近畿大学附属和歌山高等学校は、和歌山県内だけでなく、全国的にもその名を知られる屈指の進学校です。最難関大学への高い進学実績と、全国大会で活躍する部活動の輝かしい成果を両立させており、まさに「文武両道」を体現する学校として確固たる地位を築いています。学習と課外活動の両方で高いレベルを目指せる環境が、ここにはあります。
そんな近畿大学附属和歌山高等学校での3年間は、高い目標を掲げ、仲間と切磋琢磨しながら自分を大きく成長させるための貴重な時間となるでしょう。厳しいながらも情熱的な先生方のサポートのもと、一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出し、夢の実現に向けた確かな土台を築くことができます。この学校での経験は、将来社会で活躍するための揺るぎない力になります。
この記事では、進学アドバイザーの視点から、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、校風や学校生活、在校生・卒業生のリアルな声まで、多角的に詳しく解説していきます。皆さんが「この学校で学びたいか」「自分の目標と合っているか」を判断するための一助となれば幸いです。ぜひ、じっくりと読み進めてみてください。
近畿大学附属和歌山高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 近畿大学附属和歌山高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒640-8471 和歌山県和歌山市善明寺516 |
代表電話番号 | 073-452-1161 |
公式サイトURL | https://www.hwaka.kindai.ac.jp/ |
近畿大学附属和歌山高等学校の偏差値・難易度・併願校
近畿大学附属和歌山高等学校の偏差値は、情報サイトによって70-71と非常に高く示されることもあれば、55-60と示されることもあります。この差は、学校内に設けられたコースの目標レベルの違いを反映していると考えると分かりやすいでしょう。最難関大学を目指すコースを含めた学校全体のレベルの高さが偏差値70前後という評価に、そして特定の模試における合格可能性の目安が55以上という数値に表れています。
学科・コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。
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普通科 スーパーADコース: 68-71
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普通科 ADコース: 60-65
「スーパーADコース」は、東京大学や京都大学、国公立大学医学部といった最難関大学への現役合格を目標とする選抜コースです。そのため、合格には非常に高い学力が求められ、偏差値70前後が一つの目安となります。一方、「ADコース」は、その他の難関国公立大学や難関私立大学を目指すコースで、部活動との両立を図る生徒も多く在籍しています。こちらも高い学力が求められることに変わりはありません。
合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、県内トップクラスの学力が求められるため、中学校での成績は主要5教科だけでなく、全教科で優秀な成績を収めていることが望ましいでしょう。
主な併願校としては、同じ和歌山県内の私立トップ校である智辯学園和歌山高等学校や開智高等学校が挙げられます。また、公立高校を第一志望とする受験生が、実力相応の併願校として近畿大学附属和歌山高等学校を選ぶケースも多く、その場合は桐蔭高等学校や向陽高等学校といった県内のトップ公立高校と併願する傾向が見られます。
近畿大学附属和歌山高等学校に設置されている学科・コース
近畿大学附属和歌山高等学校には、生徒一人ひとりの目標や適性に応じた2つのコースが設置されています。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったコースを選ぶことが、充実した高校生活の第一歩となります。
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普通科 スーパーADコース
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どんなことを学ぶ場所か:最難関国公立大学(東京大学、京都大学、医学部など)への現役合格に特化した、少数精鋭の選抜コースです。ハイレベルでスピーディーな授業が展開されます。
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どんな生徒におすすめか:明確に最難関大学を志望し、学習に集中できる環境で仲間と高め合いたい生徒におすすめです。「周りもみんな勉強している環境に身を置きたい」という人に最適です。
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普通科 ADコース
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どんなことを学ぶ場所か:難関国公立大学や早慶、関関同立といった難関私立大学、そして系列の近畿大学への進学を目指すコースです。部活動にも全力で打ち込みながら、高いレベルの学習を両立させます。
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どんな生徒におすすめか:勉強と部活動の「文武両道」を高いレベルで実現したい生徒におすすめです。幅広い進路に対応できる学力を身につけながら、高校生活を多方面で充実させたい人に合っています。
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近畿大学附属和歌山高等学校の特色・校風
近畿大学附属和歌山高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「質実剛健」「高い目標設定」「規律重視」といった言葉が当てはまるでしょう。高いレベルでの学業と部活動の両立を奨励し、目標達成のために真摯に努力する生徒を全力でサポートする文化が根付いています。
ここでは、中学生の皆さんが特に気になる学校生活のリアルな側面を、口コミなどを基に詳しく見ていきましょう。
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宿題の量は多いか少ないか
口コミでは「非常に多い」「毎日大変」という声が圧倒的です。これは、予習→授業→復習という学習サイクルを確立させるための学校の方針であり、日々の学習習慣を身につけることが強く求められます。この課題をこなすことで、着実に学力が向上していく仕組みになっています。
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校則は厳しいか緩やかか
「厳しい」「時代遅れ」といった声が多く聞かれ、校則は県内でも特に厳しい部類に入ると考えられます。特に頭髪と服装に関する指導は徹底しており、毎月検査が行われます。男子は眉毛にかからない短さ、女子は化粧禁止で長い髪は結ぶ、靴下はくるぶしが完全に隠れるもの、といった細かい規定があります。スマートフォンの校内での使用も原則禁止されており、自由な校風をイメージしているとギャップを感じるかもしれません。この規律を重んじる姿勢が、学校全体の落ち着いた雰囲気と学習への集中につながっている側面もあります。
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生徒たちの雰囲気
「真面目でおとなしい生徒が多い」「教育熱心な家庭の子が多い」という評判です。特にスーパーADコースは学習意欲が非常に高く、放課後も多くの生徒が自習室や図書館で夜遅くまで勉強しています。いじめなどのトラブルに対しては学校が厳しく対処する方針のため、安心して学習に集中できる環境だという声もあります。
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アルバイトは可能か
原則として禁止されています。学業と学校活動に専念することが求められます。
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制服の評判はどうか
制服のデザインそのものについての具体的な評判はあまり聞かれませんが、着こなしに関する校則が厳しいため、自由におしゃれを楽しみたいという人には窮屈に感じられるかもしれません。
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土曜授業はあるか
あります。2学期制を採用し、土曜日も授業を行うことで、難関大学合格に必要な授業時間を十分に確保しています。
近畿大学附属和歌山高等学校の部活動・イベント
部活動
近畿大学附属和歌山高等学校では、学習活動と課外活動を「車の両輪」と位置づけており、部活動が非常に盛んです。多くの部が県大会で優勝し、近畿大会や全国大会の常連として名を馳せています。
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運動部
運動部は、全国レベルで活躍するクラブが多数あります。
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サッカー部:全国高校サッカー選手権の常連校として全国的に有名です。専用の人工芝グラウンドも完備されており、最高の環境で練習に打ち込めます。卒業生は国公立大学や難関私立大学へ進学する例も多く、まさに文武両道を実践しています。
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ラグビーフットボール部:冬の全国大会「花園」への出場を何度も果たしている強豪です。全校生徒で盛大な壮行会が開かれるなど、学校全体で応援する文化があります。
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テニス部:男女ともに県内では圧倒的な強さを誇り、団体・個人ともに全国選抜大会やインターハイの常連です。
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陸上競技部:走高跳や棒高跳などを中心に、全国大会で入賞する選手を毎年輩出しています。
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その他、柔道部、空手道部なども全国大会で活躍しています。
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文化部
文化部も運動部に負けず劣らず活発で、全国レベルの実績を持つクラブがあります。
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将棋部:近畿大会や全国大会で優勝・入賞する実力を持つ、県内屈指の強豪です。
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科学部:全国高等学校総合文化祭に出場するほか、和歌山大学と共同研究を行うなど、本格的な探究活動に取り組んでいます。
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漫画研究部:「まんが甲子園」で入賞経験のある、ユニークで実力のあるクラブです。
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吹奏楽部や合唱部も定期演奏会を開くなど、熱心に活動しています。
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部活動への加入率は非常に高く、多くの生徒が勉強と両立させながら、充実した時間を過ごしています。
イベント
勉強や部活動だけでなく、学校行事も生徒たちの手で大いに盛り上がります。
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光雲祭(こううんさい)
文化祭と体育祭を合わせた学校最大のイベントです。「大学の学園祭のよう」と評されるほど規模が大きく、非常に活気があります。文化祭では各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行い、体育祭では応援合戦や競技に全校生徒が熱狂します。生徒が主体となって創り上げるこのイベントは、高校生活一番の思い出になるという声も多いです。
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修学旅行・研修旅行
高校1年次には東京方面への研修旅行が実施されます。また、希望者向けにはオーストラリアでの海外語学研修など、視野を広げるための様々なプログラムが用意されています。
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独自の教育プログラム
近畿大学附属和歌山高等学校では、SDGs(持続可能な開発目標)に関連した探究学習に力を入れています。海岸の清掃活動や海洋ごみを使ったアート制作、地元の企業と連携した商品開発など、社会課題に主体的に向き合うユニークな活動が数多く行われています。これらの体験を通して、教科書だけでは学べない実践的な課題解決能力を養います。
近畿大学附属和歌山高等学校の進学実績
近畿大学附属和歌山高等学校は、和歌山県内でもトップクラスの進学実績を誇ります。生徒の約半数が国公立大学へ進学するなど、その指導力の高さは折り紙付きです。
以下は、2025年春(令和7年度入試)の主な大学合格実績です。(既卒生含む)
大学群 | 合格者数 | 主な大学名と人数 |
国公立大学 | 135名 | 東京大学 2名、京都大学 4名、大阪大学 4名、北海道大学 3名、東北大学 2名、名古屋大学 2名、神戸大学 5名、和歌山大学 14名、和歌山県立医科大学 14名など |
国公立大学医学部医学科 | 5名 | – |
難関私立大学 | ||
早慶上理 | 7名 | 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学 |
GMARCH | 4名 | 学習院大学、明治大学、青山学院大学、中央大学、法政大学 |
関関同立 | 193名 | 関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学 |
近畿大学 | 241名 | 附属高校としての推薦制度を利用する生徒が多数 |
特筆すべきは、東京大学・京都大学といった最難関大学へ毎年コンスタントに合格者を輩出している点です。これは、スーパーADコースを中心とした質の高い授業と、きめ細やかな進路指導の成果と言えるでしょう。
また、附属高校ならではの強みとして、近畿大学への内部進学の道が確保されている点も大きな魅力です。毎年200名以上の生徒が附属校特別推薦制度などを利用して近畿大学へ進学しており、これは生徒や保護者にとって大きな安心材料となっています。
これらの輝かしい実績は、放課後や長期休暇中に開かれる多数の講習(補習)、夜7時半まで利用可能な自習室といった充実した学習サポート体制によって支えられています。
近畿大学附属和歌山高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、近畿大学附属和歌山高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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県内トップクラスの進学実績を支える2コース制
最難関大学を目指す「スーパーADコース」と、文武両道を実現する「ADコース」。目標に応じた最適な環境で学べるオーダーメイドのような教育課程が、高い進学実績を生み出しています。
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近畿大学への強力な内部進学ルートという安心感
日本有数の総合大学である近畿大学への推薦進学枠が多数用意されています。高い目標に挑戦しながらも、確かな進路が確保されているという安心感は、他の進学校にはない大きなアドバンテージです。
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全国レベルで活躍する文武両道の部活動
勉強だけではないのがこの学校の魅力。サッカー部やラグビー部、テニス部などを筆頭に、多くの部活動が全国の舞台で活躍しています。高いレベルで学問とスポーツ・文化活動を両立したい生徒にとって、最高の環境です。
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「社会貢献」を学ぶ独自のSDGs探究学習
海洋ごみ問題や地域活性化など、社会が抱えるリアルな課題に生徒が主体的に取り組む探究学習が非常に盛んです。座学だけでは得られない課題解決能力や協働する力が身につきます。
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活発な国際交流とグローバル教育
オーストラリアへの語学研修や、海外からの研修団の受け入れなどを通じて、異文化に触れる機会が豊富にあります。グローバルな社会で活躍するための素養を育むことができます。
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集中できる学習環境と手厚いサポート体制
静かで落ち着いた環境の中、夜遅くまで利用できる自習室や、熱心な先生方による講習など、生徒の「学びたい」という意欲に応えるサポート体制が万全に整っています。
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地域と連携したユニークな課外活動
地元の商業施設や企業、大学と連携したプロジェクトが数多く実施されます。社会との関わりの中で実践的に学ぶ経験は、生徒の視野を大きく広げます。
近畿大学附属和歌山高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生、保護者から寄せられるリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
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良い点
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「先生のサポートが手厚い」「質問に行くと熱心に教えてくれる」といった、教師の情熱的な指導を評価する声が多数あります。
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「周りの生徒の意識が高く、自然と勉強する習慣がつく」「真面目な友人が多く、落ち着いて学校生活が送れる」など、学習環境の良さを挙げる声も多いです。
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「進学実績が良く、安心して任せられる」「近畿大学への進学が保証されているのが心強い」という、進路指導への信頼感がうかがえます。
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「光雲祭(文化祭・体育祭)がとても楽しく、クラスの団結力が強まる」「行事が多くて充実している」と、学校行事への満足度も高いようです。
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「勉強と部活を両立できる環境がある」という、文武両道を評価する意見も見られます。
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気になる点
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「校則が厳しすぎる」「スマホが使えない、頭髪検査が厳しいなど、時代に合っていない」という声は、最も多く聞かれる注意点です。
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「宿題や課題の量がとにかく多くて大変」「毎日寝不足になる」など、学習負担の大きさを指摘する意見も少なくありません。
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「一部に考え方が古い先生がいる」という、指導法に関する声も一部で見られます。
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「想像していた『キラキラした高校生活』とは違う」「勉強が中心で、自由な時間は少ない」と感じる生徒もいるようです。
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「学校が坂の上にあって通学が大変」「バスが混む」といった、立地やアクセスの不便さを挙げる声もあります。
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これらの口コミを総合すると、近畿大学附属和歌山高等学校は、「高い目標達成のためには、厳しい規律と多大な努力が必要」という哲学を持つ学校と言えるでしょう。その厳しさが高い実績につながっていると理解し、その環境に身を置く覚悟がある生徒にとっては、最高の成長の場となるはずです。
アクセス・通学
近畿大学附属和歌山高等学校への通学は、JR和歌山駅または南海和歌山市駅からバスを利用するのが一般的です。
出発地 | のりば | バス系統(主なもの) | 行き先 | 降車バス停 | 所要時間目安 |
JR 和歌山駅 | 1番のりば | 87, 88系統 | 鳴滝団地 | 近大附属和歌山校前 | 約20~30分 |
南海 和歌山市駅 | 3番または5番のりば | 83, 88系統 | 川永団地 / 鳴滝団地 | 近大附属和歌山校前 | 約20~30分 |
「近大附属和歌山校前」バス停は、学校の目の前にあります。一部のバスは、徒歩約4分の「鳴滝団地」バス停が終点となります。
通学エリアは和歌山市内全域に及びますが、近年では紀の川市や岩出市方面からの通学利便性向上のためにバス路線が延伸されるなど、より広い地域から生徒が集まっています。
なお、学校が丘の上にあるため、自転車で通学する場合は最後の坂道がかなり大変だという声も聞かれます。
近畿大学附属和歌山高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、この学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。
近畿大学附属和歌山高等学校は、「明確な目標を持ち、その達成のために自ら努力できる生徒」に特におすすめの学校です。最難関大学への進学、全国レベルでの部活動での活躍など、あなたの夢が何であれ、その夢を本気で応援し、実現への道筋を示してくれる環境がここにはあります。厳しい校則や多い課題は、目標達成のためのトレーニングだと前向きに捉えられる人にとって、これ以上ない成長の場となるでしょう。
受験勉強では、入試で中心となる国語・数学・英語の3教科の基礎を徹底的に固めることが何よりも重要です。特に、単なる暗記ではなく、なぜそうなるのかを理解する思考力や応用力が問われます。スーパーADコースを目指すのであれば、全教科でトップレベルの学力が必須です。近畿大学附属和歌山高等学校で送る3年間は、決して楽な道のりではありません。しかし、その先には、困難を乗り越えた者だけが見ることのできる、素晴らしい景色が広がっています。自分の可能性を信じて、挑戦してください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。