勉強にも、部活動にも、学校行事にも、自分の持てるエネルギーを全部注ぎ込みたい。そんな充実した高校生活を送りたいと考えている中学生の皆さんに、ぜひ知ってほしいのが福島県立郡山高等学校です。多くの生徒や地域の方々から「郡高(ぐんこう)」の愛称で親しまれ、創立以来「文武両道」の精神を大切に、学問とそれ以外の活動の両方に本気で取り組む文化が根付いています。
その伝統を重んじながらも、福島県立郡山高等学校は未来を見据えた大きな変革の時を迎えています。2025年度からは、これまでの学科編成を刷新し、新たに「探究科」を設置。生徒一人ひとりの興味や進路希望に、より柔軟に対応できる「単位制」へと移行します。これは、ただ学科の名前が変わるだけでなく、変化の激しい時代を生き抜くために、自ら考え、主体的に行動できる力を育むという、郡高の新しい挑戦の表れです。
伝統と革新が融合するこの学校で、一体どんな3年間が待っているのでしょうか。この記事では、郡高の偏差値や難易度といった受験情報から、先輩たちのリアルな声に基づいた校風、活気あふれる部活動や学校行事、そして気になる最新の進学実績まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの未来の選択肢として、ぜひじっくりと読み進めてみてください。
福島県立郡山高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 福島県立郡山高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒963-0201 福島県郡山市大槻町字上篠林3番地 |
代表電話番号 | 024-951-0215 |
公式サイトURL | https://koriyama-h.fcs.ed.jp/ |
福島県立郡山高等学校の偏差値・難易度・併願校
郡高の学力的なレベルや、合格するためにどれくらいの力が必要なのか、具体的に見ていきましょう。
学科・コースごとの偏差値
-
普通科: 50 – 54
-
英語科: 50 – 54
-
探究科(2025年度新設): 新設のため偏差値はまだ出ていませんが、これまでの英語科の実績や、大学や外部機関と連携した高度な学びを目指すことから、普通科と同等かそれ以上の難易度が予想されます。
難易度のイメージ
偏差値の数字だけでは、具体的な難しさは分かりにくいかもしれません。そこで、合格に必要な内申点や入試本番での得点の目安を見てみましょう。福島県立郡山高等学校に合格するためには、偏差値の数字以上にしっかりとした準備が必要です。
-
合格に必要な内申点の目安: 各種情報によると、内申点の目安は5段階評価で「39~40」前後とされています。これは、中学1年生から3年生までの9教科の成績が、ほとんど「4」や「5」で占められている状態を意味します。特に、実技4教科は評価が2倍で計算されるため、主要5教科だけでなく、副教科でも手を抜かずに高い成績を維持することが非常に重要になります。
-
入試本番での得点の目安: 過去の合格者の得点データを見ると、250点満点中、160点台~180点台で合格している生徒が多いようです。一方で、140点台で不合格となった例もあり、ボーダーライン上は非常に厳しい戦いになることがうかがえます。安定して合格を目指すなら、各種模擬試験などで170点以上を目標に設定するのが一つの目安となるでしょう。
-
同じくらいの偏差値の他の高校:
-
福島県立郡山東高等学校
-
福島県立あさか開成高等学校
-
主な併願校
福島県の公立高校入試は、1つの高校しか受験できません。そのため、郡山高等学校を第一志望にする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願先としては、以下の高校が挙げられます。
-
日本大学東北高等学校(特に特別進学コース)
-
尚志高等学校(特に特別進学コース)
-
郡山女子大学附属高等学校
これらの私立高校の特進コースなどを併願先に選ぶ生徒が多い傾向にあります。
福島県立郡山高等学校に設置されている学科・コース
2025年度から学科が新しくなる郡高。それぞれの学科・コースでどんなことが学べるのか、どんな人におすすめなのかを紹介します。
-
普通科
-
どんなことを学ぶ? 文系・理系のバランスの取れた幅広い知識を学び、2年生からはそれぞれの進路希望に合わせてコースを選択します。国公立大学や難関私立大学を目指すための盤石な学力を築きます。
-
どんな生徒におすすめ? まだ将来の夢がはっきり決まっていないけれど、大学進学を考えていて、高校で自分の可能性を広げたい人。
-
-
探究科(2025年度新設)
-
どんなことを学ぶ? 答えのない問いに対して、自ら課題を設定し、情報を集め、仲間と協力しながら解決策を探る「探究活動」が学習の中心です。大学や企業、海外の学校とも連携し、実践的な学びを深めます。
-
どんな生徒におすすめ? 好奇心旺盛で、受け身の勉強よりも、自分でテーマを見つけてとことん突き詰める学習がしたい人。将来、グローバルな舞台で活躍したい人。
-
-
英語科(2025年度入学生まで)
-
どんなことを学ぶ? 高度な英語運用能力と異文化理解を深めることに特化。海外研修など、英語を「使う」機会が豊富に用意されています。※2025年度から探究科に発展的に統合されます。
-
どんな生徒におすすめ? 英語が大好きで、将来は英語力を活かした仕事に就きたい、海外に挑戦したいと考えている人。
-
-
教育コース(普通科内のプログラム)
-
どんなことを学ぶ? 将来、学校の先生や教育関係の仕事に就きたい生徒のための特別プログラム。大学教授による特別講義や、現代の教育課題について考えるゼミ形式の授業などが行われます。
-
どんな生徒におすすめ? 教師という仕事に強い興味があり、教育について専門的に、そして深く学びたい人。
-
福島県立郡山高等学校の特色・校風
郡高での3年間はどんな雰囲気なのでしょうか?キーワードや先輩たちの口コミから、リアルな学校生活を探ってみましょう。
校風を表すキーワード: 文武両道、自由闊達、生徒主体、青春できる
-
宿題の量は多い?少ない?
これは郡高を語る上で外せないポイントです。多くの在校生や卒業生が「宿題の量は非常に多い」と口を揃えます。特に、国語・数学・英語の「週末課題」は有名で、「半端じゃない量」「計画的にやらないと終わらない」という声が多数あります。部活動で忙しい生徒にとっては、この課題との両立が高校生活の大きなテーマになるようです。一方で、「こなせる量ではある」という意見もあり、自己管理能力が試される部分と言えるでしょう。
-
校則は厳しい?緩やかか?
全体的には「厳しすぎず、緩すぎず、程よい」という評価が多いようです。「高校生活を楽しめるくらいの自由はある」と感じる生徒が多い一方で、細かい部分では指導が入ることも。
-
スマホ: 校内での使用は原則として制限されており、SNSの利用マナーなどについては注意喚起されています。ただ、近年は学習目的での利用が認められるなど、少しずつ状況は変化しているようです。
-
服装・頭髪: 制服の着こなし(シャツの裾を出すなど)については、ある程度決められています。頭髪についても、前髪が目にかからないかなどのチェックが行われることがある、という声もあります。
-
アルバイト: 原則として禁止されています。家庭の事情などでやむを得ない場合は、学校に申請し、許可を得る必要があります。
-
-
生徒たちの雰囲気は?
「明るく活発な生徒が多い」「男女の仲が良く、クラスの雰囲気も良い」という声が目立ちます。いわゆる「陽キャ」と呼ばれるような、学校行事や部活動に積極的に参加する生徒が多いようです。そのため、「最高の青春が送れる」と感じる生徒も少なくありません。ただし、勉強に対するモチベーションは個人差が大きいようで、「やる人はとことんやるし、やらない人は置いていかれる。結局は自分次第」という意見も多く見られます。
-
制服の評判は?
制服の評判は、特に女子生徒から非常に高いです。「可愛い」「個性的でおしゃれ」と、制服が気に入って入学を決める生徒もいるほど。ローズピンク色のジャケットが特徴的で、郡高のシンボルの一つとなっています。
-
土曜授業はある?
毎週の土曜授業はありません。ただし、模試や進学のための補習などが土曜日に行われることはあります。
福島県立郡山高等学校の部活動・イベント
部活動
「文武両道」の「武」を象徴するのが、活気あふれる部活動です。多くの生徒が部活動に加入しており、学校生活の大きな柱となっています。特に、全国レベルで活躍する部活動は、郡高の誇りです。
-
合唱部:
「合唱王国ふくしま」を代表する、全国屈指の実力を持つ名門です。全日本合唱コンクールやNHK全国学校音楽コンクールで、何度も全国大会金賞に輝いています。その歌声は圧巻で、多くの人に感動を与えています。日本一を目指せる環境で、仲間と共に高め合いたい人には最高の場所です。
-
チアダンス部:
合唱部と並ぶ、郡高が誇る全国レベルの強豪部です。全国高等学校ダンスドリル選手権大会では、複数の部門で優勝や上位入賞を果たすなど、輝かしい実績を誇ります。華やかなパフォーマンスの裏には厳しい練習がありますが、その分、達成感や仲間との絆は格別です。地域のイベントなどでも活躍し、多くの人を笑顔にしています。
-
その他の活発な部活動:
陸上競技部、野球部、サッカー部、ハンドボール部なども、過去にインターハイや全国大会への出場経験があり、高いレベルで活動しています。文化部も美術部などが活発で、多種多様な部活動が揃っており、誰もが自分の打ち込める場所を見つけられるはずです。
イベント
勉強や部活動だけでなく、学校行事が非常に盛り上がるのも郡高の大きな魅力です。生徒が主体となって創り上げるイベントは、一生の思い出になります。
-
文化祭「槻葉祭(きつようさい)」:
毎年8月下旬に開催される、学校最大のイベントです。クラスごとの展示やアトラクション、文化部の発表、有志によるステージなど、校内は熱気に包まれます。一般公開も行われることが多く、多くの来場者で賑わいます。準備期間からクラスの団結力が高まり、最高の盛り上がりを見せます。
-
校内体育祭:
10月に行われる体育祭は、クラス対抗で様々な競技に挑みます。リレーや大縄跳びといった定番種目から、球技まで、各クラスが優勝を目指して一丸となります。応援にも熱が入り、学年を超えて大きな声援が飛び交う、活気あふれる一日です。
-
修学旅行:
2年生の9月に行われる修学旅行は、生徒たちが心待ちにしている行事の一つです。近年は関西方面を訪れることが多く、2024年度は大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や京都などを巡りました。クラスメイトと過ごす数日間は、友情を深める貴重な時間となります。
福島県立郡山高等学校の進学実績
郡高生の多くが大学進学を目指しており、学校も手厚いサポート体制で応えています。国公立大学から有名私立大学まで、幅広い進路を実現しているのが特長です。
最新の大学進学実績(2024年春)
以下は、主な大学の合格者数です(浪人生含む)。
-
主な国公立大学
-
福島大学: 27名
-
茨城大学: 8名
-
新潟大学: 5名
-
福島県立医科大学: 4名
-
埼玉大学: 4名
-
会津大学: 3名
-
山形大学: 2名
-
東北大学: 1名(2023年実績)
-
-
主な難関私立大学(GMARCH、日東駒専など)
-
日本大学: 52名
-
東北学院大学: 41名
-
東洋大学: 19名
-
白鴎大学: 18名
-
法政大学: 4名
-
中央大学: 3名
-
青山学院大学: 2名
-
立教大学: 1名
-
進学実績を支える取り組み
高い進学実績の背景には、学校の熱心な進路指導があります。
口コミでも多く触れられているように、放課後や夏休みなどの長期休暇中には、大学受験を見据えた補習や講習(課外授業)が数多く開かれています。また、先生方は生徒一人ひとりの進路相談に乗り、特に国公立大学への進学を強く後押しする傾向があるようです。こうした手厚いサポート体制が、多くの生徒を志望校合格へと導いています。
福島県立郡山高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、郡高ならではの強みや魅力を5つのポイントにまとめました。
-
1. 未来を創る学び「探究科」の新設
2025年度からスタートする「探究科」は、単なる知識の暗記ではなく、自ら課題を見つけて解決する力を養う最先端の学びの場です。大学や社会と連携したプログラムを通じて、21世紀に本当に必要とされるスキルを身につけることができます。
-
2. 日本一に輝く、誇り高き部活動
合唱部やチアダンス部をはじめ、全国の頂点を目指して活動する部活動が数多く存在します。高いレベルで切磋琢磨する仲間と共に、一生ものの経験と自信を手に入れることができるのは、郡高ならではの大きな魅力です。
-
3. 教師を目指す君への最短ルート「教育コース」
将来、教育の道に進みたい生徒のために特化した専門プログラムがあるのは、県内でも珍しい特長です。大学教授から直接学んだり、教育のリアルな課題に触れたりする機会は、夢への大きな一歩となります。
-
4. 生徒が主役で創り上げる、熱狂の学校行事
文化祭「槻葉祭」や体育祭は、生徒たちが企画段階から中心となって創り上げる一大イベントです。クラス全員で一つの目標に向かって全力で取り組む経験は、勉強だけでは得られない強い絆と達成感を生み出します。
-
5. 個性が光る、大人気の制服
「制服が可愛いから」という理由で選ぶ生徒がいるほど、デザイン性の高い制服は学校の象徴です。特に女子のローズピンクのジャケットは有名で、この制服を着て高校生活を送ることに誇りと愛着を持つ生徒が数多くいます。
福島県立郡山高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
-
「とにかく学校生活が楽しい、最高の青春が送れる」
これが最も多く聞かれるポジティブな意見です。活発な生徒が多く、学校行事も非常に盛り上がるため、友達とのかけがえのない思い出をたくさん作れるようです。
-
「部活動がとても盛んで、打ち込める環境がある」
全国レベルの部活動から、趣味を楽しむ同好会まで、選択肢が豊富です。部活動を通して得られる仲間や達成感が、高校生活を充実させてくれるという声が多数あります。
-
「校則が比較的自由で、のびのびと過ごせる」
厳しすぎる校則で縛られることなく、ある程度の自主性が尊重される校風を評価する声が多いです。生徒を信頼してくれる雰囲気が、居心地の良さにつながっているようです。
-
「制服が可愛くて、着るのが楽しみ」
特に女子生徒から、制服のデザインに対する満足度は非常に高いです。学校への帰属意識や誇りを高める一因となっています。
気になる点
-
「宿題や課題の量がとにかく多くて大変」
これは、ほぼ全ての生徒が挙げる注意点です。特に週末課題の負担は大きく、部活動との両立に苦労する生徒が少なくありません。入学前から相応の覚悟が必要かもしれません。
-
「駅から遠くて、毎日の通学が不便」
最寄りのJR郡山駅からバスで通学する必要があり、時間がかかる点をデメリットとして挙げる声が多く見られます。
-
「先生によって指導の熱心さに差があるように感じる」
熱心に進路指導をしてくれる先生がいる一方で、授業が分かりにくいと感じる先生もいるなど、先生の質にばらつきがあるという意見も見受けられます。
-
「施設が全体的に少し古い印象がある」
校舎や設備について、もう少し新しくなってほしいという声が一部あります。
アクセス・通学
福島県立郡山高等学校への通学方法と、どのエリアから通う生徒が多いかについて説明します。
-
最寄り駅からのアクセス:
-
主な交通手段は、JR「郡山駅」からのバス利用となります。
-
郡山駅西口のバス乗り場から、福島交通バスの「希望ヶ丘行き」や「あすなろ循環」などに乗車し、約15分~20分です。
-
最寄りのバス停は「郡山高校」で、下車後、徒歩約3分で学校に到着します。
-
-
通学エリアの傾向:
郡山市内全域から生徒が通学しています。その他、須賀川市や田村市など、近隣の市町村から通う生徒も多くいます。駅からはバス利用が必須となるため、バス路線沿いに住んでいる生徒にとっては比較的通いやすいですが、エリアによっては毎日の通学に時間がかかることも考慮しておくと良いでしょう。
福島県立郡山高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
最後に、進学アドバイザーとして、福島県立郡山高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。
郡高は、「勉強も部活も行事も、全部本気でやりたい!」というエネルギッシュな君にぴったりの場所です。高いレベルの文武両道を本気で目指す環境は、決して楽ではありません。しかし、その分、他では得られないほどの達成感と、生涯の仲間に出会えるはずです。忙しい毎日を自分で計画し、乗り越えていく力がある人、挑戦することを楽しめる人なら、間違いなく最高の3年間を送ることができるでしょう。
福島県立郡山高等学校の入試を突破するためには、付け焼き刃の勉強では通用しません。合格の鍵は、中学3年間を通じてコツコツと積み上げる「内申点」にあります。1年生の時から定期テストで高得点を取り続け、全ての教科で高い評価を得ることを目指してください。その上で、入試本番では基礎を確実に固め、苦手科目を作らないことが大切です。ライバルは多いですが、しっかり準備すれば道は拓けます。
郡高での挑戦は、君をひと回りもふた回りも大きく成長させてくれるはずです。その熱意と努力を、私たちは心から応援しています。頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。