長崎東高等学校は、長崎県内でも屈指の進学校として、高い学力と豊かな人間性を育む教育で知られています。伝統を重んじながらも、常に未来を見据えた教育を実践し、多くの卒業生が国内外の様々な分野で活躍しています。高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を考える上で非常に重要な決断です。だからこそ、偏差値や進学実績といった数字だけでなく、その学校が持つ独自の文化や雰囲気を深く知ることが大切になります。
このページでは、進学アドバイザーの視点から、長崎東高等学校がどのような学校なのかを、中学生とその保護者の皆様に分かりやすくお伝えします。学習環境や校則、部活動、そして学校行事といった、生徒たちの「リアルな声」に基づいた情報を詳しく解説していきます。勉強も、学校生活も、全力で楽しみたい。そんな皆さんの想いに、長崎東高等学校がどう応えてくれるのか、一緒に見ていきましょう。
この記事を読み終える頃には、あなたがこの学校でどんな高校生活を送れるのか、具体的なイメージが湧いているはずです。あなたの夢や目標に、この学校がどう寄り添ってくれるのか、その可能性を探る旅に、さあ出発しましょう。
長崎東高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 長崎県立長崎東高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒850-0007 長崎県長崎市立山5丁目13-1 |
代表電話番号 | 095-826-5281 |
公式サイトURL | https://www.news.ed.jp/higashi-h/ |
長崎東高等学校の偏差値・難易度・併願校
長崎東高等学校を目指す上で、まず気になるのが学力的な難易度でしょう。最新の情報を基に、具体的な目標設定の参考にしてください。
長崎東高等学校の偏差値は、普通科・国際科ともに「66」とされています。これは長崎県内の公立高校の中でトップクラスに位置し、長崎西高等学校に次ぐ高いレベルです。同じくらいの偏差値を持つ高校としては、諫早高等学校(普通科)や島原高等学校(文理探究科)などが挙げられ、県内有数の進学校であることが分かります。
合格に必要な内申点の目安も気になるところですが、長崎県の公立高校入試で特に注目すべきは、選抜における評価の比率です。長崎東高等学校では、調査書(内申点):学力検査(入試本番の点数):面接の比率が「3:6.5:0.5」とされています。この数字が示すのは、内申点ももちろん重要ですが、それ以上に学力検査、つまり入試本番での得点力が合否に大きく影響するということです。内申点に自信がある人も油断せず、入試本番で確実に得点できる実力を養うことが、長崎東高等学校合格への鍵となります。
長崎県では公立高校を複数併願することはできないため、併願校は私立高校から選ぶことになります。長崎東高等学校を受験する生徒が多く併願する私立高校としては、高い進学実績を誇る青雲高等学校や、長崎日本大学高等学校、活水高等学校などが挙げられる傾向にあります。これらの学校の入試で合格を確保し、安心して本命の長崎東高等学校の受験に臨む生徒が多いようです。
長崎東高等学校に設置されている学科・コース
長崎東高等学校には、生徒一人ひとりの興味や進路希望に応えるための2つの学科が設置されています。ユニークなのは、1年生の段階では学科を分けず、全員が同じクラスで学ぶ点です。これにより、生徒は1年間じっくりと自分の適性や興味を見極め、2年生から最適なコースを選択することができます。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心に幅広く、そして深く学ぶ学科です。2年次からは文系・理系に分かれ、それぞれの進路に合わせた専門的な学習を進めます。
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どんな生徒におすすめか:将来の夢がまだ具体的に決まっていないけれど、高いレベルの大学に進学したいと考えている人や、幅広い分野に興味がある人におすすめです。
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国際科
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どんなことを学ぶ場所か:英語教育に重点を置き、実践的な語学力と国際感覚を養う学科です。外国人講師による授業や、海外の文化・社会について学ぶ専門科目が多く設置されています。
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どんな生徒におすすめか:将来、海外で活躍したい、語学を活かした仕事に就きたい、あるいは国際関係や異文化理解に強い関心がある人に最適です。
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1年生の時点では、英語と数学で習熟度別のクラス編成が行われるため、自分の学力に合ったペースで着実に力を伸ばすことができます。この1年間の猶予期間は、高校入学後の新しい環境に慣れながら、本当に自分の進みたい道を見つけるための貴重な時間となるでしょう。
長崎東高等学校の特色・校風
長崎東高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「質実剛健」「生徒主体」といった言葉がぴったりです。高い目標に向かって真摯に努力する雰囲気に満ちていますが、決して堅苦しいだけではありません。生徒たちが主役となって学校を創り上げていく、活気あふれる校風が魅力です。
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宿題の量と学習環境
口コミでは「課題が多い」「夏休みが短い」という声が多く聞かれます。特に大学受験を控えた3年生だけでなく、1、2年生から放課後や夏休みには補習や講座が数多く組まれており、学習量は多いと言えるでしょう。これは、学校全体が高い進学意識を持っていることの表れです。楽な高校生活を送りたい人には厳しいかもしれませんが、「本気で勉強に打ち込みたい」「周りの仲間と切磋琢磨しながら高みを目指したい」という生徒にとっては、最高の環境が整っています。
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校則(スマホ、服装など)
校則については、「厳しい」と感じる生徒と「妥当な範囲」と感じる生徒で意見が分かれるようです。特にスマートフォンの校内での使用は、原則として緊急時以外は禁止されています。しかし、実際には多くの生徒が持ち込んでいるという声もあり、ルールと実態には少しギャップがあるかもしれません。服装や髪型に関しても、「高校生らしい清潔感」が求められ、スカート丈や髪色などについては一定の指導があるようです。一方で、2024年度から導入された新制服は、この学校の柔軟な姿勢を象徴しています。
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制服の評判
新しい制服は、生徒や保護者から非常に高い評価を得ています。伝統の黒い学ランから、都会的で洗練された濃紺のブレザーへと一新されました。スクールカラーの「緋色(ひいろ)」をあしらったチェック柄のスラックスとスカートは、性別に関わらず自由に選択できるジェンダーレス対応です。デザイン性だけでなく、家庭で洗濯できてアイロンがけも不要という機能性の高さも人気の理由です。この新しい制服が、長崎東を目指すきっかけになったという中学生もいるほどです。
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生徒たちの雰囲気
真面目で意識の高い生徒が多いと言われています。中高一貫校であるため、中学校からの内部進学生が学習面でも学校行事でも高いレベルで全体を引っ張っていく雰囲気があるようです。しかし、お互いを尊重し、高め合う文化があるため、いじめなどの話はほとんど聞かれません。行事の時にはクラス一丸となって全力で盛り上がるなど、オンとオフの切り替えが上手な生徒が多い印象です。
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アルバイトと土曜授業
アルバイトは原則禁止ですが、家庭の事情など特別な理由がある場合は、所定の手続きを踏めば許可されることもあります。土曜授業については、以前は実施されていましたが、現在は基本的に週休2日制です。その代わり、平日に7時間授業の日を設けることで、十分な授業時間を確保しています。また、「ひがしチャレンジデー」というユニークな取り組みがあり、これは授業も部活動もない「学校に来てもいい日」です。生徒は登校して自習をしたり、家で休んだりと、自分の裁量で1日の過ごし方を決めることができ、自主性を育む機会となっています。
長崎東高等学校の部活動・イベント
部活動
長崎東高等学校は、勉強だけでなく部活動にも力を入れています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、多くの生徒が加入し、文武両道を実践しています。
運動部は野球部やサッカー部、バスケットボール部といった定番の部活から、全国レベルで活躍する珍しい部活まで、幅広く活動しています。
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射撃部:高校の部活動としては非常に珍しく、全国大会の常連として知られています。高い集中力と精神力が求められる競技で、他校ではできない経験を積むことができます。
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バスケットボール部:強豪として知られ、その練習の厳しさは有名です。特に、学校が坂の上にある立地を活かした「地獄の坂道トレーニング」は、心肺能力と精神力を極限まで鍛え上げます。受験勉強と両立させながら、高いレベルで競技を続ける生徒たちの姿は、まさに文武両道の象徴です。
文化部も非常に活発で、全国レベルで活躍する部がいくつもあります。
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放送部・弁論部:各種大会で輝かしい成績を収めており、表現力や論理的思考力を磨きたい生徒に人気です。
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東龍部(とうりゅうぶ):入学式などで披露される伝統の龍踊り「東龍」を受け継ぐ、長崎東ならではの特別な部です。地域の伝統文化に触れ、仲間と共に一つの演舞を創り上げる経験は、何物にも代えがたいものになるでしょう。
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国際交流部や郷土研究部など、探究心を刺激するユニークな部活動も存在します。
イベント
長崎東高等学校の学校生活を語る上で欠かせないのが、生徒が主役となって創り上げる壮大な学校行事です。
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九月祭(くがつさい):文化祭と体育祭を合わせた、学校最大のイベントです。毎年、生徒から募集したテーマが掲げられ、学校全体が数週間にわたって熱気に包まれます。2024年のテーマ「沸東(ふっとう)」のように、生徒たちのエネルギーが沸騰するような一体感が生まれます。
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体育祭:九月祭のメインイベントの一つで、中学生と高校生が合同で実施されます。全校生徒が5つの色(団)に分かれ、応援合戦や競技で総合優勝を目指します。中でも名物競技となっているのが「Mr. 東」。これは、男子生徒が30kgの米俵を頭上で持ち上げ、その時間を競う我慢比べです。力自慢たちが繰り広げる熱い戦いは、毎年大きな盛り上がりを見せます。近年では、熱中症対策として開催時期を9月から4月に変更するなど、生徒の健康を第一に考えた運営がなされています。
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文化祭:クラスごとのステージ発表や展示、文化部によるパフォーマンスなどが行われます。書道部のダイナミックな書道パフォーマンスや、ダンス部のキレのある演技、吹奏楽部の美しいハーモニーなど、日頃の活動の成果が存分に発揮される場です。
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修学旅行:2年生の時に実施され、行き先はシンガポール・マレーシアです。海外の文化に直接触れることで、国際感覚を養い、視野を広げる貴重な機会となっています。
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平和を考える日:8月には、長崎の学校ならではの平和学習が行われます。被爆体験者の講演を聞いたり、広島へのスタディツアーの報告会を開いたりと、平和の尊さについて全校で深く考える、厳かで重要な一日です。
長崎東高等学校の進学実績
長崎東高等学校の最大の魅力の一つは、その高い大学進学実績です。生徒たちの努力と、それを支える学校の手厚いサポート体制が、毎年輝かしい成果を生み出しています。
近年の主な大学合格実績は以下の通りです。(※合格者数は延べ人数であり、年度によって変動します)
国公立大学では、地元の最難関である長崎大学に毎年60名以上が合格しているほか、九州大学にも多数の合格者を輩出しています。さらに、東京大学、大阪大学といった旧帝国大学や、全国の難関国公立大学にも安定して合格者を出しており、全国どの大学でも目指せる学力が身につくことを証明しています。
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主な国公立大学合格実績
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東京大学:2名
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大阪大学:6名
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九州大学:8名
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長崎大学:68名
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長崎県立大学:18名
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私立大学においても、早稲田大学、慶應義塾大学といった最難関大学をはじめ、明治大学、同志社大学、立命館大学など、全国の有名私立大学に多くの生徒が進学しています。
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主な難関私立大学合格実績
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慶應義塾大学:2名
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早稲田大学:2名
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同志社大学:7名
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立命館大学:18名
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明治大学:7名
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この優れた進学実績を支えているのが、学校独自の充実した学習サポート体制です。3年生になると、部活動の引退後から本格的な放課後補習や受験対策講座が始まります。さらに、難関大学を目指す生徒に対しては1、2年生の早い段階から特別な講座を開講するなど、一人ひとりの目標に合わせたきめ細やかな指導が行われています。定期的に実施される全国模試や実力テストを通じて、生徒は客観的に自分の立ち位置を把握し、次の目標設定に繋げていくことができます。
長崎東高等学校の特長・アピールポイント
数ある高校の中で、長崎東高等学校が持つ独自の強みや魅力をまとめました。
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圧倒的な進学実績と手厚いサポート体制
東京大学や九州大学をはじめとする難関国公立大学への高い合格実績は、最大の魅力です。その背景には、1年生から始まる難関大志望者向け講座や、夏期学習会、3年生向けの徹底した放課後補習など、生徒の「学びたい」という意欲に全力で応える学校の姿勢があります。
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生徒が主役の学校行事「九月祭」
文化祭と体育祭を合わせた「九月祭」は、企画から運営まで生徒が中心となって創り上げる、学校生活最大のイベントです。特に体育祭の名物競技「Mr. 東」など、ユニークな伝統が学校全体の一体感を高め、一生の思い出を創り出します。
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先進的で人気の新制服
2024年度から導入されたブレザータイプの新しい制服は、デザイン性と機能性を両立させています。特に、性別に関わらずスカートとスラックスを自由に選べるジェンダーレスへの対応は、生徒の多様性を尊重する学校の先進的な考え方を象徴しています。
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全国レベルで活躍するユニークな部活動
一般的な部活動に加え、全国大会の常連である「射撃部」や「放送部」、伝統を受け継ぐ「東龍部」など、他校にはないユニークな部活動が存在します。自分の興味や特技を、全国という大きな舞台で試すチャンスがあります。
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生徒の自主性を育む「ひがしチャレンジデー」
授業も部活動もない、過ごし方を生徒自身が決める「学校に来てもいい日」という全国的にも珍しい取り組みです。自ら計画を立てて学習する力を養うこの日は、生徒の自主性と自己管理能力を育む絶好の機会となっています。
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国際感覚を養う教育プログラム
「国際科」の設置はもちろん、外国人講師とのチームティーチングや、シンガポール・マレーシアへの修学旅行など、世界に目を向けるためのプログラムが充実しています。実践的な語学力とグローバルな視野を身につけることができます。
長崎東高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からの「生の声」は、学校選びの重要な参考になります。ここでは、様々な口コミを公平にまとめました。
良い点:
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「勉強に集中できる環境」:周りの生徒の学習意欲が高く、自然と自分も頑張れるという声が多数あります。先生方も熱心で、質問にも丁寧に対応してくれると評判です。
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「行事が最高に楽しい」:「九月祭」をはじめとする学校行事は、準備期間から本番までクラスや団が一体となって全力で取り組むため、強い絆が生まれるようです。
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「文武両道が実現できる」:高いレベルで勉強と部活動を両立している生徒が多く、お互いに刺激し合える環境が整っています。
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「新制服がかわいい・かっこいい」:新しくなった制服は、在校生だけでなく、受験生からも非常に人気が高いです。
気になる点:
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「課題が多く、休みが短い」:補習や課題の量が多いため、自分のペースでゆっくり勉強したい人には少し大変かもしれません。特に夏休みはほとんど補習で潰れるという声もあります。
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「自称進学校の典型的な雰囲気」:大学進学を最優先する校風のため、人によってはプレッシャーを感じることがあるようです。
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「校則が少し厳しい」:特にスマートフォンや身だしなみに関するルールを窮屈に感じる生徒もいるようです。
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「坂の上にあるので通学が大変」:学校が坂の上にあるため、バスを乗り過ごすと急な坂を登らなければならず、体力的にきついという意見があります。
アクセス・通学
長崎東高等学校は長崎市中心部から少し高台に上がった立山に位置しています。主な通学手段は路線バスやスクールバスです。
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最寄りバス停からのアクセス
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長崎県営バス「東高下(ひがしこうした)」バス停:下車後、徒歩約3分。長崎駅前から「東高下経由 立山・浜平行き」のバスに乗車するのが最も一般的なルートです。
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長崎県営バス「浜平(はまのひら)」バス停:下車後、徒歩約5分。
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路面電車からのアクセス
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長崎電気軌道「八千代町」電停:下車後、徒歩約10分。ただし、電停から学校までは急な坂道が続くため、バスを利用する生徒がほとんどです。
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主な通学エリア
長崎東高等学校の学区は「県南学区」で、長崎市、西彼杵郡、西海市の生徒が対象です。また、調整区域として諫早市の一部からも通学が可能です。広いエリアから生徒が集まるため、学校は複数の方面へスクールバスを運行しています。飽の浦方面、道の尾方面、県立大学シーボルト校方面、矢上方面など、長崎市内の広範囲をカバーしており、遠方からの通学もサポートされています。
長崎東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、長崎東高等学校を目指す君にメッセージを送ります。
長崎東高等学校は、「高い目標に向かって、仲間と共に本気で努力したい」と考える君にこそ、ぴったりの学校です。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込める環境がここにはあります。厳しいけれど、その分、大きな達成感と成長を手にすることができるでしょう。
受験勉強では、選抜方法の比率「調査書3:学力検査6.5」を常に意識してください。これは、入試本番での一点が、内申点の一点よりも重い価値を持つことを意味します。日々の授業を大切にすることはもちろんですが、これからは入試本番で実力を100%発揮するための応用力と得点力を磨くことに全力を注ぎましょう。長崎東高等学校への道は決して平坦ではありませんが、その先には、君を大きく成長させてくれる素晴らしい3年間が待っています。自分を信じて、頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。