福井県立高志高等学校は、単に学力が高い生徒が集まる進学校という言葉だけでは語り尽くせない、特別な魅力を持った場所です。ここは、答えを覚えるのではなく、自ら問いを立て、仲間と共にその答えを「創造」していく力を育む学びのステージ。もしあなたが、知的好奇心を満たしながら、受け身ではない、自分だけの高校生活をデザインしたいと願うなら、この学校は最高の環境を約束してくれるでしょう。

伝統ある進学校としての確かな実績と、常に未来を見据えて進化を続ける革新的な精神。この二つを併せ持つのが、福井県立高志高等学校の大きな特徴です。県内唯一の公立中高一貫校として、独自の「探究的な学び」をカリキュラムの核に据え、生徒一人ひとりが主体的に学ぶ文化が根付いています。高志高等学校は、用意された道を歩くのではなく、自ら道を切り拓いていきたいと考える生徒にとって、無限の可能性が広がる場所なのです。

この記事では、そんな高志高等学校の偏差値や難易度といった受験情報はもちろん、生徒主体で変革された校則、活気あふれる学校行事、そして輝かしい進学実績まで、その多角的な魅力を詳しく紐解いていきます。あなたがこの学校でどんな未来を描けるのか、一緒に探していきましょう。

福井県立高志高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 福井県立高志高等学校(ふくいけんりつ こしこうとうがっこう)
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒910-0854 福井県福井市御幸2-25-8
代表電話番号 0776-24-5175
公式サイト https://www.koshi-h.ed.jp/

福井県立高志高等学校の偏差値・難易度・併願校

福井県内トップクラスの学力を誇る高志高等学校は、多くの受験生にとって憧れの的です。その難易度を具体的に見ていきましょう。

学科・コースごとの最新の偏差値は以下の通りです。

  • 探究創造科:68

この偏差値68という数字は、福井県内の公立高校で最難関の藤島高等学校に次ぐレベルであり、合格するには中学校の学習内容をほぼ完璧に理解していることが求められます。内申点(調査書点)についても、主要5教科はもちろん、副教科においても非常に高い評価を得ていることが合格の目安となるでしょう。中学校での成績が常にトップクラスであることが、高志高等学校を目指す上での一つの基準と言えます。

同じくらいの偏差値を持つ他の公立高校としては、武生高等学校の探究進学科(偏差値67)が挙げられます。これらの学校は、福井県の高校教育をリードする存在として、互いに切磋琢磨する関係にあります。

福井県の公立高校入試では、原則として1校しか受験できないため、高志高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。偏差値や進学実績を考慮すると、以下のような私立高校が主な併願先として考えられます。

  • 北陸高等学校(普通科特別進学コース / 偏差値 65)

  • 仁愛女子高等学校(普通科グローバルサイエンスコース・特別進学コース / 偏差値 62)

  • 福井工業大学附属福井高等学校(特別進学科 / 偏差値 60)

これらの私立高校もそれぞれ特色ある教育を展開しており、万が一の場合に備えて、しっかりと学校研究をしておくことが重要です。

福井県立高志高等学校に設置されている学科・コース

高志高等学校は、令和4年度から従来の普通科・理数科という枠組みを一新し、より時代のニーズに合った先進的なカリキュラムへと移行しました。

  • 探究創造科(1年次)

    • 全入学生が所属し、文系・理系の枠にとらわれず、物事の本質を深く探究し、新しい価値を創造するための基礎的な思考力やスキルを学びます。自ら課題を見つけ、解決策を模索する「高志の学び」の土台を築きたい全ての生徒におすすめです。

  • 理数創造科(2・3年次)

    • 理数系の高度な専門知識の習得と、科学的な探究活動に重点を置くコースです。将来、医学・薬学・工学などの分野や、研究者を目指す生徒に最適です。

  • 人文創造科(2・3年次)

    • 人文科学・社会科学分野の深い学識と、グローバルな視点を養うことに重点を置くコースです。将来、法学・経済学・文学・国際関係などの分野で活躍したい生徒におすすめです。

このカリキュラムは、1年次に全員が「探究」という共通言語を身につけ、2年次からそれぞれの興味関心に応じて専門性を深めていくという、非常に合理的な構造になっています。

福井県立高志高等学校の特色・校風

高志高等学校の校風は、いくつかのキーワードで表現できます。「自由と責任」「文武両道」「知的探究心」「生徒主体」といった言葉が、この学校の雰囲気をよく表しています。

  • 宿題の量:口コミでは「毎日勉強で忙しい」という声が多く、授業の進度も速いため、課題や予習・復習に相応の時間を要するようです。自主的に学習計画を立てて進める力が求められます。

  • 校則:県内の進学校の中では「緩やか」という評判が定着しています。特筆すべきは、2022年に生徒が中心となって校則改正を実現した点です。男女別の服装・頭髪規定を廃止するなど、生徒自身が納得して守れる、時代に即したルールへと進化しました。このエピソードは、生徒の自主性を重んじる高志高等学校の校風を象徴しています。

  • スマホ・服装など:スマートフォンは、使用可能な場所や時間が定められており、ルールを守ることが前提です。服装は、男子が詰襟の学生服、女子がセーラー服ですが、華美にならない範囲での防寒着の着用が認められるなど、常識的な範囲で個人の判断が尊重されています。

  • 生徒たちの雰囲気:全体的に学習意欲が非常に高く、「勉強していることが当たり前」という空気が流れています。真面目でありながらも、行事などでは思い切り楽しむ「メリハリ」を大切にする生徒が多いようです。穏やかで知的な人柄の生徒が多いという声も聞かれます。

  • アルバイト:原則として禁止されています。

  • 制服の評判:伝統的なデザインで、特に大きな変更はありません。生徒による校則改正の動きはありましたが、制服そのものについては、落ち着いたデザインとして受け入れられているようです。

  • 土曜授業:通常の授業とは別に、土曜日を活用した「土曜活用」というプログラムが実施されています。大学教授などを講師に招いた特別講座が開かれるなど、知的好奇心を刺激する機会が設けられています。

福井県立高志高等学校の部活動・イベント

部活動

高志高等学校は「文武両道」を掲げており、限られた時間の中で集中して練習に励み、多くの部が輝かしい実績を残しています。

運動部、文化部ともに充実しており、約30の部活動が活発に活動しています。特に以下の部活動は、全国レベルでの活躍が目立ちます。

  • アーチェリー部・弓道部:常に県内トップレベルの実力を誇り、毎年のようにインターハイ(全国高等学校総合体育大会)に出場している強豪です。高い集中力と精神力が求められる武道で、自分を磨きたい生徒に人気です。

  • サイエンス部・数理探究部:スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校である高志高等学校の特色を象徴する部活動です。日々の授業で生まれた知的好奇心を、部活動という場でさらに深く探究することができます。

  • 美術部・文芸漫画研究部:全国高等学校総合文化祭への出場経験も豊富で、文化的な活動においても全国レベルで評価されています。

その他、弦楽部や邦楽部といった芸術系の部活動も盛んで、多様な才能が輝ける環境が整っています。

イベント

生徒が主体となって作り上げるイベントの数々は、高校生活を彩るかけがえのない思い出となります。

  • 学校祭(フェニックス祭):例年、夏休み明けに開催される学校最大のイベントです。文化祭は福井市中心部の「フェニックス・プラザ」という大きなホールを借りて行われ、その規模の大きさが伺えます。体育祭と合わせて3日間にわたって開催され、企画・運営のほとんどを生徒会や実行委員が担います。クラス一丸となって準備する過程は、最高の思い出になるでしょう。

  • 合唱コンクール:1・2年生が参加する初夏の一大イベントです。クラスごとに曲選びから指揮者、伴奏者まで全てを生徒たちで決め、本番に向けて練習を重ねます。クラスの団結力が試される、感動的な行事として知られています。

  • 研修旅行:2年生の秋に実施される、従来の修学旅行に代わる行事です。行き先は、オーストラリアやタイ、ベトナムといった海外や、国内の主要都市など、複数の選択肢の中から生徒自身が選ぶことができます。この選択型の研修旅行は、生徒の視野を広げ、国際感覚を養う貴重な機会となっています。

福井県立高志高等学校の進学実績

福井県内屈指の進学校である高志高等学校は、その名に恥じない、極めて高い大学進学実績を誇ります。生徒のほとんどが国公立大学への進学を目指し、毎年多くの生徒が難関大学への切符を手にしています。

最新の主な大学合格実績(2025年3月卒業生の実績を含む過去3年間の主なもの)は以下の通りです。

大学群 主な合格大学名と人数(直近の実績を中心に抜粋)
最難関国公立大学 東京大学(6)、京都大学(2)、大阪大学(8)、名古屋大学(4)
地元・近隣の主要国公立大学 福井大学(28)、金沢大学(19)、富山大学(18)
難関私立大学(早慶上理・GMARCH・関関同立など) 早稲田大学(9)、慶應義塾大学(8)、同志社大学(23)、立命館大学(38)

これに加え、海外の大学への進学者も輩出しており、グローバルな進路選択も可能な環境です。

この高い進学実績を支えているのが、学校の充実したサポート体制です。長年のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校としての経験で培われた「探究学習」は、単なる知識の暗記にとどまらない、大学入試で問われる思考力や表現力を根本から鍛え上げます。また、夏休みや冬休みには多くの補習や特別講習(課外・特講)が開かれ、生徒の学力向上を強力にバックアップします。先生方の熱心な指導も評判で、放課後に質問に行く生徒の姿も日常的な光景です。

福井県立高志高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、高志高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 県内唯一の公立中高一貫校という環境

    中学から内部進学してくる生徒と、高校から入学する生徒が互いに刺激し合い、多様な価値観の中で成長できるユニークな環境です。

  • 未来を拓く「探究創造科」カリキュラム

    答えのない問いに挑戦する力を養う、先進的な教育プログラム。これからの社会で本当に必要とされる思考力や問題解決能力を3年間で体系的に身につけます。

  • SSH指定校としての高度な理数教育

    大学や研究機関と連携した本格的な研究活動に参加できるなど、科学に興味を持つ生徒にとって最高の環境が整っています。

  • 生徒主体で校則を変える「自由と責任」の校風

    生徒の自主性を尊重し、信頼する文化の象徴です。自分たちで考え、より良い学校を作っていくという経験は、大きな自信につながります。

  • 行き先を選べるユニークな研修旅行

    海外を含む複数の選択肢から自ら研修先を選ぶことで、主体性と国際感覚を養うことができます。一生の思い出になる貴重な体験です。

  • 全国レベルで活躍する活発な部活動

    勉強だけでなく、部活動にも本気で打ち込める「文武両道」の精神が根付いています。限られた時間で成果を出す集中力が養われます。

  • 熱気あふれる生徒主体の学校行事

    学校祭や合唱コンクールなど、多くの行事が生徒たちの手で企画・運営されます。リーダーシップや協調性を育む絶好の機会です。

福井県立高志高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生の声から、高志高等学校のリアルな姿を探ってみましょう。

  • 良い点

    • 「先生方のサポートが手厚く、放課後も気軽に質問に行ける雰囲気がありがたい」という声が多数あります。

    • 「学校祭などの行事が生徒主体で本当に楽しい。クラスの団結力が強まる」と、学校行事の充実度を評価する意見が多いです。

    • 「周りの生徒のレベルが高く、常に刺激を受けながら勉強できる環境が良い」と、切磋琢磨できる仲間がいることを魅力に感じるようです。

    • 「自由な校風なので、自分で計画を立てて勉強や部活動に取り組める」といった、自主性を重んじる校風を肯定的に捉える声も目立ちます。

    • 「生徒が中心となって校則をより良く変えた経緯があり、学校生活が過ごしやすい」という、最近の改革を評価する声もあります。

  • 気になる点

    • 「中高一貫校なので、中学からの内部進学生と高校からの入学生との間に、入学当初は少し壁を感じることがある」という意見は、複数の口コミで見られます。

    • 「授業の進度が速く、課題も多い。自主的に勉強する習慣がないと、すぐについていけなくなる」という、学習面の厳しさを指摘する声があります。

    • 「『自由』である分、高い自己管理能力が求められる。流されてしまうと大変」という、自由の裏にある責任の重さを挙げる声もあります。

    • 「周りのレベルが高すぎて、中学時代にトップクラスだった生徒が自信をなくしてしまうことがある」という、進学校ならではの悩みも聞かれます。

    • 「施設によっては、併設されている中学生が優先されていると感じることがある」という声も一部にはあるようです。

アクセス・通学

高志高等学校への通学は、公共交通機関の利用が非常に便利です。

  • 最寄り駅:JR福井駅

  • アクセス方法:JR福井駅の東口から、まっすぐな道を歩いて約7〜10分です。県内の主要駅からのアクセスが抜群に良い立地です。

福井駅が最寄りということもあり、福井市内の生徒はもちろん、JR線を利用して市外の広いエリアから多くの生徒が通学しています。学校には来客用の駐車スペースがほとんどないため、学校説明会などに参加する際も公共交通機関の利用が推奨されています。

福井県立高志高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、高志高等学校を目指す君にメッセージを送ります。

もし君が、ただ良い大学に行きたいというだけでなく、「学ぶこと」そのものが好きで、難しい問題にぶつかった時に「面白い!」と感じられるような探究心の持ち主なら、高志高等学校は最高の場所になるでしょう。この学校が求めているのは、言われたことをこなす生徒ではなく、自ら問いを立て、失敗を恐れずに挑戦できる、未来の創造者です。受験勉強では、公式や年号を暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか?」という本質を常に考える癖をつけてください。その思考力が、高志高等学校の入試、そして入学後の学びで必ず生きてきます。

高志高等学校への道は決して平坦ではありません。しかし、そこで待っているのは、同じ志を持つ仲間たちとの刺激的な日々、そして君の可能性を最大限に引き出してくれる自由な学びの環境です。その挑戦の先にある充実した3年間を信じて、今は目の前の一歩一歩を大切に進んでください。心から応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。