滋賀県立東大津高等学校は、県内でも有数の進学校として知られ、「真面目で勉強に集中できる学校」というイメージを持つ受験生や保護者の方が多いのではないでしょうか。確かに、日々の学習や進路実現に向けた熱心な指導、そして落ち着いた校風は、東大津高等学校の大きな魅力の一つです。
しかし、その「真面目さ」の裏には、生徒たちが互いに切磋琢磨し、困難な課題や活発な学校行事を通じて深い友情を育む、温かいコミュニティが存在します。先生方の手厚いサポートを受けながら、生徒一人ひとりが「自己実現を達成できる力」を伸ばしていく、そんな環境がここにはあります。
この記事では、偏差値や進学実績といったデータだけでなく、在校生や卒業生のリアルな声をもとに、学校生活の隅々までを詳しくご紹介します。この記事を読み終える頃には、あなたが東大津高等学校という舞台で、どんな3年間を送ることができるのか、きっと具体的にイメージできるようになっているはずです。
東大津高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 滋賀県立東大津高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1732-2 |
代表電話番号 | 077-545-8025 |
公式サイトURL | http://www.higashiohtsu-h.shiga-ec.ed.jp/ |
東大津高等学校の偏差値・難易度・併願校
東大津高等学校を目指す上で、最も気になるのが偏差値や難易度ですよね。ここでは、具体的な数字と併せて、合格の目安や主な併願校について解説します。
-
普通科 偏差値:
塾や模試の種類によって偏差値の数字は少しずつ異なりますが、おおよそこの範囲で推移していることが多いようです。数字のばらつきに一喜一憂するよりも、自分の学力レベルを測る一つの目安として捉えるのが良いでしょう。
より具体的な目標として大切なのが「内申点」です。東大津高等学校に合格するためには、中学3年間の成績を示す内申点が、135点満点中でおおよそ「105点前後」が一つの目安とされています。これは、9教科の評価がオール4に加えて、いくつかの教科で5があるレベル感です。日々の授業態度や定期テストに真剣に取り組むことが、合格への確実な一歩となります。
同じくらいの偏差値を持つ県内の公立高校としては、草津東高校、虎姫高校、八日市高校などがあります。これらの高校は、東大津高等学校の良きライバル校と言えるでしょう。
滋賀県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願するのが一般的です。東大津高等学校の受験生が併願する主な私立高校としては、光泉カトリック高校や大谷高校、龍谷大学付属平安高校などが挙げられます。
東大津高等学校に設置されている学科・コース
東大津高等学校に設置されているのは「普通科」のみです。しかし、学年が上がるにつれて、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかなコース分けが行われます。
-
1年次:全員が共通のカリキュラムで、幅広い教科の基礎を固めます。ここで自分の興味や得意分野を見極める大切な時期となります。
-
2年次:文系・理系のいずれかを選択します。将来、自分がどんな分野に進みたいのかを考え、専門的な学びへの第一歩を踏み出します。
-
3年次:さらに進路を具体化します。理系は一つのコースですが、文系は国公立大学受験に対応した「文系1」と、私立大学受験に重点を置いた「文系2」に分かれます。志望大学の入試科目に合わせて、より効率的に学習を進められるカリキュラムが組まれているのが大きな特長です。
東大津高等学校の特色・校風
学校選びでは、データだけでは分からない「雰囲気」も大切ですよね。東大津高等学校の校風は、キーワードで表すと「真面目」「落ち着いた雰囲気」「文武両道」といった言葉がぴったりです。
在校生や卒業生の口コミを基に、中学生が気になるポイントを詳しく見ていきましょう。
-
宿題の量:多くの生徒が「非常に多い」と口を揃えます。特に夏休みなどの長期休暇の課題はかなりの量になるようです。しかし、これをやり遂げることで自然と学習習慣が身につき、学力向上につながるという側面もあります。「自分でコツコツ勉強するのが苦手」という人にとっては、むしろありがたい環境かもしれません。
-
校則:県内の高校の中でも「厳しい」という評判が多く聞かれます。特にスマートフォンの扱いは厳格で、校地内では電源をOFFにし、使用することはできません。休み時間も使用禁止です。服装に関しても、ベルトの色(黒か茶)、靴下の色(黒・紺・白の無地)、ツーブロックなどの髪型も指導の対象になることがあるようです。メイクやアクセサリーはもちろん禁止です。「キラキラした自由な高校生活」をイメージしていると、少し窮屈に感じるかもしれません。
-
生徒たちの雰囲気:全体的に「真面目で優しい生徒が多い」という声が多数です。いじめの噂はほとんど聞かれず、落ち着いた環境で学校生活を送りたい人には安心できるでしょう。休み時間に勉強している生徒も多く、お互いに高め合える雰囲気があります。
-
アルバイト:校則で明確に禁止されているわけではないようですが、膨大な課題や部活動との両立を考えると、現実的には難しいかもしれません。
-
制服の評判:男子は伝統的な学ラン、女子はブレザーにスカートまたはスラックスが選べるスタイルです。デザインは「シンプル」という印象です。女子はネクタイを着用する日としない日の決まりがあるようです。近年、制服が新しくなるという噂も聞かれます。
-
土曜授業:基本的に土曜授業はないようです。
これらの特徴を総合すると、東大津高校は、少し厳しい環境の中で、勉強や部活動に集中したい生徒にとって、最高の環境と言えるでしょう。
東大津高等学校の部活動・イベント
「真面目な学校」というイメージが強い東大津高等学校ですが、部活動や学校行事も非常に盛んで、生徒たちは勉強だけでなく、これらの活動にも全力で打ち込んでいます。
部活動
運動部・文化部ともに充実しており、多くの部が県大会上位や近畿・全国大会で活躍しています。まさに「文武両道」を体現しています。
-
テニス部(男女):全国大会の常連で、輝かしい実績を誇ります。インターハイや全国選抜大会にも出場しており、高いレベルでテニスに打ち込みたい生徒に人気です。
-
陸上競技部:個人で全国大会7位入賞を果たすなど、高い実績を持つ部活動です。経験者はもちろん、高校から陸上を始める生徒も多く活躍しています。
-
アイススケート部:滋賀県内の高校で唯一のアイススケート部です。県立アイスアリーナを拠点に活動しており、初心者からでも始められるユニークな部活動です。
-
書道部:「書の甲子園」で個人・団体ともに優秀な成績を収めるなど、文化部の中でも特に活発です。文化祭での書道パフォーマンスは圧巻です。
-
その他:弓道部、山岳部、水泳部、バドミントン部なども近畿大会出場など高いレベルで活動しています。
イベント
日々の勉強の厳しさがあるからこそ、イベントは最高に盛り上がります。
-
勢翔祭(せいしょうさい):東大津高校で最も盛り上がる学校行事です。文化祭と体育祭が一体となったイベントで、数日間にわたって開催されます。特に体育祭部門は、近年「滋賀ダイハツアリーナ」を貸し切って行われるなど、その規模は圧巻。クラスや団ごとにTシャツを揃え、応援や競技に熱中する様子は、まさに青春そのものです。準備期間が4日間と短いこともあり、クラスの団結力が一気に高まります。
-
修学旅行:近年は北海道へ行っているようです。札幌や小樽での班別自主研修など、仲間との最高の思い出を作ることができます。
-
耐寒遠足・文化ゾーン美化活動:学校の特色ある行事として、心身を鍛え、地域に貢献する活動も大切にしています。
東大津高等学校の進学実績
多くの受験生が東大津高等学校を選ぶ最大の理由の一つが、その高い進学実績です。生徒たちの努力と、学校のきめ細やかな進路指導が結実しています。
-
国公立大学:毎年、約80名〜100名前後の合格者を出しています。特に地元の滋賀大学(毎年15名前後)、滋賀県立大学(毎年20名前後)への進学者が非常に多いのが特徴です。その他、京都工芸繊維大学や大阪公立大学、岡山大学など、近畿圏を中心に全国の国公立大学に合格者を輩出しています。過去には京都大学や大阪大学といった最難関大学への合格者もいます。
-
難関私立大学:関西の難関私立大学グループである「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)には、毎年延べ250名以上が合格。特に立命館大学には毎年160名以上が合格しており、圧倒的な強さを誇ります。「産近甲龍」(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)にも多数の合格者を出しており、中でも龍谷大学には毎年370名〜450名という驚異的な合格者数を記録しています。
-
その他:看護系の専門学校への進学者も毎年一定数います。
この優れた進学実績を支えているのが、学校の充実したサポート体制です。3年生が集中して自習できる「3Gの部屋」(G:ごうかくまで、G:がむしゃらに、G:がんばる)の設置や、進路指導室に揃えられた豊富な大学の過去問題集(赤本)、そして生徒一人ひとりに寄り添う先生方の熱心な面談指導などが、生徒たちの夢の実現を力強く後押ししています。
東大津高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、東大津高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
-
関西の有名大学への圧倒的な進学実績
実績が示す通り、特に関西圏の主要な私立大学や国公立大学への進学を考えている生徒にとって、非常に効果的なカリキュラムと指導ノウハウが蓄積されています。
-
勉強に没頭できる「集中環境」
丘の上の静かな立地、厳しいスマートフォンのルール、真面目な校風が一体となり、外部の誘惑から離れて学業に集中したい生徒にとっては最高の環境です。
-
本気で取り組める「文武両道」
全国レベルで活躍する部活動や、県内唯一のアイススケート部など、勉強だけでなく部活動にも本気で打ち込める環境が整っています。
-
進化を続ける教育プログラム
近年では、文部科学省の「DXハイスクール」に指定されたり、龍谷大学や滋賀県立美術館と連携協定を結んだりと、新しい学びの機会を積極的に取り入れています。
-
手厚い進路サポート体制
自習室「3Gの部屋」や豊富な進路資料、先生方の親身な指導など、生徒の「合格したい」という気持ちを全力で支える具体的な仕組みが充実しています。
-
世界に視野を広げる海外研修
希望者対象のオーストラリア海外研修では、ホームステイや現地高校での交流を通じて、実践的な英語力や異文化理解力を養う貴重な体験ができます。
-
一体感が生まれる学校行事「勢翔祭」
日頃の勉強から解放され、学校全体が一つになる「勢翔祭」の盛り上がりは格別です。仲間との絆を深める、忘れられない思い出となるでしょう。
東大津高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からの様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
-
「静かな環境で、本当に勉強に集中したい人には最高の学校です。」
-
「先生方がとても親身で、進路相談に熱心に乗ってくれます。面談も丁寧です。」
-
「真面目で優しい人が多いので、すぐに友達ができます。いじめの話は聞いたことがありません。」
-
「部活動がとても盛んで、高い目標を持って活動できます。仲間との絆も深まります。」
-
「勢翔祭などの行事が本当に楽しくて、クラスの団結力が強まります。」
-
「宿題が多いおかげで、自然と勉強する習慣がつきました。」
気になる点
-
「校則が厳しすぎると感じます。特にスマホが使えないのは不便です。自由度は低いです。」
-
「いわゆる『キラキラした高校生活』を送りたい人には向いていません。入ってから後悔するかも。」
-
「学校が山の上にあるので、通学が大変です。特に夏場の自転車通学は地獄です。」
-
「課題の量がとにかく多くて、こなすだけで精一杯になることがあります。」
-
「『自称進学校』という声もあり、先生の教え方には当たり外れがあると感じる人もいます。」
-
「校舎や施設が少し古いという意見があります。」
これらの口コミを見ると、東大津高校の評価は「何を高校生活に求めるか」によって大きく分かれることがわかります。ある生徒にとって最高の「集中できる環境」は、別の生徒にとっては「自由のない窮屈な環境」に感じられるかもしれません。このトレードオフを理解することが、自分に合った学校かを見極める上で最も重要です。
アクセス・通学
東大津高等学校への通学は、多くの生徒にとって毎日の頑張りの一つです。
-
最寄り駅:JR琵琶湖線「瀬田駅」
-
瀬田駅からのアクセス:
-
バス:帝産バスまたは近江鉄道バスで約10分~15分。「東大津高校」または「文化ゾーン前」下車。朝のラッシュ時はバスが非常に混雑するという声が多いです。
-
自転車:約25分~30分。駅から学校までは急な上り坂が続くため、かなりの体力が必要です。電動アシスト自転車を利用する生徒も少なくありません。
-
通学エリアとしては、大津市内や草津市から通う生徒が多い傾向にあります。JR瀬田駅を利用することから、JR琵琶湖線沿線の広い範囲から生徒が集まっています。
東大津高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、東大津高等学校を目指す君にメッセージを送ります。
この学校は、「将来のために、今は勉強に集中したい」「落ち着いた環境で、じっくり自分と向き合いたい」という、明確な目標を持つ君に特におすすめです。周りの仲間も同じような志を持っているので、互いに励まし合いながら、着実に夢に近づくことができるでしょう。受験勉強では、まずは学校の定期テストを大切にし、内申点をしっかりと確保することに全力を注いでください。基礎が固まれば、応用力は後からついてきます。
もし、東大津高等学校の「真面目」で「ひたむき」な校風が、君の心に響いたのなら、それは素晴らしい出会いの始まりです。そこでの3年間は、君の人生にとって、かけがえのない財産になるはずです。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。