開智高等学校は、和歌山県内でもトップクラスの進学実績を誇る、多くの受験生が憧れる私立高校です。高い目標を掲げ、仲間と切磋琢磨しながら夢を実現したいと考えている皆さんにとって、その環境や教育内容は非常に気になることでしょう。高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を大きく左右する大切な決断です。だからこそ、偏差値や進学実績といった数字だけでなく、学校の雰囲気や日々の生活、先輩たちのリアルな声を知ることが重要になります。
このページでは、進学アドバイザーの視点から、開智高等学校がどのような学校なのかを、さまざまな角度から詳しく解説していきます。勉強のこと、部活動のこと、学校行事のこと、そして少し気になる校則のことまで、中学生の皆さんと保護者の方が本当に知りたい情報をぎゅっと詰め込みました。
皆さんが「この学校で頑張ってみたい!」と思えるかどうか、自分に合った学校選びができるように、客観的なデータと具体的なエピソードを交えながら、開智高校の魅力を余すところなくお伝えします。ぜひ、じっくりと読み進めて、あなたの高校選びの参考にしてください。
開智高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 開智高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒640-8481 和歌山県和歌山市直川113番地2 |
代表電話番号 | 073-461-8080 |
公式サイトURL | https://www.kaichi.ed.jp/ |
開智高等学校の偏差値・難易度・併願校
開智高等学校は、和歌山県内で最難関クラスに位置づけられる進学校です。コースによって難易度が異なりますので、自分の学力や目標に合わせて志望コースを考える必要があります。
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普通科SⅠ類コース: 偏差値
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普通科Ⅰ類コース: 偏差値
これらの偏差値は、和歌山県内の私立高校では智辯学園和歌山高校に次ぐトップレベルであり、合格するには非常に高い学力が求められます。
難易度をより具体的にイメージするために、他の高校と比較してみましょう。SⅠ類コースは、公立トップ校の向陽高校や桐蔭高校の上位合格者層が併願するレベルです。Ⅰ類コースも、これらの高校や海南高校などの合格を目指す生徒が多く受験します。
合格に必要な内申点の目安については、私立高校のため明確な基準は公表されていません。しかし、この偏差値レベルの高校に合格する生徒の多くは、中学校の通知表で主要5教科を中心に「5」が多く、少なくとも「4」以上で占められている傾向があります。特に最難関のSⅠ類コースを目指す場合は、オール5に近い内申点が一つの目安となるでしょう。
主な併願校としては、同じ和歌山県内の私立では近畿大学附属和歌山高校や和歌山信愛高校が挙げられます。また、大阪府南部の泉州地域から通う生徒も多く、岸和田高校(文理学科)や泉陽高校などを第一志望とする受験生の併願先にもなっています。開智高等学校を志望するということは、県内だけでなく、近隣の優秀な受験生たちと競い合うことを意味します。
開智高等学校に設置されている学科・コース
開智高等学校の普通科には、目標に応じて学べる2つのコースが設置されています。それぞれの特色を理解し、自分に合ったコースを選びましょう。
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普通科SⅠ類コース
難関国公立大学(京都大学、大阪大学、神戸大学など)や医学部への現役合格を目指す、トップレベルのコースです。5教科をバランス良く、かつハイレベルに学び、第一志望合格に向けた徹底的な対策が行われます。高い目標を持ち、勉強に集中して取り組みたい生徒におすすめです。
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普通科Ⅰ類コース
和歌山大学をはじめとする国公立大学や、関関同立などの難関私立大学への進学を強力にサポートするコースです。勉強と部活動を高いレベルで両立させる「文武両道」を実践しながら、現役合格を目指します。学業と高校生活の充実を両立させたい生徒にぴったりのコースです。
開智高等学校の特色・校風
開智高等学校の校風をキーワードで表すなら、「学業第一」「規律重視」「サポート体制充実」といった言葉が当てはまるでしょう。真剣に勉強に取り組むための環境が整っている一方で、学校生活には一定の厳しさも伴うようです。
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宿題の量
多くの在校生や卒業生が「多い」と口を揃えます。日々の小テストや課題も多く、家庭での学習習慣が確立されていないと、ついていくのが大変かもしれません。しかし、これは裏を返せば、学校の課題をこなすだけで自然と学力が身につくシステムとも言えます。
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校則(スマホ、服装など)
校則は「厳しい」という評判が多いです。特にスマートフォンの校内への持ち込みは原則禁止とされており、見つかると没収されるなど厳しい指導があるようです。ただし、口コミでは「実際には多くの生徒が持ってきている」との声も見られますが、ルールであることは間違いありません。服装や頭髪に関しても、定期的な検査が行われるようです。自由な校風を求める人には、少し窮屈に感じるかもしれません。
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生徒たちの雰囲気
全体的には「真面目」で「落ち着いた」雰囲気です。特に上位のSⅠ類コースは、勉強熱心な生徒が集まっています。コースやクラスによって多少雰囲気は異なりますが、学校全体として、学習に集中しやすい環境であると言えるでしょう。
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アルバイト
原則として禁止されているようです。また、土曜授業や補習、大量の宿題があるため、時間的にもアルバイトをするのは難しいでしょう。
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制服の評判
特に女子の制服は、クリーム色がかったセーラーブラウスが特徴的で、「かわいい」と非常に人気が高いです。全国の制服ランキングでも上位に選ばれることがあるほどで、制服に憧れて入学を決める生徒もいるようです。
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土曜授業
毎週土曜日も、午前中に3時限の授業が実施されています。これにより、豊富な授業時間を確保し、学力の定着を図っています。週末も学習リズムを崩したくない生徒にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
開智高等学校の部活動・イベント
部活動
開智高等学校では、学業が最優先されつつも、部活動にも力を入れています。運動部・文化部ともに充実しており、多くの生徒が文武両道を目指して活動に励んでいます。ただし、成績が振るわないと活動が制限されることもあるため、勉強との両立が求められます。
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男子バレーボール部
学校の顔とも言える存在で、全国的にその名を知られています。「春の高校バレー」全国大会の常連校であり、2021年には27年連続出場を果たすなど、輝かしい実績を誇ります。全校応援は一大イベントで、学校全体で選手たちを後押しします。
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男子硬式テニス部
男子バレーボール部と同様に、全国レベルで活躍する強豪部です。全国高等学校選抜テニス大会への出場経験もあり、高いレベルでテニスに打ち込みたい生徒に最適な環境です。
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その他の部活動
運動部ではサッカー部、バスケットボール部、陸上競技部などが、文化部では放送部、サイエンス部、書道部などが活発に活動しています。また、農芸部や鉄道研究会といったユニークなクラブも存在し、生徒の多様な興味に応えています。
イベント
勉強中心のイメージが強い開智高校ですが、生徒たちの思い出に残る学校行事も多彩です。
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文化祭(9月)
「開智祭」の一部として行われ、1年生は展示、2年生は舞台発表、3年生は模擬店と、学年ごとに役割が分かれています。クラブごとの発表や有志のパフォーマンスもあり、校内は活気に包まれます。ただし、一部の口コミでは、他の高校に比べて制約が多く、少し物足りなさを感じるという声もあります。
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体育祭(10月)
赤・青・黄・緑の4つのブロックに分かれて競い合います。各ブロックの応援団が披露する、趣向を凝らした迫力満点の応援合戦が見どころの一つです。高校3年生によるフォークダンスも伝統行事となっており、高校生活の良い思い出となるでしょう。
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修学旅行(6月)
高校2年生の時に、3泊4日で北海道へ行きます。雄大な自然を満喫できる体験プログラムが豊富に用意されており、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。
開智高等学校の進学実績
開智高等学校の最大の魅力は、なんといってもその高い大学進学実績です。特に国公立大学への現役合格に強く、毎年多くの生徒が難関大学への切符を手にしています。
2025年度入試では、国公立大学に170名(延べ人数)が合格するという素晴らしい結果を残しました。主な合格先は以下の通りです。
大学分類 | 主な大学名と合格者数(2025年度実績・延べ人数) |
国公立大学 | 大阪大学 9名、神戸大学 8名、和歌山県立医科大学 15名、大阪公立大学 13名、和歌山大学 44名など |
難関私立大学 | 関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)合計 192名、産近甲龍(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)合計 291名(うち近畿大学 226名) |
※上記は大学発表の延べ合格者数です。一人の生徒が複数の大学・学部に合格している場合があります。
この輝かしい実績は、学校の手厚い学習サポート体制の賜物です。その仕組みは、入学前から始まります。合格者には課題が与えられ、登校日に進捗を確認するなど、入学後の学習にスムーズに移行できるよう徹底した「初期指導」が行われます。
入学後も、1コマ60分の密度の濃い授業、土曜授業の実施による授業時間数の確保、日々の小テストによる知識の定着、そして個々の学力に応じた補習や講習など、学力を伸ばすための仕組みが整っています。口コミでも「塾に通わなくても学校のサポートだけで難関大学に合格できた」という声が見られるほど、学校全体で生徒の大学受験を強力にバックアップしています。
開智高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、開智高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを5つのポイントにまとめました。
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徹底した初期指導と万全の学習サポート体制
合格が決まった瞬間から開智の教育は始まります。入学前の課題や登校日での指導を通じて、高校での学習習慣を早期に確立します。入学後も、教員室前の「質問コーナー」や、個々のレベルに合わせた補習、静かで集中できる自習室など、生徒が「自ら学ぶ」姿勢を徹底的に支える環境が整っています。
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知的好奇心を刺激する独自の探究学習「ILP」
通常の教科学習の枠を超えた、生徒主体の学びの場「ILP(Independent Learning Programs)」が用意されています。韓国語、金融、アントレプレナーシップ(起業家精神)、哲学など、多彩な講座の中から自分の興味に合わせて選択でき、学ぶことの純粋な面白さを追求できます。
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世界を舞台に活躍するためのグローバル教育
英国、カナダ、オーストラリア、台湾など6つの国・地域での研修や交流プログラムが充実しています。語学力向上はもちろん、異文化理解や国際感覚を養い、将来、国際社会で活躍できる人材の育成を目指しています。
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全国レベルの部活動と学業を両立できる環境
学業が最優先される中でも、男子バレーボール部をはじめとする全国トップクラスの運動部が活躍しています。高い目標を持って勉強と部活動の両方で自分を磨きたい生徒にとって、非常に恵まれた環境です。
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清潔で機能的な学習施設と人気の制服
全教室にプロジェクターやWi-Fiが完備されるなど、ICT環境が整っています。また、多くの生徒から「きれいで集中できる」と評判の自習室や図書館、2つの体育館など、施設が非常に充実しています。加えて、デザイン性の高い人気の制服も、学校生活の満足度を高める大きな魅力の一つです。
開智高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
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良い点
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「勉強する環境としては県内随一。自習室は素晴らしく、テスト期間はすぐに席が埋まるほどみんなが集中している」
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「先生方はとても熱心。やる気のある生徒にはとことん付き合ってくれ、質問にも丁寧に対応してくれる」
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「学校のサポートが手厚いので、塾や予備校に行かなくても難関大学を目指せる体制が整っている」
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「施設が新しく清潔。特にトイレがきれいになったのは嬉しい」
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「真面目で志の高い友人に囲まれるので、自然と勉強へのモチベーションが上がる」
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気になる点
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「校則が厳しく、特にスマホ禁止は徹底されている。自由な高校生活をイメージしているとギャップを感じるかもしれない」
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「先生の質に当たり外れがあるように感じる。素晴らしい先生も多いが、高圧的だったり、質問しにくい先生もいる」
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「宿題や小テストが非常に多く、毎日課題に追われる感覚。ペースが速いので大変」
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「国公立大学進学を重視するあまり、SⅠ類コースとⅠ類コースで先生の熱意や対応に差があるように感じることがある」
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「文化祭などの行事は、他の高校と比べるとルールが多く、盛り上がりに欠けるという意見もある」
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アクセス・通学
開智高等学校への通学は、電車とバス、徒歩を組み合わせるのが一般的です。
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電車でのアクセス
最寄り駅は、JR阪和線の「六十谷駅」です。駅から東へ向かって徒歩約8分で学校に到着します。
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バスでのアクセス
複数のバス路線が利用可能です。
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和歌山バス「垂井」バス停で下車すると、学校は目の前です。
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2022年に、学校の目の前に和歌山バス那賀の「開智中学校・高等学校前」というバス停が新設されました。この路線はJR「紀伊駅」や近畿大学方面を結んでおり、これまでアクセスが不便だったエリアからの通学が格段に便利になりました。
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通学エリア
和歌山県内全域はもちろんのこと、アクセスの良さから大阪府の泉南市や阪南市といった南部エリアから通学している生徒も少なくありません。
開智高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、開智高等学校を目指す皆さんへ応援メッセージを送ります。
この学校は、「将来は難関大学に進学したい」という明確な目標を持ち、その実現のために努力を惜しまない生徒に特におすすめです。厳しい校則や大量の課題も、夢を叶えるためのステップだと前向きに捉えられる人なら、開智高等学校が提供する最高の学習環境を最大限に活用できるでしょう。逆に、のびのびとした自由な校風の中で高校生活を楽しみたいという人には、少し合わないかもしれません。
受験勉強では、5教科すべてで高いレベルが求められます。特に、入試問題は和歌山県の公立高校入試よりも難易度が高いと言われており、数学は最初の計算問題から手強いので、正確かつスピーディーに解く練習を徹底してください。基礎を完璧にした上で、応用問題に数多く挑戦し、思考力を鍛えることが合格への鍵となります。開智高等学校での3年間は、間違いなくあなたを大きく成長させてくれるはずです。自分の可能性を信じて、挑戦してください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。