高い目標を掲げ、充実した高校生活を送りたいと考えている君と保護者の皆様へ。今回は、都内でも屈指の進学校として知られる私立城北高等学校をご紹介します。この学校は、ただ学力が高いだけでなく、生徒一人ひとりの人間的な成長を大切にする教育で、多くの卒業生を社会に送り出してきました。難関大学への進学実績はもちろんのこと、その先にある未来を見据えた学びがここにはあります。

城北高等学校の最大の魅力は、厳しい学問の世界と、驚くほどのびのびとした自由な校風が両立している点にあります。学校は生徒を深く信頼し、自らの学びや成長に責任を持つことを奨励しています。この「自由と責任」のバランスが、生徒たちの自主性を育み、一生涯の財産となる強い精神力を養うのです。

この記事では、偏差値や進学実績といったデータだけでなく、学校生活のリアルな姿、在校生や卒業生の声、そして城北高等学校ならではのユニークな取り組みまで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。未来への大きな一歩を踏み出すための、大切な学校選びの旅に、ぜひこの記事をお役立てください。

城北高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。正式名称や所在地など、知っておくべき大切な情報です。

項目 内容
正式名称 城北学園 城北中学校・高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男子校
所在地 東京都板橋区東新町2-28-1
代表電話番号 03-3956-3157
公式サイトURL https://www.johoku.ac.jp/

城北高等学校の偏差値・難易度・併願校

城北高等学校の学力レベルは非常に高く、都内でもトップクラスに位置しています。その難易度を、具体的な数字と併願校の例から見ていきましょう。

最新の偏差値は「70」と、最難関レベルです。この数値は、東京都内の私立高校393校中12位、全国でも9,800校中168位にランクインすることを意味しており、学力的に非常に優秀な生徒たちが集まる環境であることが分かります。

合格の目安となる内申点ですが、特に推薦入試を考えている場合は、中学3年次の成績が重要になります。出願基準として「5教科(国語・社会・数学・理科・英語)の5段階評定の合計が20以上で、かつ全教科で1や2がないこと」が求められます。これは、単に試験当日の学力だけでなく、中学校での日々の学習態度や継続的な努力が高く評価されることを示しています。実際に2024年度の推薦入試では、合格者の9教科内申点の平均は「35」でした。城北高等学校が、真面目にコツコツと努力を積み重ねられる生徒を求めていることがよく分かります。

同じくらいの偏差値の高校としては、都立では戸山高校や国立高校、私立では青山学院高等部などが挙げられます。そのため、多くの受験生がこれらのトップレベルの高校を併願校として選択する傾向があります。主な併願校の例は以下の通りです。

  • 都立国立高等学校

  • 都立戸山高等学校

  • 桐朋高等学校

  • 中央大学杉並高等学校

  • 青山学院高等部

城北高等学校に設置されている学科・コース

城北高等学校には、特別な学科やコース分けはなく、「普通科」のみが設置されています。しかし、その教育内容は非常に考え抜かれたものになっています。

特に注目すべきは、高校から入学する生徒(高入生)のためのカリキュラムです。高入生は、入学後1年間、中学からの内部進学生とは別のクラスで学びます。これは、中学からの入学生徒との学習進度の差を埋めるための、高入生専用に組まれた特別なカリキュラムです。この1年間で集中的に学ぶことで、高校2年生に進級する際には、内部進学生と完全に同じレベルに到達することができます。

そして高校2年生からは、高入生と内部進学生が混合のクラスとなり、本格的な大学受験に向けた学習が始まります。この段階で、生徒はそれぞれの進路希望に応じて「文系」と「理系」のコースを選択します。この1年間の準備期間は、学力面だけでなく、新しい環境に慣れ、同じ高入生の仲間たちと強い絆を築くための大切な時間でもあります。中学からの内部進学生が多い環境に不安を感じるかもしれませんが、この独自のシステムにより、安心して学校生活をスタートさせ、スムーズに溶け込めるよう配慮されています。

城北高等学校の特色・校風

城北高等学校の校風をキーワードで表すなら、「質実剛健」「文武両道」「自由闊達」といった言葉がぴったりです。伝統を重んじながらも、生徒の自主性を最大限に尊重する文化が根付いています。

口コミなどを見ると、学校生活の様々な側面が見えてきます。

  • 宿題の量と学習スタイル

    宿題の量は他の進学校に比べて比較的少ないという声がある一方で、その代わりにほぼ毎週のように小テストが実施され、基礎学力の定着が図られています。合格点に満たない場合は再テストがあるなど、自主的な学習習慣が強く求められます。自由な雰囲気だからこそ、自分から積極的に学ぶ姿勢がなければ、高いレベルについていくのは難しいかもしれません。

  • 校則(スマホ、服装など)

    校則は、常識的な範囲を守っていれば、比較的緩やかだと感じる生徒が多いようです。スマートフォンの校内での使用に関する具体的な厳しい規則はあまり聞かれませんが、授業中の使用はもちろん禁止です。服装は、伝統的な黒の詰襟学生服(学ラン)が指定されています。髪染めやピアスは禁止されており、伝統校らしい規律も大切にされています。この伝統的な制服と、校内の自由な雰囲気の組み合わせは、城北のユニークな特徴の一つです。外見的な規律は守りつつ、内面的な自由を尊重するという学校の哲学が表れているのかもしれません。

  • 生徒たちの雰囲気

    生徒は「素朴で真面目」「穏やか」といった言葉で表現されることが多く、落ち着いた環境で勉強に集中したい生徒には最適なようです。男子校ならではのノリの良さや、少しマニアックな趣味を持つ生徒も互いを認め合う雰囲気があり、どんなタイプの生徒でも自分の居場所を見つけやすいと言われています。

  • アルバイト・土曜授業

    アルバイトは、学業や部活動に専念するため、原則として認められていないようです。また、十分な学習時間を確保するため、土曜日にも授業が行われる週6日制が採用されています。

城北高等学校の部活動・イベント

部活動

城北高等学校では「文武両道」が奨励されており、部活動は非常に盛んです。約48ものクラブがあり、多くの生徒が学業と両立させながら熱心に活動に取り組んでいます。

  • 特に有名な部活動

    特に全国レベルでその名を知られているのが水泳部です。インターハイ(全国高等学校総合体育大会)や関東大会の常連校であり、学校の誇りとなっています。高いレベルで水泳に打ち込みたい生徒にとっては、最高の環境と言えるでしょう。

  • 全体の様子

    水泳部以外にも、多くの運動部や文化部が都大会で優秀な成績を収めています。部活動への加入は強制ではありませんが、ほとんどの生徒が何らかのクラブに所属し、高校生活を謳歌しています。運動部、文化部ともに充実しており、自分の興味や関心に合わせて活動を選べるのが魅力です。

イベント

学校行事は、男子校ならではの熱気と一体感に溢れており、生徒たちにとって最高の思い出を作る場となっています。

  • 体育祭

    城北の体育祭は、中学1年生から高校3年生までの全6学年が合同で行われる、非常に大規模なイベントです。学年を超えた交流が生まれ、学校全体が一つになるこの日は、まさに圧巻の一言。「男子校のイベントは全て楽しい」という口コミがあるように、生徒たちが全力でぶつかり合う姿は、見る者にも感動を与えます。

  • 城北祭(文化祭)

    体育祭と並ぶ大きなイベントが文化祭「城北祭」です。この日ばかりは、普段は男子生徒だけのキャンパスが、他校の生徒や地域の方々など多くの来場者で賑わいます。クラスや部活動ごとに趣向を凝らした展示や発表が行われ、生徒たちの創造性や協調性が発揮される場となっています。

  • 修学旅行・語学研修

    高校生活の大きな楽しみの一つである修学旅行はもちろんのこと、希望者を対象とした夏休みのオーストラリア語学研修など、国際的な視野を広げる機会も用意されています。これらの行事を通じて得られる経験は、教室での学びと同じくらい価値のあるものになるでしょう。

城北高等学校の進学実績

城北高等学校は、全国でもトップクラスの大学進学実績を誇ります。生徒たちの努力と、それを支える学校の強力なサポート体制が見事に結実しています。

2025年度の最新の大学合格実績は以下の通りです。東京大学10名を筆頭に、最難関大学へ多くの合格者を輩出していることが分かります。

2025年度 主要大学合格実績

大学分類 主な大学名 合格者数
最難関国公立大学 東京大学 10
京都大学 2
一橋大学 10
東京科学大学(旧 東京工業大学) 5
国公立大学 合計 115
国公立大学医学部 12
早慶上理 早稲田大学 111
慶應義塾大学 64
上智大学 21
東京理科大学 143
GMARCH 明治大学 109
青山学院大学 33
立教大学 48
中央大学 56
法政大学 78
学習院大学 19
私立大学医学部 39

特に注目すべきは、東京理科大学への143名という合格者数や、国公立・私立を合わせて51名もの医学部合格者を輩出している点です。これは、城北高等学校が理数系教育、特に科学、工学、医学分野への進学指導に非常に強いことを示しています。将来これらの分野を目指す生徒にとっては、理想的な環境と言えるでしょう。

この輝かしい実績を支えているのが、手厚い学習サポート体制です。夏休みや冬休みには、希望者向けの講習会が開かれ、参加率は96%にも上ります。また、高校3年生向けには、大学入学共通テスト対策や二次試験対策に特化した特別講座も用意されており、最後まで生徒一人ひとりの学力を伸ばすための支援が惜しみなく行われています。

城北高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、城北高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 高入生のための特別カリキュラム

    高校から入学する生徒が、学業面でも生活面でもスムーズに学校に馴染めるよう、1年間は高入生のみのクラスで独自のカリキュラムが組まれます。この手厚いサポートにより、2年生からは内部進学生と完全に合流し、高いレベルで切磋琢磨できます。

  • 大町山荘での泊まり込み勉強合宿

    夏休みに行われる9泊10日の勉強合宿は、城北の名物行事です。合計100時間以上の学習に仲間と共に取り組むこの経験は、学力を飛躍的に向上させるだけでなく、厳しい環境を乗り越えたという自信と、生徒同士の固い絆を育みます。

  • 充実した希望制の講習会

    長期休暇中に行われる講習会は、普段の授業とは異なるオリジナル教材を使用し、生徒一人ひとりのレベルや目標に合わせて講座を選択できます。学校の先生が直接指導するため、質の高い授業を安心して受けることができ、非常に高い参加率を誇ります。

  • 「静座」から始まる授業

    全ての授業の始まりに「静座」という黙想の時間が設けられています。心を落ち着かせ、集中力を高めてから授業に臨むこのユニークな伝統は、学習効果を高めるとともに、精神的な鍛錬にも繋がっています。

  • 卒業生との強力なネットワーク

    大学に進学したばかりの卒業生を学校に招き、大学生活や受験勉強について直接話を聞く機会が設けられています。歳の近い先輩からのリアルなアドバイスは、生徒たちにとって大きな刺激となり、具体的な進路目標を描く助けとなっています。

  • 6学年合同で行う学校行事

    体育祭などの主要な学校行事は、中高6学年が一体となって行われます。上級生が下級生をリードする姿は、学年を超えた縦の繋がりを生み出し、学校全体の強い一体感を醸成しています。

城北高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、学校生活に対する様々な声が寄せられています。良い点と気になる点の両方を知ることで、よりリアルな城北の姿が見えてくるはずです。

  • 良い点

    • 一生付き合える友人ができる

      「男子校ならではのノリの良さがあり、一生の友人ができた」という声が非常に多く聞かれます。苦楽を共にする中で育まれる友情は、卒業後も続くかけがえのない財産になるようです。

    • 先生のサポートが手厚い

      自分から質問に行ったり相談したりすれば、先生方は非常に熱心に対応してくれると評判です。「塾に行かなくても学校のサポートで十分」と感じる生徒も少なくありません。

    • 自由でのびのびした校風

      生徒を信頼し、多くのことを任せてくれる自由な校風を評価する声が多数あります。管理されすぎない環境で、自分のペースで高校生活を送りたい生徒にとっては居心地が良いようです。

    • 文武両道を実践できる

      広いグラウンドなどの施設が整っており、勉強だけでなく部活動にも本気で打ち込める環境が魅力だとされています。

  • 気になる点

    • 施設の古さが目立つ

      歴史ある学校のため、「校舎やトイレ、グラウンドなどが少し古い」という意見はしばしば見られます。最新のピカピカな設備を期待していると、少しギャップを感じるかもしれません。

    • 高い自主性が求められる

      自由な校風の裏返しとして、「自分から行動しないと何も始まらない」という指摘もあります。受け身の姿勢では、学校のポテンシャルを十分に活かせない可能性があります。高い目標を達成するには、強い自己管理能力が不可欠です。

    • 駅から少し歩く

      最寄り駅から学校まで10分から20分ほど歩く必要があり、毎日のことなので少し大変に感じる生徒もいるようです。

    • 男子校特有の雰囲気

      良くも悪くも「男子校」らしい雰囲気があり、下ネタなどのノリが合わないと感じる生徒もいるかもしれません。しかし、全体的には穏やかで真面目な生徒が多いという評価が一般的です。

アクセス・通学

城北高等学校への主な通学ルートは以下の通りです。多くの生徒が電車やバスを利用して通学しています。

  • 東武東上線:「上板橋」駅 南口から徒歩10分

  • 東京メトロ有楽町線・副都心線:「小竹向原」駅 1番出口から徒歩20分

  • バス利用の場合:「小茂根」バス停から徒歩10分(都営バス、関東バス、国際興業バスが利用可能)

通学している生徒のエリアについては、東京都内からが約7割、埼玉県からが約2割となっており、特に板橋区、練馬区、文京区、杉並区、豊島区といった近隣の区からの通学者が多い傾向にあります。学校から30分圏内であれば、許可を得て自転車で通学することも可能です。駅から少し距離があることは、逆に言えば、その時間を友人と話しながら歩く貴重なコミュニケーションの時間と捉えることもできるでしょう。

城北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。君が城北高等学校に魅力を感じてくれているなら、最後にアドバイザーとしてメッセージを送ります。

この学校は、高い学力を目指すのはもちろんのこと、何事にも自主的に取り組む意欲のある生徒に特におすすめです。先生や周りに言われたからやるのではなく、「自分はこうなりたい」という強い意志を持って、自由な環境を最大限に活かせる人。そして、勉強も部活も行事も、すべてに全力で取り組んで、一生の仲間と最高の高校生活を送りたいと願う人。そんな君にとって、城北高等学校は最高の舞台となるはずです。

受験勉強では、とにかく基礎を徹底的に固めることが合格への鍵となります。難問奇問よりも、中学校で学んだ内容を深く、そして正確に理解しているかが問われます。特に推薦入試を考えているなら、日々の授業を大切にし、定期テストで着実に結果を出すことが何よりも重要です。城北高等学校が君に求めているのは、一夜漬けの知識ではなく、毎日の努力を積み重ねられる誠実さです。その努力の先に、素晴らしい3年間が待っています。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。