文徳高等学校は、熊本市に根ざす私立高校として、生徒一人ひとりの多様な夢を育む活気あふれる学び舎です。かつては熊本工業大学附属高校として知られ、その歴史の中で文武両道の精神を貫き、学業とスポーツの両面で輝かしい実績を築いてきました。進学指導から専門技術の習得まで、幅広い目標に対応できるコース設定が、この学校の大きな魅力となっています。
高校選びは、皆さんの未来を描くための、わくわくするような、そして少しだけ悩ましい旅の始まりですね。このページは、そんな皆さんと保護者の方々のために、進学アドバイザーである私が文徳高等学校の「本当の姿」をご案内するものです。「授業の難易度は?」「学校生活は楽しい?」「校則は厳しいの?」といった、皆さんが本当に知りたい疑問に、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
ここでは、偏差値や進学実績といったデータだけでなく、在校生や卒業生のリアルな声も交えながら、文徳高等学校が持つ独自の魅力と、入学前に知っておきたいポイントを詳しく解説します。この情報が、皆さんにとって「ここが私の行きたい学校だ!」と思える、最高の選択をするためのお手伝いになれば、これほど嬉しいことはありません。
文徳高等学校の基本情報
まずは、文徳高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩として、正式名称や所在地などの公式情報を正確に把握しておくことはとても大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 学校法人文徳学園 文徳高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒860-0082 熊本県熊本市西区池田4-22-2 |
代表電話番号 | 096-354-6416 |
公式サイトURL | https://www.buntoku-h.ed.jp/ |
文徳高等学校の偏差値・難易度・併願校
文徳高等学校の偏差値は、設置されている学科やコースによって幅広く設定されており、自分の学力や目標に合った場所を選べるのが特徴です。ここでは、具体的な偏差値の目安と、合格に向けて知っておきたい情報をご紹介します。
学科・コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。
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普通科 東大・医進コース: 61~62
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普通科 特別進学コース: 60~62
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普通科 進特コース: 51~55
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理工科 特別進学コース: 51
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普通科 普通コース: 45~47
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理工科 専門コース: 44
偏差値60を超える東大・医進コースや特別進学コースは、熊本県内の私立高校の中でもトップクラスの難易度です。これらのコースは、九州学院高校(プログレスクラス)や熊本マリスト学園高校などが同じくらいのレベルの高校として挙げられます。
合格に必要な内申点の目安ですが、熊本県の公立高校入試では、中学3年間の成績が評価対象となり、1年生・2年生が各45点満点、3年生はその2倍の90点満点、合計180点満点で算出されます。これを参考にすると、文徳高等学校の最難関コースを目指す場合、通知表で5段階評価の平均が4.5以上(ほとんどが5で、4がいくつかある程度)が一つの目安となるでしょう。進特コースや理工科特別進学コースでは平均4.0前後、普通コースや理工科専門コースでは平均3.3~3.5前後を目標に、日々の授業や定期テストに真剣に取り組むことが大切です。ただし、これはあくまで目安であり、当日の入試の得点が最も重要になります。
文徳高等学校は私立高校のため、多くの受験生が公立高校との併願先として選択します。特に、熊本高校、済々黌高校、第一高校、第二高校といった県内トップレベルの公立高校を目指す生徒が、東大・医進コースや特別進学コースを併願する傾向があります。また、宇土高校などの中堅公立高校を第一志望とする生徒にとっても、進特コースなどが有力な併願先となっています。
文徳高等学校に設置されている学科・コース
文徳高等学校の最大の魅力の一つは、生徒一人ひとりの目標に合わせてきめ細かく設定された多彩な学科・コースです。まるで大学のように、自分の興味や目指す進路に特化した学びの環境が用意されています。
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普通科 東大・医進コース
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東京大学をはじめとする最難関国公立大学や、医学部への現役合格を目指す少数精鋭のコース。深い思考力と論理力を養いたい、トップレベルの挑戦をしたい君におすすめ!
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普通科 進特コース
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熊本大学などの国公立大学への進学を目標とするコース。基礎から応用までを徹底的に学び、着実に学力を伸ばして現役合格を掴みたい人にぴったりです。
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普通科 普通コース
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私立大学や専門学校への進学、就職など、多様な進路希望に対応する柔軟なカリキュラムが特徴。2年次からは国公立大学を目指す特別クラスも編成可能です。
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理工科 特別進学コース
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理系の国公立大学や高等専門学校への進学を目指すユニークなコース。電子・機械分野の専門知識と、大学受験に必要な学力を両立させたい理系志望者におすすめです。
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理工科 専門コース
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電子、電気、機械の専門技術を基礎から学び、実社会で活躍できるスペシャリストを育成。ものづくりが好きで、専門的な資格取得や優良企業への就職を目指す人に最適です。
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文徳高等学校の特色・校風
文徳高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「多様性」「規律と礼儀」と言えるでしょう。全国レベルで活躍する部活動の活気と、難関大学を目指す真剣な学習雰囲気が共存しており、生徒たちはそれぞれの目標に向かって切磋琢磨しています。
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宿題の量と学習サポート
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東大・医進コースや進特コースなどの進学系コースでは、学習量はかなり多いようです。「朝から課外、夕方も課外がある」という声が多く、特に朝7時30分から始まる「朝課外」は毎日実施されます。この手厚いサポートが進学実績に繋がっていますが、部活動との両立は計画性が求められ、「時間に余裕がなく体調を崩す人もいる」という意見もあります。一方、普通コースは平日6時間授業で、自分のペースで学習を進めやすい環境です。
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校則(スマホ、服装など)
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校則に対する印象は、生徒によって「厳しい」「普通」「意外と緩い」と様々です。基本的には伝統を重んじる規律正しい校風で、服装や頭髪に関する規定はきちんと定められています。しかし、口コミを見ると「ルールを守っていれば厳しく言われることはない」という声が多く、常識の範囲内で行動していれば、窮屈に感じることは少ないのかもしれません。
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生徒たちの雰囲気
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約1200名の生徒が通うマンモス校であり、コースによって雰囲気が大きく異なるのが最大の特徴です。「普通コースと理工科は元気で活発な生徒が多く、進特コースや東大・医進コースは落ち着いて真面目な生徒が多い」といった声が見られます。この多様性こそが文徳の面白さであり、様々なタイプの友人と出会えるチャンスでもあります。
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アルバイト
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校則では、原則としてアルバイトは禁止されています。学校生活や学業に集中してほしいという学校の方針の表れです。
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制服の評判
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制服は、知的で清楚な印象を与える濃紺のブレザースタイルで、生徒からの評判は非常に高いです。女子は伝統的なチェック柄のスカートに加え、スラックスも選択できます。「制服が可愛くて入学を決めた」という声もあるほど、人気のポイントの一つです。
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土曜授業
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土曜授業の有無はコースによって異なります。東大・医進コース、進特コース、そして普通コース内の国公立進学クラスでは、隔週土曜日(主に第1・第3土曜日)に4時間の授業があります。それ以外のコースでは土曜授業はありません。
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文徳高等学校の部活動・イベント
文徳高等学校のもう一つの顔は、県内屈指の「スポーツ強豪校」としての一面です。多くの部活動が全国の舞台で活躍しており、学校全体が活気に満ちています。また、生徒が主体となって作り上げる学校行事も、高校生活を彩る大切な思い出になります。
部活動
文徳高校には17の体育部、4つの文化部、9つの同好会があり、多くの生徒が文武両道を目指して活動しています。特に全国レベルで名を馳せる部活動が数多く存在します。
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運動部
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相撲部:まさに「常勝軍団」。熊本県高校総体で団体15連覇を達成するなど、圧倒的な強さを誇ります。OBには大相撲で活躍する輝鵬関もおり、全国制覇を目標に日々の厳しい稽古に励んでいます。
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硬式野球部:甲子園出場経験もある名門で、常に県大会の上位に名を連ねる強豪です。「甲子園出場」を合言葉に、チーム一丸となって白球を追いかける姿は、全校生徒の憧れです。
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ライフル射撃部:高校の部活動としては珍しいですが、全九州大会で個人優勝者を輩出するなど、輝かしい実績を持つ部活動です。高い集中力と精神力が求められる競技で、自分と向き合う経験ができます。
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空手道部:少数精鋭ながら、インターハイ出場を目標に活動し、県大会の団体組手で優勝するなど、その実力は折り紙付きです。
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その他、ソフトテニス部、サッカー部、バドミントン部、剣道部なども県大会で常に上位争いを繰り広げています。
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文化部
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運動部だけでなく、文化部も活発に活動しています。
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吹奏楽部:全国大会出場を目指し、日々練習に励んでいます。毎年秋に開催される「オータムコンサート」は、プロの音楽家とも共演する本格的な演奏会で、地域の方々にも親しまれています。
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美術部:数々のコンクールで高い評価を受けており、全国高等学校総合文化祭への出品者も輩出しています。特に、体育大会で披露される巨大な応援パネルの制作は圧巻の一言です。
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イベント
一年を通して、生徒たちの絆を深める多彩な行事が開催されます。
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体育大会(4月):系列の崇城大学グラウンドを借りて行われる、年度最初のビッグイベント。全学年が団結し、優勝を目指して競い合います。美術部が制作する巨大な応援パネルは、文徳の体育大会の象徴です。
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文化祭(11月):クラスごとの展示やステージ発表、文化部によるパフォーマンスなど、生徒たちの個性と創造性が溢れる2日間です。ダンス同好会のキレのあるパフォーマンスや、吹奏楽部の演奏会は毎年大きな盛り上がりを見せます。
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修学旅行(1月):1年生の冬に実施されます。仲間と共に過ごす数日間は、高校生活の中でも忘れられない貴重な思い出となるでしょう。
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クラスマッチ(9月・12月):学期に一度、クラス対抗で行われる球技大会です。体育大会とは一味違う、クラスの団結力が試されるイベントです。
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強歩会(3月):年度の締めくくりとして行われる長距離歩行イベント。友人たちと励まし合いながらゴールを目指す中で、心身ともに成長を実感できます。
文徳高等学校の進学実績
文徳高等学校は、多彩なコース設定を反映し、国公立大学から私立大学、専門学校、就職まで、幅広い進路実現をサポートしています。特に上位コースの進学実績は目覚ましく、学校全体として手厚い進路指導体制が整っています。
2024年度の大学進学実績を見ると、その多様性がよく分かります。
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国公立大学
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旧帝大や一工(東京工業大学、一橋大学)といった最難関大学に6名が合格しています。前年度には東京大学への合格者も輩出しており、東大・医進コースの指導力の高さがうかがえます。
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その他、国公立大学全体で27名(旧帝大等含む)、医学部にも5名が合格しており、多くの生徒が難関突破を果たしています。
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難関私立大学
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早稲田、慶應、上智などの難関私立大学に3名が合格しています。
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GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)には5名、関関同立(関西学院、関西、同志社、立命館)には9名が合格しています。
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その他の進路
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系列校である崇城大学へは、2024年度に112名という非常に多くの生徒が進学しています。これは文徳ならではの強みと言えるでしょう。
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熊本学園大学(75名)、熊本保健科学大学(14名)など、地元の大学にも多数の合格者を輩出しています。
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理工科専門コースからの就職にも強く、就職希望者の内定率は100%を達成しており、大手企業へ就職する卒業生も少なくありません。
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これらの進学実績は、東大・医進コースや進特コースで毎日行われる朝課外や、放課後に希望制で実施される講座など、手厚い学習サポート体制によって支えられています。生徒一人ひとりの目標達成に向けて、学校全体でバックアップする姿勢が、確かな結果に結びついています。
文徳高等学校の特長・アピールポイント
文徳高等学校には、他の学校にはないユニークな魅力がたくさんあります。ここでは、その中でも特に注目すべき7つのポイントをご紹介します。
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一人ひとりの夢に応える多彩な学科・コース
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最難関大学を目指すコースから、専門技術を身につけて社会で活躍するためのコースまで、生徒の多様な目標に対応できる5つの専門コースが設置されています。自分の「やりたいこと」がきっと見つかるはずです。
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全国レベルで活躍する文武両道の実践
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相撲部や野球部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で輝かしい成績を収めています。学業と部活動、どちらも本気で打ち込みたい生徒にとって、最高の環境が整っています。
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ICT教育の活用による個別最適化学習
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デジタル教材「すらら」などを導入し、生徒一人ひとりの学力やペースに合わせた学習をサポートしています。学力に不安がある生徒から、さらに上を目指したい生徒まで、全ての生徒の学習意欲に応えます。
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崇城大学との連携と手厚い進路指導
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系列の崇城大学への進学という有利な選択肢があるほか、理工科では就職内定率100%を誇るなど、卒業後の進路まで見据えたきめ細やかな指導が魅力です。
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礼儀作法を重んじる人間教育
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「徳・知・体」の調和を建学の理念に掲げ、挨拶や礼儀を大切にする校風が根付いています。社会に出てからも通用する、豊かな人間性を育むことを目指しています。
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学校全体で盛り上がる活気ある学校行事
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体育大会で掲げられる美術部制作の巨大な応援パネルは圧巻の一言。文化祭やクラスマッチなど、生徒が主体となって作り上げる行事が多く、学校全体に一体感と活気をもたらしています。
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充実した施設と学習環境
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比較的新しい体育館や、系列の崇城大学の施設を利用できるなど、学習や部活動に集中できる恵まれた環境が整っています。バーチャルで校内を見学できるツアーも公式サイトで公開されています。
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文徳高等学校の口コミ・評判のまとめ
実際に学校生活を送る在校生や卒業生の「生の声」は、学校選びにおいて非常に参考になります。ここでは、文徳高等学校に寄せられる様々な口コミを、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
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良い点
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「部活動や行事がとにかく楽しい」という声が非常に多いです。特に体育大会や文化祭は学校全体で盛り上がり、クラスの団結力が強まると評判です。
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「目標が同じ仲間と切磋琢磨できる」という意見も目立ちます。特に東大・医進コースのような少数精鋭のクラスでは、お互いに高め合える良い関係が築けるようです。
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「先生が親身になって相談に乗ってくれる」といった、教師のサポート体制を評価する声もあります。進学から就職まで、多様な進路に柔軟に対応してもらえる点が心強いようです。
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「制服が上品で可愛い」という点は、多くの生徒が挙げる魅力の一つです。
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「崇城大学前駅からすぐで通学が楽」という立地の良さも、高く評価されています。
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気になる点
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「コースによって学校の雰囲気が全く違う」という点は、多くの口コミで指摘されています。進学コースと普通・専門コースでは、生徒の雰囲気や授業の進度が大きく異なるため、自分に合った環境かどうかを見極める必要がありそうです。
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「先生によって指導の質に差がある」という厳しい意見も見られます。熱心な先生がいる一方で、一部には厳しい指導や古い考え方の先生もいる、と感じる生徒もいるようです。
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「進学コースの課外授業が多くて大変」という声は少なくありません。朝早くからの課外や放課後の講座は、高い目標を達成するためには必要ですが、体力的な負担を感じる生徒もいるようです。また、課外活動費が別途かかる点に言及する声もありました。
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「学校の施設が少し古い部分がある」という意見や、「学校の意思決定が少し遅いと感じることがある」といった運営面に関する指摘も一部で見られました。
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アクセス・通学
文徳高等学校の大きな魅力の一つは、そのアクセスの良さです。公共交通機関での通学が非常に便利で、熊本県内の広範囲から生徒が集まっています。
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最寄り駅からのアクセス
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JR鹿児島本線「崇城大学前」駅:駅からなんと徒歩1分です。電車を降りてすぐ目の前が学校なので、雨の日でも安心して通学できます。
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産交バス:「北島」バス停で下車し、徒歩約2分です。
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主な通学エリア
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JRの駅が目の前という立地を活かし、JR鹿児島本線沿線の広い地域から生徒が通学しています。
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北は福岡県の大牟田(約43分)や荒尾(約38分)、玉名(約22分)方面から、南は八代(約51分)や宇土(約25分)方面からも多くの生徒が毎日元気に通っています。
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また、菊池方面や御代志方面へは専用のスクールバスも運行しており、多方面からの通学をサポートしています。
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文徳高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
文徳高等学校は、「これだけは誰にも負けたくない」という熱い想いを持つ君にこそ、おすすめしたい学校です。全国レベルを目指して部活動に青春を捧げたい君、厳しい環境で学力を磨き抜き、最難関大学への切符を掴みたい君、専門的な技術を身につけて社会で活躍する夢を持つ君。この学校には、それぞれの目標に全力で打ち込める最高の舞台が用意されています。挑戦を楽しみ、自分の可能性を信じて努力し続けられる人なら、文徳高等学校でかけがえのない3年間を過ごせるはずです。
受験勉強においては、まず基礎を徹底的に固めることを意識してください。過去の入試では、奇をてらった難問よりも、基本的な知識をしっかり理解しているかを問う問題が多く出題される傾向があります。特に上位コースを目指す人は、その基礎知識をいかに応用できるかが合格の鍵を握ります。また、内申点も評価の対象になるため、日々の授業態度や提出物、定期テストにも真剣に取り組みましょう。
高校選びは、君の未来を大きく左右する大切な決断です。ぜひ一度、オープンスクールに足を運んで、文徳高等学校の活気ある空気を肌で感じてみてください。これまでの努力に自信を持って、ゴールまで駆け抜けてください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。