽部の演奏会などは見応えがあり、毎年多くの来場者で賑わいます。準備期間を通じて、クラスの団結力が一気に高まります。

  • その他の行事:4月の新入生歓迎遠足に始まり、冬には健脚大会やマラソン大会が開催されるなど、年間を通じて様々な行事が計画されています。これらの行事の一つひとつが、勉強や部活動だけでは得られない貴重な経験となります。

島原高等学校の進学実績

島原高等学校は、地域を代表する進学校として、毎年優れた大学進学実績を誇っています。特に国公立大学への進学に強いのが特徴です。

  • 国公立大学

    • 最新の令和7年3月卒業生の実績では、国公立大学への合格者は合計95名(国立62名、公立33名)に上ります。

    • 主な合格先としては、地元の長崎大学に18名(うち医学部1名)、長崎県立大学に17名と、県内大学への進学者が多いのが特徴です。

    • 九州内の主要大学にも強く、熊本大学6名、鹿児島大学7名、大分大学6名などの実績があります。

    • さらに、筑波大学やお茶の水女子大学といった全国の難関大学にも合格者を輩出しており、高いレベルの進路指導が行われていることがうかがえます。

  • 難関私立大学

    • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)や、関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)といった全国の難関私立大学グループにも、毎年コンスタントに合格者を出しています。

    • 過年度卒業生(浪人生)の実績には、早稲田大学、明治大学、法政大学なども含まれています。

    • 九州の主要私立大学である西南学院大学や福岡大学にも多くの合格者を出しています。

  • その他の進路

    • 大学進学が大多数を占めますが、看護系の専門学校や短期大学へ進む生徒もいます。

これらの輝かしい進学実績は、学校の手厚い学習支援体制によって支えられています。平日の授業日には早朝補習(7:35から)が、年間を通じては土曜講座が実施されます。さらに、夏休みや冬休みにも補習が組まれ、3年生になると高校総体終了後から本格的な放課後補習がスタートするなど、受験の最後まで生徒一人ひとりを徹底的にサポートする体制が整っています。

島原高等学校の特長・アピールポイント

数ある高校の中で、島原高等学校が持つ独自の強みや魅力をまとめました。

  • 120年を超える歴史が育んだ風格と伝統

    • 島原城の隣という最高のロケーションに、ゴシック様式の美しい校舎が佇んでいます。長い歴史の中で築き上げられてきた「島高生」であることへの誇りと、地域からの信頼が学校の大きな財産です。

  • 「文武両道」を本気で追求できる環境

    • 単なるスローガンではなく、学校生活のあらゆる場面で「文武両道」が実践されています。全国レベルの部活動で汗を流しながら、難関大学合格という目標も諦めない。そんな高い志を持つ仲間と切磋琢磨できる環境は、他では得がたいものです。

  • 圧倒的な手厚さを誇る大学進学サポート体制

    • 早朝補習、土曜講座、長期休暇中の補習、3年生向けの放課後補習など、授業以外の学習サポートが非常に充実しています。生徒の「学びたい」という意欲に、学校が全力で応えてくれます。

  • 知的好奇心を満たす専門学科「文理探究科」の存在

    • 通常のカリキュラムを超え、大学と連携した授業や主体的な研究活動に取り組める「文理探究科」は、学問を深く探究したい生徒にとって最高の環境です。将来、学術分野や専門職で活躍するための礎を築くことができます。

  • 全国、そして世界で戦うトップレベルの部活動

    • 剣道部やレスリング部をはじめ、全国大会で優勝を争うレベルの部活動が数多く存在します。高校3年間で、競技者として最高のレベルに挑戦したい生徒にとって、これ以上ない魅力です。

  • 未来を見据えた先進的な教育プログラム

    • 海外研修旅行(オーストラリア)や、大学と連携した遠隔授業などを実施し、生徒が広い視野を持つための機会を積極的に提供しています。地域にいながら、世界や最先端の学問に触れることができます。

島原高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられるリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

  • 良い点

    • 「先生方のサポートが手厚い」という声が非常に多いです。職員室前の自習スペースなどで気軽に質問ができ、分かるまで丁寧に教えてくれる先生方の存在が、生徒たちの学習意欲を支えているようです。

    • 「高いレベルで勉強と部活を両立できる」という点に満足している生徒が多いです。厳しい環境だからこそ得られる達成感や充実感が、島高生活の醍醐味だと感じられています。

    • 「進学実績が良く、安心して勉強に打ち込める」という意見も目立ちます。先輩たちが築いてきた確かな実績が、在校生の大きな目標となり、モチベーションにつながっています。

    • 「青楓祭(文化祭・体育祭)が本当に楽しい」という声も多数あります。クラス一丸となって準備に取り組むことで、強い団結力が生まれるようです。

  • 気になる点

    • 「校則が厳しい」という意見は、多くの生徒が感じているようです。特にスマートフォンに関するルールは厳格で、自由な校風を求める生徒には少し窮屈に感じられるかもしれません。

    • 「課題や予習が多くて大変」という声もあります。特に文理探究科は学習のペースが速く、日々の努力が欠かせないため、自主的に学習管理ができる力が必要です。

    • 「歴史がある分、施設が少し古い」と感じる生徒もいるようです。最新の設備が整った新しい学校と比べると、見劣りする部分があるかもしれません。

    • 「駅から少し歩く」という点も挙げられます。島原駅から徒歩9分という距離は、毎日の通学を考えると、人によっては少し負担に感じる可能性があります。

アクセス・通学

島原高等学校への通学方法についてです。

  • 最寄り駅:島原鉄道「島原」駅

  • アクセス方法:「島原」駅から学校までは、徒歩で約9分です。

  • 通学エリア:多くの生徒は、学校が属する「島原学区」内、つまり島原市、雲仙市、南島原市といった島原半島全域から通学しています。この地域における学業の中心的な役割を担う高校です。

島原高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

最後に、進学アドバイザーとして、島原高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。

島原高等学校は、「高い目標に向かって、とことん努力したい」と考える君にぴったりの学校です。勉強も、部活動も、学校行事も、すべてに全力で打ち込みたい。そんな熱い気持ちを持っているなら、「島高」での3年間は、君を大きく成長させてくれる最高の舞台になるはずです。規律ある環境の中で、自分を律し、仲間と励まし合いながら目標を達成する喜びを、ぜひ味わってください。

受験勉強では、まず全教科の基礎を徹底的に固めることが合格への近道です。特に、難関の文理探究科を目指すのであれば、数学や理科の応用問題に対応できる思考力、そして長文を正確に読み解く読解力が合否を分けます。単なる暗記で終わらせず、「なぜそうなるのか」を常に考える学習を心がけましょう。島原高等学校で、未来の「青き楓たち」の一員として輝く君に会える日を楽しみにしています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。