神奈川県立秦野高等学校は、県内の公立高校として最も古い歴史を持つ伝統校の一つでありながら、常に未来を見据えた新しい挑戦を続ける、魅力あふれる学校です。1世紀近い歴史の中で育まれた「文武両道」「質実剛健」といった校風を大切に受け継ぎ、生徒一人ひとりの人間的な成長を促す教育を実践しています。
その一方で、秦野高等学校は「伝統×挑戦」をスローガンに掲げ、ICT教育や教科横断的なSTEAM教育といった最先端の学びにも積極的に取り組んでいます。全国レベルで活躍する部活動、オーストラリアの姉妹校との活発な国際交流など、あなたの高校生活を彩るたくさんのチャンスがここにはあります。
この記事では、そんな伝統と革新が共存する秦野高校のリアルな姿を、偏差値や進学実績といったデータから、在校生や卒業生の口コミまで、詳しくご紹介します。あなたの高校選びの確かな一歩となるよう、一緒にその魅力を探っていきましょう。
秦野高等学校の基本情報
秦野高校の基本的な情報を表にまとめました。学校選びの第一歩として、まずはこちらをご確認ください。
項目 | 内容 |
正式名称 | 神奈川県立秦野高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 共学 |
所在地 | 〒257-0004 神奈川県秦野市下大槻113 |
代表電話番号 | 0463-77-1422 |
公式サイトURL | http://www.hadano-h.pen-kanagawa.ed.jp/ |
秦野高等学校の偏差値・難易度・併願校
秦野高校を目指す上で、まず気になるのが学力レベルでしょう。ここでは、具体的な数字を交えながら、その難易度を分かりやすく解説します。
偏差値・難易度
秦野高校の偏差値は、各種模擬試験のデータによるとおおよそ57〜61の範囲です。これは、学年全体の上位27%程度に位置する学力層であり、神奈川県内でも競争力のある進学校と言えます。
合格の目安となる内申点(中学2年生と3年生の成績)は、135点満点中110〜113点あたりが一つの目標となります。日々の授業態度や定期テストで着実に好成績を収めることが、秦野高校合格への近道です。
同じくらいの偏差値を持つ他の公立高校としては、座間高校、麻溝台高校、大船高校などが挙げられます。これらの学校と比較検討することで、秦野高校の立ち位置がより明確になるでしょう。近年、偏差値や入試倍率が少し落ち着く傾向が見られるというデータもあります。これは、以前よりも少し入学のチャンスが広がっていると捉えることもでき、目標に向かって努力している受験生にとっては心強い情報かもしれません。
主な併願校
神奈川県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、万が一の場合に備えて、多くの受験生が私立高校を併願します。秦野高校の受験生がよく選ぶ併願校は以下の通りです。
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向上高等学校(特進・選抜コース)
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平塚学園高等学校(特進コース)
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相洋高等学校(特進コース)
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立花学園高等学校(特進コース)
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日本大学藤沢高等学校
これらの学校は、秦野高校と同様に大学進学に力を入れているため、併願先として人気が高い傾向にあります。
秦野高等学校に設置されている学科・コース
秦野高校に設置されている学科は「普通科」のみです。しかし、そのカリキュラムは大学進学を見据えて練られており、生徒一人ひとりの目標達成を力強くサポートする内容となっています。
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普通科 – 4年制大学への進学を目指す、学問中心のコースです。1年次では、英語・数学・国語といった主要教科で国の基準よりも多い授業時間を確保し、全ての学問の土台となる基礎学力を徹底的に固めます。2年次からは、生徒の興味や進路希望に合わせて「文系」と「理系」に分かれ、より専門的な学習へと進んでいきます。将来、国公立大学や難関私立大学への進学を考えている生徒に最適な環境が整っています。
秦野高等学校の特色・校風
秦野高校には、100年近い歴史の中で培われてきた独特の文化と雰囲気があります。ここでは、学校生活のリアルな姿をキーワードと口コミから探っていきます。
校風を象徴するキーワード
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文武両道
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質実剛健
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凡事徹底
これらの言葉は、秦野高校が学業だけでなく、部活動や学校行事にも真剣に取り組み、日々の当たり前のことを丁寧に行う姿勢を大切にしていることを表しています。
学校生活のリアル
中学生が本当に知りたい学校生活の様子を、様々な口コミを基にまとめました。
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宿題の量:中学時代と比べると、週末課題や単語テストなどが毎週のようにあり、学習量は増えると感じる生徒が多いようです。特に、1コマ65分という長めの授業時間は、慣れるまで大変かもしれませんが、集中して深く学ぶ習慣が身につきます。
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校則:校則については、在校生や卒業生の間でも意見が分かれる点です。「校則が厳しい」「考え方が古い」という声がある一方で、「メイクやピアスをしていても特に何も言われない」という口コミも見られます。公式なルールは存在しますが、その運用は先生によって厳しさが異なるというのが実情のようです。この一見矛盾した状況の背景には、学校の「質実剛健」という伝統的な価値観と、生徒の自主性を尊重する現代的な考え方の両方が存在しているのかもしれません。中には、在学中は理不尽だと感じたルールも、卒業後に社会の常識として役立ったと感じる卒業生の声もあり、単なる厳しさだけでなく、社会性を育む一環と捉える見方もできます。
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スマホの扱い:授業中の使用は禁止されており、ロッカーに保管するのがルールです。昼休みなどの休み時間には使用が許可されています。
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生徒たちの雰囲気:多くの口コミで「素直で真面目な生徒が多い」「いじめもなく、落ち着いた雰囲気で過ごせる」といった声が聞かれます。友人関係に恵まれ、楽しく学校生活を送っている生徒が多いようです。
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アルバイト:原則として禁止されていますが、やむを得ない事情がある場合は、学校に届け出て許可を得ることが可能です。
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制服の評判:男子は伝統的な黒の詰襟学生服(学ラン)、女子は紺色のブレザーです。口コミでは「地味」「おしゃれではない」といった意見が比較的多く見られます。
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土曜授業:現在のところ、毎週土曜日に定例の授業は行われていないようです。
秦野高等学校の部活動・イベント
「本気の文武両道」を掲げる秦野高校では、部活動や学校行事が非常に活発です。ここでは、学校生活を熱くする活動の一部をご紹介します。
部活動
秦野高校の部活動加入率は、運動部と文化部を合わせて81%と非常に高く、多くの生徒が学業と両立しながら活動に打ち込んでいます。
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全国レベルで活躍する部活動
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チアリーディング部:秦野高校の看板部活動の一つで、全国大会優勝経験もある強豪として知られています。県大会でも常に上位の成績を収め、全国の舞台で活躍しています。
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演劇部:県大会で最優秀賞を受賞し、関東大会へ出場するなど、高い実力を持っています。
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かるた部:県大会で優勝するなど、文化部ながら競技性の高い活動で成果を上げています。
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その他の活発な部活動
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運動部では、陸上競技部、ソフトテニス部、山岳部などが関東大会出場といった輝かしい実績を残しています。
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文化部では、吹奏楽部や弦楽合奏部、サウンド研究部などが意欲的に活動しています。
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ストリートダンス部や文芸漫画研究部など、ユニークな部活動も存在し、生徒の多様な興味に応えています。
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ただし、この「本気の文武両道」は、相応の覚悟も必要です。「部活動が厳しく、テスト前でも練習があって大変」という声があるように、高いレベルを目指すからこその厳しさもあります。難関大学への進学を最優先に考える場合は、部活動とのバランスをよく考える必要があるかもしれません。この厳しい環境を乗り越えた先には、大きな達成感と人間的な成長が待っているでしょう。
イベント
秦野高校の学校行事は、生徒が主体となって作り上げるものが多く、一体感と盛り上がりは格別です。
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広陵祭(体育祭・文化祭):学校最大のイベントです。
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体育祭:5月または6月に開催されます。全校生徒が9〜10色の団(チーム)に分かれ、優勝を目指して競い合います。各団が作成する応援看板は見ごたえがあり、競技だけでなく応援合戦も大きな盛り上がりを見せます。
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文化祭:9月に開催されます。クラスごとの展示や飲食店、文化部のステージ発表など、多彩な企画で賑わいます。名物となっているのが開会式での各クラスによるPRコントで、ユーモアあふれる発表が文化祭の幕開けを飾ります。
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修学旅行:2年生の秋に沖縄を訪れるのが恒例です。
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その他のイベント:冬には校内マラソン大会が、学期末にはクラス対抗のスポーツ大会(球技大会)が開催され、クラスの団結を深める良い機会となっています。
秦野高等学校の進学実績
秦野高校は、卒業生の約9割が4年制大学へ進学する、地域でも有数の進学校です。ここでは、最新の大学合格実績と、それを支える学校の取り組みについて詳しく見ていきましょう。
最新の大学進学実績(2025年春)
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国公立大学:28名が合格しています。旧帝国大学を含む難関大学への合格者も輩出しており、高い学力を示しています。
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難関私立大学:
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GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)には、合計で132名という非常に多くの合格者を出しています。
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早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学にも、合計4名が合格しています。
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その他の主な進学先:地元からの進学者が多い東海大学(102名)や神奈川大学(82名)のほか、日本大学(49名)などにも多数の合格者を輩出しており、幅広い生徒の進路希望に対応していることがわかります。
進学実績を支える取り組み
高い進学実績の背景には、学校独自の手厚いサポート体制があります。その一つが、豊富な「指定校推薦」の枠です。秦野高校は、上智大学、東京理科大学、そしてGMARCHの各大学など、多くの難関私立大学から推薦枠を得ています。これは、一般入試とは別に、高校での成績や活動を評価されて大学に進学できる制度です。この制度を活用するためには、日々の授業に真剣に取り組み、高い評定平均を維持することが非常に重要になります。つまり、秦野高校での3年間の真面目な学校生活が、難関大学への扉を開く鍵となるのです。
その他にも、1年生からの計画的な進路指導や、学習の定着度を測るための定期的な校内模試の実施、そして1コマ65分という時間をかけてじっくりと学ぶ授業スタイルなど、生徒一人ひとりの進路実現を全力でバックアップする体制が整っています。
秦野高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、秦野高校ならではの強みやユニークな取り組みを、5つのポイントに絞ってご紹介します。
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創立100年近い歴史が育んだ「伝統×挑戦」の教育
県内最古の歴史を誇る伝統校としての信頼と実績を基盤に、ICTやSTEAM教育といった未来の社会で必要とされる新しい学びへ果敢に挑戦しています。
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全国レベルの部活動が示す「本気の文武両道」
チアリーディング部を筆頭に、多くの部活動が全国や関東の舞台で活躍しています。学業と部活動のどちらにも全力で打ち込める環境は、秦野高校最大の魅力の一つです。
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先進的なICT環境と教科横断的なSTEAM教育
全教室へのプロジェクター設置や多数のタブレット端末導入など、公立高校としては非常に充実したICT環境を整備しています。これらの機器を活用し、教科の枠を超えた問題発見・解決型の学習を推進しています。
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オーストラリア姉妹校との活発な国際交流プログラム
オーストラリアの姉妹校と長年にわたり相互訪問やホームステイを続けています。現地の生徒との交流を通じて、生きた英語や異文化に触れ、国際的な視野を広げる貴重な機会が用意されています。
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65分授業による深い学びと手厚い進路サポート
1コマ65分という独自の授業スタイルで、表面的な知識だけでなく、思考力や応用力をじっくりと育みます。1年次から始まる計画的なキャリア教育と合わせ、生徒一人ひとりの自己実現を力強く後押しします。
秦野高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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友人関係が良く、学校行事が楽しい
「一生付き合える友達ができた」「広陵祭(文化祭・体育祭)はクラスが一つになって本当に盛り上がる」といった声が多く、充実した学校生活を送っている様子がうかがえます。
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文武両道で充実した3年間が送れる
勉強も部活動も高いレベルで挑戦できる環境に満足している生徒が多いようです。「大変だけど、乗り越えたときの達成感は大きい」「楽しく充実した高校生活が送れる」というポジティブな意見が目立ちます。
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落ち着いた学習環境
「いじめなどは聞いたことがない」「真面目で優しい生徒が多い」という口コミが多く、安心して学校生活を送れる環境であると言えそうです。
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人間的に成長できる
厳しい校則や部活動を通じて、礼儀や忍耐力が身につき、将来のために役立ったと感じる卒業生もいます。
気になる点
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駅から遠く、アクセスが不便
最も多くの生徒が指摘する点で、最寄り駅から徒歩で25分以上かかる立地は、毎日の通学の負担になるようです。多くの生徒がバスを利用するか、長い距離を歩いて通学しています。
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校則が厳しい、または一貫性がない
「校則が古くて厳しい」という不満の声は根強くあります。一方で、先生によって指導の厳しさが違うため、戸惑うこともあるようです。
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制服が地味
特に女子の制服について、「地味」「可愛くない」という意見が多く見られます。
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施設が少し古い
長い歴史を持つ学校のため、校舎の一部に古さを感じるという意見もあります。
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勉強と部活の両立が大変
「文武両道」を掲げるがゆえに、部活動が忙しく、勉強についていくのが大変だと感じる生徒もいるようです。
アクセス・通学
秦野高校への通学方法と、どの地域から通う生徒が多いかについてまとめました。
最寄り駅からのアクセス
秦野高校の最寄り駅は、小田急線の「東海大学前駅」です。駅から学校までは距離があるため、徒歩またはバスを利用するのが一般的です。
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小田急線「東海大学前駅」から
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徒歩:約25分〜30分
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バス:南口バスのりばから神奈川中央交通バス「秦野駅行き」に乗車し、「秦野高校前」バス停で下車(乗車時間 約13分)
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小田急線「鶴巻温泉駅」から
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バス:北口バスのりばから「秦野駅行き」に乗車し、「秦野高校前」バス停で下車(乗車時間 約18分)
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小田急線「秦野駅」から
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バス:北口バスのりばから「下大槻団地経由 平塚駅行き」に乗車し、「秦野高校前」バス停で下車(乗車時間 約15分)
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JR東海道線「平塚駅」から
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バス:北口バスのりばから「下大槻団地経由 秦野駅行き」に乗車し、「秦野高校前」バス停で下車(乗車時間 約35分)
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主な通学エリア
かつての学区制の名残もあり、秦野市や伊勢原市といった近隣の地域から通学している生徒が多い傾向があります。しかし、現在は学区が撤廃されているため、平塚市や小田原市など、より広い範囲から生徒が集まっています。
秦野高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで秦野高等学校について詳しく見てきましたが、最後に進学アドバイザーとして、受験生の皆さんへメッセージを送ります。
秦野高校は、「勉強も、部活も、行事も、全部に本気で打ち込みたい!」と考える、エネルギッシュな生徒に特におすすめの学校です。この学校が掲げる「本気の文武両道」は、決して楽な道ではありません。しかし、高い目標に向かって仲間と切磋琢磨する3年間は、あなたを大きく成長させてくれるはずです。自ら考えて行動し、リーダーシップを発揮したいという強い意志を持つ生徒にとって、秦野高校は最高の舞台となるでしょう。
受験勉強では、まず「内申点」をしっかりと確保することを意識してください。入試では学力検査の成績だけでなく、中学時代の頑張りも大きく評価されます(内申と学力検査の比率は4:6)。そして学力検査本番では、難しい問題に挑戦することよりも、基本的な問題を確実に正解する力が求められます。基礎を大切に、着実な学習を積み重ねていきましょう。秦野高校で待っている充実した日々を想像しながら、頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。