奈良の緑豊かな丘の上に佇む育英西高等学校は、「国際社会に貢献できる自立した女性の育成」を教育理念に掲げる、伝統ある私立女子校です。単に学力を伸ばすだけでなく、生徒一人ひとりが自分自身の未来を切り拓くための、確かな力と温かい心を育む場所として、多くの注目を集めています。
この学校の最大の魅力は、生徒の目標に合わせて用意された多彩な学びの道筋にあります。立命館大学への進学を目指す「立命館コース」、日本初の女子校認定を受けた「国際バカロレア(MYP)」、そして地域と世界をつなぐ「グローカル型」の探究学習など、育英西高等学校ならではの先進的な教育プログラムが、あなたの可能性を大きく広げてくれるはずです。
高校選びは、これからの人生を左右する大切な決断です。この記事では、育英西高等学校がどんな学校なのか、偏差値や進学実績といったデータから、在校生のリアルな声まで、あらゆる角度から詳しく、そして分かりやすくお伝えしていきます。この記事を読み終える頃には、この学校があなたにとって「最高の3年間」を過ごせる場所かどうか、きっと見えてくることでしょう。
育英西高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校見学や資料請求の際に役立ちます。
項目 | 内容 |
正式名称 | 育英西高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 女子校 |
所在地 | 〒631-0074 奈良県奈良市三松4-637-1 |
代表電話番号 | 0742-47-0688 |
公式サイトURL | https://www.ikuei.ed.jp/ikunishi/ |
育英西高等学校の偏差値・難易度・併願校
育英西高等学校の学力レベルや、受験における位置づけを具体的に見ていきましょう。自分の目標と照らし合わせながら、参考にしてください。
育英西高等学校は、コースによって偏差値が異なり、幅広い学力層の生徒に門戸を開いています。以下が各コースの偏差値の目安です。
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普通科 立命館コース:64 – 66
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普通科 特設コースⅡ類 (特設文理すみれ):62 – 64
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普通科 特設コースⅠ類:58 – 60
この偏差値は、奈良県内の私立高校の中では上位に位置します。特に立命館コースや特設コースⅡ類は、高い学力が求められる難関コースと言えるでしょう。
難易度をより具体的にイメージするために、同じくらいの偏差値の高校としては、公立では奈良高校、郡山高校、一条高校などが挙げられます。私立では、奈良育英高校(選抜コース)や天理高校(2類)などが比較対象となることが多いようです。
合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、奈良県の私立高校入試では、中学2年生と3年生の成績が重視される傾向があります。特に育英西高等学校の上位コースを目指すのであれば、主要5教科を中心に、全教科で高い評定を安定して取っておくことが重要です。
私立のため、奈良県内の公立高校との併願が可能です。実際に、奈良高校や郡山高校といった県内トップレベルの公立高校を目指す受験生が、併願校として育英西高等学校を選ぶケースが非常に多いです。これは、万が一の場合でも質の高い教育を受けられるという安心感と、大学進学への手厚いサポート体制が評価されている証拠と言えます。
育英西高等学校に設置されている学科・コース
育英西高等学校の最大の特長の一つが、この多彩なコース設定です。入学時に選んだコースが、3年間の学校生活の方向性を大きく決めると言っても過言ではありません。それぞれのコースがどんな場所なのか、じっくり見ていきましょう。
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立命館コース
立命館大学への進学を強く希望する生徒におすすめ。大学と連携した探究学習(S.D.)が中心で、一般的な定期テストがない代わりに、レポートやプレゼンテーション能力が問われます。
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特設コースⅡ類 / 特設文理すみれ
国公立大学や難関私立大学への一般選抜での合格を目指す、最も学習に特化したコースです。学習合宿やハイレベルな講習が多く、仲間と切磋琢磨しながら学力を徹底的に鍛えたい生徒に最適です。
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特設コースⅠ類
関西大学や武庫川女子大学など、多くの提携大学への指定校推薦や公募推薦での進学を視野に入れたコース。部活動や学校行事にもバランス良く取り組みながら、着実に進路を決めたい生徒に向いています。
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特設連携コース
学校が協定を結んでいる多くの大学との連携を活かし、多様な進路実現を目指すコース。特設コースⅠ類と同様に、推薦制度を積極的に活用しながら、自分の興味や関心に合った大学進学を目指します。
育英西高等学校の特色・校風
学校選びで偏差値と同じくらい大切なのが、学校の雰囲気、つまり「校風」です。ここでは、口コミなどから見えてくる育英西のリアルな日常をお届けします。
キーワードで表現するなら、「落ち着いた雰囲気」「女子校ならではの一体感」「勉強熱心」「グローバル」といった言葉がぴったりです。
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宿題の量や小テスト
「多い」という声が大多数です。特に立命館コースでは日々の課題やレポートが多く、特設コースでも頻繁に小テストが実施されるようです。これは、コツコツと努力を積み重ねる学習習慣を身につけさせるという、学校の教育方針の表れと言えるでしょう。
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校則(スマホ、服装など)
全体的に「厳しい」という意見が多いようです。特にスマートフォンは、通学時の所持は許可されていますが、校内では電源を切り、ロッカーで保管するのがルール。校内での使用は認められていません。自由な校風を求める生徒からは不満の声も聞かれますが、勉強に集中できる環境を整えるための配慮と捉えることもできます。服装に関しても、着こなしの指導はきちんと行われるようです。
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生徒たちの雰囲気
「穏やかで優しい子が多い」「真面目」という評判が目立ちます。女子校ならではの共感性の高い文化があり、いじめが少ないという声も多く聞かれます。誰かが新しい挑戦をするときには、みんなで応援し合える温かい雰囲気があるようです。内部進学生と高校からの入学生も、すぐに打ち解けて仲良くなれる環境です。ただし、雰囲気はコースによって異なり、特設Ⅰ類はのんびり、特設Ⅱ類は勉強中心、といった違いはあります。
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アルバイト
原則として禁止されている可能性が高いです。学業に専念することが第一と考えられており、厳しい校則や学習量を考えると、両立は難しいでしょう。
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制服の評判
すみれ色をアクセントにした、紺色ベースの伝統的なブレザースタイルです。清楚で上品なデザインは、保護者からの評価が高いようです。夏服は爽やかな白のブラウス、冬服は落ち着いた紺のブレザーが基本。リボンとネクタイ、スカートとスラックスが選択でき、オプションでピンクやブルーのブラウスも選べるなど、自分らしい着こなしも楽しめます。
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土曜授業
公式な年間行事予定には明記されていませんが、講習や模試、学校行事などで土曜日が活用されることはあるようです。特に受験学年や特設コースⅡ類では、土曜日の学習サポートも手厚いと考えられます。
育英西高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、仲間との絆を深める部活動や学校行事も高校生活の醍醐味です。育英西の放課後や特別な一日を覗いてみましょう。
部活動
育英西高等学校では、運動部・文化部ともにバランス良く活動しており、多くの生徒が部活動に励んでいます。特に以下の部活動は、学校を代表する存在です。
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ハンドボール部
学校の顔とも言える、全国レベルの強豪クラブです。インターハイ(全国高等学校総合体育大会)や全国選抜大会への出場経験も豊富で、常に奈良県の上位に君臨しています。高いレベルでハンドボールに打ち込みたい生徒にとっては、最高の環境が整っています。
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軽音楽班(音楽部)
部員数が50名を超える非常に人気の高い部です。バンド数が多いため、練習場所の割り振りなどを生徒たちが主体的に管理・運営しており、自主性が育まれる場にもなっています。文化祭でのライブは、大きな盛り上がりを見せます。
その他にも、バレーボール部やバスケットボール部などの運動部、書道部や放送部、茶道部といった文化部も活発に活動しています。女子校ならではの和気あいあいとした雰囲気の中で、初心者でも安心して始められる部活動が多いようです。
イベント
育英西の学校行事は、生徒たちの手で創り上げられ、学年やコースを超えた交流の場となっています。
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西校祭(体育行事・文化行事)
最大のイベントである学校祭は、5月の「体育行事(体育祭)」と9月の「文化行事(文化祭)」に分かれて開催されます。体育行事ではクラス対抗で熱戦が繰り広げられ、文化行事では各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や模擬店、ステージ発表を行い、一年で最も学校が活気づく数日間となります。
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海外研修旅行
育英西のグローバル教育を象徴するのが、一般的な修学旅行に代わる海外研修です。高校2年生ではマレーシアへの英語研修旅行が実施され、現地の文化に触れながら実践的な英語力を磨きます。過去にはシンガポールでのホームステイプログラムもありました。異文化体験を通じて、視野を広げ、国際感覚を養う貴重な機会となっています。
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その他の行事
年間を通じて、大学キャンパス訪問、各分野の専門家を招いた講演会、テーブルマナー講習会、S.D.(探究学習)の発表会など、進路意識を高め、社会性を育むための多彩な行事が計画されています。これらは単なるイベントではなく、学校の教育理念を体現する重要な学びの機会と位置づけられています。
育英西高等学校の進学実績
高校3年間の学びの集大成である大学進学。育英西高等学校の生徒たちが、どのような未来を掴んでいるのか、最新の進学実績を見ていきましょう。
卒業生のほとんどが4年制大学へ進学しており、非常に高い大学進学率を誇ります。特に、学校の特色である立命館大学への進学と、豊富な指定校推薦枠を活かした私立大学への進学に強みがあります。
最新の大学合格実績(2025年春)
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国公立大学:10名
主な合格大学は、奈良女子大学、奈良県立医科大学(看護)、京都工芸繊維大学、奈良教育大学など、地元の難関大学を中心に実績を残しています。
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難関私立大学
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関関同立 合計:93名
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立命館大学:72名
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関西大学:13名
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関西学院大学:6名
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同志社大学:2名
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産近甲龍 合計:44名
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近畿大学:27名
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龍谷大学:16名
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京都産業大学:1名
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その他
女子大学への進学実績も際立っており、武庫川女子大学(23名)、京都女子大学(21名)、同志社女子大学(9名)など、関西の主要女子大に多数の合格者を出しています。また、看護・医療系に強い畿央大学(15名)への進学も多いのが特徴です。
進学実績を支える取り組み
この高い進学実績は、手厚いサポート体制によって支えられています。最大の強みは、立命館大学や関西大学、近畿大学をはじめとする10以上の大学と結んでいる「高大連携協定」です。これにより、全校で約400名分という、卒業生数を大きく上回る推薦枠を確保しています。特に特設コースⅠ類の生徒の多くが、この制度を利用して着実に進路を決定しています。
また、特設コースⅡ類を中心に、夏休みなどを利用した「夏期講習」や泊まり込みで集中学習を行う「学習合宿」を実施。一般選抜で難関大学を目指す生徒たちの学力を、徹底的にバックアップしています。
育英西高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、育英西高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
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日本初の女子校IB MYP認定校
国際的な教育プログラム「国際バカロレア」を導入。世界標準の探究型学習を通じて、自ら問いを立てて考える力と、グローバルな視野を養います。
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立命館大学への強力な進学コース
「立命館コース」では、大学と連携した独自のカリキュラムで学び、卒業生の多くが立命館大学へと進学します。明確な目標を持つ生徒にとって、これ以上ない魅力的な環境です。
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文科省指定「グローカル型」推進校
世界的な視野(グローバル)で物事を考え、地域社会(ローカル)で行動する力を育むプログラムです。地域の課題解決などに実践的に取り組み、未来のリーダーシップを育みます。
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互いを尊重し高め合える女子教育
女子だけの環境だからこそ生まれる、強い一体感と安心感が特長です。周りの目を気にせず、何事にも全力で挑戦でき、互いを素直に応援し合える温かい校風が根付いています。
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豊富な大学連携と推薦枠
多くの大学との連携協定により、卒業生数をはるかに超える約400名分の推薦枠を確保。生徒一人ひとりの希望に寄り添った、安心感のある進路指導を実現しています。
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全国レベルで活躍する部活動
インターハイ常連のハンドボール部をはじめ、高いレベルで活動する部活動があります。文武両道を目指す生徒にとって、充実した環境が用意されています。
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実践的な海外研修プログラム
修学旅行は、マレーシアなどへの海外研修。現地の文化に触れ、生きた英語を学ぶ実践的なプログラムを通じて、真の国際感覚を身につけます。
育英西高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生の「生の声」は、学校の本当の姿を知る上でとても貴重です。ここでは、寄せられた口コミを公平に、良い点と気になる点に分けてご紹介します。
良い点
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先生のサポートが手厚い
「生徒と先生の距離が近い」「質問に行くと分かるまで親身に教えてくれる」という声が非常に多いです。学習面だけでなく、学校生活全般にわたって、先生方が温かく見守ってくれるという安心感があるようです。
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落ち着いて勉強に集中できる環境
「勉強熱心な生徒には良い高校」「真面目な子が多い」という評判通り、学習意欲の高い生徒にとっては理想的な環境です。静かな立地も、集中力を高める一因となっています。
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女子校ならではの安心感と一体感
「女子校だから安心」「クラスの団結力が強い」といった意見が目立ちます。異性の目を気にせず、ありのままの自分でいられるため、強い友情が育まれやすいようです。いじめが少ないという声も、この雰囲気から生まれているのかもしれません。
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進路指導が丁寧で、推薦枠が豊富
特に指定校推薦などを考えている生徒からは、「安心して進路を決められる」と評価されています。豊富な大学との連携が、生徒たちの大きな心の支えになっています。
気になる点
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校則が厳しい
最も多く聞かれるのがこの意見です。「スマホが校内で使えないのが不便」「もっと自由な高校生活を送りたい人には向かない」といった声が挙がっています。厳しいルールが、一部の生徒にとっては窮屈に感じられるようです。
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立地が悪く、通学が不便
「山の上にある」「駅から遠い」という立地に関する不満も少なくありません。最寄り駅からのバスはありますが、朝夕は非常に混雑するという声もあり、毎日の通学は少し覚悟が必要かもしれません。
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合う人と合わない人がはっきり分かれる
これは、育英西の口コミを総括する最も重要なポイントかもしれません。「目的意識がないと3年間が無駄になる」「自分次第で良くも悪くもなる」という意見は、この学校が持つ独特の文化を象徴しています。学習意欲が高く、学校のルールの中で目標に向かって頑張れる生徒には最高の環境ですが、そうでない生徒には合わない可能性があります。
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施設が少し古いという意見も
高い学費の割には、校舎などの施設が少し古いのではないか、という指摘も一部で見られました。
アクセス・通学
育英西高等学校への通学方法を確認しておきましょう。毎日のことなので、無理なく通えるかどうかもしっかりチェックしてください。
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最寄り駅
近鉄奈良線「富雄」駅
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駅からのアクセス
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徒歩の場合:駅から約20分。坂道が続くため、体力に自信のある人向けです。
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バスの場合:富雄駅から奈良交通バスで約7分、「二名(にみょう)」バス停で下車し、そこから徒歩約7分です。また、朝夕の通学時間帯には、富雄駅と学校を直接結ぶスクールバスも運行されており、多くの生徒が利用しています。
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主な通学エリア
学校の所在地である奈良市や、隣接する生駒市からの通学者が多いと考えられます。また、県内の広域から、特に奈良高校や郡山高校などを受験する生徒が併願校として選ぶことから、橿原市や大和高田市など、県内各地から通学している生徒もいるようです。
育英西高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで、育英西高等学校について詳しく見てきましたが、いかがでしたか?この学校が持つ独特の魅力と雰囲気が、少しでも伝わっていたら嬉しいです。
最後に、進学アドバイザーとして、育英西高等学校を目指すあなたにメッセージを送ります。この学校は、「落ち着いた環境でとことん勉強に打ち込みたい」「立命館大学や憧れの女子大に絶対行きたいという明確な目標がある」「グローバルな学びや探究活動に心からワクワクする」…そんなあなたに、特におすすめしたい学校です。女子だけの温かい雰囲気の中で、自分らしく、そして力強く成長できる3年間が待っています。
受験勉強に向けてのアドバイスは、ずばり「継続は力なり」です。育英西高等学校の入試や学校生活では、一夜漬けの知識よりも、日々のコツコツとした努力が評価される傾向があります。毎日の授業を大切にし、基礎を確実に固めていく学習を心がけてください。その真面目な姿勢こそが、合格への一番の近道です。あなたの挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。