高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を考える上でとても大切な一歩ですね。数ある学校の中から、埼玉県東部エリアで高い人気を誇るのが春日部共栄高等学校です。この学校の最大の魅力は、なんといっても「文武両道」を本気で実践できる環境にあります。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込みたい、そんなエネルギッシュな中学生にとって、最高の舞台が用意されています。

「勉強」「部活動」「学校行事」という三つの目標を同時に追いかける「あえて三兎を追う教育」を掲げているのが、春日部共栄高等学校の大きな特徴です。忙しいけれど、その分だけ得られるものも大きい。そんな充実した3年間を過ごした先輩たちが、毎年素晴らしい進学実績を残しています。この記事では、そんな熱気あふれる学校生活のリアルな姿を、詳しくお伝えしていきます。

偏差値やコースの違いといった学習面の話から、校則やスマートフォンのルール、在校生の雰囲気といった気になる学校生活の様子、そして全国レベルで活躍する部活動や盛り上がるイベントまで。皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすくまとめました。自分にぴったりの学校かどうか、じっくり考えてみてください。

春日部共栄高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 春日部共栄高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213番地
代表電話番号 048-737-7611
公式サイトURL https://www.k-kyoei.ed.jp/hs/

春日部共栄高等学校の偏差値・難易度・併願校

春日部共栄高等学校の大きな特徴は、学力に応じて複数のコースが設置されており、それぞれで偏差値が異なる点です。自分の目標に合ったコースを見つけることが、合格への第一歩になります。

コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。ただし、模試の種類によって数値は変動するため、あくまで参考としてください。

  • 東大選抜コース:70~71

  • 選抜コース:66~70

  • 特進コースE系(αクラス含む):64~67

  • 特進コースS系:62~63

難易度を具体的にイメージするために、同じくらいの偏差値の高校を挙げてみましょう。上位の東大選抜コースや選抜コースは、県立のトップ校である浦和高校、大宮高校や、私立の栄東高校、開智高校などが比較対象になります。特進コースは、越谷北高校、浦和西高校といった県立上位校や、私立の大宮開成高校、獨協埼玉高校、昌平高校あたりと近いレベル感です。

合格に必要な内申点の目安ですが、私立高校のため、基本的には入試当日の学力試験の得点が最も重視されます。しかし、推薦入試(単願)を考えている場合や、併願入試での優遇措置を狙う場合は、中学3年生の成績が重要になります。具体的な基準は学校説明会で確認が必要ですが、いずれのコースも高いレベルが求められるため、日々の授業を大切にし、良い成績を維持しておくことが大切です。

多くの受験生が、埼玉県立高校の併願校として春日部共栄高等学校を選んでいます。特に、春日部高校、越谷北高校、不動岡高校、蕨高校などを第一志望とする生徒からの人気が高い傾向があります。また、同じ私立高校として、大宮開成高校、栄北高校、昌平高校、叡明高校などと合わせて検討する受験生も多いようです。

春日部共栄高等学校に設置されている学科・コース

春日部共栄高等学校は普通科のみですが、その中に学力と目標に応じた4つのコースが設置されています。入学後の成績や希望によって、2年次、3年次にコースを変更できるチャンスがあるのも特徴です。

  • 東大選抜コース

    • どんなことを学ぶ?:東京大学や国公立大学医学部への現役合格を目標とする少数精鋭のコース。2年生のうちに高校の主要な学習範囲を終え、3年次は志望校に特化した演習に集中します。

    • どんな生徒におすすめ?:明確に最難関大学を目指しており、高いレベルの仲間と切磋琢磨しながら、超高速のカリキュラムについていける学力と意欲を持つ人。

  • 選抜コース

    • どんなことを学ぶ?:東北大学や筑波大学などの難関国公立大学や、早稲田、慶應といった最難関私立大学への現役合格を目指します。質の高い授業と手厚い進学指導が特徴です。

    • どんな生徒におすすめ?:高い学力を持ち、部活動などにも全力で取り組みながら、難関大学への合格を勝ち取りたい人。

  • 特進コースαクラス

    • どんなことを学ぶ?:特進コースの中でも、習熟度別に編成される上位クラスです。国公立大学やGMARCHをはじめとする難関私立大学を目指し、応用力を鍛えます。

    • どんな生徒におすすめ?:基礎学力はしっかり身についており、さらに上のレベルを目指して、選抜コースの生徒たちとも競い合いたいという向上心のある人。

  • 特進コース

    • どんなことを学ぶ?:国公立大学や難関私立大学への現役合格を目標に、基礎学力を重視しながら丁寧に学習を進めます。3年次には私大文系に特化した3教科型のクラスも選択可能です。

    • どんな生徒におすすめ?:部活動や学校行事を楽しみながら、大学進学に向けて着実に学力を伸ばしていきたい人。幅広い進路に対応できるカリキュラムが魅力です。

春日部共栄高等学校の特色・校風

春日部共栄高等学校の雰囲気を知るためのキーワードは、「文武両道」「活気がある」「面倒見が良い」といった言葉が挙げられます。生徒一人ひとりがエネルギッシュに学校生活を送っている様子がうかがえます。

  • 宿題の量

    • 口コミでは「多い」「かなり忙しい」という声が多数見られます。特に部活動との両立は大変で、計画的に時間を使う自己管理能力が求められるようです。これは学校が掲げる「三兎を追う」教育方針の表れとも言えるでしょう。

  • 校則(スマホ、服装など)

    • 全体的に「厳しすぎず、緩すぎず」という印象のようです。「先生によって指導の基準が少し違うことがある」という声もあります。

    • スマートフォンは、校内での使用ルールが定められており、授業中の使用は当然禁止です。休み時間などの使用は認められていることが多いようです。

    • 服装については、制服をきちんと着こなすことが求められ、着崩しなどに対する自由度は低いようです。

  • 生徒たちの雰囲気

    • 「真面目で礼儀正しい生徒が多い」「明るく活発な雰囲気」といったポジティブな評判が目立ちます。特に上位コースは学習意欲の高い生徒が集まるため、落ち着いて勉強に集中できる環境のようです。

    • 一方で、「クラスによっては、活発なグループが中心になることもある」という意見もあり、どんな生徒と出会うかによって雰囲気は変わる可能性もあります。

  • アルバイト

    • 原則として禁止されているようです。学業と部活動に専念することが求められます。

  • 制服の評判

    • 伝統的なブレザータイプの制服です。デザインの好みは人それぞれですが、きちんと感があり、評判は悪くないようです。

  • 土曜授業

    • 2022年度から週5日制に移行したため、土曜日の通常授業はありません。ただし、土曜日には希望者向けの進学講習や補習などが開かれており、自主的に学習する機会として活用されています。

春日部共栄高等学校の部活動・イベント

部活動

春日部共栄高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。運動部・文化部ともに数多くの部が設置されており、多くの生徒が加入して熱心に活動しています。専用野球場や複数のグラウンド、新しい体育館「至誠館」など、施設も充実しています。

特に全国レベルで活躍する、実績豊富な部活動をいくつか紹介します。

  • 水泳部:学校の代名詞ともいえる強豪部です。過去に6名のオリンピック選手を輩出し、インターハイでの男女総合優勝経験も持つなど、輝かしい実績を誇ります。高いレベルで水泳に打ち込みたい生徒にとっては、最高の環境です。

  • 吹奏楽部:文化部の筆頭で、こちらも全国屈指の実力です。全日本吹奏楽コンクールで何度も金賞を受賞しており、その演奏レベルの高さは広く知られています。

  • 野球部:1993年の夏の甲子園で準優勝という快挙を成し遂げた名門です。現在も県内上位の実力を維持し、多くの部員が甲子園を目指して練習に励んでいます。

  • その他の強豪部:女子バレーボール部やアーチェリー部、パワーリフティング部なども、全国大会の常連として知られています。文化部では、管弦楽部や競技かるた部なども活発に活動しています。

イベント

勉強や部活動だけでなく、学校行事も春日部共栄の大きな魅力の一つです。生徒が主体となって作り上げるイベントは、毎年大変な盛り上がりを見せます。

  • 藤桐祭(文化祭):6月に行われる学校最大のイベントです。各クラスや文化部が趣向を凝らした企画で来場者を迎え、校内は熱気に包まれます。フィナーレは感動的で、生徒たちにとって忘れられない思い出になるようです。

  • 体育祭:学年を超えて色別のチームを編成し、優勝を目指して競い合います。名物となっているのが、女子生徒全員によるダンスと、男子生徒全員による伝統の応援演舞「エッサッサ」で、その迫力と一体感は見ごたえがあります。

  • 修学旅行:2年生の冬に実施されます。例年はオーストラリアのゴールドコーストを約1週間訪れ、現地の高校生との交流やホームビジットなど、貴重な異文化体験をします。語学力だけでなく、国際感覚を養う絶好の機会となっています。

春日部共栄高等学校の進学実績

春日部共栄高等学校は、その手厚い進路指導と生徒たちの努力により、毎年高い大学進学実績を誇っています。「大学までの人ではなく、大学からの人へ」をスローガンに、大学入学後も活躍できる人材の育成を目指しています。

最新の2025年度の主な大学合格実績は以下の通りです(既卒生を含まない現役合格者数を中心としたデータ)。

  • 国公立大学:合計90名

    • 主な合格大学:東北大学 2名、北海道大学 2名、一橋大学 1名、東京科学大学(旧東京工業大学) 1名、筑波大学 6名、千葉大学 6名、埼玉大学 7名など。

  • 難関私立大学

    • 早稲田・慶應・上智・東京理科大:合計68名(早稲田大学 15名、慶應義塾大学 9名、上智大学 7名、東京理科大学 37名)

    • GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):合計172名(明治大学 42名、法政大学 55名、中央大学 24名、立教大学 22名、青山学院大学 16名、学習院大学 13名)

  • その他

    • 医学部医学科にも国公立1名、私立3名の合格者を出すなど、理系の難関学部にも強さを見せています。

    • 系列校の共栄大学へ進学する生徒は少数で、ほとんどの生徒が他大学への進学を目指します。

この高い進学実績を支えているのが、充実した講習・補習体制です。放課後や土曜日、夏休みや冬休みなどの長期休暇中にも、志望大学のレベルに合わせた様々な講習が開かれています。また、医学部志望者向けに、元東大講師を招いて面接や小論文の個別指導を行う「メディカル論文講習」といった、専門性の高い独自のプログラムも用意されています。

春日部共栄高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、春日部共栄ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

    1. 多彩で本格的な国際教育プログラム

    • オーストラリアへの修学旅行だけでなく、希望者向けにボストンの大学キャンパスで学ぶリーダーシップ研修や、オンライン英会話レッスン、留学生の積極的な受け入れなど、世界を身近に感じる機会が豊富に用意されています。

    1. 「あえて三兎を追う」ことを奨励する教育理念

    • 勉強・部活・行事のすべてに全力で取り組むことを学校全体で応援する文化があります。忙しい日々を通じて、高い目標を達成する力と、時間を有効に使う自己管理能力が自然と身につきます。

    1. 全国トップレベルの実績を誇る部活動

    • オリンピック選手を輩出した水泳部や、全国金賞常連の吹奏楽部など、日本一を目指せる環境があります。本気で何かに打ち込みたい生徒にとって、これ以上ない舞台です。

    1. 2025年度から始動する「東大選抜コース」

    • 最難関大学への現役合格に特化した少数精鋭コースの新設は、学校の進学指導にかける強い意志の表れです。トップレベルの環境で学びたい生徒にとって大きな魅力となります。

    1. 塾いらずを目指す徹底した進学サポート体制

    • 長期休暇中の講習やセミナーハウスでの勉強合宿、さらには「メディカル論文講習」のような専門プログラムまで、学校内で大学受験対策が完結できるほどのサポートが整っています。

    1. 週5日制への移行による学習環境の最適化

    • 2022年度からの教育改革で、平日は45分×7限授業で学習時間を確保しつつ、土曜日を完全に自由に使えるようになりました。これにより、部活動や自主学習、希望制の講習など、生徒が主体的に時間を使える環境が整いました。

春日部共栄高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、様々な声が寄せられています。学校生活をイメージするために、良い点と気になる点の両方を見てみましょう。

  • 良い点

    • 「先生のサポートが手厚い」:質問に行くと熱心に教えてくれたり、個別の課題プリントを用意してくれたりと、意欲のある生徒へのサポートは手厚いという声が多いです。

    • 「高いレベルで文武両道ができる」:全国レベルの部活動に所属しながら、難関大学を目指せる環境は、この学校ならではの魅力だと評価されています。

    • 「行事が楽しく、友人に恵まれる」:藤桐祭や体育祭などの行事が非常に盛り上がり、クラスの団結力が強いと感じる生徒が多いようです。真面目で良い友人ができたという声も多数あります。

    • 「学習環境が整っている」:特に上位コースでは、周りの生徒の意識が高く、集中して勉強できる環境が良いという評判です。自習室などの設備も活用されています。

  • 気になる点

    • 「課題が多く、とにかく忙しい」:宿題や小テストが多く、自分の自由な時間がほとんどない、という声は非常に多く聞かれます。

    • 「コースによる差を感じる」:上位コースには手厚い指導がある一方で、それ以外のコースでは自分から積極的に動かないと置いていかれてしまう、と感じる生徒もいるようです。

    • 「私立にしては施設が古い」:新しい体育館などもありますが、校舎自体は少し年季が入っていると感じる生徒もいるようです。

    • 「典型的な自称進学校」:一部の生徒からは、学校の方針が大学進学一辺倒で、宿題の量などで生徒を管理しようとする側面が強い、という厳しい意見も見られます。

アクセス・通学

春日部共栄高等学校への主な通学方法は、電車とスクールバス、または電車と徒歩の組み合わせです。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • 東武スカイツリーライン/アーバンパークライン「春日部駅」西口からスクールバスで約10分。多くの生徒がこの方法で通学しています。

    • 東武アーバンパークライン「豊春駅」東口から徒歩で約20分。豊春駅が便利な生徒はこちらを利用しています。

  • 通学エリア

    • 学校が埼玉県東部にあるため、春日部市、越谷市、さいたま市(特に岩槻区や見沼区)、草加市、吉川市などから通学する生徒が多い傾向があります。また、東武アーバンパークラインを利用して、千葉県の野田市方面から通う生徒もいます。

春日部共栄高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。春日部共栄高等学校は、「高い目標に向かって、忙しい毎日を全力で楽しみたい!」という人に、特におすすめの学校です。勉強も部活も行事も、どれか一つなんて選べない、全部に本気で挑戦したい。そんなエネルギーに満ちた君を、学校は全力で応援してくれます。ただし、その分、日々の課題や予習・復習は大変です。受け身ではなく、自分から積極的に学ぶ姿勢が何よりも大切になります。

受験勉強では、まず中学校3年間の学習内容を、苦手分野なく完璧にすることが基本です。春日部共栄高等学校の入試問題は、基礎的な知識を問う問題から、思考力が試される応用問題まで幅広く出題されます。特に選抜コース以上を目指すなら、応用問題にしっかり対応できる力が必要です。過去問を繰り返し解き、出題傾向に慣れておきましょう。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。