埼玉県立所沢北高等学校は、高い目標に向かって仲間と切磋琢磨しながら、一生の思い出に残る高校生活を送りたいと願う君に、最高の舞台を用意してくれる学校です。「文武両道」をスローガンに掲げる学校は数多くありますが、所沢北高等学校は、その理念を具体的なシステムと活気ある文化で見事に体現しています。
高いレベルの学習環境はもちろんのこと、98%という驚異的な部活動加入率が示すように、生徒一人ひとりが何かに夢中になれる場所がここにはあります。落ち着いた雰囲気の中で育まれる温かい人間関係、生徒が主役となって創り上げる学校行事の熱気、そして輝かしい大学進学実績。
この記事では、そんな魅力あふれる所沢北高等学校の姿を、進学アドバイザーの視点から、中学生とその保護者の皆さんにとって分かりやすく、そして深く掘り下げてご紹介します。この記事を読めば、きっと「所北」での3年間が具体的にイメージできるはずです。
所沢北高等学校の基本情報
まずは、所沢北高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校見学や説明会に参加する際の参考にしてください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 埼玉県立所沢北高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒359-0042 埼玉県所沢市並木5-4 |
代表電話番号 | 04-2995-5115 |
公式サイトURL | https://tokokita-h.spec.ed.jp/ |
所沢北高等学校の偏差値・難易度・併願校
高校受験において、最も気になるのが偏差値や難易度でしょう。ここでは、所沢北高等学校に合格するために必要な学力の目安を具体的に解説します。
偏差値と難易度の目安
所沢北高等学校の偏差値は、使用する模試や調査機関によって幅広く提示されており、55から69といった数字が見られます。受験生にとって最も重要な指標となるのは、埼玉県内の公立高校受験で広く使われている「北辰テスト」の偏差値です。
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普通科・理数科 偏差値: 前後
この「偏差値63」が、合格を目指す上での一つの大きな目安となります。もちろん、これはあくまで目安であり、より確実に合格を目指すのであれば偏差値65以上を安定して取れる学力を身につけておきたいところです。
偏差値だけでなく、中学校での成績、つまり「内申点」も合否を左右する重要な要素です。所沢北高等学校の合格者の平均的な内申点は、中学1年生から3年生までの合計で「195点」程度が目安とされています。具体的な内訳としては、1年:37、2年:38、3年:40といったイメージです。これは、通知表の9教科でオール4を基本としながら、いくつかの教科で5を取る必要があるレベルです。特に、中学3年生の成績は比重が高くなるため(埼玉県の公立入試では多くの場合、1年:2年:3年が1:1:2や1:1:3の比率で計算されます)、最後まで気を抜かずに日々の授業や定期テストに取り組むことが合格への鍵となります。
同じくらいの偏差値の高校としては、すぐ近くにある所沢高校(偏差値63前後)が比較対象としてよく挙げられますが、大学進学実績などを見ると所沢北高等学校がやや難易度が高い傾向にあります。
主な併願校
埼玉県では、公立高校同士の併願はできません。そのため、所沢北高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。
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山村学園高等学校
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狭山ケ丘高等学校
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聖望学園高等学校
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西武台高等学校
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西武学園文理高等学校
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獨協埼玉高等学校
所沢北高等学校に設置されている学科・コース
所沢北高等学校には、生徒の興味や進路希望に応えるための2つの学科が設置されています。それぞれの特色を理解し、自分に合った学科を選びましょう。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:文系・理系を問わず、幅広い分野の大学進学に対応できるバランスの取れたカリキュラムで学びます。2年次から文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に合わせた専門的な学習を深めていきます。
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どんな生徒におすすめか:まだ将来の夢が具体的に決まっていない人や、文系・理系どちらの可能性も探りたい人、国公立大学や難関私立大学へ幅広く進学を考えている人におすすめです。
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理数科
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どんなことを学ぶ場所か:2016年に開設された、数学と理科に特化した専門学科です。実験や観察、課題研究といった探究的な活動が多く取り入れられており、より高度で専門的な理数教育を受けることができます。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校としての活動の中心もこの理数科が担っています。
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どんな生徒におすすめか:理科や数学が大好きで、将来は研究者や技術者、医師など、理系の専門職に就きたいと考えている人、最難関の理系大学・学部への進学を目指す人に最適です。
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理数科の存在は、単に専門コースがあるというだけではありません。理数分野に高い意欲を持つ生徒が集まり、大学や研究機関と連携した高度な学びが展開されることで、学校全体の学術的な雰囲気を高めています。このアカデミックな環境は、普通科の生徒にとっても良い刺激となり、所沢北高等学校全体の学習意欲を底上げする重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
所沢北高等学校の特色・校風
学校選びでは、偏差値や進学実績だけでなく、学校全体の雰囲気、つまり「校風」が自分に合うかどうかが非常に重要です。ここでは、口コミや評判を基に、所沢北高等学校のリアルな日常に迫ります。
キーワードで表す校風は、「文武両道」「落ち着いた雰囲気」「自由と規律」「仲間を応援する文化」です。
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生徒たちの雰囲気
在校生や卒業生から最も多く聞かれるのは、「とにかく人が良い」という声です。精神的に大人で、優しく落ち着いた生徒が多く、穏やかな学校生活を送りたい人には最高の環境と言えるでしょう。いわゆる「クラスカースト」のようなものはほとんどなく、いじめの心配も少ないという意見が多数を占めています。かといって、地味でおとなしい生徒ばかりというわけではなく、行事や部活動では非常に活発で明るい一面も見られ、やるときはやる、楽しむときは楽しむ、というメリハリのついた生徒が多いようです。
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校則
校則は、他の進学校と比較すると「やや厳しい」と感じる生徒もいるようです。特に服装や頭髪に関する指導はきちんと行われる傾向にあります。しかし、これは学校の品位を保ち、生徒が学習に集中できる環境を維持するための方針と捉えることができます。スマートフォンの使用については、多くの学校と同様に授業中の使用は禁止ですが、休み時間などの利用は常識の範囲内で認められているようです。
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宿題の量
普段の授業で出される宿題は、それほど多くないという声が多いです。しかし、夏休みなどの長期休暇には、かなりの量の課題が出されるようです。これは、日々の学習は生徒の自主性に任せつつ、長期休暇中に学力が低下しないように、また、計画的に学習する習慣を身につけさせるための学校側の配慮と考えられます。
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制服の評判
学校生活の満足度が高い一方で、唯一と言っていいほど多くの生徒が指摘するのが制服のデザインです。「制服以外は全てが充実している」という口コミがあるほど、特に女子生徒からの評判は芳しくないようです。これは好みの問題もありますが、入学を検討する上での一つの情報として知っておくと良いでしょう。
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アルバイト
アルバイトは原則として禁止されていませんが、行う場合は学校からの許可が必要です。学業や部活動との両立が前提となります。
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土曜授業
所沢北高等学校の大きな特色の一つが、「土曜授業がない」ことです。これを可能にしているのが、1コマ65分授業という独自のシステムです。一般的な50分授業の学校に比べて1日あたりの授業時間を長く確保することで、土曜日を休みにしても十分な学習時間を確保しています。この「65分授業」により、平日はしっかりと学習に集中し、土日は部活動や自分のための勉強、あるいはリフレッシュの時間として有効に使えるのです。このシステムこそが、所沢北高等学校の「文武両道」をスローガンだけでなく、現実のものとしている最大の要因と言えるでしょう。
所沢北高等学校の部活動・イベント
所沢北高等学校の「文武両道」を象徴するのが、活発な部活動と生徒主体の学校行事です。ここでは、その魅力の一端をご紹介します。
部活動
部活動加入率は驚異の98%。ほとんどの生徒が部活動に所属し、勉強と両立させながら青春を謳歌しています。運動部19、文化部18と、選択肢も非常に豊富です。中でも、全国レベルで活躍する部活動がいくつもあります。
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チアダンス部
「所北」の顔とも言える、全国屈指の強豪部です。数々の全国大会で優勝や上位入賞を果たしており、そのパフォーマンスは圧巻の一言。部員たちのひたむきな努力と笑顔は、全校生徒の誇りです。
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陸上競技部
毎年、関東大会やインターハイへ出場選手を輩出している伝統ある強豪部です。個人、リレー種目共に高いレベルでの活躍が見られます。
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弓道部
静かな集中力と精神力が求められる弓道においても、関東大会や全国大会への出場実績が豊富です。凛とした雰囲気の中で、心身を鍛えることができます。
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文化部
運動部だけでなく、文化部の活躍も目覚ましいものがあります。美術部、新聞部、ギター部、吹奏楽部などが全国高等学校総合文化祭に出場するなど、文化的な活動においても全国レベルの実績を誇ります。特に吹奏楽部は、コンクールでの上位大会進出のほか、地域のイベントや野球応援などでも活躍しています。
イベント
所沢北高等学校の学校行事は、生徒会が中心となって企画・運営される「生徒主体」が特徴です。仲間と協力して一つのものを創り上げる経験は、何物にも代えがたい思い出となります。
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北高祭(文化祭)
毎年9月に行われる文化祭は、「所北」最大のイベントです。クラスごとの模擬店やお化け屋敷、ステージでの有志発表など、校内は一日中熱気に包まれます。そのクオリティの高さは地域でも評判で、多くの来場者で賑わいます。卒業生も楽しみにしているイベントで、学校への愛着の深さがうかがえます。
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北友祭(体育祭)
6月に行われる体育祭は、色分けされた団対抗で競い合います。各団が制作する巨大な「壁画」や、応援団を中心に繰り広げられる「応援合戦」は圧巻の一言。クラスや団の絆が深まる、感動的な一日です。
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修学旅行
2年生の秋に実施されます。行き先は年によって異なりますが、近年では広島を訪れたり、過去には沖縄や九州、北海道など、日本の歴史や文化、自然を学ぶ貴重な機会となっています。
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国際交流
希望者向けに、夏休みにはニュージーランド研修、春休みにはフランス研修といった海外研修プログラムが用意されています。異文化に触れ、語学力を磨く絶好のチャンスです。
所沢北高等学校の進学実績
進学校としての所沢北高等学校の実力は、その大学進学実績に明確に表れています。特に国公立大学への進学に強いのが大きな特徴です。
最新の大学進学実績(2024年春)
令和6年度(2024年)入試でも、生徒たちは素晴らしい結果を残しました。現役生を中心に、多くの生徒が難関大学への合格を勝ち取っています。
大学群 | 主な大学名と合格者数(2024年実績) |
国公立大学 | 合計 86名(うち東京大学 2名、一橋大学 1名、東京科学大学 3名、東北大学 2名、北海道大学 2名、埼玉大学 12名など) |
難関私立大学(早慶上理) | 早稲田大学 36名、慶應義塾大学 8名、上智大学 8名、東京理科大学 13名(合計 65名) |
難関私立大学(GMARCH) | 明治大学 72名、青山学院大学 15名、立教大学 61名、中央大学 47名、法政大学 78名(合計 298名) |
このほか、医学部医学科や薬学部といった難関理系学部への進学者も輩出しています。また、約9割の生徒が現役で大学に進学しており、浪人を選ぶ生徒が少ないのも特徴です。
進学実績を支える取り組み
こうした輝かしい進学実績は、生徒自身の努力はもちろん、学校のきめ細やかな進路指導の賜物です。具体的な補習や講習に関する情報は多くありませんが、注目すべきは多様な入試形態への対応力です。
近年、大学入試は一般選抜(学力試験)だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜の重要性が増しています。所沢北高等学校は、東京科学大学や東北大学といった最難関大学へもこれらの選抜方式で合格者を出しています。これは、単に学力試験対策を行うだけでなく、生徒一人ひとりの個性や探究活動の成果を評価し、それを合格に結びつける高度な指導力があることの証です。SSH指定校として行われる大学との連携プログラムなども、生徒の視野を広げ、進路意識を高める上で大きな役割を果たしていると考えられます。
所沢北高等学校の特長・アピールポイント
数ある高校の中から所沢北高等学校が選ばれる理由、それは他校にはない独自の魅力があるからです。ここでは、その特長を6つのポイントに絞って紹介します。
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「65分授業」で実現する完全週休2日制
土曜授業を行わずに十分な授業時間を確保する独自のシステム。これにより、平日は勉強に、土日は部活動や趣味に全力で打ち込むという、理想的な「文武両道」の高校生活が送れます。
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驚異の部活動加入率98%と全国レベルの実績
ほとんどの生徒が部活動に所属し、仲間と共に汗や涙を流しています。全国優勝を誇るチアダンス部を筆頭に、多くの部が関東・全国の舞台で活躍しており、本気で何かに挑戦したい生徒にとって最高の環境です。
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国公立大学に強い圧倒的な進学実績
東京大学をはじめとする最難関国公立大学や、早慶上理、GMARCHといった難関私立大学へ、毎年多数の合格者を輩出。質の高い授業と手厚い進路指導が、生徒の夢を力強く後押しします。
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SSH指定校としての高度な理数教育と大学連携
スーパーサイエンスハイスクールとして、理数科を中心に先進的な理数教育を展開。大学や研究機関と連携したプログラムに参加する機会も豊富で、知的好奇心をとことん満たすことができます。
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生徒が主役で創り上げる、地域でも評判の学校行事
文化祭や体育祭は、企画から運営まで生徒が中心。仲間と協力して一つのものを創り上げる達成感と、クラスの団結力は一生の宝物になります。その熱気とクオリティの高さは、地域でも有名です。
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いじめの心配が少ない、穏やかで成熟した生徒文化
多くの在校生や卒業生が口を揃えるのが「人の良さ」。互いを尊重し、応援し合う温かい雰囲気が学校全体に根付いています。安心して学校生活を送れる、居心地の良い環境が最大の魅力の一つです。
所沢北高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生、保護者からの「生の声」を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。学校選びのリアルな参考にしてください。
良い点
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人間関係と学校の雰囲気
「本当にいい人ばかりで、いじめは全くなかった」「クラスにありがちなカーストもなく、誰でも楽しく過ごせる」といった声が圧倒的に多いです。穏やかで思いやりのある生徒が多く、安心して3年間を過ごせるようです。勉強や部活など、何かに頑張る人をみんなで応援する校風があります。
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文武両道と充実感
「勉強も部活も行事も、全てに全力で取り組めて本当に楽しかった」「卒業して振り返ると、最高の3年間だった」という意見が目立ちます。大変なことも多いけれど、それ以上に充実感や達成感を味わえる環境のようです。
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先生のサポート
「進路相談に熱心に乗ってくれる先生が多かった」「質問に行くと丁寧に教えてくれる」など、生徒に真摯に向き合ってくれる先生方が多いという評価があります。
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行事の楽しさ
「文化祭や体育祭は本当に盛り上がる」「クラスの団結力が強まる」など、学校行事に対する満足度は非常に高いです。生徒が主体となって創り上げるからこその楽しさがあるようです。
気になる点
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施設・設備の古さ
「校舎が古い」「教室に冷房がないのが夏はきつい」という声は、最も多く聞かれる注意点です。特に夏の暑さ対策は覚悟が必要かもしれません。ただし、体育館が改修されたり、図書館の蔵書が充実していたりと、改善されている部分もあります。
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制服のデザイン
「制服がダサい」という意見は、男女問わず多くの生徒から聞かれます。こればかりは個人の好みの問題ですが、多くの生徒が気にしているポイントのようです。
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先生の質のばらつき
熱心な先生が多い一方で、「先生ガチャがある」「授業が分かりにくい先生もいる」といった声も一部で見られます。これはどの学校にも言えることかもしれませんが、塾などを活用して自分で学習を補う必要があると感じる生徒もいるようです。
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授業の進度
「最難関大学を目指すには、授業の進度が少し遅いと感じる」という意見もあります。学校の授業だけで満足せず、塾に通ったり、自分でどんどん先取り学習を進めたりする高い意識を持った生徒も多いようです。
アクセス・通学
所沢北高等学校への通学方法について説明します。
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最寄り駅:西武新宿線「新所沢」駅
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アクセス方法:
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新所沢駅東口から徒歩で約10分~15分。多くの生徒が友達と話しながら歩いて通学しているようです。
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新所沢駅東口からバスを利用し、「所沢市民体育館」バス停で下車、そこから徒歩約2分というルートもあります。
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通学エリアとしては、学校が所在する所沢市内から通う生徒が最も多いですが、近隣の入間市、狭山市、飯能市、川越市といった西部地区の各市や、東京都の一部から通学している生徒もいます。
所沢北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとう。君がもし、所沢北高等学校という選択肢を真剣に考えているなら、最後にアドバイザーとしてメッセージを送ります。
所沢北高等学校は、「高いレベルで勉強も部活も頑張りたい、でも、落ち着いた環境で、気の合う仲間と充実した3年間を送りたい」と願う、自立した君にこそ、強くおすすめしたい学校です。誰かに強制されるのではなく、自分の意志で目標を立て、努力できる人。そして、周りの仲間の頑張りを心から応援できる人。そんな生徒たちが集まっているからこそ、あの独特の温かく、そして活気のある校風が生まれるのです。所沢北高等学校が提供する「自由な週末」という最高の贈り物を活かして、君だけの「文武両道」を追求してください。
受験勉強では、まず内申点を疎かにしないこと。1年生の時から定期テストにしっかり取り組み、通知表で良い成績を維持することが、合格への大きなアドバンテージになります。その上で、北辰テストで安定して偏差値63以上を取ることを目標に、5教科の基礎を徹底的に固めましょう。健闘を祈っています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。